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第1741話 いざ決戦の場へ
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俺の指示でグリエルのいる部屋へ入らせた秘書が、グリエルの手当てをしている。本当ならすぐにでもエリクサーを飲ませて腕を元に戻したいところなのだが、それをするとグリエルが回復の副作用で倒せる可能性がある。そのため、今は使うことができない。
グリエル、今は耐えてくれ。
「ぐぅぅ……処置はこの辺で大丈夫です。肘の上あたりを強く縛ってください、今から商会へ案内しますが、街の人間には絶対に手出しをしないでください」
「はぁ? お前は、俺たちの命令にハイハイってしたがってりゃあいいんだよ! お前がバカなせいで、大切な腕が1本なくなっちまったな。次舐めたこと言ったら、もう片腕も切り飛ばすからな。クズがさっさと商会に案内しろ!」
どちらがクズなんでしょうかね。こいつらは典型的な自分が偉くて正しいと思っている、おバカちゃんたちだな。前の世界では正義だったかもしれないが、この世界では害悪でしかない。
違うな。正義とか悪とか関係ないな、俺は俺の仲間に手出しする奴は許さない。相手がどんな存在であれ、ここで捻り潰してやる。
俺の怒りがダンジョンマスターのスキルによって、シリウス君に伝播している。俺たちが有利になる土俵で戦わせてもらう、そのためのシリウス君だ。
俺はここに来てすぐにあるものを身につけている。これがあれば、まず負けは無い。
今日の俺の獲物は、大薙刀ではなく槍を持っている。種類としては槍なのだが、刃の部分が三又に分かれていてそこそこ大きいので、大薙刀の様に使っても問題ない槍なのだ。とはいえ、今回は大薙刀のような使い方はしないんだけどな。
俺が準備している間にも、グリエルは痛みをこらえて商会の部屋まで勇者たちを誘導している。
途中で負傷しているグリエルの様子を見て、街が殺気立ち始めたがグリエルが何とか怒りを抑えるようにお願いしていた。
勇者たちは「文句があるならかかってくればいいんだぜ? 勇者は何したって許されるんだからな。俺たちは世界の平和を守るために遣わされた、正義の味方なんだからな!」とか大声で恥ずかしい事を言っている。
こいつらがこの世界の神たちのことを知ったら、どんな反応をするんだろうな。事実と認めずに暴れるのだろうか? 事実と認めて絶望するのだろうか? どちらにしろ、笑わずに耐えられる気がしなくなってきた。
怒りにあふれているのに、思考がお笑いのネタのような状況に偏っている。もしかして、そういうことか! あのクソ爺! 俺を使って、盛大にこの状況を楽しむ気だな!
『ほっほっほ。やっと気付いたか。お主にしては、気付くのが遅かったではないか。クソ爺、けっこうけっこう。私たちはな、私たちが楽しければなんだってやるのだよ。決められたルールはあるが、破るのなんて当たり前なのだ。
そ奴らは、少々目に余るから退場してもらおうと思っての、お前の所に送ってやったのじゃよ。それが一番楽しそうじゃからな。どんな戦いをするか楽しみにしておるぞ。せいぜいたのしませてくれるのじゃ』
やはりこの爺の所為だった。
チビ神たちですら世界間の移動は無理だと言っていた。出来るのは創造神だけだと、創造神はこういう干渉はしないものだと考えていたが、それは思い違いだったようだ。あいつらは、自分たちが楽しむためなら何でもする種族だった。
それでも、神共の遊戯のため……楽しむためにグリエルが負わなくてもいい怪我をしたのは許せん! いつかあいつらに痛い目を見せてやるからな! マジで、どれだけ苦労させられているか!
怒りたくなるのはしょうがいないが、今は落ち着け、戦闘前にこんなに心が乱れていたら、余計な怪我をするかもしれないぞ。落ち着け俺、落ち着け……
シュウの頭の中には、負けるという考えはない。事実として、今まで戦ってきた中で一番強かったトリプルの冒険者ですら、手も足も出なかったフィールドを準備しているのだ、どうやっても負けるわけがない!
