ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,393 / 2,518

第1393話 平和な一時

しおりを挟む
 お酢作りの見学に行ってから早2週間……おやつは未だにピクルスだ。1週間位で飽きるかな? とか思っていたのだが、娘たちはポテチやお煎餅なんかよりピクルスが良いと言っている。

 そのせいでと言って良いのか悪いのか、俺の卵の消費量が跳ね上がった。

 おやつにウズラの卵を10個位ぺろりと食べてしまうので、朝食べているスクランブルエッグや目玉焼きと合わせると、1日に鶏卵で4~5個は食べている事になるな。

 昔はコレステロールが! とか言われていたが、卵の食べる量とコレステロールの因果関係は証明されていない。上がる人もいれば上がらない人もいる。つまり何を食べても同じということだ。

 要は体質も大きいということだな。

 日本に比べて医療技術はかなり劣るが、魔法がそれを補って余りあるからな。

 そういえば、この世界では基本的に生活習慣病にかかることはない。最大の理由は回復魔法の存在だろう。食生活や体を動かす時間が長いということもあるが、軽度の生活習慣病であれば軽い回復魔法でも治ってしまうのだ。

 ヤブ宗教に多少献金すればかけてもらえる回復魔法で治ってしまうため、生活習慣病が少ないと思われる。ただ、糞貴族みたいに暴飲暴食をしていれば話は変わってくるけどね。

 生活習慣病の件もあって最近、回復魔法は治すというよりは、元通りに戻すという印象が強いと感じている。

 それを強く感じたのは、肝硬変になった人に強めの回復魔法をかけると、肝硬変になっていた部分までキレイに治るのだ。地球の医学ではまずありえない現象である。

 肝硬変になったら使えない部分を切除するか移殖するしかない。それが回復魔法を使うとキレイに元通り……文字通りなのだ。

 部位欠損すら治すことのできる魔法の薬がある世界だから、一概には言えないが、回復魔法をかけた際に肝硬変になっている部分が、体の外に排出されるなら作り直していると言えるだろうが、そういったこともないので元通りにしていると思う。

 えっと、何でこんなことを考え始めたんだ?

 ピクルスにされたウズラの卵をパクパク食べながら、首を傾げた。あ~卵をたくさん食べると生活習慣病が~、ってところからこんな思考になってたのか。

 変なことを考えるのはやめよう。体型さえ維持できれば回復魔法で何とかなる。そう考えておけばいいか。

 それにしても、ウルたちは何でこんなにピクルスを食べているんだろうか?

「みんな、ピクルスは美味しいかい?」

「おいちー」
「うまうま」
「おいしいよー」

 ミーシャたちが3人同時に答えた。スミレ……それは美味しいに対する返答なのか? 漫画みたいな返し方だぞ。

「ブラウニーさんたちが作ってくれるおやつはどれも美味しいです。ですが、この前のお酢作りを見て食べさせてもらったピクルスが本当に美味しくて、毎日お願いしています。普通に野菜を食べるより美味しいのでついつい食べ過ぎてしまうのですが、野菜なので食べ過ぎを気にしなくてもいいのが嬉しいです」

 何か饒舌だな。それにしても4歳で食べ過ぎを気にしているのか? 周りの子供たちがどれだけ食べているかは分からないが、しっかりとシルキーたちがコントロールしてくれているからウルが気にする必要は無いんだがな。

「おやつで食べ過ぎるとスカーレットに怒られるんじゃないか?」

「ピクルスと同じ分量のお菓子を食べるのであれば怒られますが、ピクルスなら体にもいいって言ってました。おやつ以外にもちょっとお腹空いた時に出してもらえるので、私は好きです」

「とーたん、ピクルスおいしいよー」

 ウルの言葉に賛同してブルムがキュウリのピクルスを刺したフォークを俺に向けてきた。どうやら食べさせてくれるようだ。

「ん~やっぱりこのピクルスは美味しいな。適している野菜とそうでない野菜と分かれるけど、ニンジンが美味しいってびっくりだな。それにプチトマトのピクルスがここまで美味しいとは思わなかったよ」

「トマトおいちー」

 ミーシャの返答が舌っ足らずな感じなのは、口にものが入っているからかな?

 お腹いっぱいになったのか、ウルたちが次の行動へ移った。

 弟妹たちの下へビューンと音が聞こえてきそうな動きで向かった。おやつを食べ始めた頃に泣き声が聞こえて、オムツ交換や母乳を飲んで静かになったので、様子が気になって見に行ったようだ。

 この時期の赤ちゃんってビックリするほど長い時間寝るんだよね。食事の時間以外は基本的に寝ているとか、長い子になると合計で20時間近く寝ている子もいるんだってさ。

 その寝ている様子を4人は並んでみている。ウルたちが顔が見やすいように踏み台も準備している。ベビーベッドの横で1人ずつ弟妹たちの顔をながめてから、自分たちのエリアへ戻っていく。

「ピーチたち、疲れてないか? 自分の子は自分の母乳で育てたいのは分かるけど、無理はしないようにな。辛かったり大変だったりしたらすぐに言うんだぞ!」

「分かってます。でもご主じ……コホン……シュウ様に相談する前に、ミリーさんたちやシルキーたちに相談するので大丈夫ですよ」

 ピーチはシュウと呼び捨てにすることもできず、さん付けも難しかったためご主人様からシュウ様へ呼び方が変わっている。まぁ、大半の妻たちはシュウ様って呼んでいるな。ご主人様よりは近くなったと思うけど、様はどうにかしてとりたいものだ。

 例外と言えば3幼女……とはもう呼べないが、シェリル・イリア・ネルの3人だろう。みんなの前でもお兄ちゃんと呼んでくるようになった。別に悪いことをしているわけではないのに、悪いことをしている気分になるのは、俺だけだろうか?

 年をとってくれば変わるかもしれないし、今注意する程のことでもないか。

 ピーチたちは今のところ無理をしている様子もないので大丈夫だろう。ミリーたちに相談しているみたいなので、何かあったら教えてもらえるように言っておいた。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

処理中です...