ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1412話 驚愕の事実

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 俺たちの道中は、特に何も問題なく進む事が出来た。馬車も21階に到着して、近くの部屋で野営の準備を始めている。

「ブラウニーたちは大丈夫そうか?」

「あの子たちは問題ありませんよ。ビックリするくらい元気ですね。馬車の中を見て元気な理由はよく分かりました。あの子たち、ベッドの中にスライムたちを連れ込んでクッションにしていたみたいで、多少の揺れなんて気にしないで寝ていたみたいです」

 確認に行っていたアリスが戻って来たので、ブラウニーの様子を聞くとこんな返答があった。

 なるほど、スライムベッドを使っていたのか。確かにあれなら少々の揺れなど関係なくなるな。

 今日の夕食は、多少遅くなっても豪華にしてほしいとお願いしており、今一生懸命その準備をしてくれている。豪華=バーベキュー的な発想があるブラウニーたちは、食材を物色して適した食材を準備してくれるようだ。

 俺たちというか、先行部隊の俺とアリス以外は少し先に進んで、この階の魔物を調べてもらっている。一番近くにあった部屋には、俺の天敵である海の悪魔はいなかったが、この階全体でみるとわからないので確認に行ってもらっているのだ。

「あっ、ピーチがシュウ様のことを呼んでました。手が空いたら連絡が欲しいとの事です」

「ピーチから? 何かあったのかな? 今はすることないし、連絡してみるか」

 子どもたちの部屋に繋がっている魔導無線部屋に入り、連絡をとってみる。

『あっ! とーたんだ!』
『ウル姉、とーたんきたよ!』

 あれ? ミーシャがいないな。いつも3人でいると思ってたけど、今日は別行動か? なんでウルが呼ばれているんだろう?

『あっ、お父さん。ちょっと待ってください。ピーチお母さんは今、プラムちゃんにご飯を上げてますので』

「あ~、今は食事の時間なのか。じゃぁそのうち来るんだな。何か話でもしてようか。今日は何かあった?」

『そうですね、今日は驚くことがあったのですが、それはピーチお母さんから話した方がいいので秘密です!』

「へ~、何かあったんだ。気になるな……急ぎでは無いってことは、悪いことじゃないと思うけど、何があったんだろうな」

『そういえば、孤児院の上のお兄ちゃんたちが就職しました』

 おっ!? 孤児院の子たちは、街の子たちに比べれば元々働いている方なのだが、その中から就職した子たちが出てきたのか。

 働いている筆頭と言えば、土木組だよな。孤児院には男の子が少なく、働ける歳を考えると女の子たちが多かったもんな。その大半が土木組になってたから、孤児院から就職をする子は今回が初めてということだ。

「孤児院の男の子たちは、ドワーフのところに行って修行してた子たちが多かった気がするけど、何処に就職したんだ?」

『鍛冶の修行に行っていたお兄ちゃんたちですよ。歳も問題なく、技術が他の街の鍛冶棟梁に匹敵する物になったということで、ドワーフの師匠たちに支援してもらって鍛冶工房を始めました』

「……ん? それは就職と言って良いのか? 支援してもらっているとはいえ、自分の工房を持っているってことだよな。ん~分からんが、ドワーフの爺共が近くにいるなら問題ないか。戻ったら様子を見に行ってみるか」

 その後、ミーシャが戻って来て他愛のない話をした。ミーシャは今日の運動の時に足をくじいてしまったみたいだ。その時に悪ふざけをしてしまったみたいで、怒られていたらしい。ミーシャは調子の良いところがあるから、そのせいで怒られたんだろうな。

 娘たちと話していたら、後ろからピーチがやってきた。

 下の子たちの様子を聞くと、よく泣いて、よく動いて、よく寝て、元気に育っているようだ。まだ数日しか経っていないのに、何か気になるところである。この時期の赤ちゃんは、ビックリするほど育つからな。

「そういえば、ピーチから何か話があるって聞いたんだけど、何かあったのか?」

『そうでした。プラムが拙いけどシュウ様の写真を見て、パパって言いましたよ』

「……はぁ? プラムはまだ喋る歳じゃないだろ?」

『そうなんですけど、急に写真をもってパパ! って言ったので驚きました』

 どうやら本当にパパって言ったらしいが、たまたま俺の写真をもっていて、たまたまそう聞こえたんじゃないかと思う。でも、嬉しく感じられるのはなんだろな。

「今度は、俺も聞いてみたいな」

『今起きてるから連れてきましょうか?』

 そう言っていると、後ろからプラム・シンラ・シオンを抱いて、ライラ・マリーがやって来た。マリーはシオンとプラムを抱いているのだが、安定して抱いている。

 マリーからプラムを受け取ったピーチは、プラムに俺の顔が見えるように体を起こした。

 そうすると、俺の方を指をさして、パパと聞こえるような発音をして手足をバタつかさせている。

「マジか。確かにパパって聞こえるな。それに、しっかりと俺を認識しているみたいだな。こんなに早くわかるもんなのか?」

『どうなんでしょう? いないとは言えないですが、さすがに自分の子がそうなると驚きを感じますよね』

「ん~気にしても分からないから考えても意味ないな。ウルたちもそうだけど、全員に変わらない愛情を注いで育てていこう」

 成長に差があっても全員俺たちの子どもなんだから、変わらない愛を注いで元気に育ってもらえればいい、という結論に至ったのでそこは共通認識として、ウルやミーシャたち、下の子たち、これからも増えるであろう俺の子たち育てていく事になった。

 何で子どもが増えると思うかって? そりゃヤルことヤレば、子どもができるに決まっているじゃないか! 娘たちと寝ることが増えてきた最近でも、一緒に寝てないときは普通に俺の寝室に来て、襲われるので妻たちが避妊薬を飲まなければ子どもは出来るっての。

 妻たちとヤルことは嫌ではない、むしろ好きなのだが……チビ神にスキルを与えられて息子が元気とはいえ、さすがに1日に5人も6人も相手に2ラウンドもすれば、バテバテなんだよね。妻が多いからそうでもしないと満足してもらえないのはね。

 話も終わり、下の子たちがぐずり始めたので寝かしつけるそうだ。

 俺はそのままグリエルに連絡を入れる。

「……ってことなんだけど、孤児院の子たちで工房を構えたのは把握してるか?」

『もちろんですよ。技術があるとはいえ、まだ若いので仕事をとるのは難しいです。だから、軍や兵士が使う数打ちの練習に使う武器を発注してますね。これが続けば業績として結果は残せますからね。満足できるものでなければ、契約が打ち切りになることは伝えています』

 なるほど、優しくしているだけではなく、実際に満足できるものを作れないようであれば突き放す覚悟があるんだな。

「グリエルが手配してくれているのであれば、俺は何もしない方がいいな。今度見学だけは行ってみるよ」

 それがいいですね、とグリエルは言ってくれた。

 今日の報告を簡単に受けて、連絡を終わらせた。
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