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第1211話 戦闘終了
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先頭を走っているライガが聖国の軍に接触した。音は聞こえなかったが、その光景に合わせた音をつけるとすれば、
ドゴォーーーン!!
と言った感じだろう。一振り何人と言った感じで、人がポンポンと飛んでいくのだ。
ライガが今突っ込んでいった場所は、神殿騎士ではなく強めの兵士が集まっているエリアなので、ライガの強さが極まって見える感じだ。
それにしても、残っていた兵士が半数になったとはいえ、こちらよりは人数が多いのに何で打って出る事にしたのだろうか? もっと数を減らしてから攻めればいいのではないだろうか?
平地での戦いになれば、ある程度レベル差があっても多い方が有利になるんだと思うんだけどな。レイリーには何か理由があるのかな?
ん? マップ先生に気になる情報が表示された。
前線で暴れていたライガが、スカルズのメンバー2人と一緒に後方に下がり始めた。その場所の映像を拡大すると……ライガが2人に引きずられている。何か命令無視でもしたのだろうか?
あれ? 向かっている先には、治療院に勤めている人がいるんだけど……どうしてだ? あの人たちは前に出ないって話じゃなかったのか?
「どういうことだ! レイリー!」
俺は魔導無線に向かって叫んだ。そうするとすぐに反応が返ってくる。
レイリーの反応は、元々は前線に出さない話だったが、野戦病院に連れてくる前に亡くなってしまった兵士がいる……と聞いて、思い悩んでいたそうだ。前線にいればあの人は助かったのかもしれないと。エリクサーが切れた直後に重傷を負ってしまった兵士がいたのだとか。
それは治療院の人が考える事じゃない! と咄嗟に叫んだが、レイリーも治療院の人に同じ事を言ったらしい。他にも説得をしたが、レイリーは納得させることができなかった。
それでもレイリーは、前線に出ない様に色々対策をたてたのだが、力技で突破されてしまったのだとか。治療院の人たちはそこまで強くないはずなのに。
でも話を聞いてみれば簡単だった。いくら対策をたてた所で、兵士が強引に治療院の人を拘束できるわけでは無かったのだ。拘束すれば仲間がケガをした時に治療してもらえない、だからといって放置はできない。
この板挟みになった兵士の心境で、肝の座った心の強い女性を止める事など不可能だろう。いや、この場合、覚悟を決めた女性を止められる人はいないかもしれない。
最終的には、兵士のために動いているのだし……
だからレイリーは、条件を出したのだとか。
それが、塹壕から打って出てからしばらくは待機。そして、ライガとスカルズの護衛をつけるので、護衛の近くに必ずいる事……だってさ。
でも、打って出る必要が何処にあった?
それは、今回参加している兵士による懇願で平地での戦闘を行う事を決めたらしい。経験を積みたいという建前で、自分たちの街を襲おうとした聖国の奴らを倒したいと目が語っていたらしい。
色々口を出したいが、レイリーからの要請は無いので介入はできない。任せると決めたのに、この戦闘の終盤に来て介入するとかできないよな。
文句を言うのは全てが終わってからだ。治療院の人にもしっかりと話をしないとな。
殲滅戦が始まって3時間、敵側の負傷兵や体調不良等で動けない兵士以外で、ほとんど生きている者はいなくなっていた。
こっちの兵士は、更に15人が亡くなってしまった。15人中10人がほぼ即死する攻撃を受け亡くなってしまっているため、治療が間に合わなかったのだ。残りの5人は、冒険者に毒を使われて解毒薬のランクが足りずに治療できなくて亡くなってしまった。
だけど、治療院の人が前に出た事で100人程は死なずに治療ができたと推察されている。
圧倒的にこちらの軍が強い事は分かっていたが、ここまで死者の数に違いが出るのだろうか?こちらがもっと死ねばいいというわけでは無いが、不思議に思ってしまう。
そして、毒を使った冒険者は、武器を取り上げられ同じ毒で殺されている。
敵の陣地に乗り込んだこちらの軍は、病気に苦しんでいる兵士を殺し始めている。マップ先生の光点の減り具合で把握している。聞いてはいたけど、あの状況の兵士達を殺すのにためらいを感じているのは、俺が地球生まれだからだろうか?
ダブルの冒険者の近くに行くと、動きが悪くなっているが抵抗を見せているような光点の動きを見せている。冒険者は全員殺す事にしたのかな? それにしては、囲んだ後にこちらの軍の動きはないけど……
あ! レイリーが来たみたいだ。何か話すのだろうか? 殺すだけなら、兵士でも問題なく達成できるはずだもんな。
10分程様子を見ていると、3人いるうちのダブルの冒険者の1人の光点が消えた。そいつがトップのクランの光点も全部消えた。話し合いが決裂したのかな?
