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第1827話 名付けに苦労
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「さて、問題がある。どうしたものか……」
俺は隷属させた青龍の前で悩んでいる。妻たちも俺が何に悩んでいるか、今回は分からない様子で首を傾げている。
「シュウさん、青龍に何か問題でもあるんですか?」
そう聞いてきたのは、ソフィーだ。好奇心に負けて、一番初めに聞いてきたようだ。他の妻たちも気になっていたようで、俺が何を言うかこちらを見ている。
ダマ、シエル、グレンは、同僚である青龍に何か問題があるのか? と戦々恐々している。
お前たち、青龍には何もないから安心してくれ。
「問題というか……質問してきたソフィーに聞きたい。こいつの見た目を、言葉にしてくれ。色や形とか全部ね」
「えっと……ニョロニョロの蛇? 青い……くらいかな?」
「そう、蛇のような見た目と、青いよな。さて、みんな思い出してくれ……」
俺がそう言っても、何を思い出していいのか分からないから、みんなで首を傾げている。その中に娘たちもいて、その仕草が可愛いな。
「シュウ君、娘たちが可愛いって言うのは分かってるから、話を進めてくれないかな?」
おっと、ミリーに怒られてしまった。
「思い出してほしいのは、俺の名付けのセンスの無さだ! クロにギン、コウにソウ、ニコにハク。見た目や特に色を中心に名付けているだろ? で、こいつの見た目が問題なのだ」
そう言われて、青龍に視線を戻した妻たちと娘たち。でも、何が問題なのか分かっていない様子だ。
「シュウ、周りくどいことを言わないで、ストレートに言ってくれないかな?」
カエデが呆れたように、俺をジト目で見てくる。
「分かったから、その目は止めてくれ。シリウス君、こっちに来てくれ。蛇って言ったらあれだけど、見た目はこっちに似ているだろ? そして、色……青だぜ青。青にちなんだ名前を付けたら、キツネたちが何をするか分からんぞ」
俺が言ったキツネたちという言葉で、全員が納得した顔をする。そして、名付けの難しさが問題なのだと気付いてくれた。
「確かに、それは本当に問題ね。シュウが問題なかったとしても、絶対にソウが怒るわね。それのとばっちりを受けるのは絶対に青龍……そして、仲間の聖獣のダマ、シエル、グレンも対象になるかもね」
俺が言った事が伝わり、何が問題なのかを声に出してくれたのは、リンドだった。
青龍は良く分かっていないが、ダマ、シエル、グレンの3匹は、動物の顔を器用に使って絶望を表現していた。
うちの従魔たちは序列があるみたいで、従魔の中でトップなのがメグちゃんだ。これは、問答無用で力で他の従魔たちを従えている。まぁトップではあるが、何かをするわけではない。雑務を押し付けられるのが面倒だったので、全員を叩きのめしたのだ。だから、従魔のトップで娘たちの近くによくいるのだ。
その次がニコとハク。この2匹は、俺のペットだからな。地位が高いのだ。
クロ・ギン⇒コウ・ソウ⇒ミリーの従魔たち⇒バッハ⇒ワイバーン家族⇒ダマ・シエル・グレン・シリウス君⇒テト・ライ・ランといった感じだろう。まぁ、スライムや従魔以外を入れると、またややこしいということになるのだが……ちなみに猫たちとフブキは、バッハの上でミリーの従魔たちと同格だ。
他にも従魔は沢山いるが、そいつらはこの序列の外にいるし、専門の仕事がある。分かりやすいのは、ウォーホースだろう。馬車を引いたりする仕事だ。
「とーたん、それなら私たちが名前つけていい?」
「それは、やめておいた方が良いな。自分たちで隷属させたのなら、文句は出ないと思うけど、俺が隷属させた青龍にお前たちが名付けをすると……他の従魔たちが暴れる。もしくは、青龍が再起不能になる可能性があるから、やめた方が良いな」
娘たちが、そっかーといって残念がっていた。
娘たちは気付いていないが、ついてきた従魔たち全員が青龍に向かって殺気を放ち、その殺気にあてられて気絶してしまっている。娘たちに影響を与えないように、殺気を放つ高等テクニックを覚えたんだ?
「そういうことだから、名前は俺が考えるよ」
そう言ったものの、どうするべか……困ったのう。
見た目や色からは、どうにもならないから……
「っと、その前に、青龍ってオス? メス?」
『こいつは、オスです』
青龍はオスなのか……ダマとシエルがメスで、グレンと青龍がオスか。オスっぽい名前を考えるべきか? ん~青はダメだけど、龍にちなんだ名前ってまだなかったな? いや、待てよ……ブルムの名前を考える時に、リンドブルムからとったんだったな。
でも、違う龍からとるなら問題ないか。
いや待てよ、青龍も龍の名前になるんだから、他の龍の名前を付けるのは……絶対におかしいな。よし、こうなれば……ペットの名前本! こいつを使って、こいつにあった名前が出たら、それに決めてやろう。
パラパラとページをめくっていき、止めた最初のペットの名前は……レオン。オスの名前だな。見た目的にはレオンっぽい要素は無いけど、そんなこと言ってたら名前なんて決まらないよな。そもそも、レオンっぽい要素ってなんだ? Mハゲか? それは映画に影響されすぎだな。
「よし、決めた。お前の名前は、レオンな」
『やはり、自分の名前だけ、他の聖獣たちと違う……』
そこ、凹むな。だって、お前猫だし、タマさすがにって思って、もこもこ毛玉からダマにしたんだから、見た目でつけられているしっかりとした名前だぞ!
そんなことを考えていたら、ダマに脛を甘噛みされた。首根っこを掴み持ち上げ、小脇に抱えて移動することにした。
そもそも、青龍はここに何でいたんだ? 疑問に思ったので聞いてもらったら、リバイアサンのメグちゃんがいたあの穴倉にこいつもいたらしい。そして、メグちゃんがいたので、息をひそめて寝ていたらいつの間にかいなくなっていて、最近あの穴倉から出てきてここに来たそうだ。
そう言われれば、あの穴倉とここって繋がってるんだったな。何百年ぶりかに美味しい食事を食べて、深海で眠っていたら……メグちゃんとは別のリバイアサン、シリウス君に一本釣りをされてガクブルしていたようだ。
よし、そんなお前には、シルキー特性従魔フードを出してやろう。シリウス君より一回り小さな蛇が、がつがつと従魔フードを食っている。やっぱり、お前にも美味しく感じるんだな。
俺は隷属させた青龍の前で悩んでいる。妻たちも俺が何に悩んでいるか、今回は分からない様子で首を傾げている。
「シュウさん、青龍に何か問題でもあるんですか?」
そう聞いてきたのは、ソフィーだ。好奇心に負けて、一番初めに聞いてきたようだ。他の妻たちも気になっていたようで、俺が何を言うかこちらを見ている。
ダマ、シエル、グレンは、同僚である青龍に何か問題があるのか? と戦々恐々している。
お前たち、青龍には何もないから安心してくれ。
「問題というか……質問してきたソフィーに聞きたい。こいつの見た目を、言葉にしてくれ。色や形とか全部ね」
「えっと……ニョロニョロの蛇? 青い……くらいかな?」
「そう、蛇のような見た目と、青いよな。さて、みんな思い出してくれ……」
俺がそう言っても、何を思い出していいのか分からないから、みんなで首を傾げている。その中に娘たちもいて、その仕草が可愛いな。
「シュウ君、娘たちが可愛いって言うのは分かってるから、話を進めてくれないかな?」
おっと、ミリーに怒られてしまった。
「思い出してほしいのは、俺の名付けのセンスの無さだ! クロにギン、コウにソウ、ニコにハク。見た目や特に色を中心に名付けているだろ? で、こいつの見た目が問題なのだ」
そう言われて、青龍に視線を戻した妻たちと娘たち。でも、何が問題なのか分かっていない様子だ。
「シュウ、周りくどいことを言わないで、ストレートに言ってくれないかな?」
カエデが呆れたように、俺をジト目で見てくる。
「分かったから、その目は止めてくれ。シリウス君、こっちに来てくれ。蛇って言ったらあれだけど、見た目はこっちに似ているだろ? そして、色……青だぜ青。青にちなんだ名前を付けたら、キツネたちが何をするか分からんぞ」
俺が言ったキツネたちという言葉で、全員が納得した顔をする。そして、名付けの難しさが問題なのだと気付いてくれた。
「確かに、それは本当に問題ね。シュウが問題なかったとしても、絶対にソウが怒るわね。それのとばっちりを受けるのは絶対に青龍……そして、仲間の聖獣のダマ、シエル、グレンも対象になるかもね」
俺が言った事が伝わり、何が問題なのかを声に出してくれたのは、リンドだった。
青龍は良く分かっていないが、ダマ、シエル、グレンの3匹は、動物の顔を器用に使って絶望を表現していた。
うちの従魔たちは序列があるみたいで、従魔の中でトップなのがメグちゃんだ。これは、問答無用で力で他の従魔たちを従えている。まぁトップではあるが、何かをするわけではない。雑務を押し付けられるのが面倒だったので、全員を叩きのめしたのだ。だから、従魔のトップで娘たちの近くによくいるのだ。
その次がニコとハク。この2匹は、俺のペットだからな。地位が高いのだ。
クロ・ギン⇒コウ・ソウ⇒ミリーの従魔たち⇒バッハ⇒ワイバーン家族⇒ダマ・シエル・グレン・シリウス君⇒テト・ライ・ランといった感じだろう。まぁ、スライムや従魔以外を入れると、またややこしいということになるのだが……ちなみに猫たちとフブキは、バッハの上でミリーの従魔たちと同格だ。
他にも従魔は沢山いるが、そいつらはこの序列の外にいるし、専門の仕事がある。分かりやすいのは、ウォーホースだろう。馬車を引いたりする仕事だ。
「とーたん、それなら私たちが名前つけていい?」
「それは、やめておいた方が良いな。自分たちで隷属させたのなら、文句は出ないと思うけど、俺が隷属させた青龍にお前たちが名付けをすると……他の従魔たちが暴れる。もしくは、青龍が再起不能になる可能性があるから、やめた方が良いな」
娘たちが、そっかーといって残念がっていた。
娘たちは気付いていないが、ついてきた従魔たち全員が青龍に向かって殺気を放ち、その殺気にあてられて気絶してしまっている。娘たちに影響を与えないように、殺気を放つ高等テクニックを覚えたんだ?
「そういうことだから、名前は俺が考えるよ」
そう言ったものの、どうするべか……困ったのう。
見た目や色からは、どうにもならないから……
「っと、その前に、青龍ってオス? メス?」
『こいつは、オスです』
青龍はオスなのか……ダマとシエルがメスで、グレンと青龍がオスか。オスっぽい名前を考えるべきか? ん~青はダメだけど、龍にちなんだ名前ってまだなかったな? いや、待てよ……ブルムの名前を考える時に、リンドブルムからとったんだったな。
でも、違う龍からとるなら問題ないか。
いや待てよ、青龍も龍の名前になるんだから、他の龍の名前を付けるのは……絶対におかしいな。よし、こうなれば……ペットの名前本! こいつを使って、こいつにあった名前が出たら、それに決めてやろう。
パラパラとページをめくっていき、止めた最初のペットの名前は……レオン。オスの名前だな。見た目的にはレオンっぽい要素は無いけど、そんなこと言ってたら名前なんて決まらないよな。そもそも、レオンっぽい要素ってなんだ? Mハゲか? それは映画に影響されすぎだな。
「よし、決めた。お前の名前は、レオンな」
『やはり、自分の名前だけ、他の聖獣たちと違う……』
そこ、凹むな。だって、お前猫だし、タマさすがにって思って、もこもこ毛玉からダマにしたんだから、見た目でつけられているしっかりとした名前だぞ!
そんなことを考えていたら、ダマに脛を甘噛みされた。首根っこを掴み持ち上げ、小脇に抱えて移動することにした。
そもそも、青龍はここに何でいたんだ? 疑問に思ったので聞いてもらったら、リバイアサンのメグちゃんがいたあの穴倉にこいつもいたらしい。そして、メグちゃんがいたので、息をひそめて寝ていたらいつの間にかいなくなっていて、最近あの穴倉から出てきてここに来たそうだ。
そう言われれば、あの穴倉とここって繋がってるんだったな。何百年ぶりかに美味しい食事を食べて、深海で眠っていたら……メグちゃんとは別のリバイアサン、シリウス君に一本釣りをされてガクブルしていたようだ。
よし、そんなお前には、シルキー特性従魔フードを出してやろう。シリウス君より一回り小さな蛇が、がつがつと従魔フードを食っている。やっぱり、お前にも美味しく感じるんだな。
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