ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1400話 再開

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「ちっちゃい手だね。片手で両手を包めちゃうよ」

「そうだね! かーたんたちの話だと、プラムちゃんはシオンちゃんやシンラちゃんと成長の差があるって言ってたけど、みんな同じくらいの体の大きさだよね」

「そうだね。獣人だからミーちゃんは、私たちより体が成長しやすいんだよね? なのに何でだろうね」

「3人とも、まだ2ヶ月しか経ってないんだから変わらないのは普通だよ。それに、同じ人でも獣人でもドワーフでも、体系は違うよね? どう成長するかは誰にも分からないよ」

 ミーシャ、ブルム、スミレ、ウルの順番で会話をしていた。

 獣人の成長が早いのは確かだろうけど、ドワーフの成長が遅いのではないのだろうか? エルフと同じ長寿の種族だしな。でもカエデとリンドの子……スミレとブルムが同じサイズに成長するのか疑問である。

 カエデはハーフドワーフで母の血を濃く継いだのか、普通のヒューマン種と見分けがつかない。あえて言うなら、肌の色と物作りの才能だけドワーフの特徴を受け継いだのだろう。褐色の肌で綺麗な黒髪、色黒の日本人っぽいんだよね。

 それに対してリンドは、ロリドワーフだ。ビア樽体系の古典的なドワーフを細くして可愛くして、髭を無くした感じだ……ただの少女っぽいんだよね。もう別種族に見えるよな。

 ロリドワーフに対してショタドワーフは、髭も生えずに少年っぽいんだよね。結構剛毛な古典的男ドワーフと比べると、肌がツルツルで本当に少年って見た目なのに、古典的ドワーフと変わらない力の持ち主だから、そのギャップにビビるね。

 ドワーフを見たときに一番ビビったのがショタドワーフだったな。今までいろんな小説を読んできたけど、その中にはロリドワーフは良く出て来ていたのだが、ショタドワーフは初めてだったからな。

 古典的なドワーフしか知らなかった人たちから見れば、ロリドワーフだって衝撃的だっただろうけどな。

 それにしても、プラム・シンラ・シオンを比べると、シンラが一番小さいんだよな。シオン⇒プラム⇒シンラの順番だ。

 同じ種族、アジア系や欧米系でも体の大きさは違う。同じ日本人でも体の大きさには差があるんだから、子どもの成長にも差があってもおかしくないんだよね。

「ほら、そんなに構いすぎると怒られるぞ。しばらく会いに来るのを禁止されてもいいのか?」

 4人はキャッキャ言いながら弟妹たちをかまっていたが、俺の言葉を聞いてハッとした顔をして名残惜しそうに弟妹たちから離れた。その様子にピーチたちもほっとしている。

 4人は面倒を看てくれるので助かっている部分もあるのだが、やはりウルたちも子どもなので危なっかしいところが多いのだ。見ている方がひやひやしてしまうことがあるので、母親たちがほっとするのも仕方がないだろう。

 本当に危ないことをしようとすれば、ケットシーたちが止めてくれるので大丈夫なのだけどね。信用をしているとはいえ、心配をしないというわけではない。

 自分の子だという意識はあるのだが、俺の見た目の特徴を全くといって受け継いでいないから、何とも言えない気持ちになる。大きくなれば俺の特徴が現れるのかな?

 俺の特徴を引き継いだら……ちょっとかわいそうだから、母親たちの見た目を存分に引き継いでくれよな!

 それにしても本当に小さい手だよな。指を出して触れると一生懸命握ってくる姿が可愛い。シンラよ数少ない男同士頑張ろうな! 早く大きくなって秘密基地とか一緒に作ろうな!

 しばらくあーうー言っていたシンラだが、スースーと寝息をたてて寝てしまった。

 よし、今日はのんびりするかな。

 庭でゆっくりとしていると、綾乃がやって来た。

「あ~シュウ、ここにいた!」

「探していたのか?」

「そうよ。ほら、早く工房へ行くわよ!」

 訳が分からず連行される。久々に着たゴーストタウンの工房は、なんだか昔と違うような気がした。

 けど、しばらく立ち寄っていなかったため記憶が確かでなかっただけだった。

「連れてこられたのはいいんだけど、何で連れて来たんだ?」

「何も説明しないで連れてきたでござるか?」

「あれ? 話してなかったっけ? やっと私たちの開発が解禁になったんだよ!」

 どうやら俺らの謹慎期間が解けたらしい。ハイペースで色々作ったせいでストップがかけられてたんだよな。

「じゃぁ、俺たちが作ったあれは量産体制が整ったのか?」

「違うでござるよ。もともと量産体制が整っていたでござるが、必要個数がやっとそろったようで、新しい開発をおこなっていいと許可が出たでござるよ」

 なるほど、必要個数を作ったのか……ってさすがに地球みたいに機械生産をしているわけじゃないけど、ゴーストタウンにいきわたる位は作ったということだろう。

 これからは買い替える人たちのためと外に売り出すためのものだろう。分解すれば大体の構造は分かる簡単な物だから、すぐに複製されてしまうだろうな。

 そこを気にしてもしょうがないな。

「で、連れたってことは何かあるのか?」

「よく聞いてくれました! 作りたいものがあったのよ! 最近、バザールが頑張っているからゴーストタウンにも香辛料が増えてきて、ご飯が美味しくなっているんだよね!

 でも、使い方があまいから微妙なんだよね。だから、ミルを作りたいの! あれがあれば、ミックススパイスやハーブソルトなんかを作れば、美味しい物をみんなが食べれるようになるじゃん!」

 ということらしい。

 なるほどね。この工房では生活の役に立つ物を作っているからな。方向性としては間違っていない。

「ミックススパイスやハーブソルトとかは、ブラウニーたちに頼るのか?」

「さすがにそこまではしないわ。シュウの関係者が使う分は頼むと思うけど、この街で使う物は、ブラウニーたちの料理教室を受けている人たちに頑張ってもらう予定だよ。

 ブラウニーたちに頼れば間違いないけど、ゴーストタウンの味は自分たちで作ってほしいからね。できて間もない街だから、自分たちで切り開いてほしいと思ってるわ」

 何かいいことを言っていると感動していたが、最後に私が美味しい物を食べたいからね! って言ってしまうあたり残念な奴だ。

 綾乃って最近ブラウニーたちの食事を食べてないんだっけ? いつの間にかゴーストタウンに家を持っていたらしいし、こっちの飯をおいしくしたいのか? こいつはかなりの高給取りだから金は持ってるんだよな。生活拠点があるから質をあげておきたいのかな?

「ってか、作りたいならお前たちで作ればよくね?」

「それがさ、バザールがミルを召喚できなくて、細かい機構が分からなかったのよ!」

「それで俺か? 別に他に召喚できる精霊もいるけど、一緒に物作りするって話だったからいいか。じゃぁいくつか召喚してみるか」

 ミルを作っている間の会話で、お肉の筋が硬いっていう話を聞いて、ミートテンダライザーも合わせて作ってしまい、工房を管理している人に怒られてしまった。
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