1,490 / 2,518
第1490話 道具選び1
しおりを挟む
昨日は一般的には平日なので、例の施設もかなり空いていて快適だった。休日の昼間ともなると、かなりの人が利用しているようで、施設を大きくした方がいいのではないか?という、意見まで出ているくらいに人気な施設となっているらしい。
くつろぐためにお風呂に入りに来ているのに、窮屈な思いをするのは可哀そうだよな。空いていて気付かなかったが、妻たちから情報をもらって初めて知った。昨日家に帰った後に、グリエルに拡張の打診をしておいたので、後日話し合いをする事になるだろう。
そして今日は、娘たちとキャンプの道具を選ぶ約束をしていた。
ただいまの時刻は午前中、娘たちは母親たちと日課になっている運動と勉強をしているので、昼食後にリビングに集合して会議をすることになっている。
さて、微妙に暇な時間が出来てしまった。娘たちのために、現物を取り寄せて比べてみてもいいのだが、使わない物を無駄に召喚すると妻たちに怒られるし、娘たちにもいい影響がないから絶対にしないように言われている。
ならばどうするべきか!?
キャンプ特集をしている本を召喚すれば、問題は解決する。
だけど、さすがに本を俺と娘たち4人で一緒に見るとなると、見にくいよな? 情報誌みたいなのは、電子書籍ってないのかな?
調べてみると、目的の物の電子書籍は発見できなかったが、情報誌も結構電子書籍化されているのもあるんだな。で、目的の情報誌なのだがDPで魔改造すると、電子書籍化をすることができたのだ。マジ便利!
テント特集にシュラフ特集、キャンプグッズ特集などなど、見そうな情報誌を10冊ほど召喚して、内容を確認していく。
10冊中3冊は正直微妙だったので、もう見ることは無いだろう。道具などの情報が欲しいのに、どうでもいい芸能人のインタビュー記事だったり、その筋の情報通の人の良く分からない評価だったり、俺には必要のないものだった。
その中にもちょっとだけ、キャンプ地の情報は役に立ちそうだったけど、他の本にも紹介されていたのでいちいち見る必要はなさそうだ。
父親がキャンプが好きで長期休みになると、よくキャンプに連れて行かれたのはいい思い出だ。あの時は何で快適な部屋から出て、暑かったり寒かったりする場所で過ごすか分からなかった。ずっと携帯ゲーム機で遊んでいたもんだな。
唯一の楽しみと言えば、キャンプ飯だったな。普段の母親の食事も美味しかったんだけど、キャンプで食べる食事っていつもより美味しく感じるんだよな。あれって不思議だよな。この世界では、携帯性に優れた固焼きパンや塩っ辛い干し肉が中心だからな、同感してくれる人はいないだろう。
そんなことを考えながら、情報誌をながめていたらお昼の時間に、昼食後は娘たちに引っ張られてリビングへ向かう。
「とーたん、はやくはやく!」
ミーシャは待ちきれないとばかりに俺のお尻を押し、スミレとブルムは片手ずつ俺の手を引いている。ウルはニコニコ笑いながら後ろをついてきているようだ。
「みんな落ち着いて、逃げないから慌てても意味がないぞ!」
ワクワクしている娘たちが微笑ましい。おそらくこの世界でキャンプ、野営をすると言って、ここまでテンションの上がる子どもも少なくないだろう。
街を散歩している時におばちゃんたちと世間話をした時に聞いた話なのだが、街の外は基本的に魔物が出るし盗賊もいるから危険だと教わるのだ。夜営は街の外=危険ということで、キャンプは危ないものという認識なのだ。
俺はソファーの中心に座らせて、股の間にミーシャ、右太ももの上にスミレ、左太ももの上にブルム、みんなの足元に小さな椅子を使ってウルが座っている。何かすごい事になってるな。
午前中に厳選した情報雑誌を空間投影ディスプレイに映し出す。音声でもハンドアクションでもしっかりと認識してくれるので操作がしやすい。
「ディー、1番の情報誌を出してくれ。みんな、まず始めにキャンプに使うテントを選ぶよ」
みんなのテンションが高い。
「お父さん、三角と丸いのがあるけど、なんで?」
「多分だけど、テントに使うポールが少なくて済むからじゃないかな?」
「ポールって何?」
「テントを支える柱かな? この三角のは、中心に1本あるだろ? ワンポールテントって言うんだ。三角形が縦長になったのは、Aフレーム型って言って1~2人で使う小さめのテントが多かったはず。設営が楽なんだってさ」
今回は、最低でも俺と娘たち合わせて5人は行くから、設営は面倒だけど大きいロッジ型やツールームテントがいいかな? そんな話をしていたが、自分たちも一緒にテントを建てたいという、娘たちの要望を応えるためには……設営の楽なテントを選ぶべきかもしれないな。
となると、ドーム型を選ぶべきか。柔軟性があるポールを広げたテントの上部にあるスリーブにポールを通して、テント本体に固定するとテントの形になるやつかな。
あれって小さいイメージがあるけど、どうなんだろう?