そして他の冒険者は、兵士に囲まれて塹壕に向かっている。良く見たらレイリーの他にライガも来てるな。敵の数が減ったから、治療院の人はスカルズに任せてたのかな? あぁ、ケモミミ3人娘も来てるみたいだな。
動きが悪くなっているとはいえ、高ランク冒険者が多いから当たり前の事か。
結局、聖国の生き残りは冒険者56人だけだった。それに対してこちらの軍の最終死亡者は49人。どちらかが死ぬまでの殲滅戦だったのに、こちらの被害は1%に満たない……この差は何だろう?
レイリーが生かして捕まえた冒険者の処遇を伝えに来た時に聞いてみた。
簡単に言えば、回復できる手段が多かった事だ。特に、エリクサーや高ランクのポーションは、戦争で使われる事はまず無いからな。それに治療にあたる魔法使いが、圧倒的に多く技術も高いため戦線に復帰できる兵士が多かったための結果だ。
一番は塹壕の存在だ。塹壕内で人数の不利はなく、こちらの思惑通り戦えた事が被害が少なかった大きな理由だろう。
戦争前の予想では5~10パーセントの被害が出ると予想していたようだが、かなり少なく済んだとレイリーは喜んでいたが、250~500人は死ぬと予想していたとか。これを初めから知っていたら、最初から介入したと思う。
あれ? 何で俺って、戦争なのに死者が出ない方向に考えてたんだ?
『それは、主殿が強すぎるからですにゃ』
ダマが俺の心を読んで念話をしてきた。
危険な状況に陥った事はあっても、負けた事ってなかったな。フレデリクで奴隷兵に襲われた時以外は、快勝だった気がするな。あ! フェンリルの時はいったん撤退して、秘密兵器まで使ったな。
そういえば、冒険者の処遇は奴隷に落とすそうだ。しかも、使い捨てを念頭に置いた奴隷兵とするようだ。ディストピアやゴーストタウン等、俺の管理下にある街では奴隷の扱いは他の街に比べてはるかに良いが、犯罪奴隷に対しては非常な程扱いが悪い。
犯罪奴隷になった奴によっていろいろ違うが、今回の冒険者は兵士より過酷な訓練をして戦闘能力を上げるらしい。ただ過酷な訓練をさせるのではなく、適切な食事の管理までして肉体まで改造するレベルで強化して、前に送り出す奴隷兵にするのだとか。
王国の奴隷兵を思い出すような扱いだな。しかも、絶対に解除できないツィード君特製の奴隷の首輪をつけているので、解除する方法はマスターによる解除のみだ。
でも、死んだ兵士達の代わりにはならないよな。、49人の家族に対する補償をしっかり考えておかないとな。
ドゴォーーーン!!
と言った感じだろう。一振り何人と言った感じで、人がポンポンと飛んでいくのだ。
ライガが今突っ込んでいった場所は、神殿騎士ではなく強めの兵士が集まっているエリアなので、ライガの強さが極まって見える感じだ。
それにしても、残っていた兵士が半数になったとはいえ、こちらよりは人数が多いのに何で打って出る事にしたのだろうか? もっと数を減らしてから攻めればいいのではないだろうか?
平地での戦いになれば、ある程度レベル差があっても多い方が有利になるんだと思うんだけどな。レイリーには何か理由があるのかな?
ん? マップ先生に気になる情報が表示された。
前線で暴れていたライガが、スカルズのメンバー2人と一緒に後方に下がり始めた。その場所の映像を拡大すると……ライガが2人に引きずられている。何か命令無視でもしたのだろうか?
あれ? 向かっている先には、治療院に勤めている人がいるんだけど……どうしてだ? あの人たちは前に出ないって話じゃなかったのか?
「どういうことだ! レイリー!」
俺は魔導無線に向かって叫んだ。そうするとすぐに反応が返ってくる。
レイリーの反応は、元々は前線に出さない話だったが、野戦病院に連れてくる前に亡くなってしまった兵士がいる……と聞いて、思い悩んでいたそうだ。前線にいればあの人は助かったのかもしれないと。エリクサーが切れた直後に重傷を負ってしまった兵士がいたのだとか。
それは治療院の人が考える事じゃない! と咄嗟に叫んだが、レイリーも治療院の人に同じ事を言ったらしい。他にも説得をしたが、レイリーは納得させることができなかった。
それでもレイリーは、前線に出ない様に色々対策をたてたのだが、力技で突破されてしまったのだとか。治療院の人たちはそこまで強くないはずなのに。
でも話を聞いてみれば簡単だった。いくら対策をたてた所で、兵士が強引に治療院の人を拘束できるわけでは無かったのだ。拘束すれば仲間がケガをした時に治療してもらえない、だからといって放置はできない。
この板挟みになった兵士の心境で、肝の座った心の強い女性を止める事など不可能だろう。いや、この場合、覚悟を決めた女性を止められる人はいないかもしれない。
最終的には、兵士のために動いているのだし……
だからレイリーは、条件を出したのだとか。
それが、塹壕から打って出てからしばらくは待機。そして、ライガとスカルズの護衛をつけるので、護衛の近くに必ずいる事……だってさ。
でも、打って出る必要が何処にあった?
