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第1531話 子どもたちへの支援は少ないようだ
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昨日は遅くまで考え事をしていたため、食堂へ行く時間がいつもより遅くなってしまった。そのためか、集まっているメンバーは食事をしていた。普段は俺があいさつをするまで食べないことがほとんどなのだが、今日は俺が遅かったので妻の誰かが代わりにあいさつしたのだろう。
今日も元気なウルたち4姉妹を見る。ウル以外の3人は、勢いよくモリモリ食べてるな。お淑やかとはかけ離れた行動だ。元気いっぱいでいいのだが、食べこぼしがあるから、注意して食べるんだぞ!
朝食後にいつものように庁舎へ向かう。今日は、いつもの仕事以外にも聞きたいことがあると、伝言してあるのでグリエルたちが来るのを待つことになるかな。小説も読んでいないのがあるから、ゆっくりと読むのもいいかもしれないな。
と思ったら、俺が執務室に入ると、グリエル、ガリア、ゼニスともう1人……お前誰だ? 見た覚えがあるのだが、誰か思い出せない人物がそこにいた。
「シュウ様、目を点にしておられますが、こちらは私の息子のゼパイルです。1度や2度は顔を合わせていますが、あいさつはさせていなかったので、誰かわからなかったみたいですね」
どうやら、俺の顔を見て誰か思い出せない1人、ゼニスが息子を紹介してくれた。
「ごめんな。見たことあるけど、誰か思い出せなくて固まってしまったよ」
「いえいえ、気にしないでください。ゼパイル、シュウ様にあいさつをしなさい」
「はい! 初めまして、ゼニスの息子でゼパイルと申します。商会では、主に商会付属の施設について担当しております!」
緊張しているのか、大き目な声で自己紹介をしてくれた。そして、ゼパイル君がここに来た理由に納得する。確かに、ゼニスにも関係があるから来てもらいたいと伝言をしていた内容は、今ゼパイル君が話してくれたように、商会付属の施設にも関係するからである。
「なるほどね。現場担当じゃないけど、管理担当をしているから連れてきたってことかな? ゼニスが参加した方がいいって判断して、グリエルたちが反対していないみたいだから、問題ないよね? いきなりだけど、話を始めていいのかな?」
4人が肯定してくれたので、昨日思い付いたことを聞いてみた。
「そうですね。これといって、子どもたちに対する支援策は特にありませんね。街全体で大人も子どもも平等といった感じでしょうか?」
グリエルは、ガリアと確認しあってからそう答えた。
「そっか、街としては特に政策はないのか」
「街の政策はありませんが、商会付属の治療院では子どもの治療に関しては、料金設定をしていません。治療院で働いている治療師の方たちが、自主的に行っているという形です。ただ、自主的に行っているため、お金やその代わりの物を受け取らないと、ただ働きになってしまうんですよね」
商売としては間違っているけど、赤字がいくら出ても問題ないと俺が言っているので、基本的な治療に支障が出ない限りは、治療師たちの自由裁量に任せているらしい。
「俺としても、自由裁量で仕事をしてくれていることは問題ないけど、それでもしっかりと仕事をこなしているのに、給金が出ないのは問題だよな。ゼパイル君、確認するけど、子どもの治療に関してはお金をとっていない、寄付という形で受け取っているといっていいのかな?」
「そうなります。商会としては、給金を払おうにも名目がなく、治療師たちは路頭に迷っていた自分たちを、拾ってくれたシュウ様に感謝をしているため、反対に給金の一部を寄付しようとするため、困っております」
「そんな大したことをしているわけじゃないんだけどな。でも、治療師として安定的な収入を得られるとはいっても、蓄えは必要だよな? となると……グリエル、ガリア、街の政策として、子どもの治療費負担をするようにしよう。赤字のところはなかったよな? 1人の治療に対しての金額設定は任せていいか?」
「問題ないですね。インフラ整備以外にもお金を使うところができるのは、望ましいと思います。ついでにいいでしょうか? ディストピアやゴーストタウン以外の街なのですが、老朽化の進んだ建物があり、危険ではあるけど引っ越せない人たちに対して、何かしらの支援策を打ち出したいのですが」
「ゼニスたちが必要だと思うなら、ドンドン支援策を打ち出したらいいよ。お金が足りないのなら、商会からお金を引っ張ってくればいいって言ってるだろ? 俺への配分金を使えば、ある程度のことは問題ないはずだけど、なんでそれを俺に聞くの?」
「お金の問題ではなく、以前から計画を進めていた各街で専属の土魔法使いを育成の件なのですが、そろそろ実務をさせようと思いまして、土木組を派遣していただこうかと思いまして、その許可がいただきたいです」
「はぁ? 土木組は、俺の部下じゃないぞ? 今は商会を作って、現場を担当してるんじゃなかったか? 基本的には自分たちのしたい仕事を優先しているって聞いてるぞ。横暴だったり偉そうだったりする人たちの依頼は、門前払いだって話だしな」
「そうなんですが、ある程度長い期間拘束することになるため、土木組がシュウ様が許可をするならやると言っておりますので……」
なんで俺に聞くのかと思ったら、そういう理由だったのか。何か受けたくない理由があったりするのだろうか?
「ちょっと確認してみるわ」
土木組の商会に連絡を入れると、事務担当の人が俺に判断を任せた理由を教えてくれた。簡単に言ってしまえば、ディストピアから長期間離れると生活環境が悪くなるので、そこら辺をどうにかしてもらいたい! ということだった。
馬小屋でも気にしなかった子たちが、今は生活環境が悪くなることを気にするようになったのか。感慨深いものだな。
あの頃のみんなは、余裕がなかったから気にもできなかったのことを、今は気にできるようになったんだな。商会の寮を借りるのはダメなのだろうか? あそこも、ディストピアとまではいかないが、他の街に比べればかなり過ごしやすいはずなんだけどな。
そこら辺をきいてみたら、どうやら生活環境が悪くなるというのは、生活スペースとかそういう話ではなく、同時に他の街へ派遣されるため、知り合いのいない街で少数で過ごさないといけないことが嫌なようだ。
とはいってもゲートに関しては、各街の移動は緊急時を除いて俺と家族以外はしない方向だし、今回は緊急時にあてられないと土木組も理解しているので、俺に何とかしてもらえないかという訴えのようだ。
「グリエル、街の間の移動じゃなければいいよな?」
「まぁ、そうですね。スポーツジムやスーパー銭湯は、マイワールド内にあるのでゲートで移動していますし」
「よし、領主館や商会の職員が使っているスーパー銭湯のゲートを使えるようにして、あの子たちだけが利用できる部屋を用意しようか。それなら、みんなですぐに集まれるから問題ないよな?」
グリエルとガリアは苦笑しているが、ゼニスはそれで問題ないでしょう、と笑顔で返してくれた。
土木組に甘いとは言われるだろうが、正直あの子たちは俺より活躍しているからな。多少甘やかしたところで問題はあるまい。
追加で、俺の管理下にある街に保育所と学校を建てる計画を考えるようにお願いする。自分で考えずに全部丸投げ。いつも言っているが、素人の俺が考えるより専門の人間が考えた方がいいものができるからな。疑問に思ったことがあれば聞けばいいだけだし、問題なし!
「あ、子どもの治療費給付の件、商会付属の治療院は大丈夫だと思うけど、他の治療院は二重取りや不正受給があるかもしれないから、注意してくれよな」
日本でも聞く話をグリエルたちに伝えておく。
会議は後半戦に。
今日も元気なウルたち4姉妹を見る。ウル以外の3人は、勢いよくモリモリ食べてるな。お淑やかとはかけ離れた行動だ。元気いっぱいでいいのだが、食べこぼしがあるから、注意して食べるんだぞ!
朝食後にいつものように庁舎へ向かう。今日は、いつもの仕事以外にも聞きたいことがあると、伝言してあるのでグリエルたちが来るのを待つことになるかな。小説も読んでいないのがあるから、ゆっくりと読むのもいいかもしれないな。
と思ったら、俺が執務室に入ると、グリエル、ガリア、ゼニスともう1人……お前誰だ? 見た覚えがあるのだが、誰か思い出せない人物がそこにいた。
「シュウ様、目を点にしておられますが、こちらは私の息子のゼパイルです。1度や2度は顔を合わせていますが、あいさつはさせていなかったので、誰かわからなかったみたいですね」
どうやら、俺の顔を見て誰か思い出せない1人、ゼニスが息子を紹介してくれた。
「ごめんな。見たことあるけど、誰か思い出せなくて固まってしまったよ」
「いえいえ、気にしないでください。ゼパイル、シュウ様にあいさつをしなさい」
「はい! 初めまして、ゼニスの息子でゼパイルと申します。商会では、主に商会付属の施設について担当しております!」
緊張しているのか、大き目な声で自己紹介をしてくれた。そして、ゼパイル君がここに来た理由に納得する。確かに、ゼニスにも関係があるから来てもらいたいと伝言をしていた内容は、今ゼパイル君が話してくれたように、商会付属の施設にも関係するからである。
「なるほどね。現場担当じゃないけど、管理担当をしているから連れてきたってことかな? ゼニスが参加した方がいいって判断して、グリエルたちが反対していないみたいだから、問題ないよね? いきなりだけど、話を始めていいのかな?」
4人が肯定してくれたので、昨日思い付いたことを聞いてみた。
「そうですね。これといって、子どもたちに対する支援策は特にありませんね。街全体で大人も子どもも平等といった感じでしょうか?」
グリエルは、ガリアと確認しあってからそう答えた。
「そっか、街としては特に政策はないのか」
「街の政策はありませんが、商会付属の治療院では子どもの治療に関しては、料金設定をしていません。治療院で働いている治療師の方たちが、自主的に行っているという形です。ただ、自主的に行っているため、お金やその代わりの物を受け取らないと、ただ働きになってしまうんですよね」
商売としては間違っているけど、赤字がいくら出ても問題ないと俺が言っているので、基本的な治療に支障が出ない限りは、治療師たちの自由裁量に任せているらしい。
「俺としても、自由裁量で仕事をしてくれていることは問題ないけど、それでもしっかりと仕事をこなしているのに、給金が出ないのは問題だよな。ゼパイル君、確認するけど、子どもの治療に関してはお金をとっていない、寄付という形で受け取っているといっていいのかな?」
「そうなります。商会としては、給金を払おうにも名目がなく、治療師たちは路頭に迷っていた自分たちを、拾ってくれたシュウ様に感謝をしているため、反対に給金の一部を寄付しようとするため、困っております」
「そんな大したことをしているわけじゃないんだけどな。でも、治療師として安定的な収入を得られるとはいっても、蓄えは必要だよな? となると……グリエル、ガリア、街の政策として、子どもの治療費負担をするようにしよう。赤字のところはなかったよな? 1人の治療に対しての金額設定は任せていいか?」
「問題ないですね。インフラ整備以外にもお金を使うところができるのは、望ましいと思います。ついでにいいでしょうか? ディストピアやゴーストタウン以外の街なのですが、老朽化の進んだ建物があり、危険ではあるけど引っ越せない人たちに対して、何かしらの支援策を打ち出したいのですが」
「ゼニスたちが必要だと思うなら、ドンドン支援策を打ち出したらいいよ。お金が足りないのなら、商会からお金を引っ張ってくればいいって言ってるだろ? 俺への配分金を使えば、ある程度のことは問題ないはずだけど、なんでそれを俺に聞くの?」
「お金の問題ではなく、以前から計画を進めていた各街で専属の土魔法使いを育成の件なのですが、そろそろ実務をさせようと思いまして、土木組を派遣していただこうかと思いまして、その許可がいただきたいです」
「はぁ? 土木組は、俺の部下じゃないぞ? 今は商会を作って、現場を担当してるんじゃなかったか? 基本的には自分たちのしたい仕事を優先しているって聞いてるぞ。横暴だったり偉そうだったりする人たちの依頼は、門前払いだって話だしな」
「そうなんですが、ある程度長い期間拘束することになるため、土木組がシュウ様が許可をするならやると言っておりますので……」
なんで俺に聞くのかと思ったら、そういう理由だったのか。何か受けたくない理由があったりするのだろうか?
「ちょっと確認してみるわ」
土木組の商会に連絡を入れると、事務担当の人が俺に判断を任せた理由を教えてくれた。簡単に言ってしまえば、ディストピアから長期間離れると生活環境が悪くなるので、そこら辺をどうにかしてもらいたい! ということだった。
馬小屋でも気にしなかった子たちが、今は生活環境が悪くなることを気にするようになったのか。感慨深いものだな。
あの頃のみんなは、余裕がなかったから気にもできなかったのことを、今は気にできるようになったんだな。商会の寮を借りるのはダメなのだろうか? あそこも、ディストピアとまではいかないが、他の街に比べればかなり過ごしやすいはずなんだけどな。
そこら辺をきいてみたら、どうやら生活環境が悪くなるというのは、生活スペースとかそういう話ではなく、同時に他の街へ派遣されるため、知り合いのいない街で少数で過ごさないといけないことが嫌なようだ。
とはいってもゲートに関しては、各街の移動は緊急時を除いて俺と家族以外はしない方向だし、今回は緊急時にあてられないと土木組も理解しているので、俺に何とかしてもらえないかという訴えのようだ。
「グリエル、街の間の移動じゃなければいいよな?」
「まぁ、そうですね。スポーツジムやスーパー銭湯は、マイワールド内にあるのでゲートで移動していますし」
「よし、領主館や商会の職員が使っているスーパー銭湯のゲートを使えるようにして、あの子たちだけが利用できる部屋を用意しようか。それなら、みんなですぐに集まれるから問題ないよな?」
グリエルとガリアは苦笑しているが、ゼニスはそれで問題ないでしょう、と笑顔で返してくれた。
土木組に甘いとは言われるだろうが、正直あの子たちは俺より活躍しているからな。多少甘やかしたところで問題はあるまい。
追加で、俺の管理下にある街に保育所と学校を建てる計画を考えるようにお願いする。自分で考えずに全部丸投げ。いつも言っているが、素人の俺が考えるより専門の人間が考えた方がいいものができるからな。疑問に思ったことがあれば聞けばいいだけだし、問題なし!
「あ、子どもの治療費給付の件、商会付属の治療院は大丈夫だと思うけど、他の治療院は二重取りや不正受給があるかもしれないから、注意してくれよな」
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