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第1342話 不穏な気配
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「マップ先生や暗部からの情報から導き出した物ですが、朗報となる情報があります」
レイリーが勿体つけている気がするが、色々判断するのには情報が欲しいので早く話してくれ!
「今回帝国に攻めてきている3ヶ国ですが、情報共有や足並みは合わせているようですが、共闘しているわけではなさそうです。なので、10000人の兵士が3ヶ国分といった感じですね」
「それは、朗報なのか? 1つにまとまって攻めてこないって事は、3方向から攻めてくるって可能性があるんじゃないか? そうなると、こっちも戦力分散しないといけない事になるぞ」
「シュウ様、お忘れかもしれませんが、バレルを魔の森側から攻められるのが一番困るパターンでした。ですが、この状況でしたら最大でも10000人までしか魔の森に入ってきません。残りは確実に森ではない所から攻めてくるのです。カタパルトの事を考えると、こちらに有利な状況になっています」
なるほど、そういう考えもできるのか。森の中だとフレシェット弾の効果が半減するもんな。魔の森の木って普通の木より育つのが早いくせに、頑丈だったりするからな。枝でも子弾を防ぐ可能性が高いんだったか?
「標的が見やすくなったからと言って、3方向から攻められるのは厳しくないか?」
「土木組とシリウス、メグちゃんに協力してもらって壁の外に幅5メートル程の堀を作っています。水も循環するようにメグちゃんが工夫してくれました」
堀を作ったのか……しかも流れもしっかりあるなら、多少は攻めにくなってるよな。注意するのは、長い梯子か? 10メートル近くある壁に5メートルの川幅、最低でも11メートルは無いと厳しいか?
壁の天辺に届かなくても、ちょっと頑張れば届くよな。そうすると、梯子の先のフックがひっかからないから簡単に倒せてしまうか。
そんなに長い梯子を持ってきているのだろうか? 考えても分からんな。何かしらの方法があるから、ここに攻めてくるんだろうな。
「あれ? そう言えば、3つとも近くに来てるんだよな? 何で今頃になって共闘していないってわかったんだ?」
「それは、今日中に合流可能できたはずですが、合流せずに野営を始めたからです。馬を使い伝令のような事はしていましたが、集まる素振りを見せないので共闘は無いと思われます」
そう言う事か。
「兵士って結局何人集まったの?」
すっかり確認していなかった事を今更確認する。
「ディストピアの兵士2000人と冒険者が3000人で合わせて5000人ですね」
「6倍か……籠城戦になった時にセオリーとして、3倍いれば落とせるって言うのがあるけど、大丈夫なのか?」
「問題ありませんね。配置としては、冒険者3000人にクロスボウを持たせて魔の森から来る軍に備えています。残りの2000人は半分に分けて、敵軍にあたらせる予定です」
「もし魔の森に入ってこなかったらどうするの?」
「冒険者に移動していただき、クロスボウで対応する予定です」
カタパルトは兵士が使用するのか。確かにあれは、多少慣れておかないといけないから、冒険者にいきなり使えと言っても困るか。
当たるかはともかく、クロスボウなら矢を乗せて狙って撃てばいいからな。
「そっか、対応が大丈夫そうなら問題ないか。もし危なくなったら連絡してくれ」
「了解です。最後に1つ気になる事があったのですが、3つの軍なのですが、1つずつ街を落としたにしては、消耗が少なく感じるのです。シュウ様はどう思われますか?」
レイリーに言われて改めてマップ先生を見てみる。
そういえば、各軍10000人位とキリのいい数字に近い気がするな。それに、占領されたと思われる街なのだが、略奪が行われた様子はない。街の兵士も十分にいるようだ。
「言われてみると変だな。略奪されていないのはともかく、兵士の数が揃っているのは違和感があるな。本当に戦ったのか? って感じるな。それに、良く見たら街の中に攻めて来た国の兵士がいないジャン! どういうことだ?」
「大きな可能性としては2つ考えられるかと。無条件降伏をして従っているか、元々寝返る予定で示し合わせただけか」
「どっちにしても、こっちにとっては上手くない話だな。ここまで変だと、後ろの帝国軍も怪しく見えてくるな。あれもこれもとなると、手が回らないのが現状だな。各街から兵士を募って常備軍でも作るか?」
「常備軍については、戦争が終わってから考えましょう。正面の3つの軍はこちらで対処します。シュウ様は念のための警戒として、帝国軍を見張っておいてください」
レイリーが大丈夫だと言っているのだから、信用しよう。そもそも、今回は追い返す事が目的で、直接切り合うような戦闘は想定していないしな。
問題は明日だな。どうやって攻めてくるのだろうか?
