ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,298 / 2,518

第1298話 あっさりと攻略

しおりを挟む
 突入するダンジョンは、最後に残された聖国の神のダンジョンだ。

 移動は、魔導列車に乗っていればいいので、何も考える必要はない。

 神のダンジョン突入メンバーは、俺・母親3人を抜いた妻たち・獣魔たち・ダマ・シエル・グレン・リバイアサン2匹だ。

 リバイアサンに関しては、片方は残って貰おうとしたのだが、カエデ・ミリー・リンドの3人に猛反対され、2匹とも連れていくことになった。

 娘たちを守ってもらいたかったのだがな、俺が最優先なんだってさ。

 ただ、地上だと何かあった時に心配なので、ダンジョンの中に作った家で過ごしてもらっている。周りには、バッハやワイバーン家族、スケルトン達を大量に配置している。

 念のため四大精霊にも声をかけている。グレイプニルも召喚して4人に持たせた。これだけ固めていれば、突破する事は不可能だろう。スケルトンたちには悪いが、最悪お前らは捨て駒として使わせてもらうぞ。指揮するのがバザールなので、単なる使い捨てではないけどな。

 そもそも、Sランク相当のスケルトンをバザールがノーライフキングの特性というか、アンデッド系の魔物を支配下に置いて命令ができるのだ。しかもノーマルではなく、職業というか進化しているため1体でもかなりヤバい。

 スケルトンの数は、既に500匹を超えている。今なお量産中である。これに加え、綾乃が暇な時には人造ゴーレムを作っているので、戦力は計り知れない物になっている。

 こんなバカげた戦力を抜けられるのは、リバイアサン位だろう。

 正直、リバイアサン2匹については、本来ならイレギュラー的な魔物だと思う。持っている能力が桁外れなんだよね。以前戦ったダゴンもそうなのだが、生物にとって水は命の源であると同時に、簡単に命を奪える物でもあるのだ。

 自分の周囲に水を留めておける。水中で呼吸できなければ、まず近付く事も出来ない。その点では、アンデッドも人造ゴーレムも問題は無いのだが、その中を自由に動けるリバイアサンは、最強としか言えないね。

 むしろ、こいつ相手に水中で数分戦闘を続けられた、聖国のトリプルの冒険者が異常だと思う。今の俺であっても、逃げる事は出来ても倒す事は出来ない。正直本来の姿がデカすぎて、有効な攻撃を与えられないのが問題だ。

 リバイアサンの事は考えるだけ無駄だな。

 この街に残る妻と娘たちの守りは完璧だ。神がダンジョンに干渉できるなら話は別だが、おそらくそれは無いと思っている。奴らが万能でない事は分かり切っているからな。

 さっさとダンジョンを攻略してしまおう。リバイアサンが2匹もいるのだ、予定よりサクサク受けるはずだ。

 聖国へ移動して、神のダンジョンに潜った。


 1週間後には、150階を超える神のダンジョンを攻略していた。

 ってかね、閉鎖空間であるダンジョンでリバイアサンはヤバい。解放空間での奴らもヤバいが、森エリアみたいな場所でも、必ず天井が存在しているから、水で埋め尽くされれば、呼吸の必要な魔物はすぐに窒息死してしまう。もって20分程だ。

 次に洞窟タイプのような場所では、一気に水を吐き出して水圧ですべてを殺していた。

 溶岩エリアは水蒸気爆発が大変だったが、水蒸気爆発で大半の魔物が死んで、固まった溶岩の下から出られなくなった魔物は、窒息死でお亡くなりになった。

 140階から下は極寒エリアもあり、ここはさすがに時間がかかるかと思ったら、リバイアサンの生み出す水は、本人の意思によって温度が決まっているらしい。

 リバイアサンが水を支配している間は、温度が変わらないのだとか……こいつら、マジで規格外。水温0度とかにされたら、対策とる前に凍えてしまいそうだ。

 もちろんガーディアンもいたのだが、水にリバイアサンの意思が宿っているらしく、水の中は全て把握できているのだとか。その言葉を証明するのが、ウィスプを使わずにマッピングできてしまったのだ。

 ダンジョンの判定では、水もリバイアサンの一部と認めているという事だ。

 そんな2匹の能力がフルに発揮されて、ガーディアンはすぐに発見され、ドロップ品が水で運ばれてきたのだ。

 正直、今まで神のダンジョンを苦労して攻略していたのは、何だったのだ! と言いたい!

 けど、早くクリアできた事には変わりは無いので、今回は良しとしよう。

 神のダンジョンはまだ良かった。コアを掌握してディストピアに帰ってからが大変だった。

 チビ神がワーキャー言葉にならない言葉で、頭に語り掛けてきやがったのだ。狂喜乱舞しているチビ神の話を聞いても意味が分からないので、強制的に回線を閉じさせてもらったよ。

 3つ攻略したら何かあると思っていたが、特には何もなかったみたいだな。

 俺がクリアしたから、他の世界では神のダンジョンがすべてなくなったわけか。どういう原理かは知らないが、全ての世界にある神のダンジョンは繋がっているようで、何処かで攻略されると他の世界では崩壊が起こるようになっているんだよね。

 召喚リストの更新も無かったし、本当にただ攻略しただけだった。力技にも程があるけどな。

 神のダンジョンに潜っていた1週間の間に、綾乃は思考操作の技術を応用した会話ができる事を発見して、全員が使えるように訓練をしている。

 俺も初めは、チビ神と話している時に声が出てたからな。訓練が必要なのは、なんとなくわかる気がする。

 どんどんと準備は進んでいるが、本当に神共が攻めてくるのだろうか? かかって来いよ! 的な事を言ったのに、いつまで待っても来なかったら、恥ずかしさのあまり怒り出して憤死してしまうかもしれない。

 というか、狙われている可能性があると思うと、妻たちも娘たちも迂闊に外に出せないよな。そのへんは、しっかりと話し合っておかないとな。

 俺からすれば、みんなを護りたいだけなのだが、人と関わらずに生きていく事は難しい。自分たちはいいが、娘たちが大きくなった時はどうするのか? とか、前に言われたしな。パパは全力でみんなの事を護るつもりだけどな! 娘は嫁にやらん!

 冗談は置いておいて、本当に引きこもってばかりはいられないよな。

『ホッホッホ。久しいというには、あまり時間が経っていないが、久しぶりという事にしておこう』

 色々考えてたら、創造神の爺の声が頭に届いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

処理中です...