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第1234話 偶然の賜物
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戦争は家に帰るまでが戦争! 誰が言ったか知らないが、聖国を返り討ちにしたミューズと聖国の境界線に作った壁を越えて、野戦病院と言う名の城の周辺に到着し野営を開始し始めた際に、いつの間にか言われるようになっていた。
確かに、生きて家族の下に帰るまで安心できないのが戦争だよな。でもさ、遠足みたいなノリで言うのはやめてほしい所だ。
近隣の街からゲットした金品は既にゼニスの下に運ばせている。カザマ商会……俺のだけど……に査定をしてもらい、俺のポケットマネーと言う名の商会からの上納金で買い上げる予定だ。
ただ、中には戦場で手に入れた武器防具で、レアな物をゲットしそのまま使いたいという人に対しては、報酬予定の金額から天引きと言う形をとる。
お金が足りなかった際には、後日支払いをするか、借金をして買うかを決めてもらう事になる。借金を選んだ場合は、利子分以上を毎月払えなければ、その武器防具を没収するという流れになる。
と言っても、防具に関してはドワーフの作る防具よりいい物を身に着けている奴が多くいるわけでもなく、運よくそういった防具をみつけても、それが体にフィットするかと言えばそうではない。
苦労して手に入れても自分で使えない、使い難い防具など命取りにも程がある。そんな防具を装備するくらいなら、量産品でもドワーフに体にフィットさせて作ってももらった物の方が数倍は使いやすい。
武器に関しては、手入れをしっかりすれば使えるので、呪われた武器でもない限りは許可を出す予定だ。
そして今回最大の戦利品と言うべきモノは、マップ先生に表示されなかった、抵抗していた商会の護衛だった冒険者だろうか? 奴隷として売ればかなりの金額になると思われる。
鑑定した結果、レベルが352だったのだ。シングルの冒険者という事だろう。身分を示す物を持っていなかったため、名前すら分かっていない。鑑定で調べようにもレベルやステータスは見れるのに、スキルや名前などを見る事ができないのだ。
何と言うか、作為的な何かを感じる! 裸に引ん剝き鑑定やマップ先生で調べても、詳細を調べられなかったのだ。可能性としては、俺達の知らないスキルや女神が与えたナニカがマップ先生や鑑定の妨害をしているという事だろう。
とりあえず、原因が分かっていないので迂闊に奴隷として売り払う事もできない。救いなのは、ツィード君謹製の奴隷の首輪は、俺以外に解除する事ができないという事だろう。
もし解除以外の方法でとる事が可能だとすれば、首を切り落として奴隷の首輪を外して、すぐに首をくっ付けて高ランクのエリクサーを使う事くらいだろう。
そこまでしても、生きていられるかは9割くらいの確率で死ぬと予想されるので、本当の意味での最終手段に近い方法だろう。そもそも、高ランクのエリクサーを調達できなければ、行えない方法だけどな。
マップ先生で見つけられないこの冒険者は、高レベルの魔法使いなので、ただの牢屋に入れておくわけにもいかなかった。
シュリでも肉体だけの力では抜け出せない牢屋をディストピアではなく、ゴーストタウンに作成してダンジョンの一部として認識させ、魔核による修復機能とダンジョンの一部となった修復機能や構造強化によって更に脱出不可能な牢屋となった。
この牢屋から逃げ出すためには、アダマンタイト製のカギ付きドアを5つ突破する必要がある。どう考えても無理だ。
何かあっても問題ないように部屋の中央に牢屋を置き、その周りに綾乃謹製、異形型人造ゴーレムを8体配置している。牢屋から出たら、襲い掛かるように設定してあり、食事を受け渡すのも任せる事になっている。
綾乃的には、牢屋から抜け出してもらいたいようだ。どうせ扉を突破できずに詰むので、魔法使いとの実戦経験を自分のゴーレムにさせたいのだと言っていた。管理する立場の兵士は、額に汗を流しながらどう答えていいのか悩んでいた。
なので、俺は1発蹴飛ばしておいた。管理する立場の兵士の前で変な事を言うな! と少し強めのローキックだ。綾乃もレベルを上げてステータスが高くなっているので、痛い! だけですむくらいの突込みだけどね。
チビ神だったら何か知っているのだろうか?
『なに? 呼んだ?』
呼んでないけど呼んだ。聞きたい事があってな。ダンジョンマスターの検索機能も鑑定もジャミングするようなスキルや恩恵みたいなのはあったりするのか?
『それはスキルでは無いわね。突然変異みたいな体質だから、産まれ持った素質? みたいなものよ。そういった特殊な物は、スキルで再現できないからね。勇者のギフトでもそう言ったのはつけられなかったはず』
それなら、こいつは特殊な体質で、偶然にもレベルが高かったって事か……
『そうね、そいつは特異体質みたいね。それにダンマスの能力で発見できなかったら、勇者が攻めて来てもダンマスには分からないからね。そんなのがあったら、いきなりエンカウントバトルになるわ。ただでさえ直接バトルしたら勇者の方が恩恵で有利なのに、勇者ばっかり優遇は出来ないわよ』
まぁ、街の中にいても探せるのは便利だよな。
『あんた、忘れているみたいだから言っておくけど、普通のダンマスはあんたみたいに街を掌握して、何処にいるなんて分からないんだからね! ダンジョンに進入されて初めて分かるのが当たり前なのよ!』
そういえば、俺って特殊だった事を忘れてたな。こんなに広範囲を掌握しているダンマスって俺以外いないんだっけか?
『だからね、普通ならダンジョンに入られるまでは把握できないのよ。もう少しいえば、ダンマスが街の中で生活していたら、把握する前に不意を突かれて殺されるって言う事もあるのよ』
なるほどな。まぁいいや、ってことはこいつは、神が関与しているわけでは無いって事だな?
『そうね。私が調べても、それらしい痕跡はないから、おそらく突然変異タイプだと思うわ。中にはこういった工作が上手い神もいるけど、あなたが召喚されてからの時間とそいつの年齢を考えれば、あなたを狙って配置した駒って事は絶対にないわよ。あるとすれば、偶然って所ね』
とりあえず、しばらく様子を見よう。
確かに、生きて家族の下に帰るまで安心できないのが戦争だよな。でもさ、遠足みたいなノリで言うのはやめてほしい所だ。
近隣の街からゲットした金品は既にゼニスの下に運ばせている。カザマ商会……俺のだけど……に査定をしてもらい、俺のポケットマネーと言う名の商会からの上納金で買い上げる予定だ。
ただ、中には戦場で手に入れた武器防具で、レアな物をゲットしそのまま使いたいという人に対しては、報酬予定の金額から天引きと言う形をとる。
お金が足りなかった際には、後日支払いをするか、借金をして買うかを決めてもらう事になる。借金を選んだ場合は、利子分以上を毎月払えなければ、その武器防具を没収するという流れになる。
と言っても、防具に関してはドワーフの作る防具よりいい物を身に着けている奴が多くいるわけでもなく、運よくそういった防具をみつけても、それが体にフィットするかと言えばそうではない。
苦労して手に入れても自分で使えない、使い難い防具など命取りにも程がある。そんな防具を装備するくらいなら、量産品でもドワーフに体にフィットさせて作ってももらった物の方が数倍は使いやすい。
武器に関しては、手入れをしっかりすれば使えるので、呪われた武器でもない限りは許可を出す予定だ。
そして今回最大の戦利品と言うべきモノは、マップ先生に表示されなかった、抵抗していた商会の護衛だった冒険者だろうか? 奴隷として売ればかなりの金額になると思われる。
鑑定した結果、レベルが352だったのだ。シングルの冒険者という事だろう。身分を示す物を持っていなかったため、名前すら分かっていない。鑑定で調べようにもレベルやステータスは見れるのに、スキルや名前などを見る事ができないのだ。
何と言うか、作為的な何かを感じる! 裸に引ん剝き鑑定やマップ先生で調べても、詳細を調べられなかったのだ。可能性としては、俺達の知らないスキルや女神が与えたナニカがマップ先生や鑑定の妨害をしているという事だろう。
