ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1495話 スラックライン

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「さて今日はキャンプに来たわけだし、遊ぼう!」

 ノリが良く、ウルたち4人は「おぉぉ!!」と俺の宣言に返事をしてくれた。

「で、何をするの?」

 冷静になったウルが俺にそう聞いてくる。

「そうだね。キャンプだからってわけじゃないけど、普段できない遊びをしようと思っているよ。その遊びの名前は、スラックラインだ」

「「「「スラックライン??」」」」

「5センチメートル位の幅の布をきつく張って、その上を飛び跳ねる遊びだよ。俺もそこまで回数やった事がないから教えるのは難しいけど、動画を持って来てあるからそれを見てみんなで遊んでみよう!」

 娘たちに道具を見せて説明する。初めて見る道具に興味津々になっている娘たちに、

「スラックラインを張る際に始めにすることは、場所を決めて支点となる木に保護材を撒く必要があります。まずは、20メートル位離れている木を探そうか」

 市販品のスラックラインは15メートル位らしいのだが、長いスラックラインをしたかったので、探して召喚している。木にラインを撒いたりきつく張るためにラチェットで巻き取るので、15メートルのラインだと長くても13メートル位が限界らしい。

 いくつか候補の木を指さして教えてくれるのだが、スラックラインを張った時、途中に気があり危ないので却下している。一番いいのは、ひらけている場所に張れるのが良いんだよな。

 しばらく探して見つからなかったので、仕方がなくダンマスのスキルを使って支点となる木と、対になる木をテントの近くにあった広場に召喚する。

 娘たちはブーブー言っているが、無いものはしょうがないじゃないか! スラックラインのことを考えて作ったわけじゃないから、条件に合う場所がなくてもしょうがないよね。

「さて、支点となる木と対になる木に保護材を巻こうか。これを木に巻いてくれ。高さは1メートル位にしておこうかな。初めてにしては高いかもしれないけど、ウルたちの身体能力とマット替わりのスライムたちのことを考えれば、問題ないと思うしね」

 娘たちに保護材を渡し巻いてもらった。

 支点なる木にスラックラインのメインになる道具、対になる木にラチェット付きのラインを巻く。2つを繋げて、ラチェットをギコギコしてテンションを高める。片手で力を込めて巻けるくらいまでって書いてあるのだが、俺の腕力で力を込めると……確実に何かが壊れるだろうな。

 スラックラインから少し離れた位置に動画を見るために準備した、有機ELテレビをセットしている。そこで流れている動画と同じ位、スラックラインが沈むくらいの張りの強さにした。

「ふ~やっと完成したな。さてスライムたち、俺や娘たちが落ちてもケガしないようにクッションの代わりになってくれ。俺が初めにやってみるから、ちょっとみててくれ」

 実は通っていた高校で体育の選択授業の中に、スラックラインがあって興味があったのでやってたのだ。週に1回合計で10回前後しかやったことないんだけどね。3張りを20人位で使っていたので、そんなに長い時間出来てないんだよね。

 それでもテレビで見るような、ブルブルする段階を越えて軽く跳ねたり、お尻で着地して跳ねて立つということは3回に1回くらいはできるようになったんだよな。何年も前になるけど、今やってできるかな?

 緊張しながらラインの上に乗る。あれ? 全然問題なくできるようだ。反動をつけて跳んでみるが、問題なかった。レベルが上がったことによって、身体能力、平衡感覚やインナーマッスルとかも強くなって、簡単にできるようになったのかな?

 娘たちに褒められて、ちょっと調子に乗ってバク転をかましてみたが、ラインの上に着地したが重心がうまく取れていなかったので、見事にラインから落ちてスライムクッションに埋まる。ベッドのときと違って、なんか埋まる感じが面白いな。

 ウルは俺の心配をしてくれたが、ミーシャたちはケラケラ笑っていた。ちくせう!

 4人も代わる代わるスラックラインに挑戦する。そして、嫌な現実を知ってしまった。娘たちは、始めてやったはずなのに、俺より上手にラインの上に乗っている。

 何か悔しいな。こっちは授業で何回かやっているのに、俺よりうまくできるなんて! 娘たちに対抗心を燃やして、娘たちのラインとは別にもう1つ張ってそちらで練習する。動画を流しながら、それっぽい動きを真似てやってみる。

 さすがに身体能力が高くなっているからと言って、競技に出ている人たちみたいにうまくできるわけじゃないみたいだな。

 でも、スラックラインを楽しめるくらいにはみんな上手なので、思った以上に楽しい時間を過ごせたと思う。

 最後にミリーがやって来て面白そうと言って飛び乗り、競技に出ている人たちとは違う意味ですごい動きをしていた。ネコの獣人っていうのは、こんなことが当たり前にできる物なのだろうか?

 良いところのなかった俺はちょっと凹んでいたが、ミリーがスラックラインに興味を持ち、スポーツジムに導入したいと言ってきたので、許可を出しておいた。安全対策はしっかりしてくれよな。

「運動してお腹もすいたから、おやつにしようか。ホットサンドの残りだけど、腕輪の中に入れてたからできたてのままだぞ!」

 全身を激しく使う運動をして、お腹が空いた。時間もちょうどいいので、おやつにする事にした。

 俺たちがおやつを食べていると、スラックラインに従魔たちが集まって来た。クロたちはさすがに体が大きすぎて乗れないが、キツネのコウとソウの2匹がピョンピョコ跳ねて遊び始めた……まじかよ!

 今度は、スライムたちがピョンピョコ跳ねていた。こいつらはただ跳ねているだけに見えて、クルクル回ってたりするみたいだが、分からんのでノーカンだ。

「さて少し休憩したら、夜ご飯の準備を始めるぞ!」

 キャンプの醍醐味と言えば、キャンプ飯と言っても過言ではないと思う! 簡単にできるお手軽レシピも悪くはないと思うが、手の込んだキャンプ飯もいいと思うんだよね。時間は沢山あるのだから、楽しみながら料理をしよう!
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