ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1593話 キャンプで勝負!

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 結果発表をしてから1週間は、娘たちの思うままに一緒に遊んだ。とにかく遊び倒した。

 キャンプを思いのほか気に入ったようで1週間の内の後半4日間は、娘たちと一緒に前と同じ場所でキャンプをしている。思い付きの行動だったので母親たちがついてこれず、年少組のメンバーが勢ぞろいでキャンプへ行っている。

 そのキャンプの中で一番盛り上がったのは、バームクーヘン作りだろう。

 俺と娘たち4人と年少組が半分に分かれて、合計3チームでどのチームが一番きれいにバームクーヘンを作れるか競い合ったのだ。

 バームクーヘンの生地の材料はブラウニーたちが準備してくれたのだが、混ぜる量などは教えられることなく、自分たちで考えて競い合うことになったのだ。

 きれいな年輪を作るためには、ある程度生地をゆるく作る必要があると思う。

 キャンプ動画で見たことあるが、野外で作るバームクーヘンはお店のやつのようにきれいな年輪ではなく、結構いびつな形をしているのが普通っぽかったのだ。

 そこは、持っていける道具に適当な道具がないため、限界があるのだろう。それにバームクーヘンの液がホットーケーキを焼くときと同じくらいでは、厚みにムラができてしまうのはしょうがないと思う。

 その点俺には、クリエイトゴーレムがあるので、回して焼く作業は任せることができる。問題は液をゆるくするということは、水分量が多くなるので時間がかかるということだろう。

 1日使って焼き上げる勝負なので、どこまで大きくできるか! と期待をしている娘たちには何というべきだろうか? 試してみないと分からないので、娘たちよあまり期待しないでくれ!

 まずは、ブラウニーたちが準備してくれた粉に卵と牛乳を入れていく。まず目指したのはホットケーキくらいの粘りがある状態だ。ここまでなら娘たちにも問題なくできる。

 粉をふるいにかけて混ぜていく娘たち。ウルがしっかりとお姉さんをしているようだ。

 ミーシャの性格は母親に似ずに、誰に似たかあえていうなら、リンドだろうか? 豪快で大雑把なのだが、自分の興味のあるものにはすごい集中力を発揮するような感じだ。

 スミレは母親に似て天然なところはあるが、基本的に細かいことをあまり気にしないのんびりとした正確だろうか?

 ブルムは、初めこそ一番お転婆だった気がするが、今は子どもにしては静かかな? と思う。本が好きで、よく漫画本を読んでいる。

 まぁ、3人とも俺がイメージしていたように、元気いっぱいに暴れることは少ないと思う。昼間に母親たちとトレーニングをしているせいだろうか?

 暴れるときは全力で暴れるので、大変ではあるけどね。

「よーし、まだちょっと粘りが強いから牛乳をもう少し足していこう。クレープとまではいかないけど、ホットケーキとの中間くらいまで、生地をゆるくしてほしいな。俺はその間に、バームクーヘンを焼く棒を作るから、ウル任せたよ」

「分かりました。悪乗りしないように、3人の面倒を看ておきます」

 自分より年齢が下の子がいると、上の子はしっかりするのだろうか? ミーシャたち3人と仲良くなってからは、ずっとお姉さんっぽい立ち振る舞いをしてるけど、ウルにももっと甘えてもらいたいと思ったりする。

 時折、お姉さんっぽくふるまっているのに疲れるときがあるみたいで、幼児退行と言っていいのか微妙だが俺妻たちの誰かに全力で甘えることがあるけど、そういう甘えが欲しいわけじゃないんだよね。パンクしないように看ておかないとな。

 そういえば、シェリル・イリア・ネルの3人も、娘たちが生まれてから一気に大人っぽくなった気がするな。娘たちがいないときは、よく甘えてきていた気がするが、今は子どものような甘えは無くなっている。

 娘たちの様子を見ながら、バームクーヘンを焼く棒を作っていく。

 ただの棒だと液をつけるときに困るんだよな。キャンプ動画とかでは、アルミホイルを棒に巻いてそこに液を掛けながら焼いていくのが多かった気がするな。

 焼く部分だけを盛り上がらせればいい、大きさは違うが、ピザの伸ばし棒みたいに真ん中が膨らんでいる感じに仕上げた。

 後は回すゴーレムと焼くための場所を作る必要があるな。

 俺がイメージするのは、液を掛けていく方法ではなく、棒の焼いている部分を液に浸して表面だけに液をつけて焼いてを繰り返す予定なので、持ち上げるときに落とさないように、一定の動きをするアームのようなものを作り、焼く場所と液を往復する道具を作るべきか?

 自動回しゴーレムは簡単に完成。

 液はゆるく作るから垂れることが前提だよな。それなら火は、左右から焼けるように炭を入れられポケットを作ってそこで燃やせばいいかな?

 大きくなればなるほど火の距離が近くなるから、距離も調節できる方がいいか。

 それなら、T字のレールを作って横の部分に火を入れるポケットを付けて移動できるようにする。縦の部分はバームクーヘンの棒をセットできるようにする。そうすれば、落とす心配もないな。ついでに、ロック機構をつけておけば問題ないだろう。

 バームクーヘンの液は、T字の下にセットして棒を下ろしてつけて持ち上げる。垂れる液はそこで回収って感じで完璧だ!

 そうこうしている間に、バームクーヘンの液が出来上がったようだ。

「焼いてつまみ食いしてたのか?」

「きちんとブラウニーさんたちに許可取ってから、少しだけ焼いてもらって食べたんだよ!」

 慌てて言い訳を始めたミーシャだった。ウルも頷いているので、嘘ではないようだ。ホットケーキと変わらないわけだから、娘たちが食べたくなるのも仕方がないか。

「ブラウニーたちの許可があるなら問題ないな。液はしっかり混ぜれたか?」

 はいっ! といって、結構な分量が入ったボウルを見せて来た。

 そうやって焼き始めたのだが、案の定娘たちは焼く作業が単調だったので飽きてしまい、この前4人が貯めたDPで買った40インチのタブレットPC……タブレットじゃねーじゃん! とか思ったが、DPで魔改したので40インチあってもタブレットPCと鑑定結果が出る。それでアニメを見始めてしまった。

 1話毎の終わりに娘たちに声をかけて、液をつけてもらいながらなんとか頑張った。

 勝負の結果、形は俺たちのチームが一番の評価をもらったが、味は他の2チームの方がおいしかったため、結局結果は引き分けとなった。

 同じ材料で調理したのに何で味が違うのかと思ったら、他の2チームは独自に材料を足して作ったようだ。

 バームクーヘンの形なのだが、俺たちがドーナツ型。

 年少組の片方が箱型とでも呼べばいいのだろうか? 四角いフライパンを用意して、液を焼いて1層目ができたら取り出してまた液を入れて焼く。しばらくしたら1層目を乗せて2層目が出来上がる。それの繰り返しで作ったようだ。

 もう片方が、大きい厚焼き玉子焼き機を準備して、卵焼きのように巻いていったらしい。なので形にすると棒状のものができていた。始めの部分は年輪ではなく、渦巻き状に見えるのも特徴だろう。多少いびつな部分もあったようで、なんとか引き分けになったといった感じだ。

 俺たちが使った道具を見て、みんなからブーイングが上がったけどね。魔法だって俺の力なのだよ!

 そこ! 大人げないとか言わないの!
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