それは、今回参加している兵士による懇願で平地での戦闘を行う事を決めたらしい。経験を積みたいという建前で、自分たちの街を襲おうとした聖国の奴らを倒したいと目が語っていたらしい。
色々口を出したいが、レイリーからの要請は無いので介入はできない。任せると決めたのに、この戦闘の終盤に来て介入するとかできないよな。
文句を言うのは全てが終わってからだ。治療院の人にもしっかりと話をしないとな。
殲滅戦が始まって3時間、敵側の負傷兵や体調不良等で動けない兵士以外で、ほとんど生きている者はいなくなっていた。
こっちの兵士は、更に15人が亡くなってしまった。15人中10人がほぼ即死する攻撃を受け亡くなってしまっているため、治療が間に合わなかったのだ。残りの5人は、冒険者に毒を使われて解毒薬のランクが足りずに治療できなくて亡くなってしまった。
だけど、治療院の人が前に出た事で100人程は死なずに治療ができたと推察されている。
圧倒的にこちらの軍が強い事は分かっていたが、ここまで死者の数に違いが出るのだろうか?こちらがもっと死ねばいいというわけでは無いが、不思議に思ってしまう。
そして、毒を使った冒険者は、武器を取り上げられ同じ毒で殺されている。
敵の陣地に乗り込んだこちらの軍は、病気に苦しんでいる兵士を殺し始めている。マップ先生の光点の減り具合で把握している。聞いてはいたけど、あの状況の兵士達を殺すのにためらいを感じているのは、俺が地球生まれだからだろうか?
ダブルの冒険者の近くに行くと、動きが悪くなっているが抵抗を見せているような光点の動きを見せている。冒険者は全員殺す事にしたのかな? それにしては、囲んだ後にこちらの軍の動きはないけど……
あ! レイリーが来たみたいだ。何か話すのだろうか? 殺すだけなら、兵士でも問題なく達成できるはずだもんな。
10分程様子を見ていると、3人いるうちのダブルの冒険者の1人の光点が消えた。そいつがトップのクランの光点も全部消えた。話し合いが決裂したのかな?
そして他の冒険者は、兵士に囲まれて塹壕に向かっている。良く見たらレイリーの他にライガも来てるな。敵の数が減ったから、治療院の人はスカルズに任せてたのかな? あぁ、ケモミミ3人娘も来てるみたいだな。
動きが悪くなっているとはいえ、高ランク冒険者が多いから当たり前の事か。
結局、聖国の生き残りは冒険者56人だけだった。それに対してこちらの軍の最終死亡者は49人。どちらかが死ぬまでの殲滅戦だったのに、こちらの被害は1%に満たない……この差は何だろう?
レイリーが生かして捕まえた冒険者の処遇を伝えに来た時に聞いてみた。
簡単に言えば、回復できる手段が多かった事だ。特に、エリクサーや高ランクのポーションは、戦争で使われる事はまず無いからな。それに治療にあたる魔法使いが、圧倒的に多く技術も高いため戦線に復帰できる兵士が多かったための結果だ。
一番は塹壕の存在だ。塹壕内で人数の不利はなく、こちらの思惑通り戦えた事が被害が少なかった大きな理由だろう。
戦争前の予想では5~10パーセントの被害が出ると予想していたようだが、かなり少なく済んだとレイリーは喜んでいたが、250~500人は死ぬと予想していたとか。これを初めから知っていたら、最初から介入したと思う。
あれ? 何で俺って、戦争なのに死者が出ない方向に考えてたんだ?
『それは、主殿が強すぎるからですにゃ』
ダマが俺の心を読んで念話をしてきた。
危険な状況に陥った事はあっても、負けた事ってなかったな。フレデリクで奴隷兵に襲われた時以外は、快勝だった気がするな。あ! フェンリルの時はいったん撤退して、秘密兵器まで使ったな。
そういえば、冒険者の処遇は奴隷に落とすそうだ。しかも、使い捨てを念頭に置いた奴隷兵とするようだ。ディストピアやゴーストタウン等、俺の管理下にある街では奴隷の扱いは他の街に比べてはるかに良いが、犯罪奴隷に対しては非常な程扱いが悪い。
犯罪奴隷になった奴によっていろいろ違うが、今回の冒険者は兵士より過酷な訓練をして戦闘能力を上げるらしい。ただ過酷な訓練をさせるのではなく、適切な食事の管理までして肉体まで改造するレベルで強化して、前に送り出す奴隷兵にするのだとか。
王国の奴隷兵を思い出すような扱いだな。しかも、絶対に解除できないツィード君特製の奴隷の首輪をつけているので、解除する方法はマスターによる解除のみだ。
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