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第1707話 我が侭娘たちと従魔
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「……様、シュウ様! 急にボーっとされてどうしたんですか? お話を続けていいですか?」
ハッ!? これからくる厄介であろうことを想像して、魂が抜けかかっていたようだ。それで何だったっけ? 押さえておきたい地域があるんだっけ? ディストピアとゴーストタウンで十分に物資は集まってると思うけど、その地域になにか面白い物でもあるのか?
「大丈夫そうですね。押さえておきたい地域なのですが、鉱山がある地域なのです」
鉱山? どう考えても、必要なくね? ディストピアやゴーストタウンだけでなく、ヴローツマインにもダンジョンがあるんだけど、本当に必要なの? メギドだって鉱石は出るんだけど、枯れる鉱山なんて必要なのか?
「必要なのか? みたいな顔をしていますね。確かに鉱石が産出するダンジョンをたくさん有していますが、この地域にも鉱山型のダンジョンがある事が判明しているんです。シュウ様の支配領域では無かったので、どうでもよかったのですが今回の件はちょうどいい機会なので、抑えてしまおうかと思いまして」
「その地域って言い方に疑問があるんだけど、街とかじゃないの?」
「その場所なのですが、火山の近くなんです。いえ、正確に言うとダンジョン自体が火山と一体化しているため、周囲には火山ガスが漂っているから人があまりいないのです。昔はダンジョンマスターがいたから街があったそうです。管理する人がいないので火山ガスが大量に発生しているのではと考えています」
「わざわざ、押さえる程の価値があるとは思えないんだけどな」
「あ、火山全体がダンジョンということもあり、周囲に温泉が湧いている「俺は何をしたらいいんだ?」のが確認できています。えっと、ダンジョンコアを掌握していただければ、ダンジョンの様子が分かるので、火山ガスの出所を探っていただきたいです」
俺は、温泉と聞いてすぐに反応してしまった。
「ダンジョンコアを掌握して火山ガスが、ダンジョンの所為じゃなかったらどうするんだ?」
「その場合は、影響のない場所から地下に通路を作ればいいかと思います。それにダンジョンを掌握しているのであれば、温泉も自由にひいてこれますよ? 温泉街なんてどうですか?」
「いいね! ダンジョンの能力で温泉は出せるけど、それだと風情がないからな。いや、それはそれでいいんだけど、やっぱり風景って大事なんだよ。紅葉の見える温泉とか……いいよな~、雪の降る中の温泉も捨てがたいな」
「あの、シュウ様。戻ってきてもらっていいですか?」
ハッ!? どうやらトリップしてしまっていたようだ。
「それと、メギドのダンジョンでも出ていますが、炎属性の付与された鉱石が多く産出されますので、貴重な物資を得ることができます。火を使う魔導具などの性能に直結しますので、押さえておいても損はない地域です」
「メギドがあるからそこらへんはどうでもいい気がするけど、温泉は大切だよな! マイワールドに作った奴ではなく、この世界の自然を満喫できる場所って大切だよな!」
「そこらへんは、シュウ様の街になりますのでご自由にどうぞ。押さえてもよろしければ、部隊を派遣しようと思いますが、どうなさいますか?」
「え? 今ってそんな余裕ないでしょ?」
「何言っているんですか? それこそ冒険者に依頼を出せばいいではないですか。ディストピアやゴーストタウンの冒険者たちは、今回の遠征に参加できなくて悔しがっている人たちがいますから、ガス抜きも兼ねて依頼をお願いしてもらうつもりですよ」
さすがに今回の他国の領地。ほぼ崩壊しているが、侵入させるのに冒険者だと、もし統制を失った時に拙いので軍隊を使っている。ディストピアの冒険者であればおそらく問題ないけど、ゴーストタウンの冒険者だと分からないんだよね。
そんな冒険者にも、街のために働く機会を与えてほしいということで、グリエルからお願いされたような形となった。
冒険者ギルドに依頼を出す用紙を見ると、話していた内容に加えて最後に、
この依頼の最中に一般人からの保護要請があれば、現場指揮者の指示に従い動いていただきたい。命令ではないので強制はしませんが、働きによっては追加報酬を出します。現物給付も相談に乗りますので、よろしくお願いします。
なるほど、特に最後の部分、現物給付! これは、ディストピアに住む人間としては、心が揺さぶられる一言だろう。現物給付にシルキーたちの食事も含まれるためだ。特に家族のいる冒険者であれば、多少怪我してもいいから行ってきなさい! と言われるタイプの依頼なのだ。
そして、初めの部分の一般人からの保護要請。これは、難民や逃げている他国民の保護のことだ。つまり、軍とは別に国のために行動してくれということだ。
よし、こっちなら俺が指揮をとっても問題ないよな? というか、ダンジョン攻略をするのなら、俺が行かないと意味がないからな。
「シュウ様、行くつもりですか? シュウ様でなくても、バザールさんがいるから問題ないと思いますが?」
「お前もナチュラルに俺の思考を読むな! ドッペルでいいから俺は行くぞ! 絶対に行く! 行かせてもらえないなら、この依頼は無しだ!」
「まったく。行きたいのでしたら、奥様方に許可をもらって来てくださいね」
家に帰ってから2時間ほどかけて、妻たちを説得した。
食料のことを考え、冒険者たちに緊急依頼として、畑エリアの収穫を出した。娘たちも畑エリアに行ってお手伝いしている姿は、冒険者たちの心の癒しになっていた。
困ったのは、娘たちも生きたいと言い出したのだ。でも、さすがに連れていけないので頑張って説得しようとしたのだが、娘たちは断固として譲らなかったので、ドッペルに憑依できるようになったら連れていくと妻たちが妥協した。
執念がすごかったのか、ミーシャたち3人は2時間で憑依をものにした。ウルは以前に経験があるので問題なく憑依ができる。
強い冒険者たちもいるし、俺たちも付いていくからもしものことなどないのだが、従魔たちも過保護になり俺のメインの従魔たちが全員参加となった。もちろんリバイアサンの2匹ももちろんも参加だ。スライムたちも1人につき5匹も付いている。
周囲を囲むようにギンとクロを頂点に、オオカミたち……あれ? 数増えてね? あっ、子どもが育ったのね。ちょっと前に生まれたんじゃないっけ? 大きくなるの早いな。
知らないオオカミがいると思ったら、ギンとクロの子どもたちだったのだ。お前らがオスとメスだった事を、子どもが生まれた時に知った位なんだけどな。クロとギンにミリーの従魔のオオカミと子6匹で10匹だ。
聖獣たちもミーシャたちに1匹ずつ付き、ウルにはバッハが体を小さくした状態で護衛に当たるようだ。基本的には4人で行動してもらう予定なので、シエルとスライムが守り残りが攻めという役割のようだ。リバイアサンの2匹は遊撃だとのこと。守りは完璧だ。
と考えていたら、ワイバーン家族まで空の守りとして参加することになった。どれだけ過保護やねん!
ハッ!? これからくる厄介であろうことを想像して、魂が抜けかかっていたようだ。それで何だったっけ? 押さえておきたい地域があるんだっけ? ディストピアとゴーストタウンで十分に物資は集まってると思うけど、その地域になにか面白い物でもあるのか?
「大丈夫そうですね。押さえておきたい地域なのですが、鉱山がある地域なのです」
鉱山? どう考えても、必要なくね? ディストピアやゴーストタウンだけでなく、ヴローツマインにもダンジョンがあるんだけど、本当に必要なの? メギドだって鉱石は出るんだけど、枯れる鉱山なんて必要なのか?
「必要なのか? みたいな顔をしていますね。確かに鉱石が産出するダンジョンをたくさん有していますが、この地域にも鉱山型のダンジョンがある事が判明しているんです。シュウ様の支配領域では無かったので、どうでもよかったのですが今回の件はちょうどいい機会なので、抑えてしまおうかと思いまして」
「その地域って言い方に疑問があるんだけど、街とかじゃないの?」
「その場所なのですが、火山の近くなんです。いえ、正確に言うとダンジョン自体が火山と一体化しているため、周囲には火山ガスが漂っているから人があまりいないのです。昔はダンジョンマスターがいたから街があったそうです。管理する人がいないので火山ガスが大量に発生しているのではと考えています」
「わざわざ、押さえる程の価値があるとは思えないんだけどな」
「あ、火山全体がダンジョンということもあり、周囲に温泉が湧いている「俺は何をしたらいいんだ?」のが確認できています。えっと、ダンジョンコアを掌握していただければ、ダンジョンの様子が分かるので、火山ガスの出所を探っていただきたいです」
俺は、温泉と聞いてすぐに反応してしまった。
「ダンジョンコアを掌握して火山ガスが、ダンジョンの所為じゃなかったらどうするんだ?」
「その場合は、影響のない場所から地下に通路を作ればいいかと思います。それにダンジョンを掌握しているのであれば、温泉も自由にひいてこれますよ? 温泉街なんてどうですか?」
「いいね! ダンジョンの能力で温泉は出せるけど、それだと風情がないからな。いや、それはそれでいいんだけど、やっぱり風景って大事なんだよ。紅葉の見える温泉とか……いいよな~、雪の降る中の温泉も捨てがたいな」
「あの、シュウ様。戻ってきてもらっていいですか?」
ハッ!? どうやらトリップしてしまっていたようだ。
「それと、メギドのダンジョンでも出ていますが、炎属性の付与された鉱石が多く産出されますので、貴重な物資を得ることができます。火を使う魔導具などの性能に直結しますので、押さえておいても損はない地域です」
「メギドがあるからそこらへんはどうでもいい気がするけど、温泉は大切だよな! マイワールドに作った奴ではなく、この世界の自然を満喫できる場所って大切だよな!」
「そこらへんは、シュウ様の街になりますのでご自由にどうぞ。押さえてもよろしければ、部隊を派遣しようと思いますが、どうなさいますか?」
「え? 今ってそんな余裕ないでしょ?」
「何言っているんですか? それこそ冒険者に依頼を出せばいいではないですか。ディストピアやゴーストタウンの冒険者たちは、今回の遠征に参加できなくて悔しがっている人たちがいますから、ガス抜きも兼ねて依頼をお願いしてもらうつもりですよ」
さすがに今回の他国の領地。ほぼ崩壊しているが、侵入させるのに冒険者だと、もし統制を失った時に拙いので軍隊を使っている。ディストピアの冒険者であればおそらく問題ないけど、ゴーストタウンの冒険者だと分からないんだよね。
そんな冒険者にも、街のために働く機会を与えてほしいということで、グリエルからお願いされたような形となった。
冒険者ギルドに依頼を出す用紙を見ると、話していた内容に加えて最後に、
この依頼の最中に一般人からの保護要請があれば、現場指揮者の指示に従い動いていただきたい。命令ではないので強制はしませんが、働きによっては追加報酬を出します。現物給付も相談に乗りますので、よろしくお願いします。
なるほど、特に最後の部分、現物給付! これは、ディストピアに住む人間としては、心が揺さぶられる一言だろう。現物給付にシルキーたちの食事も含まれるためだ。特に家族のいる冒険者であれば、多少怪我してもいいから行ってきなさい! と言われるタイプの依頼なのだ。
そして、初めの部分の一般人からの保護要請。これは、難民や逃げている他国民の保護のことだ。つまり、軍とは別に国のために行動してくれということだ。
よし、こっちなら俺が指揮をとっても問題ないよな? というか、ダンジョン攻略をするのなら、俺が行かないと意味がないからな。
「シュウ様、行くつもりですか? シュウ様でなくても、バザールさんがいるから問題ないと思いますが?」
「お前もナチュラルに俺の思考を読むな! ドッペルでいいから俺は行くぞ! 絶対に行く! 行かせてもらえないなら、この依頼は無しだ!」
「まったく。行きたいのでしたら、奥様方に許可をもらって来てくださいね」
家に帰ってから2時間ほどかけて、妻たちを説得した。
食料のことを考え、冒険者たちに緊急依頼として、畑エリアの収穫を出した。娘たちも畑エリアに行ってお手伝いしている姿は、冒険者たちの心の癒しになっていた。
困ったのは、娘たちも生きたいと言い出したのだ。でも、さすがに連れていけないので頑張って説得しようとしたのだが、娘たちは断固として譲らなかったので、ドッペルに憑依できるようになったら連れていくと妻たちが妥協した。
執念がすごかったのか、ミーシャたち3人は2時間で憑依をものにした。ウルは以前に経験があるので問題なく憑依ができる。
強い冒険者たちもいるし、俺たちも付いていくからもしものことなどないのだが、従魔たちも過保護になり俺のメインの従魔たちが全員参加となった。もちろんリバイアサンの2匹ももちろんも参加だ。スライムたちも1人につき5匹も付いている。
周囲を囲むようにギンとクロを頂点に、オオカミたち……あれ? 数増えてね? あっ、子どもが育ったのね。ちょっと前に生まれたんじゃないっけ? 大きくなるの早いな。
知らないオオカミがいると思ったら、ギンとクロの子どもたちだったのだ。お前らがオスとメスだった事を、子どもが生まれた時に知った位なんだけどな。クロとギンにミリーの従魔のオオカミと子6匹で10匹だ。
聖獣たちもミーシャたちに1匹ずつ付き、ウルにはバッハが体を小さくした状態で護衛に当たるようだ。基本的には4人で行動してもらう予定なので、シエルとスライムが守り残りが攻めという役割のようだ。リバイアサンの2匹は遊撃だとのこと。守りは完璧だ。
と考えていたら、ワイバーン家族まで空の守りとして参加することになった。どれだけ過保護やねん!
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