今は俺とシリウス君しかいないが、バザールと綾乃が追加戦力を準備してくれている所だ。S級スケルトンに俺と同じ装備を身につけさせているだけだけどな。
グリエルが勇者たちを、例の部屋へ誘導したようだ。
「ここで少々お待ちください。資料を取ってこさせます」
「おい、お前。舐めた事したら本当にもう片方の腕も切り飛ばすからな。変な小細工すんじゃねーぞ!」
頭を下げてグリエルは退室した。
「グリエル、すまなかった。後は俺が処理する。もう少ししたらそっちにハクが着くから、中に入っている赤いラベルのポーションを飲んだ後に、緑色のラベルのエリクサーを飲んでくれ。しばらく動くのが大変だろうが、この際だからゆっくり休んでくれ」
『シュウ様の手を煩わせてしまい申し訳ありません』
「気にするな。全部あいつらが悪い。対応をグリエルに任せた落ち度もある。後は任せて休め」
グリエルとの通信を切った後、バザールと綾乃に繋いで準備の状況を確認する。この装備は、身に着けるのに時間がかかるからな。準備の状況は思わしくないようだが、可能な限り急いで準備をするとのことだ。準備でき次第こっちに送ってくれるみたいだな。
シリウス君だけでも十分だが念には念を入れて、ダゴンを4体程呼び出す。
さて、そろそろ罠を発動しますかね。ポチっとな。
罠が発動すると勇者たちは、ウォータースライダードッキリにかかった時のようなリアクションで、俺の待機している部屋へ滑り落ちてきて、ジャンプ台を勢いよく飛び出して、薄く水の張っているダンジョンの床に変な格好で落ちた。
どこかから笑い声が聞こえてくる気がするわ。
「イテテテテ……何なんだこれは! あの野郎、今度会ったらぶっ殺す!」
「お前たちに次は無い」
無様な格好をさらしている自称正義の勇者たちに宣告する。
グリエル、今は耐えてくれ。
「ぐぅぅ……処置はこの辺で大丈夫です。肘の上あたりを強く縛ってください、今から商会へ案内しますが、街の人間には絶対に手出しをしないでください」
「はぁ? お前は、俺たちの命令にハイハイってしたがってりゃあいいんだよ! お前がバカなせいで、大切な腕が1本なくなっちまったな。次舐めたこと言ったら、もう片腕も切り飛ばすからな。クズがさっさと商会に案内しろ!」
どちらがクズなんでしょうかね。こいつらは典型的な自分が偉くて正しいと思っている、おバカちゃんたちだな。前の世界では正義だったかもしれないが、この世界では害悪でしかない。
違うな。正義とか悪とか関係ないな、俺は俺の仲間に手出しする奴は許さない。相手がどんな存在であれ、ここで捻り潰してやる。
俺の怒りがダンジョンマスターのスキルによって、シリウス君に伝播している。俺たちが有利になる土俵で戦わせてもらう、そのためのシリウス君だ。
俺はここに来てすぐにあるものを身につけている。これがあれば、まず負けは無い。
今日の俺の獲物は、大薙刀ではなく槍を持っている。種類としては槍なのだが、刃の部分が三又に分かれていてそこそこ大きいので、大薙刀の様に使っても問題ない槍なのだ。とはいえ、今回は大薙刀のような使い方はしないんだけどな。
俺が準備している間にも、グリエルは痛みをこらえて商会の部屋まで勇者たちを誘導している。
途中で負傷しているグリエルの様子を見て、街が殺気立ち始めたがグリエルが何とか怒りを抑えるようにお願いしていた。
勇者たちは「文句があるならかかってくればいいんだぜ? 勇者は何したって許されるんだからな。俺たちは世界の平和を守るために遣わされた、正義の味方なんだからな!」とか大声で恥ずかしい事を言っている。
こいつらがこの世界の神たちのことを知ったら、どんな反応をするんだろうな。事実と認めずに暴れるのだろうか? 事実と認めて絶望するのだろうか? どちらにしろ、笑わずに耐えられる気がしなくなってきた。
怒りにあふれているのに、思考がお笑いのネタのような状況に偏っている。もしかして、そういうことか! あのクソ爺! 俺を使って、盛大にこの状況を楽しむ気だな!
『ほっほっほ。やっと気付いたか。お主にしては、気付くのが遅かったではないか。クソ爺、けっこうけっこう。私たちはな、私たちが楽しければなんだってやるのだよ。決められたルールはあるが、破るのなんて当たり前なのだ。
そ奴らは、少々目に余るから退場してもらおうと思っての、お前の所に送ってやったのじゃよ。それが一番楽しそうじゃからな。どんな戦いをするか楽しみにしておるぞ。せいぜいたのしませてくれるのじゃ』
やはりこの爺の所為だった。
チビ神たちですら世界間の移動は無理だと言っていた。出来るのは創造神だけだと、創造神はこういう干渉はしないものだと考えていたが、それは思い違いだったようだ。あいつらは、自分たちが楽しむためなら何でもする種族だった。
それでも、神共の遊戯のため……楽しむためにグリエルが負わなくてもいい怪我をしたのは許せん! いつかあいつらに痛い目を見せてやるからな! マジで、どれだけ苦労させられているか!
怒りたくなるのはしょうがいないが、今は落ち着け、戦闘前にこんなに心が乱れていたら、余計な怪我をするかもしれないぞ。落ち着け俺、落ち着け……
シュウの頭の中には、負けるという考えはない。事実として、今まで戦ってきた中で一番強かったトリプルの冒険者ですら、手も足も出なかったフィールドを準備しているのだ、どうやっても負けるわけがない!
今は俺とシリウス君しかいないが、バザールと綾乃が追加戦力を準備してくれている所だ。S級スケルトンに俺と同じ装備を身につけさせているだけだけどな。
グリエルが勇者たちを、例の部屋へ誘導したようだ。
「ここで少々お待ちください。資料を取ってこさせます」
「おい、お前。舐めた事したら本当にもう片方の腕も切り飛ばすからな。変な小細工すんじゃねーぞ!」
頭を下げてグリエルは退室した。
「グリエル、すまなかった。後は俺が処理する。もう少ししたらそっちにハクが着くから、中に入っている赤いラベルのポーションを飲んだ後に、緑色のラベルのエリクサーを飲んでくれ。しばらく動くのが大変だろうが、この際だからゆっくり休んでくれ」
『シュウ様の手を煩わせてしまい申し訳ありません』
「気にするな。全部あいつらが悪い。対応をグリエルに任せた落ち度もある。後は任せて休め」
グリエルとの通信を切った後、バザールと綾乃に繋いで準備の状況を確認する。この装備は、身に着けるのに時間がかかるからな。準備の状況は思わしくないようだが、可能な限り急いで準備をするとのことだ。準備でき次第こっちに送ってくれるみたいだな。
シリウス君だけでも十分だが念には念を入れて、ダゴンを4体程呼び出す。
さて、そろそろ罠を発動しますかね。ポチっとな。
罠が発動すると勇者たちは、ウォータースライダードッキリにかかった時のようなリアクションで、俺の待機している部屋へ滑り落ちてきて、ジャンプ台を勢いよく飛び出して、薄く水の張っているダンジョンの床に変な格好で落ちた。
どこかから笑い声が聞こえてくる気がするわ。
「イテテテテ……何なんだこれは! あの野郎、今度会ったらぶっ殺す!」
「お前たちに次は無い」
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