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第1283話 突撃
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「ミリー、ミーシャ・スミレ・ブルムは大丈夫なのか?」
「今の所、ツィード君が眠らせてくれているから大丈夫だけど食事で起きた時に、とーたんは? って何度も聞かれて、正直どう答えていいか分からなくて」
ミリーも……いや違うな、みんながかなり厳しい状況だったみたいだ。
「キリエ、ミーシャたちを預かってあげて、ミリー・カエデ・リンド……今は少し休みな」
そう言って3人を抱き寄せると、押し殺したように泣いて電池が落ちたように眠ってしまった。年長組に比べて休めていたと言っても、やはり心労は計り知れない物があったのだろう。
「ツィード君、みんなの事ありがとな。シルクちゃんもありがと。ニコ、お前らもよくやった。ケットシーも娘たちをありがとな。そしてスカーレット・・・みんなを守ってくれてありがと」
ニコたちスライムは、寝る必要のない体でみんなを守ってくれていたようだ。特に娘たちには外が見えないようにドーム型になったりして対応してくれていたらしい。
ケットシーは、3人の専属みたいなものだから気にするなみたいな仕草をしていたが、娘たちがぐずった時にはしっかりと相手をしてくれていたのだ。
そしてスカーレットは、こんな状況でも縁の下の力持ちとして、みんなの栄養管理をしてくれていたのだ。本当に頭が上がらないよ。
そして俺は、綾乃に連絡を入れる。
「この国の首都って、やっぱり向こうに見える街がそうなのか?」
『恐らくね。今ダンジョンアタックしてきている人たちが、バンドルグ王国騎士って出てて、近くの街の中心にバンドルグ国王って職業持ちがいるから、間違いないと思う』
「綾乃助かったよ」
俺は部屋に残ったメンバーを見る。クロとギンは、見た目は落ち着いているようにみえるが、目がヤバい。力尽くで押さえておかないと爆発するレベルにまでキレている状態だ。
ニコたちスライムは、戦準備は整っているぜ! と言わんばかりに体を震わせている。特にニコは、本当に怒っている時の色に染まっている。深紅色というよりは、赤みがかった黒と言った感じの色だろうか?
で、一番問題なのが、普段怒る事はほとんどないハクが怒っている事だろう。全身から、冷気が立ち上り、電気が迸り、プロミネンスのように炎が躍り、砂が周囲を蠢いている。1度だけ見た事がある、ハクがキレた時のバトルフォームだ。
俺も、腸が煮えくり返る程キレてるんだけどなっ!
「みんなはここで待ってて、俺がすべて終わらせてくる。お前ら行くぞ、向かってくる者は皆殺しだ」
そう言って従魔たちを連れてダンジョンを駆け上がる。
「死にたくねえ奴は逃げな!」
敵軍の先陣にぶち当たり、警告とも挑発ともとれる言葉を発する。
見事にキレて連携も無く攻撃を仕掛けてくる。
今さっきまで目の前にいたLv150リザードマンですらヒイヒイ言っていた奴らが、キレている従魔たちにかなうわけもなく、あっさりと命を刈り取られていく。
誰もすぐに逃げずにこちらに向かってきたので、今更逃げようとしても遅い。一度向けた刃は引っ込められねえぞ。
あまり広くないダンジョンで、しかも走りながら使うには大薙刀は大きすぎたので、今は刀を使っている。背中を見せて逃げている奴らは、
「逃げてるのに!」
何て言ってるけど、
「一度向かって来ただろうが! 勝てないから回れ右とか甘い事言ってんじゃねえ!」
と言って、1つ2つと首を刈り取っていく。大鎌の方が良かったか? 扱いの難しいあの手の武器は無しだな。
俺達は止まる事もせずに一気に地上まで突破する。
「指揮官は誰だ!」
風魔法で拡声して耳を塞ぎたくなる程大きな音で威嚇する。
「あいつらを捕らえろ! いい戦力になるぞ!」
「お前が指揮官か、戦力差も分からずに攻撃を指示するとは愚かなり! あいつら以外殲滅だ!」
5分もかからずに500人程いた兵士たちを皆殺しにした。
「無礼者! 私を誰だと思っている!」
誰だか知らないけど、何を聞いてもこんな感じなので、手足をすべて切り落として止血してやったらベラベラ喋ってくれたよ。
今回召喚を行ったのは、やはりこの国で間違いない。理由は、この国は苦境に追いやられているから、使い潰せる強い戦力を勇者召喚に求めたそうだ。
で、こいつは、現国王の次男で現場指揮をとっていたらしい。
主導したのは、国王だったのでちょっと挨拶へ行こうか。
俺の速度に合わせて全員が大地を駆ける。城門までは10分程で到着した。
門番が何やら言っているがそんなものは無視だ。俺が切り殺す前にクロとギンが噛み殺していた。
『ちょっとシュウ! 少しは落ち着きなさい! 感情に身を任せると魔王になるわよ!』
なるわけねえだろ! 黙ってろ糞神。感情的には爆発しているけど、心の中はクールだぜ。あの時のようなへまはしねえ! やっと会えた妻と娘たちに会えなくなるような事をするわけねえ! そもそも、お前らがしっかりしてれば起こらなかったはずなんだよ! ごちゃごちゃ言ってんじゃね! 邪魔だ!
