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第1839話 落ち着けないのか?
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奴隷の件を話した次の日。俺はグリエルたちに連れられて、ゴーストタウンに来ている。
何でゴーストタウンに来ているかというと、特に深い意味はないのだが、グリエルたちがたまには庁舎を出て現場を見て回るのもいいのではないか? ということで、ゴーストタウンに足を運んでいる。
「それにしても、知らないうちにゴーストタウンって、かなり大きくなってたんだな。数字で見ていたつもりではあるけど、改めて意識をして確認すると……この街を発掘したときの2倍とは言わないけど、かなり広くなってるよな。人口も20万位になってるんだっけ?」
「そうですね。冒険者や商人の流入を考えれば、20万は超えているかもしれないですが、住人として登録しているのは、19万ちょっとですね」
「少し前に10万を超えたって聞いた気がするけど、もう20万になりそうなのか。三大国の首都程ではないけど、それに迫る勢いで人口が増えているんだな」
「食糧関係の需要が満たせるようになってきているためか、各国で餓死者が減っているらしいです。一番活躍しているのは、シュウ様の商会なんですけどね。商会がある街では、街の周囲の土壌改善なども行っていますので、収穫が増えているようですしね」
「そういう報告も上がってたな。後は、この街の骨のおかげでもあるんだっけ? バザールが、眠らない労働力を駆使して、畜産と農業に力を入れているからな。あいつ1人でこの街だけじゃなく、俺の管理している街全ての需要を満たせるんだからな……やりすぎやろ」
「確かに恐ろしいほどの生産量ですが、そのおかげで飢えて亡くなる子どもが減るのは、良い事ではないですか? 縁が無くて働けず、子どもを手放したり心中したりする数が減るのは、良い事だと思いますよ。そういった人を商会の人間がスカウトして、シュウ様の街の人口が爆発的に増えているわけですし」
「そうだったな。今までは、街のキャパを超えない所で推移していた人口がキャパをオーバーして、街が困っているからスカウトしているんだったな。街を拡張すればいいだけなのに、なんでそれをしないのかね?」
「分かっていて言ってると思いますが、オーバーに合わせて街を広げている所もありますよ。ですが、住人のために金を使わない領主も多く、広げるくらいなら役に立たない人間は追放する輩が多すぎるんです」
街の中にいても、税金を払えない人たちは存在している。スラムの人たちだったり、配偶者に先立たれたり、怪我で働けなくなったり、理由は様々だ。
どうしようもない理由でなければ、無理にどうこうしようとしない領主もいるのだが、街にいても邪魔と考える領主もいるわけだ。奴隷に落とすにも問題があるので、税金を滞納したという理由で追放処分を下す領主もいるんだよな。
酷いのになると、兵士として働いていた旦那が、領主の命令で魔物退治に出かけ、不利な状況になり文字通り命を懸けて殿を務めたのに、税金が払えなくなったからと言って、その奥さんと子どもを追放する……なんて話もあるくらいだからな。
本当に理不尽な世界だと思う。
俺1人じゃ何もできないけど、俺の持っている力を部下たちが使って、救える人……救うべき人たちを救ってくれているのであれば、偽善と言われようと構わないだろう。
「大きく変わった部分もあるけど、領主館付近は変わらないな」
「この街を再建する際に、新しく建てた建物ばかりですからね。それに、住居エリアは離れているから、変わりようが無いですよ。特にこちら側は、商売をしやすいように、商会などの事務所を誘致している場所ですからね」
初めは、住居エリアも領主館の近くにあったのだが、住人が増えてきた時に効率が悪くって来たので、住居に使われていたエリアを買い上げて、新しい所へ移動してもらったんだよな。元々あった建物を改装して、事務所として売り出したんだったな。
初期のころの建物は、破棄が出来なかったからDPで改修するしかなかったんだよな。今は、建物だけ破棄して建築関係の仕事も盛んだけどな。一部の建物はダンジョンのオブジェクトとして、認識させたままだったりするけどね。
