ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1615話 着々と侵攻中

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「あったけど、思ったより上手く隠されてたな。上の階も同じような隠し方だから、もしかしたらこの手のトラップって完全に埋めることができないのかもしれんな。俺たちの迷宮には、通路が変わるトラップは仕掛けてないからな」

「確かにないけど、それ以上に悪辣なトラップが沢山あるじゃない」

「あれは、トラップと呼んでいいのでござるかね? クリエイトゴーレムによる発動自由でござるからな」

「一応、罠として機能させてるわけだし、罠でいいんじゃね」

 センサーは、迷路型、煉瓦でできた通路の迷宮だったため、気付きにくい隠され方をしていたのだ。煉瓦を重ねる際にあえて平面ではなく、でこぼこができるように重ねてあるため隙間が探しづらくなっているのだ。

 本当に面倒な話だが、その隙間の奥にセンサーが仕込んであったのだ。しかもそれだけではなく、センサーを回避できないように、普通の魔物なら絶対に引っかかるように複数つけられていたのだ。

 他にも、初めはセンサーに気を取られていて気付けなかったが、床まで凹凸にしていたのは接触型スイッチも併用していたようで、重さがかかると発動するタイプだったのだ。水を操っているとはいえ、移動させているため床のスイッチが反応してたのだ。

 これに気付くまでにセンサーを発見してから、更に1時間を必要とした。

 ただ、向こうのダンジョンマスターは泡を吹いているだろうな。普通なら魔物にここまでの対応力がないので、もっと時間がかかるはずなのだ。それが予想していたより早く発見され、類似トラップも見つけられているのだ、慌てているだろうな。

「こんなの、よく考えたわね。センサーだけじゃなくてスイッチみたいなのもあるなんて思わなかったわ。でも、タネが分かれば見つけるのは簡単ね」

 似たような隠し方をしているため、見つけやすかったのだ。おそらくだが、細かく設定して作り変えるのは難しいのだろう。

「それでも、普通に進むよりは時間がかかるのは、仕方がないでござるな」

「探しながらだから仕方がないさ。それより、似たようなトラップで効果が違うタイプとかあったら厄介だぞ」

 俺たちは手分けをして、メグちゃんたちより先行してセンサーを探している。全部見つけられているわけじゃないので、メグちゃんたちが引っかかったときは、近くに待機させているウィスプに乗り替わりセンサーなどを探している。

 今日1日かけて50階まで到達することができた。相手は19階まで突破してきているので、娘たちのエリアが突破される前に最下層にたどり着くのは難しそうだ。敵の魔物が慣れてきたおかげか、攻略スピードが上がってるんだよな。

 やはり同じように罠を配置していると、俺たちみたいに指揮系統が確立されていなくても対応できるようになってしまうようだ。今度からは、5階毎とかに罠のタイプを変えていく方がいいだろう。娘たちにも後で教えてあげよう。

「夜はバザールに任せるけど、大丈夫か?」

「問題ないでござるよ。さすがに同じペースで進めと言われると無理でござるが、出来る範囲でもんだいないのでござろう? それでござるなら、問題ないのでござる」

「お前のござる口調って、かなり無理やりだよな。疲れないのか?」

「っ! 酷いでござる! 某、キャラを頑張って作っているのでござるのに!」

「骨だけで十分じゃないのか?」

「主殿のお仲間は特徴的でござるから、骨だけでは埋没してしまうでござる!」

 と、よくわからない主張をしている。

 まぁ、疲れいないのなら問題ないか。こいつはこいつで面白いからな。

 バザールに夜のことは任せて、ササッと風呂に入ろうと思ったら、娘たちが待ち構えていた。

 ウルも落ち着いた様子で一安心だ。一緒にお風呂に入りたいから待っていた……と言われれば、否は無い! 今日はみんなの髪の毛を洗ってあげよう。体は背中以外は自分で洗うんだぞ!

 ウルの髪の毛を初めに洗ってあげていると、ミーシャたち3人は体を洗い始めたのだが、泡がたちすぎて泡ダルマみたいになっている。遊んでいる様子ではないのだが、危ないのでほどほどに注意する。

 可能な限り1日1回は顔を合わせているので気付かなかったが、この子たちも大きくなってきたな。一緒にここのお風呂に入るのは久しぶりだったので、気付けた変化だ。だけど、大きくなったね、と言ったら、ウルに拗ねられてしまった。

 この歳でも、大きくなったって言われるのは嫌なのか? む~女心は難しいな。

 ミーシャたちは、成長してるんだよ! と胸を張っているので、ウルはお年頃になってきたのだろうか? もうすぐ、お風呂に一緒に入りたくない! とか、洗濯物は別に洗って! とか、言われてしまうのだろうか?

「それは無いわよ。シュウは考えすぎね。私的には、この子たちが父親離れできるか心配だわ」

「あれ? 声に出てた? 父親離れできないのなら、一生近くにいてくれていいぞ!」

 スパンッ!

 頭に衝撃が走った。痛くないのだが、結構いい音だ。娘たちも驚いているじゃないか!

 叩いた犯人は、リンドだった。

「父親離れの前に、娘離れをしてもらわないといけないみたいね」

「それにしても、何で俺の考えていることってすぐにばれるのだろうか?」

「お風呂に入りたくないとかのくだりは顔に出てたけど、その後は全部声に出てたわよ」

「マジか! 無意識のうちに口に出してたとは」

「大体は、顔で考えていることがわかるけどね」

 そんなにわかりやすい人間なのかな?

 どうでもいいことに頭を悩ませながら、お風呂を上がった。

 娘たちは、甘えたい日なのか一緒に寝たいとせがんできたので、母親を含めた8人で寝ることにした。俺が中心で左右に娘たち、その外側に母親という形だ。ミリーが一番外側なので大丈夫かなと思ったら、ハクを抱き枕にしていた。

 お前、久々に見た気がするけど、どこ行ってたんだ?
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