1,491 / 2,518
第1491話 道具選び2
しおりを挟む
議論の末に、テントが決まった。
大型の5~6人用のドームテントに、外膜を延長してリビングスペースを確保するタイプ、ツールームテントを選んだ。色は濃い青色、市販の物だとリビングスペースがちっちゃいと思ったので、DPで魔改造をして、本来の倍くらいのスペースを確保することに成功した。
リビングスペースとは別にシェルタータイプのテントも検討してみたが、この世界では現実味がないので却下になった。リビングスペースとは別に作るなら、タープを利用して設営するべきだろう。
娘たちにも説明したが問題なさそうだったので、テントに続いてタープを選んでもらった。
タープって思っている以上にカラーバリエーションが豊富だったので、娘たちの議論が白熱していた。
今回は娘たちのキャンプ体験でもあるので、あまり難しくしてしまうのも良くないだろう。タープにポールを使うか、木を利用するかどっちがいいかな? 個人的には、どっちも変わらない気がするのだが、木の場合は紐の結び方とかも覚える必要があるから、ポールの方が楽かな?
俺が考え事をしている内にタープの色が決まったようだ、上の面がワインレッドで、下の面が乳白色だった。議論を聞いてなかったので、この色のチョイス理由は分からないが、俺的には好きな色合いだ。
テントにタープも決まった。次は寝具といこうか。
「じゃぁ、次は寝具、寝袋を選ぼうか」
そう言うと、娘たちは何を思ったのかエアーベッドの特集ページを開き始めた。
娘たちにとって、寝る場所=ベッドなのだ。そのため寝袋と言っても通じずに、寝具という部分に反応して持ち運びができる、エアーベッドを選択したようだ。
初めは大きいのを1つで、5人で寝るつもりだったみたいだけど、そこまで大きなエアーベッドが見つからなかったので、紹介されている中でも大きめのエアーベッドを2つ繋げて使うことに決めたようだ。
掛け布団の代わりに、ブランケットを個人で1つずつ選んでいた。
本当は良くないのだろうけど、娘たちが楽しそうに選んでいるので、このままにしよう。もう少し大きくなって、この世界のことを理解できるようになったら、改めて野営の厳しさを教えてやろう。
そんな事を言っているシュウも、不便な野営が嫌で馬車を改造したりしているので、お前に教えられるのか? と突っ込まれそうである。
焚火グリルはほしいけど、さすがにこれ以上娯楽っぽくすると問題があるので、自分たちで石を集めてかまどを作ることにしよう。
鉄板や網はどうするか? 料理という意味では、材料をいれて放置できるダッチオーブンとかもいいんだけど、一般的な野営では料理を作っても汁物を1品程度らいいのだ。どうすんべ?
この際、多少不便があるけど娯楽の方面で道具をそろえるか? エアーベッドの段階で、厳しいキャンプは諦めるべきだしな。
ってか、よく考えたら魔法が使えるんだから、キャンプ道具無くても快適空間を作り出せるんだった。
これまたシュウは理解していないが、この世界に魔法使いはそう多くない。その中で土魔法は、攻撃に使い難いということで習得者が更に少ない。そして、快適な空間を作り出すイメージも難しく、魔力を余計なことに使うのは忌避するべき行為であるため、前提から違うのだ。
習得者が少ないけど、有用であることを示すために土木組を育てたのだが、そのせいで更に土魔法の難しさを理解できないでいた。
椅子も机も魔法で作れるけど、娘たちが選び始めてしまったので、機会があったら教えることにしよう。
妻たちも集まってきており、俺が娘たちに押されて、ダダ甘なキャンプになることは想定の範囲内だったのか、みんなで笑いをこらえている姿が見られた。
あれ? 妻たちも独自にテントを選んでいるみたいだけど……あ、はい。みんなも一緒に行くんですね。了解しました。
タープもいくつも使って、家族全員で過ごせる屋根付きの空間を、考えて作ってみるか?