チビ神の念話を一蹴して突き進む。
城門を開こうと武器を大槌に持ち替えて、
ドゴンッ
鈍い重低音があたりに響く。
それを成したのは、ほぼ黒に染まったニコだ。高速で体当たりをして、城門を一撃で開けてしまった。今は体のサイズが戻っているが、直径5メートル程の物体が高速で門にぶつかれば、攻城兵器も真っ青な結果をもたらす。
そのまま街を駆けていくが、門から少し進んだ所まで生気が感じられない空間だった。
500メートル程進んだ所に門がもう1つあり、今度こそ! と思って大槌を振りかぶると!
ゴォォォォォッ!
火傷する程熱い炎が頭上を通過する! 熱いし、もし禿げたらどうすんだよ! 門はドロドロに溶けている。近くにいた門番は骨も残らず消えた。
一番キレていたハクが門をブレスで溶かしてしまったのだってか、お前ってブレス吐けたんだな。
まだ溶けて間もないため、門に使われていた鉄や城壁の一部の石がグツグツ言っている。さすがにあの上を走る勇気は無いので、水魔法をぶっ放して温度を下げてやった。
ドゴーーン!!
しまった。冷やそうと思って普通に水を使ったため、水蒸気爆発を起こしてしまい、門付近を吹っ飛ばしてしまった。
気にする事もないか。すすめ!
門があった場所を抜けると綺麗な街並みが整っていた。1枚目と2枚目の間の街と比べるまでも無かった、あっちは死んだ街。こっちは生きている街。そんな印象だ。
そもそも何であんな街があったのかよくわからん!
「今の所、ツィード君が眠らせてくれているから大丈夫だけど食事で起きた時に、とーたんは? って何度も聞かれて、正直どう答えていいか分からなくて」
ミリーも……いや違うな、みんながかなり厳しい状況だったみたいだ。
「キリエ、ミーシャたちを預かってあげて、ミリー・カエデ・リンド……今は少し休みな」
そう言って3人を抱き寄せると、押し殺したように泣いて電池が落ちたように眠ってしまった。年長組に比べて休めていたと言っても、やはり心労は計り知れない物があったのだろう。
「ツィード君、みんなの事ありがとな。シルクちゃんもありがと。ニコ、お前らもよくやった。ケットシーも娘たちをありがとな。そしてスカーレット・・・みんなを守ってくれてありがと」
ニコたちスライムは、寝る必要のない体でみんなを守ってくれていたようだ。特に娘たちには外が見えないようにドーム型になったりして対応してくれていたらしい。
ケットシーは、3人の専属みたいなものだから気にするなみたいな仕草をしていたが、娘たちがぐずった時にはしっかりと相手をしてくれていたのだ。
そしてスカーレットは、こんな状況でも縁の下の力持ちとして、みんなの栄養管理をしてくれていたのだ。本当に頭が上がらないよ。
そして俺は、綾乃に連絡を入れる。
「この国の首都って、やっぱり向こうに見える街がそうなのか?」
『恐らくね。今ダンジョンアタックしてきている人たちが、バンドルグ王国騎士って出てて、近くの街の中心にバンドルグ国王って職業持ちがいるから、間違いないと思う』
「綾乃助かったよ」
俺は部屋に残ったメンバーを見る。クロとギンは、見た目は落ち着いているようにみえるが、目がヤバい。力尽くで押さえておかないと爆発するレベルにまでキレている状態だ。
ニコたちスライムは、戦準備は整っているぜ! と言わんばかりに体を震わせている。特にニコは、本当に怒っている時の色に染まっている。深紅色というよりは、赤みがかった黒と言った感じの色だろうか?
で、一番問題なのが、普段怒る事はほとんどないハクが怒っている事だろう。全身から、冷気が立ち上り、電気が迸り、プロミネンスのように炎が躍り、砂が周囲を蠢いている。1度だけ見た事がある、ハクがキレた時のバトルフォームだ。
俺も、腸が煮えくり返る程キレてるんだけどなっ!
「みんなはここで待ってて、俺がすべて終わらせてくる。お前ら行くぞ、向かってくる者は皆殺しだ」
そう言って従魔たちを連れてダンジョンを駆け上がる。
「死にたくねえ奴は逃げな!」
敵軍の先陣にぶち当たり、警告とも挑発ともとれる言葉を発する。
見事にキレて連携も無く攻撃を仕掛けてくる。
今さっきまで目の前にいたLv150リザードマンですらヒイヒイ言っていた奴らが、キレている従魔たちにかなうわけもなく、あっさりと命を刈り取られていく。
誰もすぐに逃げずにこちらに向かってきたので、今更逃げようとしても遅い。一度向けた刃は引っ込められねえぞ。
あまり広くないダンジョンで、しかも走りながら使うには大薙刀は大きすぎたので、今は刀を使っている。背中を見せて逃げている奴らは、
「逃げてるのに!」
何て言ってるけど、
「一度向かって来ただろうが! 勝てないから回れ右とか甘い事言ってんじゃねえ!」
と言って、1つ2つと首を刈り取っていく。大鎌の方が良かったか? 扱いの難しいあの手の武器は無しだな。
俺達は止まる事もせずに一気に地上まで突破する。
「指揮官は誰だ!」
風魔法で拡声して耳を塞ぎたくなる程大きな音で威嚇する。
「あいつらを捕らえろ! いい戦力になるぞ!」
「お前が指揮官か、戦力差も分からずに攻撃を指示するとは愚かなり! あいつら以外殲滅だ!」
5分もかからずに500人程いた兵士たちを皆殺しにした。
「無礼者! 私を誰だと思っている!」
誰だか知らないけど、何を聞いてもこんな感じなので、手足をすべて切り落として止血してやったらベラベラ喋ってくれたよ。
今回召喚を行ったのは、やはりこの国で間違いない。理由は、この国は苦境に追いやられているから、使い潰せる強い戦力を勇者召喚に求めたそうだ。
で、こいつは、現国王の次男で現場指揮をとっていたらしい。
主導したのは、国王だったのでちょっと挨拶へ行こうか。
俺の速度に合わせて全員が大地を駆ける。城門までは10分程で到着した。
門番が何やら言っているがそんなものは無視だ。俺が切り殺す前にクロとギンが噛み殺していた。
『ちょっとシュウ! 少しは落ち着きなさい! 感情に身を任せると魔王になるわよ!』
なるわけねえだろ! 黙ってろ糞神。感情的には爆発しているけど、心の中はクールだぜ。あの時のようなへまはしねえ! やっと会えた妻と娘たちに会えなくなるような事をするわけねえ! そもそも、お前らがしっかりしてれば起こらなかったはずなんだよ! ごちゃごちゃ言ってんじゃね! 邪魔だ!
チビ神の念話を一蹴して突き進む。
城門を開こうと武器を大槌に持ち替えて、
ドゴンッ
鈍い重低音があたりに響く。
それを成したのは、ほぼ黒に染まったニコだ。高速で体当たりをして、城門を一撃で開けてしまった。今は体のサイズが戻っているが、直径5メートル程の物体が高速で門にぶつかれば、攻城兵器も真っ青な結果をもたらす。
そのまま街を駆けていくが、門から少し進んだ所まで生気が感じられない空間だった。
500メートル程進んだ所に門がもう1つあり、今度こそ! と思って大槌を振りかぶると!
ゴォォォォォッ!
火傷する程熱い炎が頭上を通過する! 熱いし、もし禿げたらどうすんだよ! 門はドロドロに溶けている。近くにいた門番は骨も残らず消えた。
一番キレていたハクが門をブレスで溶かしてしまったのだってか、お前ってブレス吐けたんだな。
まだ溶けて間もないため、門に使われていた鉄や城壁の一部の石がグツグツ言っている。さすがにあの上を走る勇気は無いので、水魔法をぶっ放して温度を下げてやった。
ドゴーーン!!
しまった。冷やそうと思って普通に水を使ったため、水蒸気爆発を起こしてしまい、門付近を吹っ飛ばしてしまった。
気にする事もないか。すすめ!
門があった場所を抜けると綺麗な街並みが整っていた。1枚目と2枚目の間の街と比べるまでも無かった、あっちは死んだ街。こっちは生きている街。そんな印象だ。
そもそも何であんな街があったのかよくわからん!
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