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第1760話 朝の日課?
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目が覚めた……あれ? 昨日、娘たちと寝たのに体に重みを感じない。普段なら、腕やお腹の上に乗ってたりするのだが、何かあったのか? 時計を見ると、いつもより遅い目覚めだった。
いつもより遅いが、朝食にはまだ早い時間だ。
娘たちがいないので、何をしようか数秒悩んで……体を動かすことにした。
ちょこちょこ運動、訓練はしているが、最近は仕事が忙しくて手を抜いてたな。体を動かすために庭へ出ると、
「「「「エイッ! ヤッ! エイッ! ヤッ!」」」」
一緒に寝ていた4人の娘たちだ。
下の子たちも真似をして「エイッ! ヤッ!」と言っているようだ。
何をしているかと思ったら、シェリルとネルがウルたちの前で、正拳突きのようなことをしている。その掛け声が「エイッ! ヤッ!」っぽいな。
6人の前には、布や革の巻かれた棒が突き建てられており、それを殴る蹴るなどもしていた。格闘や無手の訓練のように見える。そして、下の子どもたちは、姉ちゃんたちの真似をしているのか、短い手足をバタバタ動かしながら声を出していた。
えっと、どういう状況? 下の子たちは、スライムとケットシーたちに守られているけど、ここにいるのは子どもたちとシェリルとネルにイリアしかいない。
他の親はどこだ?
探しても見当たらないので、いないのだろう。その代わり従魔たちがたくさん集まっているけどな。
で、君たちは何をしているんだい?
「「「しゅぎょー!」」」
修行? 何で?
「「「お母さんたちみたいに強くなるの!」」」
あ~、俺じゃないのね。で、シェリルとネルなんだ?
「「「師匠が一番強いから!」」」
師匠ってなに?
「「「シェリルお母さんとネルお母さんは、お母さんだけど師匠なの! 私たちにしゅぎょーをつけてくれるから、師匠なの!」」」
ってか、一番強いのはシェリルたちじゃなくて、シュリだと思うんだけどな。シェリルたちも成長して今では立派な女性になっているが、それでもシュリには勝てないぞ。
「お父さん、一番強いのはシュリお母さんだけど、格闘というくくりだとシェリルお母さんとネルお母さんの方が上なんだよ」
マジか! 無手だとシュリよりシェリルたちの方が強いのか! でもさ、何で武器を使った戦闘じゃなくて、格闘の無手なんだ?
「私たちはまだ体が小さいから、武器を持つと体のバランスが崩れるの。だから、武器を持たないで鍛えられる無手でトレーニングしてるんです」
なるほど、ウルよ、分かりやすく説明してくれてありがとう。だけどな、一番強いのは俺なんだぜ!
格闘では勝てないかもしれないけど、無手なら実は俺が一番強いのだ!
って、大人げないよな。
「そうだ、みんなもお父さんの強い所見たくない? お父さんなら、私とネルを一緒に相手にしても勝てるんだよ!」
そうそう……ん? さすがに2人を相手に勝てるとは思わんのだが、これは挑発ですかね? シェリルとネルは、いたずらっ子のような顔をしていた。うむ、久々にこの子たちの悪い顔を見たな。
しょうがないな。相手をしてあげようじゃないか!
そして、子どもたちは期待した目でキラキラしたまなざしを向けている。
子どもたちに期待されたら、しょうがないな。
俺は準備運動をはじめ、体をほぐしていく。
「こうやって、模擬戦するのも久しぶりだな。多少、痣ができるかもしれないけど、イリアもいるしエリクサーも準備してあるから、問題ないよな。さて、どれだけ強くなったか、見せてもらおうかな」
あくまでも上位者という立場を崩さずに、シェリルたちを煽る。
スキルや戦闘経験で言えば、俺とシェリルたちにほとんど差はない。だけど、俺とシェリルたちにはステータスに差がある。自分の体を改造したことによって、3~4割ほど高い。
そして、改造したことによる恩恵はそれだけじゃない、認識速度の加速だろう。厳密にどのくらいとは言えないが。武器を使った本気の戦闘ではないから、コロッセオのときみたいに嫌な感じはしないしな。
さあ、かかってきなさい!