とりあえず、原因が分かっていないので迂闊に奴隷として売り払う事もできない。救いなのは、ツィード君謹製の奴隷の首輪は、俺以外に解除する事ができないという事だろう。
もし解除以外の方法でとる事が可能だとすれば、首を切り落として奴隷の首輪を外して、すぐに首をくっ付けて高ランクのエリクサーを使う事くらいだろう。
そこまでしても、生きていられるかは9割くらいの確率で死ぬと予想されるので、本当の意味での最終手段に近い方法だろう。そもそも、高ランクのエリクサーを調達できなければ、行えない方法だけどな。
マップ先生で見つけられないこの冒険者は、高レベルの魔法使いなので、ただの牢屋に入れておくわけにもいかなかった。
シュリでも肉体だけの力では抜け出せない牢屋をディストピアではなく、ゴーストタウンに作成してダンジョンの一部として認識させ、魔核による修復機能とダンジョンの一部となった修復機能や構造強化によって更に脱出不可能な牢屋となった。
この牢屋から逃げ出すためには、アダマンタイト製のカギ付きドアを5つ突破する必要がある。どう考えても無理だ。
何かあっても問題ないように部屋の中央に牢屋を置き、その周りに綾乃謹製、異形型人造ゴーレムを8体配置している。牢屋から出たら、襲い掛かるように設定してあり、食事を受け渡すのも任せる事になっている。
綾乃的には、牢屋から抜け出してもらいたいようだ。どうせ扉を突破できずに詰むので、魔法使いとの実戦経験を自分のゴーレムにさせたいのだと言っていた。管理する立場の兵士は、額に汗を流しながらどう答えていいのか悩んでいた。
なので、俺は1発蹴飛ばしておいた。管理する立場の兵士の前で変な事を言うな! と少し強めのローキックだ。綾乃もレベルを上げてステータスが高くなっているので、痛い! だけですむくらいの突込みだけどね。
チビ神だったら何か知っているのだろうか?
『なに? 呼んだ?』
呼んでないけど呼んだ。聞きたい事があってな。ダンジョンマスターの検索機能も鑑定もジャミングするようなスキルや恩恵みたいなのはあったりするのか?
『それはスキルでは無いわね。突然変異みたいな体質だから、産まれ持った素質? みたいなものよ。そういった特殊な物は、スキルで再現できないからね。勇者のギフトでもそう言ったのはつけられなかったはず』
それなら、こいつは特殊な体質で、偶然にもレベルが高かったって事か……
『そうね、そいつは特異体質みたいね。それにダンマスの能力で発見できなかったら、勇者が攻めて来てもダンマスには分からないからね。そんなのがあったら、いきなりエンカウントバトルになるわ。ただでさえ直接バトルしたら勇者の方が恩恵で有利なのに、勇者ばっかり優遇は出来ないわよ』
まぁ、街の中にいても探せるのは便利だよな。
『あんた、忘れているみたいだから言っておくけど、普通のダンマスはあんたみたいに街を掌握して、何処にいるなんて分からないんだからね! ダンジョンに進入されて初めて分かるのが当たり前なのよ!』
そういえば、俺って特殊だった事を忘れてたな。こんなに広範囲を掌握しているダンマスって俺以外いないんだっけか?
『だからね、普通ならダンジョンに入られるまでは把握できないのよ。もう少しいえば、ダンマスが街の中で生活していたら、把握する前に不意を突かれて殺されるって言う事もあるのよ』
なるほどな。まぁいいや、ってことはこいつは、神が関与しているわけでは無いって事だな?
『そうね。私が調べても、それらしい痕跡はないから、おそらく突然変異タイプだと思うわ。中にはこういった工作が上手い神もいるけど、あなたが召喚されてからの時間とそいつの年齢を考えれば、あなたを狙って配置した駒って事は絶対にないわよ。あるとすれば、偶然って所ね』
とりあえず、しばらく様子を見よう。
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