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第1552話 戦略戦
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それにしても、相手の装備破壊、話にはなかったけど、始めから考えてたことなのだろうか?
「武器破壊でござるか? 綾乃殿が、武器って壊してもいいんでしょ? だったら壊してやろうぜ! って言ったでござるから、調べてみたでござるよ。シュウ殿には言ってなかったでござったか?」
ということらしい。
俺っている必要なくね? って思うけど、俺が一応マスターだからな。
「3試合目も同じように武器破壊するのか?」
「そうでござる。相手が武器に頼っている限りは、骨ゲーターと強化外骨格3式を前面に押し出していくでござる」
「こっちは、強化外骨格3式が壊れても問題ないようにしてるから大丈夫だしね」
どういうことだ?
「修理自体は認められているのよ。だから粉々にでも押されない限り、1時間もあれば治せるわ」
だってさ。そもそも強化外骨格を本当に使わせる予定の魔物は何なのさ! 俺、それ教えてもらえてないんだけど! 本当に一緒にダンジョンバトルを乗り切る仲間なのか? って思わなくもない。
1時間が経過して3試合目が始まった。
ダゴンを召喚できるマスターの方は、試合開始と同時に武器を投擲、そして場外に飛んでった。
バトルロワイアルのステージは、コロシアムみたいに円形で高い壁がある感じなので、魔物が場外に出て負けということはほとんどないのだが、武器が場外に飛んでいってしまうことは、ままあることである。
「考えたな。壊されるくらいなら、場外に投げれば武器破壊されない。だけど、あれって回収できないと再度使えないんだよな?」
「そこらへんは何か考えてるんじゃない? 前の2試合とちょっと違う武器だったし、何か仕掛けがあるかもしれないわよ」
綾乃、よく見てるな。同じような槍タイプの武器だったから俺は気付かなかったが、確かに前の2試合と違う武器を投擲していた。
ダゴンじゃない方のマスターは、武具の引継ぎを諦めたのか魔物が変わっていた。明らかに、骨ゲーター狙いの魔物が出てきた。
アダマンコーティングをしていても、骨ゲーターはアンデッドだ。有効な攻撃は存在している。アダマンタイトは魔法耐性こそほとんどないが、とにかく頑丈なのが売りの金属である。だから、魔法は打撃よりは有効な攻撃となりえる。そして、アンデッドに有効な魔法と言えば聖属性の魔法だ。
聖属性は、特殊な魔法であるがダンジョンマスターであれば、宝珠を使って簡単に覚えさせることができる。それに、スキルLvも簡単に上げることが可能だ。
相手が準備した魔物は、空を飛べるハーピー系統の魔物で、魔法を得意としている種族みたいだな。
「こりゃ勝てないでござる。対空攻撃の準備してないでござるよ」
「これは一方的に魔法を撃たれて負けるわね。さっきの改造で3式に遠距離攻撃の武器を持たせておくべきだったわね。ギブアップがないから、負けるのに時間かかるわね」
そこが問題である。負けが確定しているのに、倒されるまでに時間がかかるという矛盾。武器破壊もできないから、3式の活躍もって、
「バザール、3式で自分のことは攻撃できないのか?」
「……出来るでござるな。上のブレードの材質はアダマンタイトでござるからな!」
念のため3式を壊されないようにするために、ダゴンのマスターサイドの魔物を瞬殺した骨ゲーター。しっかり死んだことを確認した後、3式を使って自分を攻撃しだした。倒れるまでには時間がかかったが、それでも3分はかからなかったので、かなり時間を短縮できたと思う。
「さてさて、次だけどダゴン出てくるかな?」
「どうでござるかな?」
「多分出てくるわよ。水中武器として開発したあれを装備させれば、何の問題もないと思うけどね。あれなら対空戦もできるわよ」
おぃおぃ、俺の知らないモノがまだあったのかよ。本当に俺を除け者にしてねえか? 一緒に対策練ってたよな? 一緒にシミュレーションもしたよな? なんでなんで?
置いてきぼりをくらっている俺は、何と言っていいのかわからず、2人の様子を見ているだけしかできなかった。
水中武器として開発したと言っていたが、なんてことはない水中銃のようなものだ。メタルマッスルを使って打ち出す武器みたいだな。しかも、Sランクの魔石を使っているので、出力も高い。そして弾だが、魔核で圧縮した石の矢みたいな物を作り出すので、壊れない限り無限に打てるのだとか。
これの利点は、銃と言っているが火薬を使っていないので、威力の高いアースアローみたいなモノである。ダメージの軽減が見られない、かなり使える代物となっている。
そういえば、前にレールガンを作ってみようとしたけど、制御が上手くいかなくて失敗したんだよな。あれなら、敵を簡単に吹っ飛ばせる威力を出せると思うんだけど、無理かな? 今度時間があるときに、また作ってみるか。
強化外骨格3式を装備させられた……お前って、サハギンか? 妙に人間っぽいけど、種族は何だ?