調べてみると思ったより大きな、5~6人用のテントもあるみたいだ。って、ギュウギュウ詰めになって6人寝るのか? 部屋みたいに快適とは言わないけど、四畳半くらいに5~6人寝る形だろ? テントってこれが普通なのか?
ってよく考えれば、テントって寝るためだけに使う物だよな。そうなると、これが普通か。部屋みたいに使おうとする俺がおかしいのだろう。空間を広くとるために馬車に、カーサイドタープみたいなのをつけちゃったしな。
そうなると、ちょっと作業工程が多くなるけど、ツールームのドーム型テントがいいかもしれないな。
娘たちにプレゼンをしてみると、見た目が可愛い! と好評だった。日本でキャンプする場合なら、見た目で選んでも間違いではないけど、この世界ではどうなんだろうな?
冒険者が6人パーティーだとして、見張りが2人で3交代なら4人が寝れれば十分だろ? テントのポールにテント本体、これだけで、1人の荷物の半分以上は埋まるな……って考えると、この世界ではタープで作るテントが良いのかもしれないな。今度ミリーに話をしてみよう。
さて、娘たちはどれにしようか、いくつものテントを映し出して議論していた。
くつろぐためにお風呂に入りに来ているのに、窮屈な思いをするのは可哀そうだよな。空いていて気付かなかったが、妻たちから情報をもらって初めて知った。昨日家に帰った後に、グリエルに拡張の打診をしておいたので、後日話し合いをする事になるだろう。
そして今日は、娘たちとキャンプの道具を選ぶ約束をしていた。
ただいまの時刻は午前中、娘たちは母親たちと日課になっている運動と勉強をしているので、昼食後にリビングに集合して会議をすることになっている。
さて、微妙に暇な時間が出来てしまった。娘たちのために、現物を取り寄せて比べてみてもいいのだが、使わない物を無駄に召喚すると妻たちに怒られるし、娘たちにもいい影響がないから絶対にしないように言われている。
ならばどうするべきか!?
キャンプ特集をしている本を召喚すれば、問題は解決する。
だけど、さすがに本を俺と娘たち4人で一緒に見るとなると、見にくいよな? 情報誌みたいなのは、電子書籍ってないのかな?
調べてみると、目的の物の電子書籍は発見できなかったが、情報誌も結構電子書籍化されているのもあるんだな。で、目的の情報誌なのだがDPで魔改造すると、電子書籍化をすることができたのだ。マジ便利!
