ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1712話 探索1日目終了

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 薄い赤、淡い赤とでもいえばいいのかね? これを見た娘たちは、青白いのも欲しいけどこっちの色も欲しい! と言い出したので、カエデとリンドに確認を取って、2つの色のミニオブジェクトを作る約束をした。

 正直クリエイトゴーレムがあれば、あの程度のオブジェクトであればすぐに作る事ができるので、娘たちがあれで喜ぶのであれば、安いものだろう。

 パターン的にD~Cランクの魔物が出てくるのかと思ったが、E~Dランクのままだった。それもそうか、もしそのパターンで行けば45階になる頃には、SSSSランクとかになってしまうもんな。

 そもそも、ランク分けでいうとSSSまでしか存在していない。普通の冒険者であれば、SランクもSSSランクも差が分からずに絶望するレベルだ。

 そもそもSランクの魔物を召喚できるようになるのは、かなりの運が必要なはずなのだ。そう考えると、Sランクのレッドドラゴンが湧き続ける、メギドのダンジョンはかなりレアなのだ。

 あっ、Sランクの魔物といえば、フェンリルたちは今回来てなかったな。スライムたち以外全部来ているかと思ったけど、来てないやつらもいたんだな。

 進んでいくと、今までは人型、亜人の魔物だけだったのが、この階は獣タイプや昆虫タイプの魔物も出てきていたのだ。

 見た目だけではなく、魔物の出現パターンも今までのダンジョンと違うな。今まで攻略してきたダンジョンは十中八九、同じ系統の魔物しか同じフロアに出てこなかった。それが、今回は亜人と一緒に違う種族が出てきたことに驚いている。

 まぁ、妻たちからすれば、黒歴史を思い出すのか殲滅に躍起になっている。

 昔、俺が作ったダンジョンインダンジョンで、かなり不名誉な結果を残して以来、戦術を研究していたんだっけな。

 良く分かっていないのだが、この世界の人たちって違う種族が混ざっていると、対応が上手く出来なくなり、何故か格下にも負けてしまう傾向があるのだ。

 そんな黒歴史の過去を払拭するために、殲滅に躍起になっているのだろう。俺が手を出す隙も無く次々と魔物が屠られていく。

 印象的には、亜人が多いイメージだな。3:1位の割合だろうか? その中でも、俺が嫌らしいと思ったのは、亜人の隙をついて昆虫系の魔物が死角から狙ってくる奴だな。

 特に蜘蛛の糸と、ムカデの気配を消してからの攻撃は、油断をしていたら怪我をするだろうな。しかも、ムカデには毒のあるタイプがいるから厄介だ。蜘蛛の糸も行動阻害があるので、かなり厄介である。

 昆虫って何故か気配の把握がしにくいんだよね。動物系の魔物は体温とか行動する際に音が出やすいので、気配を感じやすいのだと思う。だけど、昆虫は体温で判定することも難しい。それに移動するのに音があまりでないんだよな。節足動物は硬い気がするのに音がしないってのが不思議だ。

 本当に意味が分からんが、そういうものだと理解しないといけないんだろう。

 しばらく進んでいると、12階で異変があった。

 昆虫に混ざって爬虫類系も追加で出てきたのだ。この中で一番厄介だと思ったのは、ヤモリ? イモリ? タイプの魔物だろう。確か普通、魔物じゃないのは毒は無かったはずなのだが、こいつも毒持ちだったのだ。しかも、昆虫より気配がない、かなり厄介な魔物だった。

 少しブランクがあると言っても、訓練は欠かさずに行っていた妻たちは、指揮官のキリエの指示のもと、前衛と後衛の火力は的確に魔物を屠っていき、中衛のメンバーが周囲の警戒を行い、不意打ちを防ぎ反対に魔物を屠っていく。

 しっかりと役割分担をしているのがいいのだろう、危なげなく進んでいける。

 13階に到着して、本日のタイムアップを迎える。

 最近まで知らなかったのだが、ドッペルゲンガーって俺たちが憑依している時は、寝ている状態だったとのことだ。なので、俺たちが明日憑依するまで普通に起きているのだとか。こいつらを使って進ませてもいいのだが、せっかくの楽しみを持っていかれるのは嫌なので待機をお願いしている。

 帰ってくると、娘たちが俺の上にまたがって待機していた。ミリーたちも注意しているのだが、この姿が面白いのか本気ではないようでそのままという感じだ。

「「とーたん、作って!」」

 スミレとブルムがお願いしてきた。あのオブジェクトを作ってほしいのだろう……しょうがないな。

 俺は、水晶を召喚してみた。このままだと微妙だな。正面から見ると六角形でそれはそれでいいんだけど、今回のオブジェクトとしては微妙なんだよな。

 なので、ダンジョンで見た一点を中心にして放射状に広がるタイプの水晶に変えていく。クリエイトゴーレムはイメージが命だから、慎重に形をイメージする。

 中心の1本を長くして、それに寄り添うように放射状にはやしていく。中心となっている部分が手のひらに接触しているので、上に伸びる形で作っている。ダンジョンのオブジェクトも、壁や床を中心にしていたので真似てみた。

 ウニみたいに全方位でもいいかと思ったが、それだと俺としては水晶のイメージでは無かったのだ。

 見た目は良さそうだな。俺がクリエイトゴーレムで作った水晶は、透明ではなく少し白みがかっている。その理由は、娘たちがもしもの時に怪我をしないようにクリアメタルで包む予定だからだ。

 台座になる黒い金属プレートに水晶を置き接着する。金属プレートには魔核を埋め込んであり、水晶を光らせるプログラムを組み込んだのだ。ライトの魔法を水晶に使う感じだな。それだけだと、青白い光しか再現できないけど、属性魔法の火と組み合わせて見たら、薄い赤っぽくなったので結果オーライだ。

 そこで思いついたのが、いろんな属性を組み合わせて、光る色を変えられるようにしてみた。火・水・風の赤・青・緑の光の三原色を再現できたのが大きいな。各色の光を強くしたり弱くしたりするためのつまみを作り、回すことで色の調整ができるかたちだ。

 思ったより良くできたと思う。スミレとブルムにプレゼントしたら、ミーシャも欲しかったのか「私の分は?」と泣きそうな顔で言ってきたので、慌てて3つ目を作った。さっきまで別にいらないみたいな雰囲気だったのに、急にほしくなったようだ。

 女の子は、可愛い物や綺麗な物が好きだからな。小さくても女の子ってことだろう。
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