戦闘に意識を移行したことによって、思考が加速する。
やはりと言うべきか、シェリルとネルのコンビは付き合いが長いだけあって、打ち合わせも無く息の合ったコンビネーションで攻撃を仕掛けてくる。
シェリルが左側からハイキックのように蹴りを叩き込み、ネルは下段の足払い。腕より力のはるかに強く、リーチの長い足で攻撃を仕掛けてきている。
加速した思考でどうするか考える。片方ずつなら力任せに受けても問題ないのだが、対角線で攻撃をされているので、両方を受けると体が回転する可能性がある。なので、両方受ける選択肢はないな。
片方だけなら? シェリルのを受けるとなると、ネルの攻撃は足をあげてかわす必要があるな。そうすると、踏ん張れなくて結局は吹っ飛ぶな。
なら、選択肢は踏ん張ってネルの蹴りを受けて、シェリルの攻撃をかわす。
イメージ通りに攻撃を受けるが俺の行動が予想されており、さけられたシェリルはハイキックの勢いのまま、左足の回し蹴りをはなってきたのだ。
少ししゃがんでシェリルの蹴りを回避して、右足でネルの蹴りを受けているため、正面からのシェリルの回し蹴りは避けられない。受けるにしても体制が悪いな……
なら仕方がない。
今まで封印してきた合気もどきを披露してあげよう。
迫ってきたシェリルの左足の下から軽く手を当て、上に流すと同時に着地する前の右足を払って、シェリルのコントロールを完全に制御する。空中にいるシェリルに向かって、更に踏み込み掌底を打ち込む。
忘れていたが、今はネルもいたのだ。
シェリルに掌底が当たる瞬間に、俺の腕が下から弾かれた。
でも、シェリルはまだ姿勢を整えられていない。ネルをどうにかしてシェリルに攻撃を仕掛けるか、シェリルは放置してネルに集中するべきか……
ネルを無視できる状況じゃない
ネルに弾かれた右手をそのままに、左手を突き出す。
スピードは俺の方が早く、ヒットするがバックステップをしていたため、まったくダメージになっていない。しかも、逃げるのと同時にネルがシェリルを引っ張って脱出したのだ。
一合しか打ち合っていないが、初めの状態に戻る。
このくらいは動けると思っていたが、さすがに初見の合気もどきを使ったのに、攻撃を当てられなかったのはちょっとショックだな。
さて、次はどう来るかな?
なんて考えてもしょうがないな。
グダグダ考えることを放棄して、見たままに反応しよう。
いつもより遅いが、朝食にはまだ早い時間だ。
娘たちがいないので、何をしようか数秒悩んで……体を動かすことにした。
ちょこちょこ運動、訓練はしているが、最近は仕事が忙しくて手を抜いてたな。体を動かすために庭へ出ると、
「「「「エイッ! ヤッ! エイッ! ヤッ!」」」」
一緒に寝ていた4人の娘たちだ。
下の子たちも真似をして「エイッ! ヤッ!」と言っているようだ。
何をしているかと思ったら、シェリルとネルがウルたちの前で、正拳突きのようなことをしている。その掛け声が「エイッ! ヤッ!」っぽいな。
6人の前には、布や革の巻かれた棒が突き建てられており、それを殴る蹴るなどもしていた。格闘や無手の訓練のように見える。そして、下の子どもたちは、姉ちゃんたちの真似をしているのか、短い手足をバタバタ動かしながら声を出していた。
えっと、どういう状況? 下の子たちは、スライムとケットシーたちに守られているけど、ここにいるのは子どもたちとシェリルとネルにイリアしかいない。
他の親はどこだ?
探しても見当たらないので、いないのだろう。その代わり従魔たちがたくさん集まっているけどな。
で、君たちは何をしているんだい?
「「「しゅぎょー!」」」
修行? 何で?
「「「お母さんたちみたいに強くなるの!」」」
あ~、俺じゃないのね。で、シェリルとネルなんだ?
「「「師匠が一番強いから!」」」
師匠ってなに?
「「「シェリルお母さんとネルお母さんは、お母さんだけど師匠なの! 私たちにしゅぎょーをつけてくれるから、師匠なの!」」」
ってか、一番強いのはシェリルたちじゃなくて、シュリだと思うんだけどな。シェリルたちも成長して今では立派な女性になっているが、それでもシュリには勝てないぞ。
「お父さん、一番強いのはシュリお母さんだけど、格闘というくくりだとシェリルお母さんとネルお母さんの方が上なんだよ」
マジか! 無手だとシュリよりシェリルたちの方が強いのか! でもさ、何で武器を使った戦闘じゃなくて、格闘の無手なんだ?