テント特集にシュラフ特集、キャンプグッズ特集などなど、見そうな情報誌を10冊ほど召喚して、内容を確認していく。
10冊中3冊は正直微妙だったので、もう見ることは無いだろう。道具などの情報が欲しいのに、どうでもいい芸能人のインタビュー記事だったり、その筋の情報通の人の良く分からない評価だったり、俺には必要のないものだった。
その中にもちょっとだけ、キャンプ地の情報は役に立ちそうだったけど、他の本にも紹介されていたのでいちいち見る必要はなさそうだ。
父親がキャンプが好きで長期休みになると、よくキャンプに連れて行かれたのはいい思い出だ。あの時は何で快適な部屋から出て、暑かったり寒かったりする場所で過ごすか分からなかった。ずっと携帯ゲーム機で遊んでいたもんだな。
唯一の楽しみと言えば、キャンプ飯だったな。普段の母親の食事も美味しかったんだけど、キャンプで食べる食事っていつもより美味しく感じるんだよな。あれって不思議だよな。この世界では、携帯性に優れた固焼きパンや塩っ辛い干し肉が中心だからな、同感してくれる人はいないだろう。
そんなことを考えながら、情報誌をながめていたらお昼の時間に、昼食後は娘たちに引っ張られてリビングへ向かう。
「とーたん、はやくはやく!」
ミーシャは待ちきれないとばかりに俺のお尻を押し、スミレとブルムは片手ずつ俺の手を引いている。ウルはニコニコ笑いながら後ろをついてきているようだ。
「みんな落ち着いて、逃げないから慌てても意味がないぞ!」
ワクワクしている娘たちが微笑ましい。おそらくこの世界でキャンプ、野営をすると言って、ここまでテンションの上がる子どもも少なくないだろう。
街を散歩している時におばちゃんたちと世間話をした時に聞いた話なのだが、街の外は基本的に魔物が出るし盗賊もいるから危険だと教わるのだ。夜営は街の外=危険ということで、キャンプは危ないものという認識なのだ。
俺はソファーの中心に座らせて、股の間にミーシャ、右太ももの上にスミレ、左太ももの上にブルム、みんなの足元に小さな椅子を使ってウルが座っている。何かすごい事になってるな。
午前中に厳選した情報雑誌を空間投影ディスプレイに映し出す。音声でもハンドアクションでもしっかりと認識してくれるので操作がしやすい。
「ディー、1番の情報誌を出してくれ。みんな、まず始めにキャンプに使うテントを選ぶよ」
みんなのテンションが高い。
「お父さん、三角と丸いのがあるけど、なんで?」
「多分だけど、テントに使うポールが少なくて済むからじゃないかな?」
「ポールって何?」
「テントを支える柱かな? この三角のは、中心に1本あるだろ? ワンポールテントって言うんだ。三角形が縦長になったのは、Aフレーム型って言って1~2人で使う小さめのテントが多かったはず。設営が楽なんだってさ」
今回は、最低でも俺と娘たち合わせて5人は行くから、設営は面倒だけど大きいロッジ型やツールームテントがいいかな? そんな話をしていたが、自分たちも一緒にテントを建てたいという、娘たちの要望を応えるためには……設営の楽なテントを選ぶべきかもしれないな。
となると、ドーム型を選ぶべきか。柔軟性があるポールを広げたテントの上部にあるスリーブにポールを通して、テント本体に固定するとテントの形になるやつかな。
あれって小さいイメージがあるけど、どうなんだろう?
調べてみると思ったより大きな、5~6人用のテントもあるみたいだ。って、ギュウギュウ詰めになって6人寝るのか? 部屋みたいに快適とは言わないけど、四畳半くらいに5~6人寝る形だろ? テントってこれが普通なのか?
ってよく考えれば、テントって寝るためだけに使う物だよな。そうなると、これが普通か。部屋みたいに使おうとする俺がおかしいのだろう。空間を広くとるために馬車に、カーサイドタープみたいなのをつけちゃったしな。
そうなると、ちょっと作業工程が多くなるけど、ツールームのドーム型テントがいいかもしれないな。
娘たちにプレゼンをしてみると、見た目が可愛い! と好評だった。日本でキャンプする場合なら、見た目で選んでも間違いではないけど、この世界ではどうなんだろうな?
冒険者が6人パーティーだとして、見張りが2人で3交代なら4人が寝れれば十分だろ? テントのポールにテント本体、これだけで、1人の荷物の半分以上は埋まるな……って考えると、この世界ではタープで作るテントが良いのかもしれないな。今度ミリーに話をしてみよう。
さて、娘たちはどれにしようか、いくつものテントを映し出して議論していた。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる