ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1524話 分かったこと

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『なに好き勝手言ってくれてるのよ! このアンポンタン!』

 待ち人ではないが、待っていたヤツからやっと返事があった。

『あんた失礼ね! あんたの身に危険が及ぶかもしれないから、なんとか連絡をつけたって言うのに、嫌になっちゃうわね!』

 その話し方からすると、しばらく見てなかったっていつことか?

『そうなのよっ! 何か重要な会議があるって呼び出されて行ってみたら、意味不明な話し合いに参加させられて、この中でホコ……あんたに分かりやすく言えば天使なんだけど、神界の最強の駒の1つがあんたのところに派遣されたことを知って、何とか会議をぶっちぎってきたのよ!』

 そりゃ、大変だったな。干渉をあまりしないはずだと記憶しているが、間違いだったか? なんで俺がそんなヤツに狙われなきゃいけないんだ?

『詳しいことは分からないけど、ホコは切り札のようなもの。簡単に派遣は出来ないはずなんだ。でも、どうやってか私を目の敵にしている女神どもが、派遣をさせたみたいなの。理由が神界の秩序を乱したとかなんとか』

 つまり、お前のとばっちりを受けて、そのホコとやらに狙われているってことか? そいつって、3対6枚の羽を持ってて、なんでも切る双剣を持ってて、どういうわけか攻撃を無効化するヤツだったりするか?

『んっ? なんで、あんたがそんなことを知ってるの?』

 知ってるも何も、すでに遭遇して何とか無力化することに成功したからだよ。あいつって、生物じゃないよな? 肉体的には生物っぽかったけど、何か機械っぽかったんだよな。

『マジデスカイ? あのホコを無力化したの? 長い歴史の中でも、片手位しか撃退に成功していないあいつを? やっぱり、あんたってすごいのね! 悪知恵だけじゃないのね!』

 おうおう、何か失礼な物言いをされている気がするぞ。悪知恵を働かせて何が悪い! 良く言うだろ、本当にしてはいけないことには、制限がかかっている! ってさ、制限がかかっていないってことは、やっても問題がないってことだろ?

『それは、拡大解釈が過ぎると思うわ。そもそも、制限するしないって言う話の前に、気付けないことは制限しようが無いわよ! あんたと話していると、どうも調子が狂うわね。んで、ホコのことなんだけど、何をもって生物と判断するかによって大きく話が変わるわね』

 めんどくさいな。正直、どっちでも良くなったわ。それより気になるんだけど、そのホコっていう存在はたくさんいるのか?

『数え切れない位いるわね。あいつらは本来、世界を管理している存在だから、最低でも世界の数だけ存在してるわね。それに分類するなら、あいつらはホムンクルス、人造人間みたいなものだからね。いくらでも増やすことが出来るわ』

 マジか……予想外に厄介な相手なんだな。無限に作ることが出来るってことは、永遠に狙われる可能性もあるのか? あれだけ強いんだから、設定をいじればお前らくらい皆殺しに出来るんじゃないか?

『残念というべきか、幸いというべきか、ホコを造ったのは創造神様で、造り出す装置は誰にもいじれないわ。いじろうとすれば、ばれちゃうからね。娯楽に飢えているとはいえ、命をかけることはほとんどしないわ』

 ほとんどってことは、稀にはするってことじゃねえか! アブねえ奴らだな。

『あっ、おそらくだけど、当分はホコは出てこないと思っていいわよ。今回のホコを使った嫌がらせは、さすがに度を越えたから、何かしらの処分がくだるはずよ』

 それは朗報だ。簡単に無効化できる手段を確立したけど、来ないに越したことはないからな。

 んっ? つかさ、そんなやつかいるなら、ユニークスキルの時に俺が小国の人間を、皆殺しにする必要なかったんじゃないか?

『だから、人造人間みたいなものって言ったでしょ? 身体の構成何かに関しては、あんたより人間に近いわよ。だから、あのときに生まれたユニークスキルは、ホコたちまで完全魅了するのよ。あのときは、大変だったって話よ』

 おうふ、俺たちの知らない裏話があったようだ。ってか、あの天使もどきの方が、俺より人間に近いってどういうことだよ! コンチクショー!

『まぁまぁ、落ち着きなさい。それにしても、よくホコを退けさせることが出来たわね。参考までに聞いていいかしら?』

 問題ないぞ。何てことはない、キャスリングで出入口のないマイワールドに放り込んだら動かなくなったから、色々実験しただけだぞ。そのままだと危険かもしれないから、パーツを切り分けて封印した。

『さすが、創造神様が作ったダンジョンと言うべきかしらね? もしかして、動かなくなったから機械じゃないかって疑ったのね。あいつらは、ルールを守って出された指示以外、基本的に何も出来ないからね。そう思うのも仕方がないわね』

 最後に確認だけど、ホコって壊しても問題ないんだよな?

『問題はないわね。代えならいくらでも存在してるから、そういう面では気にしなくていいわ。ただ、今回のことで処分のくだされる奴らの逆恨みまでは、予想できないわね』

 うわぁ、面倒な。もうね、女神が関わっているってだけで、盛大な地雷にしか思えないのだが。何か察したときは、すぐに連絡しろよな! お前に巻き込まれる形なんだからな!

『全ては、あんたの行動のせいなんだけどね』

 そんな俺を召喚したお前が悪い。つべこべ言わずに、しっかり監視しておけよな。有用な情報なら、新しい小説やゲームのデータを送ってもいいんだけどな。

『分かったわ。奴らの行動は、あんたの寄越した娯楽に虜になった奴らに任せるわ。新しいデータがエサになるから、手は抜かないだろうから任せなさい!』

 それが反感食らってるんじやないのかな?

 何て思いながら、チビ神との会話を終えた。

 今の内容をグリエルにはなし、綾乃やバザールにも伝えた。もちろん妻たちにもな。
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