ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,589 / 2,518

第1589話 湖の名前の通りになった

しおりを挟む
「脱線に脱線を重ねてるけど、タコの魔物のクラーケンが出てきたらどうする?」

「クラーケンに合わせた魔物を召喚する余裕は、2匹ほどしかないでござるな。それでござるなら、3式装備にタコに有用な装備を準備する方がいいのではござらんか?」

「タコに有用な装備ってなによ?」

「火とかでござるか?」

「水の中で?」

「「……」」

「火か、茹でてみるか? ダンジョンの機能で温度を上げらなかったか?」

「上がるでござるが、海水を100度にしたところでクラーケンは茹だるでござるか?」

「いくら熱いのが苦手だとは言っても、普通の生物であれば100度で茹でられて生きてらてる奴なんていないわよね。それを考えると、火あぶりにされても死なない魔物がそれなりにいるから、厳しいんじゃないの?」

「ん~どうすんべ?」

「少なくともリバイアサンは、死なないでござるな。100度でも死なないでござるが、リバイアサンであれば温度も自由に調節できると思うでござる」

「シリウスやめぐちゃんが100度のお湯につかったからって、死ぬ気はしないな。もっと言えば、俺だって熱いとは思うだろうけど、死ぬことは無いだろうな。呼吸の問題がなければ、10分は簡単に耐えれるし、それだけあれば回復しながら水温下げれるだろうな」

「それもそうね。100度だからってずっと耐えなきゃいけないわけじゃないし、自分で下げられるなら下げるわよね」

「ダンジョンの機能であげるのでござれば、常に魔力を使うことになるでござるけどね」

「その状態で戦闘は、正直無理に近いかな? リバイアサンやダゴンならできるだろうけど、今回はそれクラスの魔物は使えないからな」

「1ついいっすか? 死ぬか死なないかは分からないっすけど、タコって極端に塩分が強いと嫌がるっす。タコつぼに入ったタコを出す時に、海水よりかなり濃い塩水をかけるとか、聞いたことがあるっす。塩ならDP食わないっすよね?」

「問題ないな。この世界の塩を買えば高いけど、地球の値段で塩を買うならトンクラスでも全然問題ないな。っと、こうなるとダンジョンを小さめにしておいて正解だったかもな」

「そうっす。死海の海水とか召喚できないっすか? あそこの湖底の海水なら、人間界で作り出すことのできない濃度とか聞いたことがあるっす」

「死海ってメッチャ濃度の高い塩湖だっけ? 確かに海水とか、水だったらDP消費は少ないからな。これなら、ダンジョンの中の海水を入れ替えても大した消費にならんな。そこに武器として塩を置いておくか?」

「多分すけど、淡水の魔物が海水に耐えられなかったように、海水に耐えれる魔物でもあの海は耐えれないんじゃないっすかね?」

「そう言われればそうかもしれないな。俺だって塩分取りすぎれば死ぬだろうし、タコが死ぬまで粘れば勝ちか?」

「可能性は高いと思うっす」

「それは、クラーケンを召喚して確かめればいいんじゃない? 死海の海水に実際付けてみればいいんじゃない?」

「み、ミッシェルはダメっすよ!?」

「「「ミッシェル?」」」

「自分がもらったクラーケンの名前っす」

「「「……」」」

 3人とも開いた口が閉じれなかった。

「おう、あのクラーケンは使わないよ。違う奴をお前が見えないところでやるから……バザール、Lv800くらいのクラーケンを、召喚して死海の海水に突っ込んでみてくれ」

 バザールは健司に見えないところで実験を始めた。

「それでさ、まったくどうでもいい話なんだけどさ、私の中でクラーケンって言うと、健司と同じでタコじゃなくてイカの魔物ってイメージなんだけど、おかしいかな?」

「あれ? 言われてみれば、クラーケンってタコよりイカのイメージが強い気がするな。なんでさっき気付かなかったんだ?」

「クラーケンはタコやイカのような、多足類で描かれることが多いっすから、どちらも間違いじゃないんじゃないっすか?」

「この世界では、タコなんだからそれは受け入れないとな。後は、タコ以外に締め付けや噛みつきが得意な魔物がいないかってところだな」

「ウミヘビとかっすかね?」

「締め付けは無理じゃないか? 体が大きくなればなるほど、小さい物を締め付けるのが困難になるからな。小さければアームでバッサリじゃね?」

「後は、速く泳いで噛み付く魚の方じゃない?」

「噛み付くって意味では、亀にも強いのはいるっすよね? 他にも、鎧みたいな外骨格を持った魚とかが、昔いたとか聞いた気がするっす。それの魔物がいたらどうっすかね?」

「亀か、ワニガメの魔物バージョンがいたら、マジで大怪獣だな。歯がないのに硬い物を簡単に折ったりするんだよな、確か。あれ? 亀の魔物の欄に、アリゲーターモンスタータートルっていうのがいるんだが」

「アリゲーターって、ワニ? モンスターはそのまま魔物みたいなもんよね。タートルってことは、ワニ魔物ガメ? ワニガメの魔物バージョンかしら?」

「あれっす、ワニガメの英名ってモンスターじゃなくて、スナッピング的な何かじゃなかったっすか?」

 そんなことを話していたら、バザールが戻ってきた。早くね?

「そんな名前はどうでもいいでござる。それよりも、ワニガメの魔物が主の召喚欄にあるってことは、デフォルトで召喚できるダンジョンマスターがいるってことでござる。調べるでござるよ」

 アリゲーターモンスタータートルを改造なしで召喚してみた。

「でけえな、ここまで大きいワニガメって、かなり迫力があるんだが」

「強さだけで言えば、Cランクでござるが、迫力だけで言えばSランクに相当するでござる」

 甲羅の高さは1メートルもないのだが、体の大きさは3メートルを超えているのでかなりデカい。

「これだと、ギリギリでダンジョンに侵攻できるサイズだな。魔改造で体を小さくできるから、Lv次第では簡単に3式を喰い千切りそうな見た目だよな」

「召喚した後でも、改造できるようになったでござるから、1メートルくらいにしてみるでござるか?」

 いつの間にか、召喚した後の魔物も魔改造ができるようになっていたようだ。DPでLvをあげることはできたが、体のサイズとかを修正するのは今までは無理だった。召喚した魔物限定っていう条件があるので、捕まえてきたゴブリンを掌握しても魔改造はできないということだ。

「1メートルでもゴッツイな。レベルは、いくつにした?」

「クラーケンと同じ600でござる。そういえば報告を忘れていたでござるが、Lv800クラーケンは死海の海水で死んだでござる。どうやら、魔物でも塩分濃度が高ければ死ぬようでござる」

 クラーケンは死海には勝てなかったらしい。それでもリバイアサンやダゴンは水を操れるから、死なないとは思うけどな。

「亀は、生きられんのかね?」

「体内にどれだけ塩分を入れないか、じゃないっすかね?」

 塩湖の海水の中にワニガメの魔物が投入される。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

処理中です...