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第1620話 こんなんでいいのだろうか?
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俺が解説者に罵倒されている頃、メグちゃんは……
敵のダンジョン80階層で無双をしていた。
休んで元気が出たのか、娘たちからエールをもらって張り切っているのか分からないが、昨日とは比べ物にならないレベルで、S級スケルトンたちを操って殺している。
メグちゃんが水流操作をしているから、水エリアとか関係なしに進んでいくため迷路で罠が多かったが、今は罠を使っても簡単に見破られると分かったためか、とにかくたどり着くまでに階層のほぼすべてを踏破しないといけない渦巻き状になっている。
所々に敵を配置して、殲滅後に扉が開く仕掛けなども準備している。とにかく遅滞戦をしているようにしか見えない状況だ。とにかく時間を稼いで、攻め込むつもりなのだろう。
俺らが32階に引いた後、すぐに水エリアの対策として水陸両用の魔物を大量に送り込んできた。でもそれだけではゴーレムたちを突破できないことは分かっているようで、ゴーレムたちに対抗できる水棲生物を魔物たちに運ばせていた。
貫通属性のことは分かっていないと思うが、長年の経験か貫通属性を持っている水棲魔物を選んでいたのだ。しかもその運び方が斬新だった。
「まさか、水棲魔物の運搬に水ゴーレムを使うとは思ってもみなかったわ」
「シュウは、早い段階でクリエイトゴーレムを手に入れたから、属性付きのゴーレムをほとんど使ったことがないんだっけ?」
「そうそう、属性ゴーレムって使い勝手が悪そうに見えたから使ってなかったんだよね。それ以上にクリエイトゴーレムで、同等の属性ゴーレムもどきも作れたからな」
「あ~ニコちゃんたちスライムを模した、人造スライムみたいなのを作ってたわね。しかも、危ない薬品を使った奴。家とか家具には影響ないのに、害虫を体内に取り込んで溶かしているのを見た時、戦慄したわよ」
そういえば、あの人造スライムたち今何をしているんだろうか? 前は、レアキャラとしてダンジョンで遭遇したら、朝食で余った食事をプレゼントする係だったような? 家にいるときは、害虫駆除してくれているのか? 便利な奴だ。
「あっ! 今度はクラーケンも運んできたでござる。まさか、締め付けが有効なのも経験で知っているでござるか?」
「人造ゴーレムたちは問題ないけど、アダマンゴーレムとかはさらに動きも遅くなるし、絶望的だな。次に入ってきたあれはなんだ? マップに光点が表示されているのに、映像に移ってないんだけど、幽霊系の魔物か?」
「鑑定結果が出たでござる。初めて見るタイプのゴーレムでござる。ウィンドゴーレムというらしいでござるが、凪いでいるから風っていうのもおかしいでござるな」
「シュウの召喚リストにはいなかったゴーレムよね? 属性でまだいないのは、光と闇だっけ?」
「それがさ、光と闇のゴーレムは召喚できるんだけど、使い道がかなり限定されるんだよ。光のライトゴーレムなんだけど、眩し過ぎて仲間も視界が悪くなって使い物にならないし、闇のダークゴーレムは暗闇でしか生きられないっていう謎生態なんだよな」
「何それ? 意味不明なゴーレムね、本当にゴーレムなの?」
「名前はゴーレムだな。それより、あのウィンドゴーレムは何に使うんだ?」
「この数を考えるとでござる……ワームや聖銀を纏ったオーガを運ぶのではござらんか?」
「ウィンド、風、空気のゴーレムってことか? あり得るな。これって、フェンリルたちも苦戦するか?」
「どうかな。水の中を移動するから行軍速度は落ちるしフェンリルたちなら、ワームやオーガは苦にならないんじゃない? 物量戦をするにも、行軍速度の問題で大量には運べても足りないと思うけどね」
綾乃の言っていることも一理あるな。
「よし、フェンリルたちにワームとオーガを任せて、人造ゴーレムとS級スケルトンで可能性は低くても物量戦に備えるか」
人造ゴーレムも人型だけでなく、魔物を模したアラクネ型やケンタウロス型なども投入することにした。
人造ゴーレムもS級スケルトンも倒されれば多少の痛手にはなるが、正直新しく作ることもできるから消耗戦には持って来いだったりするんだよね。
「あ、ディザスターラットも使っちゃえば?」
「あいつら、待機エリアで増えてるもんな。33階に放つか? 34階も水エリアだから暴走しても問題ないな。よし、フェンリルたちの遊び相手にもなるだろうから、ちょうどいいな」
フェンリルたちに連絡を入れてから、ディザスターラットたちも33階に放した。
フェンリルってオオカミに属する魔物なんだけど、ネコみたいな習性があるんだよね。相手をいたぶるというかなんというか、狩りで遊ぶ感じかな? だから、死んでも気にならないディザスターラットなら、気にせずに遊び相手にできるというものだ。
「メグちゃんの様子はどうだ? イラ立ってたりしないか?」
「今のところ問題なさそうでござる。制限はあるでござるが、昨日と違って全力で能力を使えることが楽しくなってきているみたいでござる。イケイケ状態でござるよ」
娘たちのエールでもなく、全力で能力を使えることが楽しいみたいだな。これからのダンジョンバトルも、自分から参加しようと思ってくれるだろうか? そうなれば、作戦を考えるのも楽になるかな? でも、そればっかりに頼るようになるのはどうなのだろうか?
「攻めはバザールのサポートに任せて、俺たちは守りに集中するか」
『おっと? 駄女神のダンジョンマスターが、何を血迷ったのか自分のダンジョンにディザスターラットを解き放ったぞ! 自殺願望でもあるのだろうか!』
ちょっと待て! なんでこいつがまだ踏破されてない階層の情報持ってんだよ! さすがにこれはダメだろ! チビ神、どういうことだ?
『どうやって知ったのかは分からないけど、さすがに問題がある発言だったみたいで、創造神様の遣いが回収してったわ。いい気味よ!』
罰がくだるならそれでいいか。
1週間後、敵のダンジョンマスターは、結局33階を抜けることが出来ずに敗北することとなる。
もともと100階だったはずのダンジョンがいつの間にか150階に増えており、攻略するのに時間がかかってしまった。
この1週間は、解説者も面白くなかったようで、テンションが低かったのが印象的だった。
敵のダンジョン80階層で無双をしていた。
休んで元気が出たのか、娘たちからエールをもらって張り切っているのか分からないが、昨日とは比べ物にならないレベルで、S級スケルトンたちを操って殺している。
メグちゃんが水流操作をしているから、水エリアとか関係なしに進んでいくため迷路で罠が多かったが、今は罠を使っても簡単に見破られると分かったためか、とにかくたどり着くまでに階層のほぼすべてを踏破しないといけない渦巻き状になっている。
所々に敵を配置して、殲滅後に扉が開く仕掛けなども準備している。とにかく遅滞戦をしているようにしか見えない状況だ。とにかく時間を稼いで、攻め込むつもりなのだろう。
俺らが32階に引いた後、すぐに水エリアの対策として水陸両用の魔物を大量に送り込んできた。でもそれだけではゴーレムたちを突破できないことは分かっているようで、ゴーレムたちに対抗できる水棲生物を魔物たちに運ばせていた。
貫通属性のことは分かっていないと思うが、長年の経験か貫通属性を持っている水棲魔物を選んでいたのだ。しかもその運び方が斬新だった。
「まさか、水棲魔物の運搬に水ゴーレムを使うとは思ってもみなかったわ」
「シュウは、早い段階でクリエイトゴーレムを手に入れたから、属性付きのゴーレムをほとんど使ったことがないんだっけ?」
「そうそう、属性ゴーレムって使い勝手が悪そうに見えたから使ってなかったんだよね。それ以上にクリエイトゴーレムで、同等の属性ゴーレムもどきも作れたからな」
「あ~ニコちゃんたちスライムを模した、人造スライムみたいなのを作ってたわね。しかも、危ない薬品を使った奴。家とか家具には影響ないのに、害虫を体内に取り込んで溶かしているのを見た時、戦慄したわよ」
そういえば、あの人造スライムたち今何をしているんだろうか? 前は、レアキャラとしてダンジョンで遭遇したら、朝食で余った食事をプレゼントする係だったような? 家にいるときは、害虫駆除してくれているのか? 便利な奴だ。
「あっ! 今度はクラーケンも運んできたでござる。まさか、締め付けが有効なのも経験で知っているでござるか?」
「人造ゴーレムたちは問題ないけど、アダマンゴーレムとかはさらに動きも遅くなるし、絶望的だな。次に入ってきたあれはなんだ? マップに光点が表示されているのに、映像に移ってないんだけど、幽霊系の魔物か?」
「鑑定結果が出たでござる。初めて見るタイプのゴーレムでござる。ウィンドゴーレムというらしいでござるが、凪いでいるから風っていうのもおかしいでござるな」
「シュウの召喚リストにはいなかったゴーレムよね? 属性でまだいないのは、光と闇だっけ?」
「それがさ、光と闇のゴーレムは召喚できるんだけど、使い道がかなり限定されるんだよ。光のライトゴーレムなんだけど、眩し過ぎて仲間も視界が悪くなって使い物にならないし、闇のダークゴーレムは暗闇でしか生きられないっていう謎生態なんだよな」
「何それ? 意味不明なゴーレムね、本当にゴーレムなの?」
「名前はゴーレムだな。それより、あのウィンドゴーレムは何に使うんだ?」
「この数を考えるとでござる……ワームや聖銀を纏ったオーガを運ぶのではござらんか?」
「ウィンド、風、空気のゴーレムってことか? あり得るな。これって、フェンリルたちも苦戦するか?」
「どうかな。水の中を移動するから行軍速度は落ちるしフェンリルたちなら、ワームやオーガは苦にならないんじゃない? 物量戦をするにも、行軍速度の問題で大量には運べても足りないと思うけどね」
綾乃の言っていることも一理あるな。
「よし、フェンリルたちにワームとオーガを任せて、人造ゴーレムとS級スケルトンで可能性は低くても物量戦に備えるか」
人造ゴーレムも人型だけでなく、魔物を模したアラクネ型やケンタウロス型なども投入することにした。
人造ゴーレムもS級スケルトンも倒されれば多少の痛手にはなるが、正直新しく作ることもできるから消耗戦には持って来いだったりするんだよね。
「あ、ディザスターラットも使っちゃえば?」
「あいつら、待機エリアで増えてるもんな。33階に放つか? 34階も水エリアだから暴走しても問題ないな。よし、フェンリルたちの遊び相手にもなるだろうから、ちょうどいいな」
フェンリルたちに連絡を入れてから、ディザスターラットたちも33階に放した。
フェンリルってオオカミに属する魔物なんだけど、ネコみたいな習性があるんだよね。相手をいたぶるというかなんというか、狩りで遊ぶ感じかな? だから、死んでも気にならないディザスターラットなら、気にせずに遊び相手にできるというものだ。
「メグちゃんの様子はどうだ? イラ立ってたりしないか?」
「今のところ問題なさそうでござる。制限はあるでござるが、昨日と違って全力で能力を使えることが楽しくなってきているみたいでござる。イケイケ状態でござるよ」
娘たちのエールでもなく、全力で能力を使えることが楽しいみたいだな。これからのダンジョンバトルも、自分から参加しようと思ってくれるだろうか? そうなれば、作戦を考えるのも楽になるかな? でも、そればっかりに頼るようになるのはどうなのだろうか?
「攻めはバザールのサポートに任せて、俺たちは守りに集中するか」
『おっと? 駄女神のダンジョンマスターが、何を血迷ったのか自分のダンジョンにディザスターラットを解き放ったぞ! 自殺願望でもあるのだろうか!』
ちょっと待て! なんでこいつがまだ踏破されてない階層の情報持ってんだよ! さすがにこれはダメだろ! チビ神、どういうことだ?
『どうやって知ったのかは分からないけど、さすがに問題がある発言だったみたいで、創造神様の遣いが回収してったわ。いい気味よ!』
罰がくだるならそれでいいか。
1週間後、敵のダンジョンマスターは、結局33階を抜けることが出来ずに敗北することとなる。
もともと100階だったはずのダンジョンがいつの間にか150階に増えており、攻略するのに時間がかかってしまった。
この1週間は、解説者も面白くなかったようで、テンションが低かったのが印象的だった。
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