1,423 / 2,518
第1423話 バトルスタート
しおりを挟む
無理をさせていたシリウスは、次の日には復活していた。よく分からないくらい元気いっぱいになっており、戦闘に出ても問題ない状態だ。
シリウスが万全な状態だと言っても、オリハルコンの骨を持っているパイレーツスケルトンたちには、あまり効果がないと思われる。だけど、大量の水という質量で押し流すことはできるので、時間稼ぎ要因になると考えられる。
「シュリ、アリス、リリー、シャルロット、メルフィ、シエル、一緒に壁として耐えるぞ。シュリと俺が一番前で、リリーとシャルロットが俺たちの隣な。アリスとメルフィーはその隣、俺たちの後方にシエルな。シエルは、援護をお願いな」
今一度、陣形の確認をする。
「キリエは、人造ゴーレムたちの指揮を頼む。あいつ等でも勝手に判断するけど、やっぱり指揮してくれる人がいると連携に違いができるからな。他のメンバーは、随時援護をしてくれ。クシュリナ、シェリル、エレノア、お前たちは、火力の要だ。頼むぞ」
正直、どうやって倒すかが問題となっている。しかも、アダマンタイト程では無くても、オリハルコンもかなり頑丈な金属である。そして魔法と相性がいいので、魔法防御力が高いとされている。魔法組に関しては、援護に回る事になっている。
遠距離の弓も効果が薄いが、破矢を準備して、撃ち出す準備をしている。
問題は、重さの無い武器を使っているメンバーだ。一応自分たちの得意武器を使て、タンク、壁をするメンバーの援護をお願いする事になっているが、相手の重さや力が分からない状態では、押し返せるのか微妙なところである。
装備と回復アイテム、ポーションを確認する。
問題はないな。みんなの収納の腕輪の中にも大量に入っている。
実は、シルキーたちも同時に突入する事になっているが、何故一緒に入るかと言えば、バトルエリアの一画に安全地帯を構築するためだ。
どうやって安全地帯を構築するかと言えば、コンテナ野営地を作りその周りをアダマンタイトの板で隙間なく埋めるつもりだ。そうすれば、うるさいかもしれないが、パイレーツスケルトンたちでも突破してくることはできないだろう。
俺やシュリが先の尖ったアダマンタイト製のハンマーを使って、やっと表面を少し凹ませることができるくらいしかできなかったのだ。
その実績があるので、いざとなったらそこにこもって休憩する予定だ。
で、討伐が思うようにいかなかった場合は、アダマンタイトの板で囲った部屋をもう1個作る予定である。まぁ、そこに1匹ずつ引きずり込んで、各個撃破も検討されていた。これは朝、魔導無線機で連絡をとった時に、残っていた妻たちかもたらされた作戦である。
有用性は高いので、一応準備はしているという形だ。
ただ、レイス系の11匹は確実に仕留めておかないといけない。あいつらときたら、物質世界……マテリアルサイドに体が存在していないので、壁で覆っても入ってくるのだ。厄介なことに、結界魔法も効果がなかったりする。
結界魔法ではなく、光や聖属性の混ぜられた結界でないと侵入を防げないのだが、それらの魔法はコストが高く長時間展開していられないというデメリットがある。そういう意味では、結界魔法って本当に使いやすい魔法である。
「よし、準備は良いな。シエルは俺たちの援護を中心にブラウニーたちの守りを任せているから、頼むぞ。他の従魔たちも、ブラウニーたちを守るんだぞ。じゃぁ、いこうか」
そう言って全員がバトルエリアに入る。
広さは、直径2キロメートル位だろうか? そして、中心から700メートル程離れた場所を、魔物たちは徘徊している。理由は不明だが、まとまって動いているのだ。
あいつらが一番離れたところで突入したのだが、あちらには反応がない。なので、ブラウニーたちに野営地の建築を始めるように指示を出す。
10分位すると、こちらに顔を向けて気付いたのか、パイレーツスケルトンの16体がガシャガシャ音をたてて走って来た。その後ろを音もなく追いかけてくるのは、レイスたちだ。
「キリエ、俺たちが引っ張ったら、指揮を頼むぞ」
キリエと人造ゴーレムたち以外は揃って離れていく。魔物の特性として、初めは近いモノに寄っていく習性があるので、それを利用して誘導する形だ。
キリエたちは、自分たちにターゲットが映らないように距離をとって追ってきている。
「みんな、一気に引き寄せるよ」
そう言ってタンクのメンバー全員でチェインバーストを発動する。全員が16体に向けて鎖を伸ばし、一気に釣り上げる。接触すると同時に今使える最大火力の範囲攻撃を順番に叩き込み、しっかりとこちらにターゲットを固定した。
その後方では、キリエの指揮の下で人造ゴーレムたちがレイスたちに襲い掛かり、大きなダメージを与えることに成功する。
名前にキングが付く魔物は、同系統の魔物を強化するスキルを持っていることが多く、かなり厄介な存在である。可能ならキングと名の付くやつから倒したいと思っている。
人造ゴーレムたちは、面白い事になっていた。初めの1発は全部のレイスにくらわしていたが、その後は、無視をするように全員がキングレイスに群がっている。
人造ゴーレムがいくらドレインで魔力を吸収されても、死ぬことはないので始めに倒すべき相手に集中攻撃をとる作戦に出たようだ。確かに効率のいい倒し方だな。
俺たちは俺たちで、目の前の敵を排除しないとな。
ポーンパイレーツスケルトンは8匹、装備は片手剣や片手斧、メイスなど統一された装備では無かった。片手武器を装備しているだけで盾は装備していない。
盾を装備しているのは、ルークとナイトだ。ルークが戦車や城を意味するように、大盾を持っていた。ナイトはそのままの意味で、騎士みたいな装備、剣と盾を身につけていた。
ビショップとクイーンは、魔法使いなのだろう。ビショップが攻撃系に対してクイーンは回復系なのではないだろうか?持っている杖で判断しているので、間違っている可能性も高い。
最後に、キングなのだが……あいつは何故か素手だった。いや、オリハルコンの骨格なので、素手と言ってもバカにならない攻撃力を秘めているのだが……
俺たちは、ポーンの波状攻撃を耐えながら、合間や後列からとんでくる攻撃を的確に撃ち落としていく。
やっぱり、武器もオリハルコン製ということもあり、結構体に響いてくるな。
シリウスが万全な状態だと言っても、オリハルコンの骨を持っているパイレーツスケルトンたちには、あまり効果がないと思われる。だけど、大量の水という質量で押し流すことはできるので、時間稼ぎ要因になると考えられる。
「シュリ、アリス、リリー、シャルロット、メルフィ、シエル、一緒に壁として耐えるぞ。シュリと俺が一番前で、リリーとシャルロットが俺たちの隣な。アリスとメルフィーはその隣、俺たちの後方にシエルな。シエルは、援護をお願いな」
今一度、陣形の確認をする。
「キリエは、人造ゴーレムたちの指揮を頼む。あいつ等でも勝手に判断するけど、やっぱり指揮してくれる人がいると連携に違いができるからな。他のメンバーは、随時援護をしてくれ。クシュリナ、シェリル、エレノア、お前たちは、火力の要だ。頼むぞ」
正直、どうやって倒すかが問題となっている。しかも、アダマンタイト程では無くても、オリハルコンもかなり頑丈な金属である。そして魔法と相性がいいので、魔法防御力が高いとされている。魔法組に関しては、援護に回る事になっている。
遠距離の弓も効果が薄いが、破矢を準備して、撃ち出す準備をしている。
問題は、重さの無い武器を使っているメンバーだ。一応自分たちの得意武器を使て、タンク、壁をするメンバーの援護をお願いする事になっているが、相手の重さや力が分からない状態では、押し返せるのか微妙なところである。
装備と回復アイテム、ポーションを確認する。
問題はないな。みんなの収納の腕輪の中にも大量に入っている。
実は、シルキーたちも同時に突入する事になっているが、何故一緒に入るかと言えば、バトルエリアの一画に安全地帯を構築するためだ。
どうやって安全地帯を構築するかと言えば、コンテナ野営地を作りその周りをアダマンタイトの板で隙間なく埋めるつもりだ。そうすれば、うるさいかもしれないが、パイレーツスケルトンたちでも突破してくることはできないだろう。
俺やシュリが先の尖ったアダマンタイト製のハンマーを使って、やっと表面を少し凹ませることができるくらいしかできなかったのだ。
その実績があるので、いざとなったらそこにこもって休憩する予定だ。
で、討伐が思うようにいかなかった場合は、アダマンタイトの板で囲った部屋をもう1個作る予定である。まぁ、そこに1匹ずつ引きずり込んで、各個撃破も検討されていた。これは朝、魔導無線機で連絡をとった時に、残っていた妻たちかもたらされた作戦である。
有用性は高いので、一応準備はしているという形だ。
ただ、レイス系の11匹は確実に仕留めておかないといけない。あいつらときたら、物質世界……マテリアルサイドに体が存在していないので、壁で覆っても入ってくるのだ。厄介なことに、結界魔法も効果がなかったりする。
結界魔法ではなく、光や聖属性の混ぜられた結界でないと侵入を防げないのだが、それらの魔法はコストが高く長時間展開していられないというデメリットがある。そういう意味では、結界魔法って本当に使いやすい魔法である。
「よし、準備は良いな。シエルは俺たちの援護を中心にブラウニーたちの守りを任せているから、頼むぞ。他の従魔たちも、ブラウニーたちを守るんだぞ。じゃぁ、いこうか」
そう言って全員がバトルエリアに入る。
広さは、直径2キロメートル位だろうか? そして、中心から700メートル程離れた場所を、魔物たちは徘徊している。理由は不明だが、まとまって動いているのだ。
あいつらが一番離れたところで突入したのだが、あちらには反応がない。なので、ブラウニーたちに野営地の建築を始めるように指示を出す。
10分位すると、こちらに顔を向けて気付いたのか、パイレーツスケルトンの16体がガシャガシャ音をたてて走って来た。その後ろを音もなく追いかけてくるのは、レイスたちだ。
「キリエ、俺たちが引っ張ったら、指揮を頼むぞ」
キリエと人造ゴーレムたち以外は揃って離れていく。魔物の特性として、初めは近いモノに寄っていく習性があるので、それを利用して誘導する形だ。
キリエたちは、自分たちにターゲットが映らないように距離をとって追ってきている。
「みんな、一気に引き寄せるよ」
そう言ってタンクのメンバー全員でチェインバーストを発動する。全員が16体に向けて鎖を伸ばし、一気に釣り上げる。接触すると同時に今使える最大火力の範囲攻撃を順番に叩き込み、しっかりとこちらにターゲットを固定した。
その後方では、キリエの指揮の下で人造ゴーレムたちがレイスたちに襲い掛かり、大きなダメージを与えることに成功する。
名前にキングが付く魔物は、同系統の魔物を強化するスキルを持っていることが多く、かなり厄介な存在である。可能ならキングと名の付くやつから倒したいと思っている。
人造ゴーレムたちは、面白い事になっていた。初めの1発は全部のレイスにくらわしていたが、その後は、無視をするように全員がキングレイスに群がっている。
人造ゴーレムがいくらドレインで魔力を吸収されても、死ぬことはないので始めに倒すべき相手に集中攻撃をとる作戦に出たようだ。確かに効率のいい倒し方だな。
俺たちは俺たちで、目の前の敵を排除しないとな。
ポーンパイレーツスケルトンは8匹、装備は片手剣や片手斧、メイスなど統一された装備では無かった。片手武器を装備しているだけで盾は装備していない。
盾を装備しているのは、ルークとナイトだ。ルークが戦車や城を意味するように、大盾を持っていた。ナイトはそのままの意味で、騎士みたいな装備、剣と盾を身につけていた。
ビショップとクイーンは、魔法使いなのだろう。ビショップが攻撃系に対してクイーンは回復系なのではないだろうか?持っている杖で判断しているので、間違っている可能性も高い。
最後に、キングなのだが……あいつは何故か素手だった。いや、オリハルコンの骨格なので、素手と言ってもバカにならない攻撃力を秘めているのだが……
俺たちは、ポーンの波状攻撃を耐えながら、合間や後列からとんでくる攻撃を的確に撃ち落としていく。
やっぱり、武器もオリハルコン製ということもあり、結構体に響いてくるな。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる