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第1184話 のんびり進んでく
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領主館は綺麗に掃除をされていた。日々使う場所という事もあり、床は所々汚れが目立つ場所があったが、入口付近だけだったので問題ないだろう。
「ピーチ、問題ないとは思うけど、この状態って掃除するのが面倒だよな?」
「そうですね。床は汚れるのが当たり前とはいえ、この街の領主館は床が木ですからね。小石とかで傷付く上に、そこに汚れが入ってしまうのは仕方がないかと。ブラウニーさんはどう思いますか?」
「この状態はよろしくないです。床を代えれないのであれば、何か対策をするべきです」
俺たちは、水道工事の実験に来ているのに、違う所に目をつけてしまっていた。
広めとはいえ、エントランスホールに十数人が集まって何やら話していると、人目を引いてしまうようだ。何か注意しようと近寄って来た文官が、護衛をしていた騎士に止められて話を聞いて顔を青くしていた。
でも、俺たちはお構いなしに話し合いを続ける。
一番いいのは、靴を綺麗にするマットなどを引けばいいのだが、この世界に金を払えば定期的にマットを交換しに来てくれる業者はいないのだ。ならばどうする?
「ここは、見た目が悪くない絨毯を何枚か並べて、そこで落としてもらうのが一番でしょうか?」
ピーチから出た案はそんな感じだった。
「主要通路に薄手の絨毯を引いて、導線のようにしてはいかがですか? 薄手の絨毯であれば手入れは簡単ですし、何セットか用意しておけば、汚くなった部分だけ絨毯を代えればいいと思います」
これはブラウニーから出た意見だ。薄手でも絨毯の手入れって大変だろ! ん~でも、床に何もしなければ、どんどんボロボロになっていってしまうのだ。
「ってかさ、そもそも何で木の板の上を、下履きで歩くようなシステムになってるんだ?」
「……そう言われると、確かに変ですね」
シュリが俺の言葉に賛同する。
俺たちが長い事ここで話していたせいか、領主代理の人が探しに来た。ちょうどよかったので話を聞いてみると、
「下履きとか上履きって何ですか?」
おっと! そこからだったのか。簡単に概念を話すと、理解してもらえた。ディストピアの家は、玄関で靴を脱ぐので、俺たちからすると普通なのだが、この世界の人からすると、寝る時やお風呂以外で靴を脱ぐという習慣がないのだ。すっかり忘れていた。
床が傷付くので管理が大変だったと言われたが、上履きのシステムは取り入れられないそうなので、領主の生活空間になる2階より上は土足厳禁にして、階段の踊り場でスリッパなどに履き替える事にした。
1階は、政務を行う場所なので、すべて木から石に張り替えた。一旦仕事を中断してもらい、土魔法を使ってサクッと張り替えたのだ。
つるつるの大理石みたいにしようかとも思ったが、素材はよくわからなかったが木目調に加工された石材があったので、それをもとに土魔法でさらに加工しながら敷き詰めた感じだ。
素材的には、木から石になって感触もかなり変わったのだが、見た目的には今までと変わらなかったため、違和感なく使う事ができると領主代行が喜んでいた。
メイドたちには、俺たちの使うエリアへは、しっかりとスリッパを使う様にブラウニーが指導していた。木の床の管理が大変だったらしく、取り換えられた木目調の床石はとても喜ばれた。掃除も楽だしね!
っと、余計な事をしてしまったな。領主代行と実験をするエリアの店主が集まっていたのに、時間をかけてしまった。いかんいかん。
謝罪をしてから、条件に付いて話し合う。事前に決めていた通り、魔導具の提供だけで問題ないそうなので、俺たちはさっそく作業を開始する事にした。
「シュウ様、まずはどうするのですか?」
「そうだね。まず始めに、メイン通路に配水管を作る所からかな? どうやって作るのかは、話したけど覚えているかな?」
土木組の4人は、俺が魔導列車で話した事を思い出して答えた。
忘れていなかったようで、良かった。
基本は、土魔法で直径30センチメートル程の水を流せる穴を作る。初めは、中に入って修理ができるようにしようと考えたのだが、配水管の中に大量の水があると、淀みが出来てしまうという話になり、配水管のサイズがこの位になった。
深さは約50センチメートル程を考えている。配水管の上部から地面までは、20センチメートル程しかない。だが、ここではそれでも問題ない。バレルでは雪が降らない。氷も張らないので深く埋める必要も無かったのだ。
深ければ深い程、大変になるのだ。実験という意味もあるので、この位にしている。寒い地域……雪の降るフレデリクとかでは、違う対策をしないといけないだろうけどね。
1度お手本を見せると、土木組はサクサクと作業をこなしていった。今日中に目的のエリアまでの配水管は出来そうだな。
そういえば、水道管の深さを決める時に各街の冬の様子を調べたのだが、すごい不思議な分布をしていた。ダンジョンが近くにある街は、雪が降らない地域が多かった。理由は不明だが、境界線がある様に降る場所と振らない場所がはっきり分かれていたのだ。
この世界で魔物とかファンタジーな物を色々見たけど、話しを聞いただけで今までのファンタジーの中で一番不思議な現象だね。そういえば、この大陸もかなりでかいけど、時差を感じた事ないんだけど……この星ってどうなってるんだろ?
ん~考えるだけ無駄か。分からない事を考えてもしょうがないもんな。
土木組の作業は予想より早かった。しっかりと色々な仕事をこなして、イメージが固まっているのだろう。おそらく、土木魔法に関してはライムよりも上だろう。すごい上達したんだな。
目標のエリアまでの配水管が完成した。
作り方としては、初めは2メートルの長さで溝を掘り、1メートル分の配水管と地面を作る。そして1メートル掘って、配水管を1メートル作るという形でやっている。
慣れれば掘らなくても20~30メートルの配水管を作る事は余裕だが、他のメンバーにも教えるための教材として、映像を残しているのでこんな方法で作っている。
配水管の先に穴を掘って、配水管がしっかり出来ているのか中を覗いてみる。
「おぉ~パッと見ても分からないレベルだな。これから確保する予定の土魔法使いを鍛えたら、ここまで魔法を使えるようになるかどうか……いくつか作り方を検討してみないといけないかもな。でも、今回は実用できるかどうかの実験が強いから、そこら辺は後回し!」
大通りの配水管は終わったので、エリアに向かう配水管を今度は直径10センチメートル位で作成していく。こっちは大通りより長かったので、少し時間がかかった。後、どこに埋めたか分かるように線を引いておいた。ここら辺もメンテナンスを考えるとしっかり決めておかないとな。
「ピーチ、問題ないとは思うけど、この状態って掃除するのが面倒だよな?」
「そうですね。床は汚れるのが当たり前とはいえ、この街の領主館は床が木ですからね。小石とかで傷付く上に、そこに汚れが入ってしまうのは仕方がないかと。ブラウニーさんはどう思いますか?」
「この状態はよろしくないです。床を代えれないのであれば、何か対策をするべきです」
俺たちは、水道工事の実験に来ているのに、違う所に目をつけてしまっていた。
広めとはいえ、エントランスホールに十数人が集まって何やら話していると、人目を引いてしまうようだ。何か注意しようと近寄って来た文官が、護衛をしていた騎士に止められて話を聞いて顔を青くしていた。
でも、俺たちはお構いなしに話し合いを続ける。
一番いいのは、靴を綺麗にするマットなどを引けばいいのだが、この世界に金を払えば定期的にマットを交換しに来てくれる業者はいないのだ。ならばどうする?
「ここは、見た目が悪くない絨毯を何枚か並べて、そこで落としてもらうのが一番でしょうか?」
ピーチから出た案はそんな感じだった。
「主要通路に薄手の絨毯を引いて、導線のようにしてはいかがですか? 薄手の絨毯であれば手入れは簡単ですし、何セットか用意しておけば、汚くなった部分だけ絨毯を代えればいいと思います」
これはブラウニーから出た意見だ。薄手でも絨毯の手入れって大変だろ! ん~でも、床に何もしなければ、どんどんボロボロになっていってしまうのだ。
「ってかさ、そもそも何で木の板の上を、下履きで歩くようなシステムになってるんだ?」
「……そう言われると、確かに変ですね」
シュリが俺の言葉に賛同する。
俺たちが長い事ここで話していたせいか、領主代理の人が探しに来た。ちょうどよかったので話を聞いてみると、
「下履きとか上履きって何ですか?」
おっと! そこからだったのか。簡単に概念を話すと、理解してもらえた。ディストピアの家は、玄関で靴を脱ぐので、俺たちからすると普通なのだが、この世界の人からすると、寝る時やお風呂以外で靴を脱ぐという習慣がないのだ。すっかり忘れていた。
床が傷付くので管理が大変だったと言われたが、上履きのシステムは取り入れられないそうなので、領主の生活空間になる2階より上は土足厳禁にして、階段の踊り場でスリッパなどに履き替える事にした。
1階は、政務を行う場所なので、すべて木から石に張り替えた。一旦仕事を中断してもらい、土魔法を使ってサクッと張り替えたのだ。
つるつるの大理石みたいにしようかとも思ったが、素材はよくわからなかったが木目調に加工された石材があったので、それをもとに土魔法でさらに加工しながら敷き詰めた感じだ。
素材的には、木から石になって感触もかなり変わったのだが、見た目的には今までと変わらなかったため、違和感なく使う事ができると領主代行が喜んでいた。
メイドたちには、俺たちの使うエリアへは、しっかりとスリッパを使う様にブラウニーが指導していた。木の床の管理が大変だったらしく、取り換えられた木目調の床石はとても喜ばれた。掃除も楽だしね!
っと、余計な事をしてしまったな。領主代行と実験をするエリアの店主が集まっていたのに、時間をかけてしまった。いかんいかん。
謝罪をしてから、条件に付いて話し合う。事前に決めていた通り、魔導具の提供だけで問題ないそうなので、俺たちはさっそく作業を開始する事にした。
「シュウ様、まずはどうするのですか?」
「そうだね。まず始めに、メイン通路に配水管を作る所からかな? どうやって作るのかは、話したけど覚えているかな?」
土木組の4人は、俺が魔導列車で話した事を思い出して答えた。
忘れていなかったようで、良かった。
基本は、土魔法で直径30センチメートル程の水を流せる穴を作る。初めは、中に入って修理ができるようにしようと考えたのだが、配水管の中に大量の水があると、淀みが出来てしまうという話になり、配水管のサイズがこの位になった。
深さは約50センチメートル程を考えている。配水管の上部から地面までは、20センチメートル程しかない。だが、ここではそれでも問題ない。バレルでは雪が降らない。氷も張らないので深く埋める必要も無かったのだ。
深ければ深い程、大変になるのだ。実験という意味もあるので、この位にしている。寒い地域……雪の降るフレデリクとかでは、違う対策をしないといけないだろうけどね。
1度お手本を見せると、土木組はサクサクと作業をこなしていった。今日中に目的のエリアまでの配水管は出来そうだな。
そういえば、水道管の深さを決める時に各街の冬の様子を調べたのだが、すごい不思議な分布をしていた。ダンジョンが近くにある街は、雪が降らない地域が多かった。理由は不明だが、境界線がある様に降る場所と振らない場所がはっきり分かれていたのだ。
この世界で魔物とかファンタジーな物を色々見たけど、話しを聞いただけで今までのファンタジーの中で一番不思議な現象だね。そういえば、この大陸もかなりでかいけど、時差を感じた事ないんだけど……この星ってどうなってるんだろ?
ん~考えるだけ無駄か。分からない事を考えてもしょうがないもんな。
土木組の作業は予想より早かった。しっかりと色々な仕事をこなして、イメージが固まっているのだろう。おそらく、土木魔法に関してはライムよりも上だろう。すごい上達したんだな。
目標のエリアまでの配水管が完成した。
作り方としては、初めは2メートルの長さで溝を掘り、1メートル分の配水管と地面を作る。そして1メートル掘って、配水管を1メートル作るという形でやっている。
慣れれば掘らなくても20~30メートルの配水管を作る事は余裕だが、他のメンバーにも教えるための教材として、映像を残しているのでこんな方法で作っている。
配水管の先に穴を掘って、配水管がしっかり出来ているのか中を覗いてみる。
「おぉ~パッと見ても分からないレベルだな。これから確保する予定の土魔法使いを鍛えたら、ここまで魔法を使えるようになるかどうか……いくつか作り方を検討してみないといけないかもな。でも、今回は実用できるかどうかの実験が強いから、そこら辺は後回し!」
大通りの配水管は終わったので、エリアに向かう配水管を今度は直径10センチメートル位で作成していく。こっちは大通りより長かったので、少し時間がかかった。後、どこに埋めたか分かるように線を引いておいた。ここら辺もメンテナンスを考えるとしっかり決めておかないとな。
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