ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1278話 決闘?

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 これ以上様子を見ていたら、マリアとクシュリナが俺の悪口を聞いて爆発するかもしれないので、無視を止めてさっさと相手をしよう。

 ん? 傭兵団の1人が外に出て行ったのが目に入ったが、今は目の前の事を片付けよう。

「妻たちが嫌がってんだろ? 気付けよ。後、臭いからどっか行ってくれ。シッシ」

 追っ払うような仕草を付けて、絡んできた3人の男共を挑発する。

「あぁ? 俺たちが誰だか知ってのセリフか?」

「何か有名な傭兵団なんだってな。その有名な傭兵団の下っ端だろ? その位は知っているよ」

 さらに挑発をする。

「てめぇ! 死にてえのか? 傭兵団を侮辱してタダで済むと思うなよ?」

 腰に下げていた剣に手をかけて、こっちを脅してきた。そのセリフは的外れにも程があるのだが……

「お前は頭が悪いのか? 俺がいつ傭兵団をバカにしたんだよ。馬鹿にしたのは傭兵団じゃなくて、お前らだよ」

 俺がそう言うと、マリアとクシュリナがクスクス笑っている。

 言葉にならない奇声を上げて切りかかって来た。この段階になっても誰も止めに入らないのか? 街中で殺生事があっても問題ないのか? それともそれをもみ消すだけの力を持っているのか?

 妻たちには手を出すつもりがないようで、3人共俺をターゲットにしている。机をどかして切りかかってくる。

 俺は椅子から立ち上がって相手をしようとしたが、3人がその場に崩れ落ちる。

 まぁそうだよな。俺に武器をむけられて2人が黙ってみているわけもないよな。

 周りで理解できているのは、おそらく傭兵団の団長だと思われる奴と側近っぽい2人の合わせて3人だろう。それ以外は何が起きたか理解できておらず、近くにいた傭兵団の一員が新たに剣を抜いてこちらに次々と向かってくる。

 俺も手を出したかったのだが、すべて2人にシャットアウトされ、戦っているのが2人だと分かり更に向かってくるが、すべて昏倒させられその場に崩れ落ちている。

「はっはっは! 女2人おもしれえな。それに強い。よかったらうちの傭兵団に入らないか?」

「寝言は寝て言いなさい。私たちの夫に剣を向けた馬鹿共のいる傭兵団に入るわけない。それに、女性の扱いも分からない屑の近くにはいたくありません」

 おっと! マリアが団長っぽい奴に毒を吐いている。

「確かにそいつらは女性の扱いが分かってないよな。だから、俺が教えてやるさ。後ろに隠れている男、恥ずかしくないのか?」

 面倒なタイプの奴らだったようだ。そして俺の事を舐めているらしい。この2人を俺の護衛だと思っているのだろうか? それでこそ、ここへ来た意味があるという物だ。称号に犯罪系の物がある場所を選んだだけある。

「2人共下がっていて。どうやらあそこの筋肉ダルマは俺をご指名のようだ」

 それに賄賂上手とか言う、称号と言っていいのかわからん称号を持っている奴もいるので、もみ消す事ができる力を持っているんだろうな。

「いい度胸じゃねえか。女に守られているだけじゃないって事か。俺様が直々に相手をしてやるよ」

「筋肉ダルマが何か言ってるな。グダグダ言ってないでかかって来いよ」

 多少キレている様子を見せているが、おそらくこれは演技だと思う。レベルが100を超えているので、この国ではかなり強い人間なのだ。何も知らない俺の徴発に乗って怒っている演技をして誘っているのだろう。

 バカのようで色々考えているみたいだな。

 素手で突っ込んできたので、軽く受け流してさばいていく。

「受け流すのが上手いみたいだな、ならこれはどうだ!」

 そう言って中段蹴りを放って来た。だけど、そのポジション取りが明らかにおかしい。今まで真正面から攻撃してきたのに、回り込むようにしてから攻撃を仕掛けてきたのだ。

 俺は肘をたてて脛に当たるように調整して受けると同時に、俺に向かって飛んできた飛び道具を払い落す。

 団長と思われる奴は脛にひびが入り悲鳴を上げ、飛び道具を使った側近の一人は驚きのあまり声を上げていた。

 足元で悲鳴を上げている団長の折れていない方の足首を踏み砕き、飛び道具を使った側近に向かって移動する。

 俺的にはそこまで早く移動したつもりは無いのだが、目の前に現れた俺にびっくりして尻もちをついていた。とりあえず、軽く前蹴りをして仰向けの状態にして、両肘を踏み砕いた。

 2人が悲鳴を上げているが、俺は無視をして側近だと思われるもう1人の方へ向かって歩いていく。

 ニヤニヤして見ていた顔が引きつっており、俺が近付いてくる恐怖に耐えれなかったのか椅子から立ち上がって逃げようとするが、椅子ごと倒れてしまい後頭部を強打してもがいている。

 だけど、俺がそいつにたどり着く前に乱入者が来てしまった。この街の衛兵だ。

「大人しくしろ! 全員動くんじゃない!」

 そう言って、にやけ面で入って来たのはこの衛兵のリーダーかな? しかもマリアとクシュリナを見て更ににやけ面がきもくなっている。

「店の中で暴れていると通報があった、様子を見る限り、暴れている客をここの傭兵団が止めようとして被害を受けた、と言った感じか?」

 そう言うと、店員が同意して俺達が犯罪者扱いになった。

 まぁ、犯罪の称号をみてここに来たんだからこれ位はあり得るか。

「へ~この街はろくに取り調べもせずに犯人を決めつけるんだな。傭兵団に絡まれて撃退したら犯罪者扱いか。店員というか、店の人間も関わっているんだから、衛兵のお前たちだって何かしらのおこぼれをもらってるんだろ? じゃぁ弁明すら意味ないな」

 何やら衛兵共が何かを喚いて、こちらに武器を向けているが俺は完全に無視をして、魔力を練り上げて両手を地面に叩きつける。

 この宿屋を囲うように石の壁が現れる。

「さて、これで逃げ場はなくなったぞ。色々聞きたい事があるから、覚悟しろよな」

 言い終わると同時に、殺気を魔力に込め周囲にまき散らす。それによって動きが止まったり、気絶した奴らにマリアとクシュリナがミスリル合金製の手錠をはめていく。これの出番が久々にあったな。

 手持ちの数が足りなかったので、下っ端っぽい奴らは床を砕いて地面の中に埋め顔だけ出している。

「さてと、この中で一番情報を知っているのは誰だ?」

 両手を上にあげさせてから魔法で作った石の柱に縛り付けている1人に問いかける。

「黙秘ですか? まぁ喋りたくなったら喋ってください」

 そう言って俺はレイピアを取り出す。

 呑気にしている様に見えたかもしれないが、俺にはあまり余裕が無いんだよ! 妻たちを早く探さないといけないんだ!

「お前! ちょっと待て! 何をするつもりだ!」

「何って? 見ればわかるだろ? しゃべりたくなるように、お前の体に突き立てるんだよ」

 そう言って男の太ももに深くレイピアが突き刺さる。悲鳴を上げているが、関係ない。

「話したくなったらそう言ってくださいね。あまり頑固に口を噤むのであれば、必要ないので死んでもらいますけどね」

 人を殺していいと思っているのか? みたいな罵声を浴びせてくる奴らがいるが、お前らの称号を見る限り、非道な事をしているのは明らかだからな。

 5ヵ所ほど刺した所で話す気になったらしい。側近だと考えていた、怪我をしていない方が情報担当みたいな感じらしいので、色々聞いていきましょうかね。
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