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第1411話 侵攻中
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俺のテンションはかなり高い。ランナーズハイに近い状態ではないだろうか?
タイムアタックをしているかのような無駄のない移動、俺の苦手な魔物、海の悪魔を殲滅できることによってテンションが上がっている。
黒い悪魔のときは、何処から襲ってくるか分からない恐怖から前線に立てなかったが、今回は部屋にいることが決まっているので遠慮なく魔法を撃ち込めるのだ。
汚物は消毒だ! ともやりたかったけど、火魔法はさすがに今回は拙いので、風魔法で殲滅している。
先行部隊にいる妻たちも苦笑している。それくらいにテンションが高く、魔物どもを殲滅しているのだ。黒い悪魔のときも思ったが、この世界の魔物が倒した後にドロップ品に変わるのは本当に助かるね。
姿形は無くなるけど、ドロップ品の中に奴らを連想する物があるため、俺は奴らのドロップ品は完全に無視している。黒い悪魔のときは、あのテカテカした羽みたいなモノがドロップしていたのだ。絶対に近づいてなるものか!
朝早くに出発しており、お昼までの5時間程で5階降りることができた。今は通路で準備してもらっていた、サンドイッチやハンバーガー等をムシャムシャ食べている。
今日は別にから揚げなどは準備されていない。すべてパンにはさまれているので、小腹が空いたときにでも簡単に食べることができるように、ブラウニーたちが作ってくれたのだ。シュリは高速移動中にモグモグしていたな。
昼食が終わり進んでいると、
「止まって! ごしゅ……シュウ様は下がってください。その部屋の中は少し拙いです。私たちがやりますので、待っていてください」
アリスが言い間違えた。やっぱり慣れていないんだろうな。様付けも距離感があるのだが、正直ご主人様よりは俺の好みである。姉御組のように気軽に呼んでほしいものだ。
それより俺には拙い部屋? このタイプのダンジョンに、サキュバス的なエロ系はいない。つか、俺はあんなのにやられるような助兵衛じゃねえぞ! あ~もしかして、ローパーみたいな触手の魔物がいる? それなら妻たちが前に出るわけないか。
ということはやっぱり……今までの比にならないほど、部屋の中に海の悪魔が蠢いているのがマップ先生でわかった。確かにこれはキツイ、俺に下がっていてくれっていうのは理解できた。
ちょっと離れた位置で見ていたが、カサカサカサカサ……って音が聞こえてきてしまった。上がっていたテンションが一気に下がってしまった。
数が多かったので今回使われたのは、使う予定の無かった火魔法を投入して焼き尽くすようだ。こちらに被害が出ないように、俺がしっかりと結界魔法で守る。
他にも防毒マスクタイプの酸素マスクを全員がつけている。これは魔導具で一定割合の酸素を作り出す、よくシステムの理解ができていない代物だ。魔法自体がよく分からん代物だからしかたがないのだが、クリエイトゴーレム製なので壊れない限り使えたりする。
「シュウ様、やはり部屋で火魔法を使い焼き殺す方法をとると、通路で使った時とは違いこの中で呼吸をするのは危険ですね。鎮火してから1分程経っていますが、呼吸できるレベルではありませんね」
さすがにもう戻っていてもいいと思うんだけど、何かしらダンジョンの機能が働いているのだろうか?
「となると、すぐに出発するわけにはいかないな。扉を開けているこっち側の空気は大丈夫か?」
「えっと、酸素は少し少ないですが、問題ないレベルだと思います。部屋と廊下の境界線の扉を越えるとアウトみたいですね。何かしらのバリアがあるのでしょうか?」
う~~む、本当に不思議だよな。
「分からんな。このマスクの効果と同じ魔核を中に入れておくか。それで酸素はもどるだろう。部屋の温度は、やっぱり熱いな。魔法で熱がこもったことがないからよく分からないけど、ここまで熱く感じたのは火山エリアくらいかな?」
通路から部屋の中に手を入れて、温度を確認してみるとサウナのような熱さになっていた。Aランクの魔石を使って10個程つくって、部屋の中に放り投げる。
しばらくデータ収集をしながら、後続の部隊に連絡をして様子を確認する。
魔物は今のところ沸いておらず、スムーズに進めているようだ。ただ、壁を壊して馬車を通せるようにしているが、さすがに平らには出来ないのでガタゴトと揺れてしまう。
そのせいで中で寝ているブラウニーたちに迷惑をかけている。タイヤ自体がショックを吸収できるように、車のタイヤのように太くしてゴムタイヤに修復機能も付けているのだが、全ての衝撃を吸収できるわけではない。
申し訳ないと思うが、本当にごめんね。謝ることしかできないよ。魔法が得意なメンバーが全員こっちに来てしまったのもよくなかった。1人でも工作部隊にいれば、土魔法で簡単に段差を埋めることができたのにな。
妻たちも全員魔法も使えるのだが、やはり魔法を専門に使っているメンバーほどの精度はないので、専用のタイヤを使っていても揺れてしまうのは、仕方がないことだと思う。
だけど殲滅を安定的にするためには、今のメンバーがベストなので下げることは難しい。なので今日は我慢をしてもらうしかないかな。21階次第ではあるが、今日はガッツリと進む予定だからな。後3階。あ、後ろのメンバーは後4階か。
「まだ温度は下がりませんが、通る分には問題ありませんね。中の温度は魔法で下げられるので問題ありませんけどね。それにしても温度が下がらないのは不思議ですね」
確認していたアリスが報告してくれる。なんで温度が下がらないんだろうな? このダンジョンの特性か、それとも部屋の作りか?
「休憩はここまで。じゃぁ進もうか、後3階……アリス、誘導頼むぞ」
夕食までにたどり着くぞ!
