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第1788話 出勤前の一幕
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玄関で庁舎に向かう準備をしていると、何かが近付いてくる音が聞こえた。廊下から飛び出してきたのは、シンラだ。俺のことを見送りに来てくれたのか? そのまま俺の方へ突っ込んでくるので、受け止めようとする。
だけど、シンラの表情が俺を見送るような感じではなく、何か真剣な表情で……俺の頭の中には、F1の有名な曲、
タタラタタタタタタタタ タタラタタタタタタタタ ジャジャーン! ジャジャーン! ジャジャーン!
とBGMが着きそうな感じで、鬼気迫る勢いで俺の元に来るのだ。どうしていいか分からないが、受け止めなかったらシンラに嫌われるんじゃないか? と思わせる迫力だったので、受け入れようとした。
その後ろから、プラムとシオンがやってきた。俺はそれで察したが、こっちの2人は2人でシンラとは違う真剣さでこちらに迫ってくる。
ここでシンラを匿うとプラムたちに、シンラを受け止めなければシンラに……板挟みの状態になってしまった。いつもなら微笑ましい追いかけっこも、今日は一味違ったのだ。
迫られる究極の二択! シンラを取るのか、プラムとシオンを取るのか! 俺はどうしたらいいんだ!?
そんなことを考えていると、今日のお供のシュリとアリスに軽く頭を叩かれ、どうでもいいことを考える前に、シンラを抱っこしてあげるの! と怒られてしまった。
シンラは俺の腕に飛び込んできて、よくやった! と言わんばかりの顔をしている。どう考えても、見送りに来てくれた感じじゃないな。2人から逃げてきただけだったのか……
プラムとシオンは、シュリとアリスに捕まり抱っこされている。遅れてやってきた、ピーチ・ライラ・マリーの3人は、俺を見て苦笑していた。なぜ?
どうやら、先ほどまで考えていたことがまるわかりで、何バカなことを考えてるの? みたいな感じだった。バカなことっていうけど、子どもに好かれる嫌われるは、世の中のお父さんにとっては、かなり重要なことだと思うぞ!
と反論しようとしたら、どこの話をしているのか? みたいなことを言われた。
日本だよ日本! 特に、娘に嫌われる父親のワンシーンなんて見た日には、俺は泣き崩れてもおかしくないぞ! もしかしたら、倒れるかもしれん。
そんなことはありえないから、考えるだけ無駄だとツッコまれる。前にも言われたけど、その根拠が分からんのだよ。思春期に入った娘は、父親にとってブラックボックスみたいな存在なんだぞ!
「じゃあさ、ウルたち上の子が、15歳とか超えても一緒に寝たいと言ってきたら、どう思う?」
「嬉しいことは嬉しいが……それはそれで、心配になるな……」
「子どもなんて、いずれ巣立っていくの。一緒にいられるときは、しっかりと愛情を注いであげればいいだけよ。子どもが好きか嫌いかなんて関係ない。近くにいなくなって、初めて分かることもあるしね」
シュリは俺にそう言ってきた。
大きくなっても、近くにいてくれるのは嬉しいけど、その年になってまで一緒に寝るのは、どうなんだろう? と思ってしまった。10歳くらいまでなら許容範囲か?
プラムとシオンだけじゃなくて、上の子たちも何かあったら、お父さんが死ぬまで面倒を看てやるからな! あいたっ!
「何で頭を叩くんだ?」
「馬鹿なことを考えているからよ。確かに私たちなら、死ぬまで面倒を看てあげることは可能よ。でもね、それじゃ子どもたちが育たないわ。もっと厳しくしないと、大変な目に合うかもしれないのよ」
最後に小さな声で、俺の子なんだからさ……と言ってきた。
領主の子どもだから、とかではない。俺の子どもだから苦労すると、シュリは言ってきた。俺の価値は、どこの国でも恐ろしく高い。それは軍事力もさることながら、経済力も比類のないものだからだ。
俺の子どもたちは、俺の代わりに狙われるかもしれないのだ。だからといって、箱入りにしてしまっては子どもたちのためにならない……
俺が必ずしも正しいとは言えないが、お前たちには自分の身を守るための力を授けてやるからな! 力に溺れるような人間に、なるんじゃないぞ!
だから、さっきから痛いってば!
「ピーチ、この子たちを引き取ってくれないかしら? このままじゃ、いつまで経っても仕事に行けないわ」
ピーチはシュリの言葉に苦笑するのではなく、俺の顔をみて苦笑している。何故だ!
シンラは、ライラに抱っこをされご満悦だ。俺に抱っこされているときより、いい笑顔なのはどうしてだ? 助けてやったのに……ってか、最初っからライラの元へ行っていれば、俺がこんなに考える必要なかったんじゃないか?
シンラのふてぶてしい顔が急に憎らしくなってきた。だから、痛いってば! 何でさっきから叩くのさ。
「おかしなことを考えているからよ」
俺の考えていることは、何故かみんなにばれるんだよな。そんなにわかりやすいか俺?
「分かりやすいわ」
シュリの言葉に他の妻たちも頷いている。やっぱり考えていることがバレてる……もしかして、母親が話してくれた、昔ドラマにあった考えている事が周りに聞こえてしまう、特殊な人みたいなあれか!?
そういえば、昔っから考えていることが分かりやすいって言われてたっけ?
プラム・シンラ・シオンの3人は、母親に手を掴まれて強引に手を振らされている。プラムとシオンが若干ふくれっ面なのはまだわかるが、シンラよ……なぜおまえまでふくれっ面をしているんだ? また、お腹に顔面グリグリの刑に処すぞ?
まぁ、お前らの父ちゃんは、今から仕事に行ってくるから、仲良くしてるんだぞ! よし、行くぞ。野郎ども!
「私たちに向かって、野郎は失礼じゃないかしら?」
アリスからそんなツッコミが入る。ノリで言ってる言葉にツッコミはあかんて! 野郎って言ったのは、そこの獣たちに向かってだぞ!
そんなことを思っていると、テトが背中に飛びついて爪を立ててぶら下がるため痛い。ライが抗議のためかお尻を噛み、ランが俺の手を甘噛みをしてザラザラの下で、俺の手をチロチロと舐めてくる……全員が全員、地味に痛いから止めてくれ。
だけど、シンラの表情が俺を見送るような感じではなく、何か真剣な表情で……俺の頭の中には、F1の有名な曲、
タタラタタタタタタタタ タタラタタタタタタタタ ジャジャーン! ジャジャーン! ジャジャーン!
とBGMが着きそうな感じで、鬼気迫る勢いで俺の元に来るのだ。どうしていいか分からないが、受け止めなかったらシンラに嫌われるんじゃないか? と思わせる迫力だったので、受け入れようとした。
その後ろから、プラムとシオンがやってきた。俺はそれで察したが、こっちの2人は2人でシンラとは違う真剣さでこちらに迫ってくる。
ここでシンラを匿うとプラムたちに、シンラを受け止めなければシンラに……板挟みの状態になってしまった。いつもなら微笑ましい追いかけっこも、今日は一味違ったのだ。
迫られる究極の二択! シンラを取るのか、プラムとシオンを取るのか! 俺はどうしたらいいんだ!?
そんなことを考えていると、今日のお供のシュリとアリスに軽く頭を叩かれ、どうでもいいことを考える前に、シンラを抱っこしてあげるの! と怒られてしまった。
シンラは俺の腕に飛び込んできて、よくやった! と言わんばかりの顔をしている。どう考えても、見送りに来てくれた感じじゃないな。2人から逃げてきただけだったのか……
プラムとシオンは、シュリとアリスに捕まり抱っこされている。遅れてやってきた、ピーチ・ライラ・マリーの3人は、俺を見て苦笑していた。なぜ?
どうやら、先ほどまで考えていたことがまるわかりで、何バカなことを考えてるの? みたいな感じだった。バカなことっていうけど、子どもに好かれる嫌われるは、世の中のお父さんにとっては、かなり重要なことだと思うぞ!
