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第1854話 終結に向かって
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綾乃は拠点のダンジョンからは動かず、専用機を向かわせるのかと思ったが……やはり向かわせないようだ。理由は分からないが、人造ゴーレムたちから送られてくる映像を見ている。
ライガは王城の門を吹っ飛ばして、ズンズンと中へ進んでいく。いろんな方向から攻撃をされているが、物ともせずに攻撃をすべて撃ち落とし、近くの者には掌底など死なない程度の手加減で攻撃している。中には打ちどころ、吹っ飛びどころが悪く死んでしまっている者もいるが、雑魚は死んでも構わないので気にしない。
気になるのは、遠距離から矢なので攻撃された際の反撃方法だ。近くの壁を砕いて、全力で投げる物だから半数位が死んでいる。隠れたりして撃っているため、当てられる所が致命傷になる場合が多いのだ。特に頭とか首に当たれば、ほぼ即死。
それより、ライガの膂力で石を投げれば、レベル100位の人間位なら簡単に死ぬんだな。投擲スキルが何か効果を発揮してたりするのだろうか?
ライガは次々とマーカーのついている人間を、捕まえて輸送用の馬車へ連れていかせている。S級スケルトンたちが慌ただしく走り回っているのは、ライガの後始末みたいなものだな。人造ゴーレムは輸送とカメラ担当みたいになっている。
思ったより大きな城だな。小国の王城だと思って舐めてたわ。中では1000人ほどが働いている位大きかった。それ以上に、王族のプライベートエリアが広かったけどな。
マーカーの多く付いている人間が集まっている部屋の近くに、ライガが到着する。この部屋は、お偉方が集まっているみたいだ。結構レベルの高い兵士だか騎士が守っているので、重要な人物たちが多いのだろう。
そんな護衛でも、ライガの手にかかれば……鎧袖一触なので、野原を散歩しているかの如く進んでいく。敵に回ったら怖いが、味方であれば頼もしい奴である。
扉を蹴り飛ばしてライガが部屋の中へ入る。何やら罵声を浴びせているが、ライガに数の暴力は通じない。そもそも、王城の中にいる人間が1000人ほどで、戦える人間が1割程度なので数の暴力にすらなっていない。
マーカーのついている人間は殴らずに、腕や足を掴み握りつぶしているな。あれなら、間違っても即死は無いからな。即死じゃなければS級スケルトンたちが、後始末の一環で治療して、人造ゴーレムが馬車に運んでいけるから問題なし。
マーカーのついた人間を8割ほど捕らえた所で、綾乃が専用機を動かすコックピットを模したゲージの中へ入った。気になったので、何をするか聞いてみたら……
『ライガが全員捕らえたら、警告を出して王城を潰すから、その準備を始めるのよ!』
と鼻息を荒くして答えてくれた。
王城を潰す? 魔法で潰すなら専用機の必要はないし……専用機でどうやって王城を潰すのだろう? 王城まで乗り込んで暴れるのか?
タイガの方は危なげなく捕えているが、何人かオーバーキルしているみたいなんだよな……目を離した隙にオーバーキルをしていたので、理由が分かっていない。
綾乃の準備も時間がかかるみたいなので、録画映像を……って、なるほどね。これが理由ならオーバーキルする理由は分かるな。
ライガにオーバーキルされた人間は、目の前で酷いことをされていたり、人質に取ろうとした瞬間に頭がはじけ飛ぶほどの力で殴り殺されていたのだ。それが人間の奴隷とかなら話は変わったかもしれないが、獣人だったのが運の尽きだろう。
アホなお偉方の中には、メイドなどを人質に止まるように命令していたが、ライガが止まるわけもなく自棄を起こして殺そうとして、その前に手加減された攻撃をくらいノックダウン……そもそも、自分の国の人間を人質に取って殺そうとするとか、バカなのかね?
そんなことも分からないから、獣人を虐げ酷い仕打ちができるのだろう。
おっと、綾乃が何を準備しているかと思えば、収納の箱の中にしまっていたと思われる鉄球を、地面に並べていた。その数……パッと見ても10個ほど並べている。これをどうするつもりなんだ? 多分20キログラムほどの重さじゃないかと思う……
並べるにしても、ほとんど隙間が無いけど理由があるのかね?
動きが止まったかと思うと、専用機が何か大きなものを取り出した。俺にはすぐに何かわかった。筒状の物が王都側に伸び、反対側は何やらゴテゴテしていてアンカーのようなものがある。固定砲台として使う大砲のような物だろう。
じゃあ鉄球は、砲弾ってことか? 丸くてもきちんと飛ぶのかね? とか思っていたら、人造ゴーレムが何やら取り出してその中へ鉄球を入れていく。ガチャン! と音がしそうな感じでレバーを下げて、元に戻すとその中から出てきたのは、先のとがった砲弾だった。
何で初めから砲弾の形にしておかなかったのだろう? 後で理由を聞いたら笑い話だった。砲弾を入れた収納の箱と、鉄球を入れた収納の箱を間違えて持って来ていたらしい。試し撃ちする10個の砲弾を先に準備させて、色々している間に残りの砲弾を準備するようだ。
弾道計算をできるように、専用のスパコンを準備しており、それとリンクさせている。
準備が整ったところで、試し撃ちとして人がいないエリアに向かって、砲弾を撃ち出した。
その様子を人造ゴーレムで見ていたが、動体視力が上がっているためか、弾丸の軌道が普通に見えてしまった。でもそれは、動体視力の所為ではなく、弾丸が大きく弾速も遅かっただけなのだ。
動体視力がよくなっている部分もあるのだが、一番はそんな速度で撃ち出すと王城に着弾しないために、弾速を抑えて山なりに撃ち出した形である。
綾乃は不満のようだ。威力が弱すぎる、王城を潰すために何発撃たなきゃいけないんだ! とキレていた。知らんがな! って突っ込みたかったが、放置する。つか、貫通力が高すぎて壊すのに向いてねえんだよな。
綾乃もそれを理解したのか、弾丸の準備を止めさせてゲージから出て何か作業を始めた。
監視しようとしていた人造ゴーレムが、追い出されてしまい結局何をしていたのか分からないまま時間が過ぎて、1分後に出てきた。
操縦用のゲージではなく、ダンジョンの外へ出て専用機に近付き、砲塔にクリエイトゴーレムを使い筒の穴を広げていた。砲身が多少短くなったが、直径で言うと3割ほど大きくなったかな? そこへ先ほど作ったと思われる弾丸をセットした。
弾丸を大きくしても、貫通力が高いから広範囲は壊せないんじゃないか?
綾乃が専用機に向かって何かを言うと、弾丸が発射された。先ほどと同じで視認できる速度だった。でも結果が違った。
先ほどは、貫通して穴だけ開いてしまったのだが、今回の弾丸は見事に広範囲で建物を壊すことに成功した。門を壊したとき以上の轟音が響いていた……
ライガは王城の門を吹っ飛ばして、ズンズンと中へ進んでいく。いろんな方向から攻撃をされているが、物ともせずに攻撃をすべて撃ち落とし、近くの者には掌底など死なない程度の手加減で攻撃している。中には打ちどころ、吹っ飛びどころが悪く死んでしまっている者もいるが、雑魚は死んでも構わないので気にしない。
気になるのは、遠距離から矢なので攻撃された際の反撃方法だ。近くの壁を砕いて、全力で投げる物だから半数位が死んでいる。隠れたりして撃っているため、当てられる所が致命傷になる場合が多いのだ。特に頭とか首に当たれば、ほぼ即死。
それより、ライガの膂力で石を投げれば、レベル100位の人間位なら簡単に死ぬんだな。投擲スキルが何か効果を発揮してたりするのだろうか?
ライガは次々とマーカーのついている人間を、捕まえて輸送用の馬車へ連れていかせている。S級スケルトンたちが慌ただしく走り回っているのは、ライガの後始末みたいなものだな。人造ゴーレムは輸送とカメラ担当みたいになっている。
思ったより大きな城だな。小国の王城だと思って舐めてたわ。中では1000人ほどが働いている位大きかった。それ以上に、王族のプライベートエリアが広かったけどな。
マーカーの多く付いている人間が集まっている部屋の近くに、ライガが到着する。この部屋は、お偉方が集まっているみたいだ。結構レベルの高い兵士だか騎士が守っているので、重要な人物たちが多いのだろう。
そんな護衛でも、ライガの手にかかれば……鎧袖一触なので、野原を散歩しているかの如く進んでいく。敵に回ったら怖いが、味方であれば頼もしい奴である。
扉を蹴り飛ばしてライガが部屋の中へ入る。何やら罵声を浴びせているが、ライガに数の暴力は通じない。そもそも、王城の中にいる人間が1000人ほどで、戦える人間が1割程度なので数の暴力にすらなっていない。
マーカーのついている人間は殴らずに、腕や足を掴み握りつぶしているな。あれなら、間違っても即死は無いからな。即死じゃなければS級スケルトンたちが、後始末の一環で治療して、人造ゴーレムが馬車に運んでいけるから問題なし。
マーカーのついた人間を8割ほど捕らえた所で、綾乃が専用機を動かすコックピットを模したゲージの中へ入った。気になったので、何をするか聞いてみたら……
『ライガが全員捕らえたら、警告を出して王城を潰すから、その準備を始めるのよ!』
と鼻息を荒くして答えてくれた。
王城を潰す? 魔法で潰すなら専用機の必要はないし……専用機でどうやって王城を潰すのだろう? 王城まで乗り込んで暴れるのか?
タイガの方は危なげなく捕えているが、何人かオーバーキルしているみたいなんだよな……目を離した隙にオーバーキルをしていたので、理由が分かっていない。
綾乃の準備も時間がかかるみたいなので、録画映像を……って、なるほどね。これが理由ならオーバーキルする理由は分かるな。
ライガにオーバーキルされた人間は、目の前で酷いことをされていたり、人質に取ろうとした瞬間に頭がはじけ飛ぶほどの力で殴り殺されていたのだ。それが人間の奴隷とかなら話は変わったかもしれないが、獣人だったのが運の尽きだろう。
アホなお偉方の中には、メイドなどを人質に止まるように命令していたが、ライガが止まるわけもなく自棄を起こして殺そうとして、その前に手加減された攻撃をくらいノックダウン……そもそも、自分の国の人間を人質に取って殺そうとするとか、バカなのかね?
そんなことも分からないから、獣人を虐げ酷い仕打ちができるのだろう。
おっと、綾乃が何を準備しているかと思えば、収納の箱の中にしまっていたと思われる鉄球を、地面に並べていた。その数……パッと見ても10個ほど並べている。これをどうするつもりなんだ? 多分20キログラムほどの重さじゃないかと思う……
並べるにしても、ほとんど隙間が無いけど理由があるのかね?
動きが止まったかと思うと、専用機が何か大きなものを取り出した。俺にはすぐに何かわかった。筒状の物が王都側に伸び、反対側は何やらゴテゴテしていてアンカーのようなものがある。固定砲台として使う大砲のような物だろう。
じゃあ鉄球は、砲弾ってことか? 丸くてもきちんと飛ぶのかね? とか思っていたら、人造ゴーレムが何やら取り出してその中へ鉄球を入れていく。ガチャン! と音がしそうな感じでレバーを下げて、元に戻すとその中から出てきたのは、先のとがった砲弾だった。
何で初めから砲弾の形にしておかなかったのだろう? 後で理由を聞いたら笑い話だった。砲弾を入れた収納の箱と、鉄球を入れた収納の箱を間違えて持って来ていたらしい。試し撃ちする10個の砲弾を先に準備させて、色々している間に残りの砲弾を準備するようだ。
弾道計算をできるように、専用のスパコンを準備しており、それとリンクさせている。
準備が整ったところで、試し撃ちとして人がいないエリアに向かって、砲弾を撃ち出した。
その様子を人造ゴーレムで見ていたが、動体視力が上がっているためか、弾丸の軌道が普通に見えてしまった。でもそれは、動体視力の所為ではなく、弾丸が大きく弾速も遅かっただけなのだ。
動体視力がよくなっている部分もあるのだが、一番はそんな速度で撃ち出すと王城に着弾しないために、弾速を抑えて山なりに撃ち出した形である。
綾乃は不満のようだ。威力が弱すぎる、王城を潰すために何発撃たなきゃいけないんだ! とキレていた。知らんがな! って突っ込みたかったが、放置する。つか、貫通力が高すぎて壊すのに向いてねえんだよな。
綾乃もそれを理解したのか、弾丸の準備を止めさせてゲージから出て何か作業を始めた。
監視しようとしていた人造ゴーレムが、追い出されてしまい結局何をしていたのか分からないまま時間が過ぎて、1分後に出てきた。
操縦用のゲージではなく、ダンジョンの外へ出て専用機に近付き、砲塔にクリエイトゴーレムを使い筒の穴を広げていた。砲身が多少短くなったが、直径で言うと3割ほど大きくなったかな? そこへ先ほど作ったと思われる弾丸をセットした。
弾丸を大きくしても、貫通力が高いから広範囲は壊せないんじゃないか?
綾乃が専用機に向かって何かを言うと、弾丸が発射された。先ほどと同じで視認できる速度だった。でも結果が違った。
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