そんなことをしていたら、娘たちは椅子を選び終わったようだ。キャンプ用アルミチェアーを選んだようだ。持ち運びに便利で、耐久性にも優れている。重さは1キログラムも無いそうだ。とはいえ、冒険者たちにとってみれば、必要のないアイテムではあるのだが……
机は、妻たちの助言によって魔法で作る事になった。キャンプ用の机を見てみたのだが、人数分用意するとなると、大変なことになってしまうのだ。
それに、下の子たちも連れて行くことが決まったみたいで、シルキーたちも全員付いてくる。えっと、当初の目的とは大分かけ離れてしまったが、もうこれでいいか。
調理器具に関しては、途中参加してきたミリーの話を聞いて、色々な調理器具を試してみることにしたようだ。
娘たちのキャンプ体験から、地球にあるキャンプ道具を端から試してみる実験場に変わってしまった。
妻たちとは別枠で、俺は娘たちと楽しむことにしよう。今決めた! そう決めた!
豪華な料理は妻たちに任せて、娘たちと一緒にできる簡単に食べれる物がいいな。ホットサンドとかいいかもしれないな。中に入れる物をみんなで相談してみるか。
「4人とも、相談したい事があるんだけどいいかな?」
キャンプ道具に夢中だった娘たちが振り返って、何? と聞いてきた。
「お母さんたちもキャンプに行くみたいで、食事はほとんど作ってくれるみたいな話になったけど、みんなも自分で作ってみたくないか?」
娘たちは、自分たちで料理をするとは考えてなかったみたいで、作れるなら作ってみたいと声を上げた。
「難しいものは出来ないから、ホットサンドを作ってみようか。それで、中に入れる具材をみんなできめないか?」
ホットサンドを知らなかった4人は首を傾げていた。食べた事はあるけど、ホットサンドがどんな料理か分からなかったらしい。
個人的に好きな具材は、ハムにチーズとかツナマヨとかいいよね。千切りキャベツにトマトやハムも悪くないかな。
娘たちは、揚げ物のホットサンドが好みのようだが、キャンプで揚げ物か……揚げ物も作るのか?
言い出してしまった以上作らないといけないといけないな。
予定していたキャンプとかけ離れていくのであった。
大型の5~6人用のドームテントに、外膜を延長してリビングスペースを確保するタイプ、ツールームテントを選んだ。色は濃い青色、市販の物だとリビングスペースがちっちゃいと思ったので、DPで魔改造をして、本来の倍くらいのスペースを確保することに成功した。
リビングスペースとは別にシェルタータイプのテントも検討してみたが、この世界では現実味がないので却下になった。リビングスペースとは別に作るなら、タープを利用して設営するべきだろう。
娘たちにも説明したが問題なさそうだったので、テントに続いてタープを選んでもらった。
タープって思っている以上にカラーバリエーションが豊富だったので、娘たちの議論が白熱していた。
今回は娘たちのキャンプ体験でもあるので、あまり難しくしてしまうのも良くないだろう。タープにポールを使うか、木を利用するかどっちがいいかな? 個人的には、どっちも変わらない気がするのだが、木の場合は紐の結び方とかも覚える必要があるから、ポールの方が楽かな?
俺が考え事をしている内にタープの色が決まったようだ、上の面がワインレッドで、下の面が乳白色だった。議論を聞いてなかったので、この色のチョイス理由は分からないが、俺的には好きな色合いだ。
テントにタープも決まった。次は寝具といこうか。
「じゃぁ、次は寝具、寝袋を選ぼうか」
そう言うと、娘たちは何を思ったのかエアーベッドの特集ページを開き始めた。
娘たちにとって、寝る場所=ベッドなのだ。そのため寝袋と言っても通じずに、寝具という部分に反応して持ち運びができる、エアーベッドを選択したようだ。
初めは大きいのを1つで、5人で寝るつもりだったみたいだけど、そこまで大きなエアーベッドが見つからなかったので、紹介されている中でも大きめのエアーベッドを2つ繋げて使うことに決めたようだ。
掛け布団の代わりに、ブランケットを個人で1つずつ選んでいた。
本当は良くないのだろうけど、娘たちが楽しそうに選んでいるので、このままにしよう。もう少し大きくなって、この世界のことを理解できるようになったら、改めて野営の厳しさを教えてやろう。
そんな事を言っているシュウも、不便な野営が嫌で馬車を改造したりしているので、お前に教えられるのか? と突っ込まれそうである。
焚火グリルはほしいけど、さすがにこれ以上娯楽っぽくすると問題があるので、自分たちで石を集めてかまどを作ることにしよう。
鉄板や網はどうするか? 料理という意味では、材料をいれて放置できるダッチオーブンとかもいいんだけど、一般的な野営では料理を作っても汁物を1品程度らいいのだ。どうすんべ?
