ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1643話 どうだったんだろうか……

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 大会も後半戦、いや、終盤と言ってもいいだろう。1匹ずつやっていると、今日中に終わることは無いだろう。なので不気味なのだが、1つの競技場に40ヶ所程設置して同時に予選会を開始した。しかも、高跳びと幅跳びも同時に行われている。

 ん~同じ競技を同時間に行うと、どこを見ていいのかわからなくなるな。同じ競技だけに、注目の魔物を見たくてもどれが注目なのかよくわからんのだ。2つの競技を同時に行えば、更に訳が分からなくなる。

「ねぇ、シュールだけど不気味じゃない」

 綾乃は競技をチラチラ見ているが、飽きて来たのか娘たちとゲームをしながら観戦中だ。そのゲームに俺も参加してるんだけどね。

 妻たちは、予選を見てもしょうがないと思ったのか、大会が終わった後のパーティーの準備を始めている。パーティーと言っても食事会みたいなものなんだけどね。ちょうど試作していた加工品が出来たようで、それを使った料理を出すようだ。原料となった食材も出てくると言っていた。

 昔、日本にいたときに見たことがあるオリンピックで陸上に限って言えば、もっとポンポンと競技をやらないのかなと思っていたのだが、トラック競技の合間にフィールド競技が映っていたんだよな。もっとまとめて競技を映してほしかったけど、色々見れるように配慮すると共に無駄をなくす放映の仕方だったんだな。

 フィールド競技とか、予選だとテレビ欄に書かれていたか思い出せないもんな。実際は書かれていたのだろうか?

 分かったことは、神は競技を楽しんでいるわけじゃなく賭けを楽しんでるだけでなので、予選に時間をかけていない。予選より、競馬で言うパドックに時間をかけている。1000匹以上も見るのかと思ったのか、魔物を分類別けして興味のある奴らを中心に見ているっぽいな。

 そしてチビ神は、各競技にはほとんど興味がなく、友達の神たちと一喜一憂している神たちを見て楽しんでいるようだ。俺に要求したコース料理を食べながら、ワイワイしているのがたまに聞こえてくる。

 それでいいのかチビ神よ!

 チビ神は俺が勝てばいいなくらいで、メインは一喜一憂している神たちを見て楽しんでいるわけで、神によって楽しみ方が違うんだろうな。

 ってか、神って何を賭けてるんだ? 前に聞いたっけ? 考えても思い出せないってことは、聞いていないか覚えていないということだろう。

 そんなこんなで、俺たちの準備した走り幅跳び用のボーンアニマル(ウサギ)は、順調に勝ち進んでいる。匹敵するようなやつはちらほらいるけど、あの種族はなんだろな? マジか! あれって、ムササビじゃないか?

 ジャンプした後に飛んでいるように見えるけど、滑空しているだけで羽で飛んでいるわけではないのでセーフのようだ。俺も考えてはいたのに、ボーンアニマル(ウサギ)で満足してしまっていたな。そもそも、あれは飛んでるからアウトだろうって考えてたわ。

 同時進行で行われていた、高跳びでもワーラビットがピョンピョン跳ねて簡単にバーを飛び越えている。

 おっと、ミーシャたちはゲームにも飽きて寝始めてしまったな。それにしても、シンラよ。お前ってずっと俺の胡坐の中にいるけど疲れないか? ってかお前、やはりふてぶてしいな。

 正直、この後は荒れることも無く、俺が優勝してしまった。なんていうか、高跳びはワーラビットが上位を占め、テイムしてスキルを育てた俺が優勝した形だ。

 走り幅跳びは、よくわからないウルフ系の魔物がボーンアニマル(ウサギ)を追い詰めていた。今更だけど、お前は何でボーンラビットじゃないんだろうな?

 娘たち5人はどこかなっと、フブキのお腹に埋もれて寝てるな。そろそろご飯の時間だぞ。

 ウルが俺の代わりに娘たちが声をかけると、ミーシャが「ご飯!?」と声をあげて体を起こした。キョロキョロしているミーシャの隣でスミレとブルムが目を覚まし、つられるようにプラムとシオンも目を覚ました。

 ん? プラムとシオンがシンラがいなくても寝るのかとも思ったが、抱き着いて寝ているのは変わりないようだ。プラムがスミレ、シオンがブルムに抱き着いているみたいだな。

 3人ともお姉さんしているな。そのまとめ役のウルは、もっとお姉さんをしているな。

 ミリーたちが準備してくれた料理は、パーティー料理みたいでドワーフどもが喜びそうなメニューだ。

 ミリーはたくさんはお酒を飲まないが、カエデとリンドはドワーフの血が流れているので、お酒が好きでよく飲んでいる。そう考えると、スミレとブルムもよく飲むようになるのだろうか? お酒で失敗するなよ。

 後日、チビ神から連絡があったが、競技会自体は失敗したが賭けとしては面白かったとの評価だった。

 ん~それは、お前らの所為だろ。せめて予選を別に開いてオリンピックみたいにやれば違っただろうな。他にも、無計画に賭けだけを目的にやれば失敗するに決まってるわ。って突っ込んでおいた。

 そんな中でもチビ神は楽しんで賭けにも勝ってウハウハよ! とか言っていたので、よかったねー(棒)と返しておいた。

 そのとき一緒に、野球とサッカー、ラグビーの計画が持ち上がっていることを聞いたよ。もしそれなら、ダンジョンバトルみたいに、やりたい人でマッチングするシステムにしてくれとお願いしておいた。そうすれば、バザールが好きな時にできるというものだ。

 システム自体は問題ないと思うと、チビ神の知り合いが言っていたとのことだ。それが本当だと信じたいものだ。

 なんか、競技会が微妙過ぎてヤル気がそがれたわ。それにフブキを娘たちに取られて更に傷心してしまった。

 そんなときに慰めてくれたのは、ダマだけだった。それも、肉球を俺の肩にあててドンマイと言ってきたよ。そのまま捕まえてお腹に顔をうずめたら、くすぐったいと猛抗議をされたが、無視して癒してもらった。しばらく近寄ってもらえなくなったけどな。
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