ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1219話 解決?

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 日が明けた。マップ先生で実験を行なった結果、特に何もなかった。

 という事は、完全に除去できたという事だろう。除去に使った部屋にも繁殖した形跡はなく、光点は全くない。なので、スライムで捕食して、焼き払えば確実に排除が可能と判明した。

 とはいえ、まだ1日も経っていない。マップ先生では全くいないが、もしかしたら仮死状態にある奴らがいるかもしれない。マップ先生では、仮死状態……死んだものを調べる事ができないのだ。

 もともと生きていない物質であれば調べられるのだが、元々生きていたモノが死んだ場合は調べられないため、こういった時にはかなり不便だと感じる。

 ただ、死んだモノだったとしても、加工された物であれば調べる事ができるのだ。例えば、豚を食肉にするために殺したとしても調べられないが、殺した後に部位に切り分けると検索にひっかかる様になるのだ。他にも、ソーセージやベーコンに加工してももちろん検索にひっかかるようになる。

 意味不明だが、そういう物だと理解するしかないのだ。

 さすがに何もないからもう外に出ていいよとはならないので、次の段階に移る事にした。

「レイリー、実験台になってくれた人にちょっと説明をしてきてほしいんだけど、お願いしてもいいかな?」

「問題ないですが……何を説明すればよろしいのでしょうか?」

「途中経過と、もうしばらく待機してもらうって事かな。それと、希望があったら聞いて来てほしい。可能か不可能かは聞いてみないと判断できないけど、とりあえず却下せずに全部聞いて来てほしい」

「了解しました。ではすぐに行ってまいります」

 レイリーにもパワードスーツは支給しているので、今はその装備に身を包んでおり、実験台になっている人の所に入るのが簡単だから出せた指示だ。

 俺たちもだけど、レイリーも実験台になった人と同じように、スライムに捕食させ焼き払ってからこれを着ているので、移動する時は部屋の中を燃やすだけで十分なのだ。

 空気も1時間であれば問題なくスーツ内で循環させられるようになっているので、酸欠を起こす事も無い。この機能を使うのは、焼き払っている時だけだから特に問題が起こるわけもない。普段はヘルメットについているフィルターで、空気以外は通さないようになっている。ハイテク装備なのだ。

 それはどうでもいいとして、俺たちは次の段階に移ろう。

「ピーチ、ちょっとレイリーの副官を呼んできてもらってもいいかな?」

 頷くとすぐに連れて来てくれた。

「シュウ様、御呼びという事ですが、どういった要件でしょうか?」

「まず報告から。昨日の実験は今の所成功している。現在は、経過観察中と言った所だ。で、ある程度有用性は認められたので、少し大掛かりに作業をしようと思って2人を呼んだんだ。協力してほしい」

「もちろん協力させていただきますが、どういった内容ですか?」

「難しい事じゃないよ。昨日実験した事を、ドーム内で行おうと考えている。みんなが待機できる場所はこっちで準備するから、そっちは準備ができたら昨日と同じ流れで、その場所に誘導してほしいって事だ」

「そう言う事ですか。では、私たちは兵士をまとめてすぐに行動に移せるようにしておけばいいということですね?」

「そう言う事。お願いしていいかな?」

「了解です。食事も終わっている頃なので、全員を集めて説明します」

 そう言って、俺の前から去っていった。

「さて、俺たちも準備を始めようか。今回は造形にこだわる必要はないから、豆腐型の簡単に作れる家を建てよう。終わったらすぐ崩すから特に気にする必要はない。頑丈であればそれでいい。後、3~4階建てにして、スペースを確保しよう」

 そう言っても、実用に耐える事の出来る家を作れるのは、魔法組のライム、ジュリエット、レミー、イリアと俺の5人だけなので、他の妻たちは3~4人ずつ付いて、不備がないか確認していく役割になった。

 時間が無いのでサクッと建てていく。1階に軽く5人は過ごせる広さをもたせて、4階分を一気に建てる。中に入って確認すると外が見えないので、ビルより寂しい感じのする空間だった。

 一時的に入っててもらう場所なので、こんなもんで十分だろう。明るくするために証明を置いて、椅子や机を並べて……

「っと、その前に。この空間内を焼き払わないとな。まずは奴らを完全に排除しないといけないからな」

 そう宣言して作った建物の中に火の地獄を召喚した。まぁ、ただ魔法で焼いただけなんだけどな。で、外から空気を入れる穴を作らないとな。

 ドームとくっ付けて作っているので、外気を取り入れるのは簡単である。穴をあければいいだけなのだ。1階と4階に沢山穴をあけて、1階の穴の外には火を焚く場所を作り、4階は空気を取り入れる穴替わりにすれば、空気が流れるから大丈夫だろう。

 他のメンバーに伝え忘れていたので、やり方を説明して同じように作ってもらっている。

「えっと、今の所反応はないな。じゃぁ机や椅子を置いていこう」

 1時間もしない内に200人を収容できる建物が完成した。他の魔法組のメンバーも問題なく完成させたので、全部で1000人分。ここにいたのが大体4000人の内1500人程だったので、後200人分程足りないな。

「他のチームに、ドンドン中に誘導してほしいって伝えてくれ。スライムも待機しているから、早く済ませよう」

 手分けをして対応していくと、昼前には全員の処置が終わった。

「さて、仕上げにかかろうか。この空間内を焼き払うから、結構魔力を使うと思うけど頑張ってくれ」

 そう言って俺を含む5人は、魔力を練り上げ3人が火の魔法を使い、2人が風の魔法で火を大きくする形のユニゾンマジックを使った。

 30秒程キープして魔法を解除する。

「うっしゃ! 一先ずこの空間内には奴らはいないな。この街にも隠し持っている奴はいなそうだけど、結局誰がここに投げ入れたんだ? 領主がいない事を考えると、領主に命令された誰かか?」

 今後の事を考えながら、次の行動を起こしていた。空気が無くなったドームの中に新鮮な空気を入れないといけないので、ドームに穴をあけ風魔法を使って外の空気を中に流し込む。死んでいる空気はドームの天井からポイッだ!

 すべての対応が終わり、簡易建物の中から兵士を出して、朝と同じようにドームの中で過ごしてもらう。

 レイリーから報告を受け、お願いされた事で可能な願いを叶えていく。

 一番多かったのは、風呂に入りたいという事だったので、俺が簡易拠点を作った時に使っていた、お湯を出す魔導具と湯船をサクッと魔法で作り、地下に穴を掘って排水できるようにした。もちろん穴の先はダンジョンなので、いくら流しても問題なし!

 次に多かったのが、食事に関するお願いだな。出来合いの物しかなかったが、それでもシルキーが作った物なので、泣いて喜ぶ姿を見せられた。

 中には叶えられないお願いもあったが、運動するスペースが欲しい……っていうのはちょっと無理がある。作れない事も無いけど、魔法でやるとなると面倒なので、我慢してもらう事にしたのだ。後1~2日の我慢なので……頼む!

 こうして、俺の嫌な予感は当たってしまったが、何とか乗り切る事に成功した。
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