と反論しようとしたら、どこの話をしているのか? みたいなことを言われた。
日本だよ日本! 特に、娘に嫌われる父親のワンシーンなんて見た日には、俺は泣き崩れてもおかしくないぞ! もしかしたら、倒れるかもしれん。
そんなことはありえないから、考えるだけ無駄だとツッコまれる。前にも言われたけど、その根拠が分からんのだよ。思春期に入った娘は、父親にとってブラックボックスみたいな存在なんだぞ!
「じゃあさ、ウルたち上の子が、15歳とか超えても一緒に寝たいと言ってきたら、どう思う?」
「嬉しいことは嬉しいが……それはそれで、心配になるな……」
「子どもなんて、いずれ巣立っていくの。一緒にいられるときは、しっかりと愛情を注いであげればいいだけよ。子どもが好きか嫌いかなんて関係ない。近くにいなくなって、初めて分かることもあるしね」
シュリは俺にそう言ってきた。
大きくなっても、近くにいてくれるのは嬉しいけど、その年になってまで一緒に寝るのは、どうなんだろう? と思ってしまった。10歳くらいまでなら許容範囲か?
プラムとシオンだけじゃなくて、上の子たちも何かあったら、お父さんが死ぬまで面倒を看てやるからな! あいたっ!
「何で頭を叩くんだ?」
「馬鹿なことを考えているからよ。確かに私たちなら、死ぬまで面倒を看てあげることは可能よ。でもね、それじゃ子どもたちが育たないわ。もっと厳しくしないと、大変な目に合うかもしれないのよ」
最後に小さな声で、俺の子なんだからさ……と言ってきた。
領主の子どもだから、とかではない。俺の子どもだから苦労すると、シュリは言ってきた。俺の価値は、どこの国でも恐ろしく高い。それは軍事力もさることながら、経済力も比類のないものだからだ。
俺の子どもたちは、俺の代わりに狙われるかもしれないのだ。だからといって、箱入りにしてしまっては子どもたちのためにならない……
俺が必ずしも正しいとは言えないが、お前たちには自分の身を守るための力を授けてやるからな! 力に溺れるような人間に、なるんじゃないぞ!
だから、さっきから痛いってば!
「ピーチ、この子たちを引き取ってくれないかしら? このままじゃ、いつまで経っても仕事に行けないわ」
ピーチはシュリの言葉に苦笑するのではなく、俺の顔をみて苦笑している。何故だ!
シンラは、ライラに抱っこをされご満悦だ。俺に抱っこされているときより、いい笑顔なのはどうしてだ? 助けてやったのに……ってか、最初っからライラの元へ行っていれば、俺がこんなに考える必要なかったんじゃないか?
シンラのふてぶてしい顔が急に憎らしくなってきた。だから、痛いってば! 何でさっきから叩くのさ。
「おかしなことを考えているからよ」
俺の考えていることは、何故かみんなにばれるんだよな。そんなにわかりやすいか俺?
「分かりやすいわ」
シュリの言葉に他の妻たちも頷いている。やっぱり考えていることがバレてる……もしかして、母親が話してくれた、昔ドラマにあった考えている事が周りに聞こえてしまう、特殊な人みたいなあれか!?
そういえば、昔っから考えていることが分かりやすいって言われてたっけ?
プラム・シンラ・シオンの3人は、母親に手を掴まれて強引に手を振らされている。プラムとシオンが若干ふくれっ面なのはまだわかるが、シンラよ……なぜおまえまでふくれっ面をしているんだ? また、お腹に顔面グリグリの刑に処すぞ?
まぁ、お前らの父ちゃんは、今から仕事に行ってくるから、仲良くしてるんだぞ! よし、行くぞ。野郎ども!
「私たちに向かって、野郎は失礼じゃないかしら?」
アリスからそんなツッコミが入る。ノリで言ってる言葉にツッコミはあかんて! 野郎って言ったのは、そこの獣たちに向かってだぞ!
そんなことを思っていると、テトが背中に飛びついて爪を立ててぶら下がるため痛い。ライが抗議のためかお尻を噛み、ランが俺の手を甘噛みをしてザラザラの下で、俺の手をチロチロと舐めてくる……全員が全員、地味に痛いから止めてくれ。
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