ハイサハギン? 何それ? サハギンの上位種? だからってなんで人間みたいなの? 知らないって、そりゃそうか、魔物の進化や種族特徴なんて俺たちにわかるわけねえよな。
分かってたけど、段ボールマニアのP〇版1作目の忍者ロボットみたいだな。それにバックアームと足ヒレ……もはや別物だけど、正面から足首から上を見れば、それっぽいな。
そして両腕に籠手を大きくしたようなものを装備していた。どうやら相手に使われることを考慮してか、銃タイプではなく籠手に仕込むタイプのものになっていた。
4試合目が開始された。
ダゴンのマスターは、綾乃の予想通りダゴンを出してきた。それに対してもう1人のマスターは、先ほどと同じハーピー系の魔物だ。ただ、手には先ほどは見なかったボウガンを持っていた。
あっちも考えることは一緒か? ただ、空からそれが当たるとは思えないが、空にいれば場外は無いし時間でなんとかなるって思ってるんじゃないかな? 矢の数は大丈夫なのだろうか?
っと敵の心配をしてもしょうがないな。俺たちはやれることをやろう。
「バザール、先にハーピーを落とすわよ!」
「了解でござる」
ダゴンの展開した水エリアを自在に泳ぎ移動するハイサハギン。勢いそのまま真上に飛び出して、ハーピーに向かって腕を伸ばす。そこから音速を超える矢が射出され、頭を打ち抜いた……その武器強すぎね?
水中に戻ってきたところをダゴンが狙っており、槍を投げて来た。さすがSランクの魔物である。特殊能力が高くそれ以外は弱い方と言われても、強者なのだ。Aランクの魔物でも重傷を負わせる勢いを持った攻撃だが、素早く動いたバックアームに払われる。
弾いた槍をつかもうとして失敗した。
「あの武器って、原理は解らないけど手元に戻すことができるんだな。だから回収が可能だったわけか」
場外に出たら回収できないと思っていたが、手元に戻ってくる機能があれば問題ないのか。
「壊すのは無理そうでござるから、さっさと片付けるでござる」
ダゴン以上のスピードで動き回り、隙をついて矢を打ち出していく。水中で矢が遅くなるためか、ダゴンの急所には当たらないが、地道に削り取って勝利を収めた。
終わってみれば完勝である。
「武器破壊でござるか? 綾乃殿が、武器って壊してもいいんでしょ? だったら壊してやろうぜ! って言ったでござるから、調べてみたでござるよ。シュウ殿には言ってなかったでござったか?」
ということらしい。
俺っている必要なくね? って思うけど、俺が一応マスターだからな。
「3試合目も同じように武器破壊するのか?」
「そうでござる。相手が武器に頼っている限りは、骨ゲーターと強化外骨格3式を前面に押し出していくでござる」
「こっちは、強化外骨格3式が壊れても問題ないようにしてるから大丈夫だしね」
どういうことだ?
「修理自体は認められているのよ。だから粉々にでも押されない限り、1時間もあれば治せるわ」
だってさ。そもそも強化外骨格を本当に使わせる予定の魔物は何なのさ! 俺、それ教えてもらえてないんだけど! 本当に一緒にダンジョンバトルを乗り切る仲間なのか? って思わなくもない。
1時間が経過して3試合目が始まった。
ダゴンを召喚できるマスターの方は、試合開始と同時に武器を投擲、そして場外に飛んでった。
バトルロワイアルのステージは、コロシアムみたいに円形で高い壁がある感じなので、魔物が場外に出て負けということはほとんどないのだが、武器が場外に飛んでいってしまうことは、ままあることである。
「考えたな。壊されるくらいなら、場外に投げれば武器破壊されない。だけど、あれって回収できないと再度使えないんだよな?」
「そこらへんは何か考えてるんじゃない? 前の2試合とちょっと違う武器だったし、何か仕掛けがあるかもしれないわよ」
綾乃、よく見てるな。同じような槍タイプの武器だったから俺は気付かなかったが、確かに前の2試合と違う武器を投擲していた。
ダゴンじゃない方のマスターは、武具の引継ぎを諦めたのか魔物が変わっていた。明らかに、骨ゲーター狙いの魔物が出てきた。
アダマンコーティングをしていても、骨ゲーターはアンデッドだ。有効な攻撃は存在している。アダマンタイトは魔法耐性こそほとんどないが、とにかく頑丈なのが売りの金属である。だから、魔法は打撃よりは有効な攻撃となりえる。そして、アンデッドに有効な魔法と言えば聖属性の魔法だ。
聖属性は、特殊な魔法であるがダンジョンマスターであれば、宝珠を使って簡単に覚えさせることができる。それに、スキルLvも簡単に上げることが可能だ。
相手が準備した魔物は、空を飛べるハーピー系統の魔物で、魔法を得意としている種族みたいだな。
「こりゃ勝てないでござる。対空攻撃の準備してないでござるよ」
「これは一方的に魔法を撃たれて負けるわね。さっきの改造で3式に遠距離攻撃の武器を持たせておくべきだったわね。ギブアップがないから、負けるのに時間かかるわね」
そこが問題である。負けが確定しているのに、倒されるまでに時間がかかるという矛盾。武器破壊もできないから、3式の活躍もって、
「バザール、3式で自分のことは攻撃できないのか?」
「……出来るでござるな。上のブレードの材質はアダマンタイトでござるからな!」
念のため3式を壊されないようにするために、ダゴンのマスターサイドの魔物を瞬殺した骨ゲーター。しっかり死んだことを確認した後、3式を使って自分を攻撃しだした。倒れるまでには時間がかかったが、それでも3分はかからなかったので、かなり時間を短縮できたと思う。
「さてさて、次だけどダゴン出てくるかな?」
「どうでござるかな?」
「多分出てくるわよ。水中武器として開発したあれを装備させれば、何の問題もないと思うけどね。あれなら対空戦もできるわよ」
おぃおぃ、俺の知らないモノがまだあったのかよ。本当に俺を除け者にしてねえか? 一緒に対策練ってたよな? 一緒にシミュレーションもしたよな? なんでなんで?
置いてきぼりをくらっている俺は、何と言っていいのかわからず、2人の様子を見ているだけしかできなかった。
水中武器として開発したと言っていたが、なんてことはない水中銃のようなものだ。メタルマッスルを使って打ち出す武器みたいだな。しかも、Sランクの魔石を使っているので、出力も高い。そして弾だが、魔核で圧縮した石の矢みたいな物を作り出すので、壊れない限り無限に打てるのだとか。
これの利点は、銃と言っているが火薬を使っていないので、威力の高いアースアローみたいなモノである。ダメージの軽減が見られない、かなり使える代物となっている。
そういえば、前にレールガンを作ってみようとしたけど、制御が上手くいかなくて失敗したんだよな。あれなら、敵を簡単に吹っ飛ばせる威力を出せると思うんだけど、無理かな? 今度時間があるときに、また作ってみるか。
強化外骨格3式を装備させられた……お前って、サハギンか? 妙に人間っぽいけど、種族は何だ?
ハイサハギン? 何それ? サハギンの上位種? だからってなんで人間みたいなの? 知らないって、そりゃそうか、魔物の進化や種族特徴なんて俺たちにわかるわけねえよな。
分かってたけど、段ボールマニアのP〇版1作目の忍者ロボットみたいだな。それにバックアームと足ヒレ……もはや別物だけど、正面から足首から上を見れば、それっぽいな。
そして両腕に籠手を大きくしたようなものを装備していた。どうやら相手に使われることを考慮してか、銃タイプではなく籠手に仕込むタイプのものになっていた。
4試合目が開始された。
ダゴンのマスターは、綾乃の予想通りダゴンを出してきた。それに対してもう1人のマスターは、先ほどと同じハーピー系の魔物だ。ただ、手には先ほどは見なかったボウガンを持っていた。
あっちも考えることは一緒か? ただ、空からそれが当たるとは思えないが、空にいれば場外は無いし時間でなんとかなるって思ってるんじゃないかな? 矢の数は大丈夫なのだろうか?
っと敵の心配をしてもしょうがないな。俺たちはやれることをやろう。
「バザール、先にハーピーを落とすわよ!」
「了解でござる」
ダゴンの展開した水エリアを自在に泳ぎ移動するハイサハギン。勢いそのまま真上に飛び出して、ハーピーに向かって腕を伸ばす。そこから音速を超える矢が射出され、頭を打ち抜いた……その武器強すぎね?
水中に戻ってきたところをダゴンが狙っており、槍を投げて来た。さすがSランクの魔物である。特殊能力が高くそれ以外は弱い方と言われても、強者なのだ。Aランクの魔物でも重傷を負わせる勢いを持った攻撃だが、素早く動いたバックアームに払われる。
弾いた槍をつかもうとして失敗した。
「あの武器って、原理は解らないけど手元に戻すことができるんだな。だから回収が可能だったわけか」
場外に出たら回収できないと思っていたが、手元に戻ってくる機能があれば問題ないのか。
「壊すのは無理そうでござるから、さっさと片付けるでござる」
ダゴン以上のスピードで動き回り、隙をついて矢を打ち出していく。水中で矢が遅くなるためか、ダゴンの急所には当たらないが、地道に削り取って勝利を収めた。
終わってみれば完勝である。
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