領主館とか、俺の商会の建物なんかは、メンテナンスを考えて一体化させてるんだよな。後は、公共施設の大半はダンジョンのオブジェクトとして認識させている。改装する際は、破棄してから改装して、また掌握する……という流れでやっている。
街の建物全部をそうすればいいと思うだろうけど、毎回この流れを踏むのは面倒なので、公共施設だけを掌握している。
「商会って、俺の以外にも結構あるのか?」
「もちろんです。三大国それぞれに太いパイプのある商会だったり、ある地域限定で活動していたり、色々な特徴を持った商会が多数事務所を構えていますよ」
「ここが本拠地ってわけじゃないだろうけど、自分の得意なエリアから離れた場所に事務所を作って、意味があるのかね?」
「三大国から見れば中心にありますし、情報が沢山入ってきますからね。本当に離れた場所で活躍していない限りは、ここに来る意味もありますよ。それにシュウ様の商会は、食料品と治療院、孤児院が中心ですからね。それ以外を扱っている商会は、結構事務所を構えてますよ」
そういえば、俺の商会は食料品以外はほとんど売らなくなったんだったな。食料品以外もやってしまうと、街に根付いている商会なんかを、軒並み潰してしまうので食料に限定しているんだっけな。
食料を扱っていると言っても、最近は卸売りを中心にしているんだっけ? 小売店……八百屋なんかに持ち込まれていた、農家の人たちの生産物をうちの商会で一手に引き受けて、小売店の人たちが商会に買いに来る感じなんだよね。
小売店も農家の人たちを一人ひとり相手にするのは大変だし、農家の人も買ってくれる小売店を探すのが大変なので、一手に引き受けてくれる俺の商会を重宝してくれているそうだ。
農家では売れ残りが無くなり破棄する野菜が減り収入が増え、小売店は細々とかかっていた買い取り作業が減り、食品ロスが減っているので、食料が全体に行き渡りやすくなってるんだってな。
何より、俺の商会には時間経過の無い収納の箱が設置されているので、供給が多く安くなってしまう食料も一定以上の値段で買い取れるのが強みだ。余れば時期をずらして売ってもいいし、足りない街へ運んでもいい。保管という部分だけは、地球より上である。
いくつかの商会を見て回ったが、色々と特徴があって面白かったな。後、複数の小さな商会が共同で事務所を構えていたりするんだな。
のんびりと領主館に向かっていると、不意に魔力の高まりを感じた!
何でゴーストタウンに来ているかというと、特に深い意味はないのだが、グリエルたちがたまには庁舎を出て現場を見て回るのもいいのではないか? ということで、ゴーストタウンに足を運んでいる。
「それにしても、知らないうちにゴーストタウンって、かなり大きくなってたんだな。数字で見ていたつもりではあるけど、改めて意識をして確認すると……この街を発掘したときの2倍とは言わないけど、かなり広くなってるよな。人口も20万位になってるんだっけ?」
「そうですね。冒険者や商人の流入を考えれば、20万は超えているかもしれないですが、住人として登録しているのは、19万ちょっとですね」
「少し前に10万を超えたって聞いた気がするけど、もう20万になりそうなのか。三大国の首都程ではないけど、それに迫る勢いで人口が増えているんだな」
「食糧関係の需要が満たせるようになってきているためか、各国で餓死者が減っているらしいです。一番活躍しているのは、シュウ様の商会なんですけどね。商会がある街では、街の周囲の土壌改善なども行っていますので、収穫が増えているようですしね」
「そういう報告も上がってたな。後は、この街の骨のおかげでもあるんだっけ? バザールが、眠らない労働力を駆使して、畜産と農業に力を入れているからな。あいつ1人でこの街だけじゃなく、俺の管理している街全ての需要を満たせるんだからな……やりすぎやろ」
「確かに恐ろしいほどの生産量ですが、そのおかげで飢えて亡くなる子どもが減るのは、良い事ではないですか? 縁が無くて働けず、子どもを手放したり心中したりする数が減るのは、良い事だと思いますよ。そういった人を商会の人間がスカウトして、シュウ様の街の人口が爆発的に増えているわけですし」
「そうだったな。今までは、街のキャパを超えない所で推移していた人口がキャパをオーバーして、街が困っているからスカウトしているんだったな。街を拡張すればいいだけなのに、なんでそれをしないのかね?」
「分かっていて言ってると思いますが、オーバーに合わせて街を広げている所もありますよ。ですが、住人のために金を使わない領主も多く、広げるくらいなら役に立たない人間は追放する輩が多すぎるんです」
街の中にいても、税金を払えない人たちは存在している。スラムの人たちだったり、配偶者に先立たれたり、怪我で働けなくなったり、理由は様々だ。
どうしようもない理由でなければ、無理にどうこうしようとしない領主もいるのだが、街にいても邪魔と考える領主もいるわけだ。奴隷に落とすにも問題があるので、税金を滞納したという理由で追放処分を下す領主もいるんだよな。
酷いのになると、兵士として働いていた旦那が、領主の命令で魔物退治に出かけ、不利な状況になり文字通り命を懸けて殿を務めたのに、税金が払えなくなったからと言って、その奥さんと子どもを追放する……なんて話もあるくらいだからな。
本当に理不尽な世界だと思う。
俺1人じゃ何もできないけど、俺の持っている力を部下たちが使って、救える人……救うべき人たちを救ってくれているのであれば、偽善と言われようと構わないだろう。
「大きく変わった部分もあるけど、領主館付近は変わらないな」
「この街を再建する際に、新しく建てた建物ばかりですからね。それに、住居エリアは離れているから、変わりようが無いですよ。特にこちら側は、商売をしやすいように、商会などの事務所を誘致している場所ですからね」
初めは、住居エリアも領主館の近くにあったのだが、住人が増えてきた時に効率が悪くって来たので、住居に使われていたエリアを買い上げて、新しい所へ移動してもらったんだよな。元々あった建物を改装して、事務所として売り出したんだったな。
初期のころの建物は、破棄が出来なかったからDPで改修するしかなかったんだよな。今は、建物だけ破棄して建築関係の仕事も盛んだけどな。一部の建物はダンジョンのオブジェクトとして、認識させたままだったりするけどね。
領主館とか、俺の商会の建物なんかは、メンテナンスを考えて一体化させてるんだよな。後は、公共施設の大半はダンジョンのオブジェクトとして認識させている。改装する際は、破棄してから改装して、また掌握する……という流れでやっている。
街の建物全部をそうすればいいと思うだろうけど、毎回この流れを踏むのは面倒なので、公共施設だけを掌握している。
「商会って、俺の以外にも結構あるのか?」
「もちろんです。三大国それぞれに太いパイプのある商会だったり、ある地域限定で活動していたり、色々な特徴を持った商会が多数事務所を構えていますよ」
「ここが本拠地ってわけじゃないだろうけど、自分の得意なエリアから離れた場所に事務所を作って、意味があるのかね?」
「三大国から見れば中心にありますし、情報が沢山入ってきますからね。本当に離れた場所で活躍していない限りは、ここに来る意味もありますよ。それにシュウ様の商会は、食料品と治療院、孤児院が中心ですからね。それ以外を扱っている商会は、結構事務所を構えてますよ」
そういえば、俺の商会は食料品以外はほとんど売らなくなったんだったな。食料品以外もやってしまうと、街に根付いている商会なんかを、軒並み潰してしまうので食料に限定しているんだっけな。
食料を扱っていると言っても、最近は卸売りを中心にしているんだっけ? 小売店……八百屋なんかに持ち込まれていた、農家の人たちの生産物をうちの商会で一手に引き受けて、小売店の人たちが商会に買いに来る感じなんだよね。
小売店も農家の人たちを一人ひとり相手にするのは大変だし、農家の人も買ってくれる小売店を探すのが大変なので、一手に引き受けてくれる俺の商会を重宝してくれているそうだ。
農家では売れ残りが無くなり破棄する野菜が減り収入が増え、小売店は細々とかかっていた買い取り作業が減り、食品ロスが減っているので、食料が全体に行き渡りやすくなってるんだってな。
何より、俺の商会には時間経過の無い収納の箱が設置されているので、供給が多く安くなってしまう食料も一定以上の値段で買い取れるのが強みだ。余れば時期をずらして売ってもいいし、足りない街へ運んでもいい。保管という部分だけは、地球より上である。
いくつかの商会を見て回ったが、色々と特徴があって面白かったな。後、複数の小さな商会が共同で事務所を構えていたりするんだな。
のんびりと領主館に向かっていると、不意に魔力の高まりを感じた!
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