「私たちはまだ体が小さいから、武器を持つと体のバランスが崩れるの。だから、武器を持たないで鍛えられる無手でトレーニングしてるんです」
なるほど、ウルよ、分かりやすく説明してくれてありがとう。だけどな、一番強いのは俺なんだぜ!
格闘では勝てないかもしれないけど、無手なら実は俺が一番強いのだ!
って、大人げないよな。
「そうだ、みんなもお父さんの強い所見たくない? お父さんなら、私とネルを一緒に相手にしても勝てるんだよ!」
そうそう……ん? さすがに2人を相手に勝てるとは思わんのだが、これは挑発ですかね? シェリルとネルは、いたずらっ子のような顔をしていた。うむ、久々にこの子たちの悪い顔を見たな。
しょうがないな。相手をしてあげようじゃないか!
そして、子どもたちは期待した目でキラキラしたまなざしを向けている。
子どもたちに期待されたら、しょうがないな。
俺は準備運動をはじめ、体をほぐしていく。
「こうやって、模擬戦するのも久しぶりだな。多少、痣ができるかもしれないけど、イリアもいるしエリクサーも準備してあるから、問題ないよな。さて、どれだけ強くなったか、見せてもらおうかな」
あくまでも上位者という立場を崩さずに、シェリルたちを煽る。
スキルや戦闘経験で言えば、俺とシェリルたちにほとんど差はない。だけど、俺とシェリルたちにはステータスに差がある。自分の体を改造したことによって、3~4割ほど高い。
そして、改造したことによる恩恵はそれだけじゃない、認識速度の加速だろう。厳密にどのくらいとは言えないが。武器を使った本気の戦闘ではないから、コロッセオのときみたいに嫌な感じはしないしな。
さあ、かかってきなさい!
戦闘に意識を移行したことによって、思考が加速する。
やはりと言うべきか、シェリルとネルのコンビは付き合いが長いだけあって、打ち合わせも無く息の合ったコンビネーションで攻撃を仕掛けてくる。
シェリルが左側からハイキックのように蹴りを叩き込み、ネルは下段の足払い。腕より力のはるかに強く、リーチの長い足で攻撃を仕掛けてきている。
加速した思考でどうするか考える。片方ずつなら力任せに受けても問題ないのだが、対角線で攻撃をされているので、両方を受けると体が回転する可能性がある。なので、両方受ける選択肢はないな。
片方だけなら? シェリルのを受けるとなると、ネルの攻撃は足をあげてかわす必要があるな。そうすると、踏ん張れなくて結局は吹っ飛ぶな。
なら、選択肢は踏ん張ってネルの蹴りを受けて、シェリルの攻撃をかわす。
イメージ通りに攻撃を受けるが俺の行動が予想されており、さけられたシェリルはハイキックの勢いのまま、左足の回し蹴りをはなってきたのだ。
少ししゃがんでシェリルの蹴りを回避して、右足でネルの蹴りを受けているため、正面からのシェリルの回し蹴りは避けられない。受けるにしても体制が悪いな……
なら仕方がない。
今まで封印してきた合気もどきを披露してあげよう。
迫ってきたシェリルの左足の下から軽く手を当て、上に流すと同時に着地する前の右足を払って、シェリルのコントロールを完全に制御する。空中にいるシェリルに向かって、更に踏み込み掌底を打ち込む。
忘れていたが、今はネルもいたのだ。
シェリルに掌底が当たる瞬間に、俺の腕が下から弾かれた。
でも、シェリルはまだ姿勢を整えられていない。ネルをどうにかしてシェリルに攻撃を仕掛けるか、シェリルは放置してネルに集中するべきか……
ネルを無視できる状況じゃない
ネルに弾かれた右手をそのままに、左手を突き出す。
スピードは俺の方が早く、ヒットするがバックステップをしていたため、まったくダメージになっていない。しかも、逃げるのと同時にネルがシェリルを引っ張って脱出したのだ。
一合しか打ち合っていないが、初めの状態に戻る。
このくらいは動けると思っていたが、さすがに初見の合気もどきを使ったのに、攻撃を当てられなかったのはちょっとショックだな。
さて、次はどう来るかな?
なんて考えてもしょうがないな。
グダグダ考えることを放棄して、見たままに反応しよう。
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