この際、多少不便があるけど娯楽の方面で道具をそろえるか? エアーベッドの段階で、厳しいキャンプは諦めるべきだしな。
ってか、よく考えたら魔法が使えるんだから、キャンプ道具無くても快適空間を作り出せるんだった。
これまたシュウは理解していないが、この世界に魔法使いはそう多くない。その中で土魔法は、攻撃に使い難いということで習得者が更に少ない。そして、快適な空間を作り出すイメージも難しく、魔力を余計なことに使うのは忌避するべき行為であるため、前提から違うのだ。
習得者が少ないけど、有用であることを示すために土木組を育てたのだが、そのせいで更に土魔法の難しさを理解できないでいた。
椅子も机も魔法で作れるけど、娘たちが選び始めてしまったので、機会があったら教えることにしよう。
妻たちも集まってきており、俺が娘たちに押されて、ダダ甘なキャンプになることは想定の範囲内だったのか、みんなで笑いをこらえている姿が見られた。
あれ? 妻たちも独自にテントを選んでいるみたいだけど……あ、はい。みんなも一緒に行くんですね。了解しました。
タープもいくつも使って、家族全員で過ごせる屋根付きの空間を、考えて作ってみるか?
そんなことをしていたら、娘たちは椅子を選び終わったようだ。キャンプ用アルミチェアーを選んだようだ。持ち運びに便利で、耐久性にも優れている。重さは1キログラムも無いそうだ。とはいえ、冒険者たちにとってみれば、必要のないアイテムではあるのだが……
机は、妻たちの助言によって魔法で作る事になった。キャンプ用の机を見てみたのだが、人数分用意するとなると、大変なことになってしまうのだ。
それに、下の子たちも連れて行くことが決まったみたいで、シルキーたちも全員付いてくる。えっと、当初の目的とは大分かけ離れてしまったが、もうこれでいいか。
調理器具に関しては、途中参加してきたミリーの話を聞いて、色々な調理器具を試してみることにしたようだ。
娘たちのキャンプ体験から、地球にあるキャンプ道具を端から試してみる実験場に変わってしまった。
妻たちとは別枠で、俺は娘たちと楽しむことにしよう。今決めた! そう決めた!
豪華な料理は妻たちに任せて、娘たちと一緒にできる簡単に食べれる物がいいな。ホットサンドとかいいかもしれないな。中に入れる物をみんなで相談してみるか。
「4人とも、相談したい事があるんだけどいいかな?」
キャンプ道具に夢中だった娘たちが振り返って、何? と聞いてきた。
「お母さんたちもキャンプに行くみたいで、食事はほとんど作ってくれるみたいな話になったけど、みんなも自分で作ってみたくないか?」
娘たちは、自分たちで料理をするとは考えてなかったみたいで、作れるなら作ってみたいと声を上げた。
「難しいものは出来ないから、ホットサンドを作ってみようか。それで、中に入れる具材をみんなできめないか?」
ホットサンドを知らなかった4人は首を傾げていた。食べた事はあるけど、ホットサンドがどんな料理か分からなかったらしい。
個人的に好きな具材は、ハムにチーズとかツナマヨとかいいよね。千切りキャベツにトマトやハムも悪くないかな。
娘たちは、揚げ物のホットサンドが好みのようだが、キャンプで揚げ物か……揚げ物も作るのか?
言い出してしまった以上作らないといけないといけないな。
予定していたキャンプとかけ離れていくのであった。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる