1,401 / 2,518
第1401話 もう出禁
しおりを挟む
あれから1週間、またしても工房への出禁をくらった。
ちょっと、ちょっとだけ調子に乗ったのがいけなかった。便利になればと思いちょっとだけ色々作ってしまったのだ。
ミルとミートテンダライザーを作って、工房を管理している人に怒られた段階で止まっておくべきだった。怒られたけど便利になると褒められてしまったのがいけなかった。
ちょっとだけ調子に乗った俺たちは、前の2つ以外に風魔法を利用した掃除機、魔導具である五徳を応用して作ったオーブン、圧力鍋を作ろうとしたがさすがにドワーフしか作れないと判断したので、圧力鍋とは呼べないが蓋の重い無水調理鍋を作った。
無水調理鍋に改良を加えてダッチオーブンも作っている。しかも1つのかまどで複数の調理を同時にできるように、重ねられるダッチオーブンも作った。魔導五徳も普及しているが、ダンジョンから木材が大量に採れ炭も作っている。何よりバレルからも大量に炭が届くので、調理に炭を使っている人が多い。
ちなみに薪は薪で需要がある。食堂のような場所では長時間煮込むような物は魔導五徳、焼き物には炭、火力が必要なものには薪、と言ったように使い分けているみたいだ。
話を戻して、ミル・ミートテンダライザー・掃除機・オーブン・無水調理鍋・ダッチオーブンを1週間で作ってしまい、また工房の処理能力がパンクしてしまったのだ。
「シュウ君、そう落ち込まないの。娘たちがシュウ君の作った物に興味を持っていたわよ。なかでも興味を持っていたのが、調理器具のダッチオーブンだったのは、あなたの血を濃く受け継いでいるんでしょうね。何をどうやって作るのか目をキラキラさせながら聞いてきたわよ」
娘たちが俺の血を濃く継いでいる?
「分かって無いみたいね。この世界の人たちはお金持ちでない限り、それなりの味付けで美味しく食べられればいいという考えが多いのよ。シュウ君みたいに食事にこだわる人って少ないの。そんな少数派のシュウ君に似て娘たちは食に興味を持っているわ」
食に興味が薄い? でもミリーたちは……そうか、俺がこっちに引き込んだ事になるのか。お金も食材も調味料も調理器具もすべて揃えられる。そして何よりブラウニーたちがいる。
俺は当たり前だと思っていたが、住んでいた国を考えると、飽食の国と呼ばれている日本出身の俺と、この世界の人たちを同じに考えてはいけなかったな。
どんな理由であれ、俺に似ている部分があるというのは嬉しいな。その部分を育ててあげるべきだろうか?
「シュウ君、何となく考えていることは分かるけど、ほどほどにしておいた方がいいと思うわ。私たちの子ども……孫まではいいかもしれないけど、その子孫まで美食に染まったら大変だと思うわ。まぁシュウ君が全員の面倒を看続けると言うなら止めないけどね」
む? そう言われると困るな。孫位までは面倒見ると思うけど……それより下となると、話は変わってくるよな。俺と妻たちは、実質不老長寿を確約されているから、死なない限りは生き続けられる。それがどれだけ辛いことか分からないけど……
俺は不老の体になってしまったけど、妻たちは薬を飲まなければ寿命で死ぬことができる。でも、長く生きている弊害を知っているリンドから、1人で生き続けるのは辛いと妻たちに話しており、同じ時間を生きさせてほしいとお願いされている。
嫁たちと、その子ども……ウルたちは全力で守るけど、孫だとそこまでしていいのか悩むな。
「よし、決めた! 確かに美食に染まるのは困るかもしれないけど、子どもたちには料理を覚えさせよう! 娘たちはメイドの訓練をするんだよな? その時の料理に力を入れてもらおう! シンラ……息子たちはバトラーの訓練をするのかな? その時に覚えてもらおう!」
「食事に力を抜くってことはしないのね」
「だって、美味しいもの食べられなくなってもいいの?」
「それは嫌ね」
「だろ? だったら、自分で作れるようになればいい。冒険者になるにしても、料理屋をするにしても、領主になるにしても、自分で作れれば問題はないだろ? そういう教育方針にしよう!」
ミリーは呆れた顔をしているが、俺は方針を曲げるつもりは無いぞ!
「とりあえず、娘たちがダッチオーブンで作った料理を食べたいって言っているんだけど、どうする?」
「そういう話の流れだったね。興味があるなら今日の夜にでも作ってみようか?」
シルキーに連絡して今日はキャンプ飯風にしてみよう、という話でまとまった。
娘たちにその話をすると、大好き! と言われ飛びつかれた。でれでれになった俺の顔を見て、妻たちが遠回しに気持ち悪い、と言って来た。しょうがないだろ! 娘たちに言われたらでれでれになったっていいじゃないか!
ダッチオーブンの特性を生かした、放置しても作れる料理をチョイスしてもらっている。
1品目は30センチメートルほどの、大きめのダッチオーブンでローストポーク。鍋の底にニンジンやジャガイモを敷いてから、その上に豚肉の細長い塊を2本置き火にかける。強くない炭の火で蓋の上にも炭を置きじっくりと火を通す。
2品目はローストポークと同じように、ローストチキンだ。こちらはジャガイモだけだな。なにか理由があるのかな?
「とーたん! カレーって言ってたのに水が入ってないよ!」
家のカレーは、基本的に野菜や肉を炒めてから水やスープストックを入れて煮込む。その手順を知っていたスミレからそう質問された。
「スミレはいいところに目をつけたね。水が入ってない代わりに野菜が多く入っているだろ? 蓋をして野菜の水分をあの中に留めることによって、水を入れなくてもカレーを作れるんだよ」
説明してみたが、野菜は野菜だから水はでないよ? って言われてしまった。野菜には水分がたくさんあるってことを知らないから、この子たちにはまだ理解できないか。
ブラウニーたちは、他にもダッチオーブンでなくても作れるキャンプ飯を色々作ってくれた。
ダッチオーブンは重たいけど、野営の時には便利だと思うんだよね。煮る、焼く、蒸す、1つで色々なことができる。そして一番は、調理中にはあまり匂いが発生しない。ほとんどがあの中に閉じ込められるからだ。
硬い干し肉も、野菜や水と煮込めば良い出汁のスープが作れる。味付けは干し肉の量で調整するか追加で塩だな。
重ささえ何とかなればいい調理器具なんだよな。ダンジョンには向かないけど、護衛には向いているか? 明日ゼニスが来るとか言ってたから話を聞いてみるか。
目の前でダッチオーブンで作ったローストポークと、下に敷いていたジャガイモを使ったマッシュポテトを、モリモリと食べている娘たちを見てそんなことを考えていた。
ちょっと、ちょっとだけ調子に乗ったのがいけなかった。便利になればと思いちょっとだけ色々作ってしまったのだ。
ミルとミートテンダライザーを作って、工房を管理している人に怒られた段階で止まっておくべきだった。怒られたけど便利になると褒められてしまったのがいけなかった。
ちょっとだけ調子に乗った俺たちは、前の2つ以外に風魔法を利用した掃除機、魔導具である五徳を応用して作ったオーブン、圧力鍋を作ろうとしたがさすがにドワーフしか作れないと判断したので、圧力鍋とは呼べないが蓋の重い無水調理鍋を作った。
無水調理鍋に改良を加えてダッチオーブンも作っている。しかも1つのかまどで複数の調理を同時にできるように、重ねられるダッチオーブンも作った。魔導五徳も普及しているが、ダンジョンから木材が大量に採れ炭も作っている。何よりバレルからも大量に炭が届くので、調理に炭を使っている人が多い。
ちなみに薪は薪で需要がある。食堂のような場所では長時間煮込むような物は魔導五徳、焼き物には炭、火力が必要なものには薪、と言ったように使い分けているみたいだ。
話を戻して、ミル・ミートテンダライザー・掃除機・オーブン・無水調理鍋・ダッチオーブンを1週間で作ってしまい、また工房の処理能力がパンクしてしまったのだ。
「シュウ君、そう落ち込まないの。娘たちがシュウ君の作った物に興味を持っていたわよ。なかでも興味を持っていたのが、調理器具のダッチオーブンだったのは、あなたの血を濃く受け継いでいるんでしょうね。何をどうやって作るのか目をキラキラさせながら聞いてきたわよ」
娘たちが俺の血を濃く継いでいる?
「分かって無いみたいね。この世界の人たちはお金持ちでない限り、それなりの味付けで美味しく食べられればいいという考えが多いのよ。シュウ君みたいに食事にこだわる人って少ないの。そんな少数派のシュウ君に似て娘たちは食に興味を持っているわ」
食に興味が薄い? でもミリーたちは……そうか、俺がこっちに引き込んだ事になるのか。お金も食材も調味料も調理器具もすべて揃えられる。そして何よりブラウニーたちがいる。
俺は当たり前だと思っていたが、住んでいた国を考えると、飽食の国と呼ばれている日本出身の俺と、この世界の人たちを同じに考えてはいけなかったな。
どんな理由であれ、俺に似ている部分があるというのは嬉しいな。その部分を育ててあげるべきだろうか?