夜襲があるわけもなく、次の日の朝を迎えた。
「やっぱり攻めてくるのは確実だよな」
俺は、1人乗りサイズのバッハに乗せてもらい、マップ先生と合わせて上空から様子を見ている。
一番北側から攻めてきている軍は、魔の森を抜けて攻めようとしている。軍の先頭がすでに森の中へ入っている。
残りの2つは、一番近い距離で壁に向かってきている。一先ずこちらの配置には問題はなさそうだ。
相手側に兵器のような物は見られないな。どうやって攻めるつもりなんだ? すべて人力で賄うつもりなのか? 魔法とかあるから、出来なくもないけど何か秘密兵器でもあるのかな?
『ご主人様~』
魔導無線から少し気の抜ける声のブラウニーの声が聞こえて来た。
「どうかしたのか?」
『帝国軍の方は見てますか~? あっちも動き出したみたいですよ~』
そう言われて慌ててマップ先生の表示を変えると、確かに帝国軍も動き出していた。
このコースって、壁に向かってきているんだけど……やっぱりこいつらも何か企んでるのか?
俺も、関所の近くへ行っておくか?
今は堀が出来て跳ね橋を上げている状態なので、簡単に出入りできない状態になっている、と聞いている。
いきなり堀が出来たのに、しっかりと対応してくれている兵士たち、優秀だな。
何かあった時のために、待機しておくのがいいかな。
「従魔たちを帝国軍のいる方に行くように言ってくれ。俺は一足先にバッハで向かっておくよ」
『りょ~かいしました~』
気の抜ける声だな。
バッハの首を叩いて、しっかりと命令を出す。
レイリーが勿体つけている気がするが、色々判断するのには情報が欲しいので早く話してくれ!
「今回帝国に攻めてきている3ヶ国ですが、情報共有や足並みは合わせているようですが、共闘しているわけではなさそうです。なので、10000人の兵士が3ヶ国分といった感じですね」
「それは、朗報なのか? 1つにまとまって攻めてこないって事は、3方向から攻めてくるって可能性があるんじゃないか? そうなると、こっちも戦力分散しないといけない事になるぞ」
「シュウ様、お忘れかもしれませんが、バレルを魔の森側から攻められるのが一番困るパターンでした。ですが、この状況でしたら最大でも10000人までしか魔の森に入ってきません。残りは確実に森ではない所から攻めてくるのです。カタパルトの事を考えると、こちらに有利な状況になっています」
なるほど、そういう考えもできるのか。森の中だとフレシェット弾の効果が半減するもんな。魔の森の木って普通の木より育つのが早いくせに、頑丈だったりするからな。枝でも子弾を防ぐ可能性が高いんだったか?
「標的が見やすくなったからと言って、3方向から攻められるのは厳しくないか?」
「土木組とシリウス、メグちゃんに協力してもらって壁の外に幅5メートル程の堀を作っています。水も循環するようにメグちゃんが工夫してくれました」
堀を作ったのか……しかも流れもしっかりあるなら、多少は攻めにくなってるよな。注意するのは、長い梯子か? 10メートル近くある壁に5メートルの川幅、最低でも11メートルは無いと厳しいか?
壁の天辺に届かなくても、ちょっと頑張れば届くよな。そうすると、梯子の先のフックがひっかからないから簡単に倒せてしまうか。
そんなに長い梯子を持ってきているのだろうか? 考えても分からんな。何かしらの方法があるから、ここに攻めてくるんだろうな。
「あれ? そう言えば、3つとも近くに来てるんだよな? 何で今頃になって共闘していないってわかったんだ?」
「それは、今日中に合流可能できたはずですが、合流せずに野営を始めたからです。馬を使い伝令のような事はしていましたが、集まる素振りを見せないので共闘は無いと思われます」
そう言う事か。
「兵士って結局何人集まったの?」
すっかり確認していなかった事を今更確認する。
「ディストピアの兵士2000人と冒険者が3000人で合わせて5000人ですね」
「6倍か……籠城戦になった時にセオリーとして、3倍いれば落とせるって言うのがあるけど、大丈夫なのか?」
「問題ありませんね。配置としては、冒険者3000人にクロスボウを持たせて魔の森から来る軍に備えています。残りの2000人は半分に分けて、敵軍にあたらせる予定です」
「もし魔の森に入ってこなかったらどうするの?」
「冒険者に移動していただき、クロスボウで対応する予定です」
カタパルトは兵士が使用するのか。確かにあれは、多少慣れておかないといけないから、冒険者にいきなり使えと言っても困るか。
当たるかはともかく、クロスボウなら矢を乗せて狙って撃てばいいからな。
「そっか、対応が大丈夫そうなら問題ないか。もし危なくなったら連絡してくれ」
「了解です。最後に1つ気になる事があったのですが、3つの軍なのですが、1つずつ街を落としたにしては、消耗が少なく感じるのです。シュウ様はどう思われますか?」
レイリーに言われて改めてマップ先生を見てみる。
そういえば、各軍10000人位とキリのいい数字に近い気がするな。それに、占領されたと思われる街なのだが、略奪が行われた様子はない。街の兵士も十分にいるようだ。
「言われてみると変だな。略奪されていないのはともかく、兵士の数が揃っているのは違和感があるな。本当に戦ったのか? って感じるな。それに、良く見たら街の中に攻めて来た国の兵士がいないジャン! どういうことだ?」
「大きな可能性としては2つ考えられるかと。無条件降伏をして従っているか、元々寝返る予定で示し合わせただけか」
「どっちにしても、こっちにとっては上手くない話だな。ここまで変だと、後ろの帝国軍も怪しく見えてくるな。あれもこれもとなると、手が回らないのが現状だな。各街から兵士を募って常備軍でも作るか?」
「常備軍については、戦争が終わってから考えましょう。正面の3つの軍はこちらで対処します。シュウ様は念のための警戒として、帝国軍を見張っておいてください」
レイリーが大丈夫だと言っているのだから、信用しよう。そもそも、今回は追い返す事が目的で、直接切り合うような戦闘は想定していないしな。
問題は明日だな。どうやって攻めてくるのだろうか?
夜襲があるわけもなく、次の日の朝を迎えた。
「やっぱり攻めてくるのは確実だよな」
俺は、1人乗りサイズのバッハに乗せてもらい、マップ先生と合わせて上空から様子を見ている。
一番北側から攻めてきている軍は、魔の森を抜けて攻めようとしている。軍の先頭がすでに森の中へ入っている。
残りの2つは、一番近い距離で壁に向かってきている。一先ずこちらの配置には問題はなさそうだ。
相手側に兵器のような物は見られないな。どうやって攻めるつもりなんだ? すべて人力で賄うつもりなのか? 魔法とかあるから、出来なくもないけど何か秘密兵器でもあるのかな?
『ご主人様~』
魔導無線から少し気の抜ける声のブラウニーの声が聞こえて来た。
「どうかしたのか?」
『帝国軍の方は見てますか~? あっちも動き出したみたいですよ~』
そう言われて慌ててマップ先生の表示を変えると、確かに帝国軍も動き出していた。
このコースって、壁に向かってきているんだけど……やっぱりこいつらも何か企んでるのか?
俺も、関所の近くへ行っておくか?
今は堀が出来て跳ね橋を上げている状態なので、簡単に出入りできない状態になっている、と聞いている。
いきなり堀が出来たのに、しっかりと対応してくれている兵士たち、優秀だな。
何かあった時のために、待機しておくのがいいかな。
「従魔たちを帝国軍のいる方に行くように言ってくれ。俺は一足先にバッハで向かっておくよ」
『りょ~かいしました~』
気の抜ける声だな。
バッハの首を叩いて、しっかりと命令を出す。
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