タイムアタックをしているかのような無駄のない移動、俺の苦手な魔物、海の悪魔を殲滅できることによってテンションが上がっている。
黒い悪魔のときは、何処から襲ってくるか分からない恐怖から前線に立てなかったが、今回は部屋にいることが決まっているので遠慮なく魔法を撃ち込めるのだ。
汚物は消毒だ! ともやりたかったけど、火魔法はさすがに今回は拙いので、風魔法で殲滅している。
先行部隊にいる妻たちも苦笑している。それくらいにテンションが高く、魔物どもを殲滅しているのだ。黒い悪魔のときも思ったが、この世界の魔物が倒した後にドロップ品に変わるのは本当に助かるね。
姿形は無くなるけど、ドロップ品の中に奴らを連想する物があるため、俺は奴らのドロップ品は完全に無視している。黒い悪魔のときは、あのテカテカした羽みたいなモノがドロップしていたのだ。絶対に近づいてなるものか!
朝早くに出発しており、お昼までの5時間程で5階降りることができた。今は通路で準備してもらっていた、サンドイッチやハンバーガー等をムシャムシャ食べている。
今日は別にから揚げなどは準備されていない。すべてパンにはさまれているので、小腹が空いたときにでも簡単に食べることができるように、ブラウニーたちが作ってくれたのだ。シュリは高速移動中にモグモグしていたな。
昼食が終わり進んでいると、
「止まって! ごしゅ……シュウ様は下がってください。その部屋の中は少し拙いです。私たちがやりますので、待っていてください」
アリスが言い間違えた。やっぱり慣れていないんだろうな。様付けも距離感があるのだが、正直ご主人様よりは俺の好みである。姉御組のように気軽に呼んでほしいものだ。
それより俺には拙い部屋? このタイプのダンジョンに、サキュバス的なエロ系はいない。つか、俺はあんなのにやられるような助兵衛じゃねえぞ! あ~もしかして、ローパーみたいな触手の魔物がいる? それなら妻たちが前に出るわけないか。
ということはやっぱり……今までの比にならないほど、部屋の中に海の悪魔が蠢いているのがマップ先生でわかった。確かにこれはキツイ、俺に下がっていてくれっていうのは理解できた。
ちょっと離れた位置で見ていたが、カサカサカサカサ……って音が聞こえてきてしまった。上がっていたテンションが一気に下がってしまった。
数が多かったので今回使われたのは、使う予定の無かった火魔法を投入して焼き尽くすようだ。こちらに被害が出ないように、俺がしっかりと結界魔法で守る。
他にも防毒マスクタイプの酸素マスクを全員がつけている。これは魔導具で一定割合の酸素を作り出す、よくシステムの理解ができていない代物だ。魔法自体がよく分からん代物だからしかたがないのだが、クリエイトゴーレム製なので壊れない限り使えたりする。
「シュウ様、やはり部屋で火魔法を使い焼き殺す方法をとると、通路で使った時とは違いこの中で呼吸をするのは危険ですね。鎮火してから1分程経っていますが、呼吸できるレベルではありませんね」
さすがにもう戻っていてもいいと思うんだけど、何かしらダンジョンの機能が働いているのだろうか?
「となると、すぐに出発するわけにはいかないな。扉を開けているこっち側の空気は大丈夫か?」
「えっと、酸素は少し少ないですが、問題ないレベルだと思います。部屋と廊下の境界線の扉を越えるとアウトみたいですね。何かしらのバリアがあるのでしょうか?」
う~~む、本当に不思議だよな。
「分からんな。このマスクの効果と同じ魔核を中に入れておくか。それで酸素はもどるだろう。部屋の温度は、やっぱり熱いな。魔法で熱がこもったことがないからよく分からないけど、ここまで熱く感じたのは火山エリアくらいかな?」
通路から部屋の中に手を入れて、温度を確認してみるとサウナのような熱さになっていた。Aランクの魔石を使って10個程つくって、部屋の中に放り投げる。
しばらくデータ収集をしながら、後続の部隊に連絡をして様子を確認する。
魔物は今のところ沸いておらず、スムーズに進めているようだ。ただ、壁を壊して馬車を通せるようにしているが、さすがに平らには出来ないのでガタゴトと揺れてしまう。
そのせいで中で寝ているブラウニーたちに迷惑をかけている。タイヤ自体がショックを吸収できるように、車のタイヤのように太くしてゴムタイヤに修復機能も付けているのだが、全ての衝撃を吸収できるわけではない。
申し訳ないと思うが、本当にごめんね。謝ることしかできないよ。魔法が得意なメンバーが全員こっちに来てしまったのもよくなかった。1人でも工作部隊にいれば、土魔法で簡単に段差を埋めることができたのにな。
妻たちも全員魔法も使えるのだが、やはり魔法を専門に使っているメンバーほどの精度はないので、専用のタイヤを使っていても揺れてしまうのは、仕方がないことだと思う。
だけど殲滅を安定的にするためには、今のメンバーがベストなので下げることは難しい。なので今日は我慢をしてもらうしかないかな。21階次第ではあるが、今日はガッツリと進む予定だからな。後3階。あ、後ろのメンバーは後4階か。
「まだ温度は下がりませんが、通る分には問題ありませんね。中の温度は魔法で下げられるので問題ありませんけどね。それにしても温度が下がらないのは不思議ですね」
確認していたアリスが報告してくれる。なんで温度が下がらないんだろうな? このダンジョンの特性か、それとも部屋の作りか?
「休憩はここまで。じゃぁ進もうか、後3階……アリス、誘導頼むぞ」
夕食までにたどり着くぞ!
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