「シュウ君、何となく考えていることは分かるけど、ほどほどにしておいた方がいいと思うわ。私たちの子ども……孫まではいいかもしれないけど、その子孫まで美食に染まったら大変だと思うわ。まぁシュウ君が全員の面倒を看続けると言うなら止めないけどね」
む? そう言われると困るな。孫位までは面倒見ると思うけど……それより下となると、話は変わってくるよな。俺と妻たちは、実質不老長寿を確約されているから、死なない限りは生き続けられる。それがどれだけ辛いことか分からないけど……
俺は不老の体になってしまったけど、妻たちは薬を飲まなければ寿命で死ぬことができる。でも、長く生きている弊害を知っているリンドから、1人で生き続けるのは辛いと妻たちに話しており、同じ時間を生きさせてほしいとお願いされている。
嫁たちと、その子ども……ウルたちは全力で守るけど、孫だとそこまでしていいのか悩むな。
「よし、決めた! 確かに美食に染まるのは困るかもしれないけど、子どもたちには料理を覚えさせよう! 娘たちはメイドの訓練をするんだよな? その時の料理に力を入れてもらおう! シンラ……息子たちはバトラーの訓練をするのかな? その時に覚えてもらおう!」
「食事に力を抜くってことはしないのね」
「だって、美味しいもの食べられなくなってもいいの?」
「それは嫌ね」
「だろ? だったら、自分で作れるようになればいい。冒険者になるにしても、料理屋をするにしても、領主になるにしても、自分で作れれば問題はないだろ? そういう教育方針にしよう!」
ミリーは呆れた顔をしているが、俺は方針を曲げるつもりは無いぞ!
「とりあえず、娘たちがダッチオーブンで作った料理を食べたいって言っているんだけど、どうする?」
「そういう話の流れだったね。興味があるなら今日の夜にでも作ってみようか?」
シルキーに連絡して今日はキャンプ飯風にしてみよう、という話でまとまった。
娘たちにその話をすると、大好き! と言われ飛びつかれた。でれでれになった俺の顔を見て、妻たちが遠回しに気持ち悪い、と言って来た。しょうがないだろ! 娘たちに言われたらでれでれになったっていいじゃないか!
ダッチオーブンの特性を生かした、放置しても作れる料理をチョイスしてもらっている。
1品目は30センチメートルほどの、大きめのダッチオーブンでローストポーク。鍋の底にニンジンやジャガイモを敷いてから、その上に豚肉の細長い塊を2本置き火にかける。強くない炭の火で蓋の上にも炭を置きじっくりと火を通す。
2品目はローストポークと同じように、ローストチキンだ。こちらはジャガイモだけだな。なにか理由があるのかな?
「とーたん! カレーって言ってたのに水が入ってないよ!」
家のカレーは、基本的に野菜や肉を炒めてから水やスープストックを入れて煮込む。その手順を知っていたスミレからそう質問された。
「スミレはいいところに目をつけたね。水が入ってない代わりに野菜が多く入っているだろ? 蓋をして野菜の水分をあの中に留めることによって、水を入れなくてもカレーを作れるんだよ」
説明してみたが、野菜は野菜だから水はでないよ? って言われてしまった。野菜には水分がたくさんあるってことを知らないから、この子たちにはまだ理解できないか。
ブラウニーたちは、他にもダッチオーブンでなくても作れるキャンプ飯を色々作ってくれた。
ダッチオーブンは重たいけど、野営の時には便利だと思うんだよね。煮る、焼く、蒸す、1つで色々なことができる。そして一番は、調理中にはあまり匂いが発生しない。ほとんどがあの中に閉じ込められるからだ。
硬い干し肉も、野菜や水と煮込めば良い出汁のスープが作れる。味付けは干し肉の量で調整するか追加で塩だな。
重ささえ何とかなればいい調理器具なんだよな。ダンジョンには向かないけど、護衛には向いているか? 明日ゼニスが来るとか言ってたから話を聞いてみるか。
目の前でダッチオーブンで作ったローストポークと、下に敷いていたジャガイモを使ったマッシュポテトを、モリモリと食べている娘たちを見てそんなことを考えていた。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる