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第1182話 色々悩む
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俺は今、領主の仕事を真面目にしている様な気がする。グリエルの上げてくれる報告書を確認しながら最終決裁をしたり、街のために色々と活動している。
だけど正直、俺っていてもいなくても変わらないと思うんだよね。街をしっかりと回すためにはグリエルとガリア、それぞれの街の領主代行がいれば問題ない。
でもさ、俺って領主という肩書と最終決定権を持っているだけで、いなくても街は回るんだよね。それに対して領主代行はともかく、グリエルとガリアがいなくなると、すべての街が機能不全を起こしてしまうのは明らかだ。
時間がかかるがいずれは何とかなるにしても、2人がいない混乱より、俺がいない混乱の方が少なくねえか? と思うわけだ。
だから何? って感じだけど、本当に俺がこのまま領主でいいのだろうか?
それをグリエルとガリアに聞けば、「シュウ様以外に領主はあり得ません」とか返ってくるんだよね。
何でこんな事を考えているかって? それはね、部下……グリエルとガリアが相変わらず優秀過ぎて、俺が居難いのだよ。
街に関係する事だから、連日自分の執務室に足を運んでいるのだけど、俺と彼らの能力の違いに愕然とするのさ。このままでいいのだろうか? ってね。
「シュウ様。言いたい事は分かりますが、シュウ様はシュウ様にしかできない事をしてくださっているので、私たちはとても仕事がしやすいのです。もっと言えば、私たちの経歴を考えると分かると思いますが、能力の無い貴族に限って能力の高い部下を排除したがるのです」
「私もグリエルもその能力の高さから、仕えていた貴族に切り捨てられたのです。ですから、シュウ様の下で働けるのは、本当に心地がいいのです。邪魔は……されますが、いじめではなくしっかりとした仕事が増える、という感じの邪魔ですから、貴族共に比べれば好ましい邪魔です」
好ましい邪魔ってなんぞ? 邪魔は邪魔に変わりがないって事じゃないのか?
そういえばこの2人って、元々貴族に仕えていたんだったっけ? それで濡れ衣を着せられ家族諸共奴隷落ち……あっ! そういえば、こいつに冤罪をかけた貴族って処理してなくね? 聞いてみるか。
「あ~それでしたら、もう手を下す必要もないですよ。この前の戦争に乗じて国王に処理された貴族一覧に、名前が載っていました。それに、その一族の中で能力があっても身分が低かった優秀な人材が、奴隷のように働かされていたみたいで、お礼とお詫びとしてそれらが送られてきています」
一族で身分が低い? 側室の子とかメイドに産ませた子、みたいな奴か? この世界の貴族は、話を聞いているだけで本当に嫌になってくるな。つか、お礼とお詫びってなんだよ!
「お礼は、政敵の排除にワイバーンを貸し出してくれた事、お詫びはかつて私たちが奴隷に落ちた際の冤罪の証拠があったようで、それに対する物でしたね。他にも冤罪で奴隷に落とされた者たちもいましたが、その半数は不当な扱いを受けて、死んでしまったそうですが」
人の命をなんだと思ってるのかね? 犯罪者ならともかく、今まで仕えてくれた部下を冤罪で奴隷って、頭おかしいんじゃないのか?
なんで証拠が出てきたかと言えば、奴隷みたいに働かされていた優秀な人材が、しっかりと裏帳簿を残しておりいつか機会を狙っていたのだとか。そいつらにとっては、今回の戦争は恵みの雨みたいな物だったのかな?
そして、その優秀な人材は、身と心を休めるためにディストピアで静養しているらしい。しばらくしたら、グリエルたちの下で勉強しながら働くのだとか。2人が喜んでいるという事は、よほど優秀なのだろう。
「その1人と話をして気付いたのですが、私たちがここまで仕事ができるのは、シュウ様が色々教えてくださったからですよ。話してみて分かったのですが、シュウ様が私たちにもたらした知識は、この世界の知識としては、最先端よりもっと先の物です」
だから、私たちはシュウ様以外についていく気はありません。だってさ……嬉しい事を言ってくれているけど、君たちがいなくなるのは困るからここにいてね。後、よければ領主やってくんない? あっ、ダメですか……すいません、頑張ります。
とりあえず俺は、実験する予定のバレルの街に合わせた計画を立てている。
と言っても、作りながら色々と改良したり、試してみたりする予定なので、その方向性も一緒に考えているくらいだ。条件として、配水管までは中に人が入れるようにしようと考えている。
理由としては、メンテナンス……破損した時の修理や掃除のために、中に入れた方が便利だと思うので人が入れるほどのサイズにする予定だ。立てるほど大きくする予定はない。スパイ映画で通るようなビルの通気口位のサイズをイメージしている。
後は、通るためには水を止めなきゃいけないので、水門も必要だろう。ブロック毎に区切れるようにして、何か所か入口を作る必要もあるだろう。
後は給水管についてだな。掘って埋める位であれば簡単な作業なので、配水管と繋げる方法や素材についても検討している。この作業にまで土魔法使いを使って管を作るとなると、無駄にお金がかかってしまうのではないか? 等と考えているのだが、簡単に加工できる素材で管を作れないかと検討もしている。
今回は、配水管は大きな通路に通す予定なので、給水管は長くても直線で20m位をイメージしている。そうなれば、各街でも加工できる鍛冶師がいると考えている。給水管は人力で掘って埋める……とかどうかな? あ~でも、配水管は魔法で作るからつなげる時は、魔法使いが必要か?
ぬお~結局、土魔法使いが必ず必要になってくるじゃないか! それなら、各街の孤児院で適性のある子を育てて、常時10人位確保できるようにしておけば、メンテナンスも簡単になるか?
紀元前には、水道が作られてたって本当なのか? どれだけ高い技術持ってたんだろうな。
だけど正直、俺っていてもいなくても変わらないと思うんだよね。街をしっかりと回すためにはグリエルとガリア、それぞれの街の領主代行がいれば問題ない。
でもさ、俺って領主という肩書と最終決定権を持っているだけで、いなくても街は回るんだよね。それに対して領主代行はともかく、グリエルとガリアがいなくなると、すべての街が機能不全を起こしてしまうのは明らかだ。
時間がかかるがいずれは何とかなるにしても、2人がいない混乱より、俺がいない混乱の方が少なくねえか? と思うわけだ。
だから何? って感じだけど、本当に俺がこのまま領主でいいのだろうか?
それをグリエルとガリアに聞けば、「シュウ様以外に領主はあり得ません」とか返ってくるんだよね。
何でこんな事を考えているかって? それはね、部下……グリエルとガリアが相変わらず優秀過ぎて、俺が居難いのだよ。
街に関係する事だから、連日自分の執務室に足を運んでいるのだけど、俺と彼らの能力の違いに愕然とするのさ。このままでいいのだろうか? ってね。
「シュウ様。言いたい事は分かりますが、シュウ様はシュウ様にしかできない事をしてくださっているので、私たちはとても仕事がしやすいのです。もっと言えば、私たちの経歴を考えると分かると思いますが、能力の無い貴族に限って能力の高い部下を排除したがるのです」
「私もグリエルもその能力の高さから、仕えていた貴族に切り捨てられたのです。ですから、シュウ様の下で働けるのは、本当に心地がいいのです。邪魔は……されますが、いじめではなくしっかりとした仕事が増える、という感じの邪魔ですから、貴族共に比べれば好ましい邪魔です」
好ましい邪魔ってなんぞ? 邪魔は邪魔に変わりがないって事じゃないのか?
そういえばこの2人って、元々貴族に仕えていたんだったっけ? それで濡れ衣を着せられ家族諸共奴隷落ち……あっ! そういえば、こいつに冤罪をかけた貴族って処理してなくね? 聞いてみるか。
「あ~それでしたら、もう手を下す必要もないですよ。この前の戦争に乗じて国王に処理された貴族一覧に、名前が載っていました。それに、その一族の中で能力があっても身分が低かった優秀な人材が、奴隷のように働かされていたみたいで、お礼とお詫びとしてそれらが送られてきています」
一族で身分が低い? 側室の子とかメイドに産ませた子、みたいな奴か? この世界の貴族は、話を聞いているだけで本当に嫌になってくるな。つか、お礼とお詫びってなんだよ!
「お礼は、政敵の排除にワイバーンを貸し出してくれた事、お詫びはかつて私たちが奴隷に落ちた際の冤罪の証拠があったようで、それに対する物でしたね。他にも冤罪で奴隷に落とされた者たちもいましたが、その半数は不当な扱いを受けて、死んでしまったそうですが」
人の命をなんだと思ってるのかね? 犯罪者ならともかく、今まで仕えてくれた部下を冤罪で奴隷って、頭おかしいんじゃないのか?
なんで証拠が出てきたかと言えば、奴隷みたいに働かされていた優秀な人材が、しっかりと裏帳簿を残しておりいつか機会を狙っていたのだとか。そいつらにとっては、今回の戦争は恵みの雨みたいな物だったのかな?
そして、その優秀な人材は、身と心を休めるためにディストピアで静養しているらしい。しばらくしたら、グリエルたちの下で勉強しながら働くのだとか。2人が喜んでいるという事は、よほど優秀なのだろう。
「その1人と話をして気付いたのですが、私たちがここまで仕事ができるのは、シュウ様が色々教えてくださったからですよ。話してみて分かったのですが、シュウ様が私たちにもたらした知識は、この世界の知識としては、最先端よりもっと先の物です」
だから、私たちはシュウ様以外についていく気はありません。だってさ……嬉しい事を言ってくれているけど、君たちがいなくなるのは困るからここにいてね。後、よければ領主やってくんない? あっ、ダメですか……すいません、頑張ります。
とりあえず俺は、実験する予定のバレルの街に合わせた計画を立てている。
と言っても、作りながら色々と改良したり、試してみたりする予定なので、その方向性も一緒に考えているくらいだ。条件として、配水管までは中に人が入れるようにしようと考えている。
理由としては、メンテナンス……破損した時の修理や掃除のために、中に入れた方が便利だと思うので人が入れるほどのサイズにする予定だ。立てるほど大きくする予定はない。スパイ映画で通るようなビルの通気口位のサイズをイメージしている。
後は、通るためには水を止めなきゃいけないので、水門も必要だろう。ブロック毎に区切れるようにして、何か所か入口を作る必要もあるだろう。
後は給水管についてだな。掘って埋める位であれば簡単な作業なので、配水管と繋げる方法や素材についても検討している。この作業にまで土魔法使いを使って管を作るとなると、無駄にお金がかかってしまうのではないか? 等と考えているのだが、簡単に加工できる素材で管を作れないかと検討もしている。
今回は、配水管は大きな通路に通す予定なので、給水管は長くても直線で20m位をイメージしている。そうなれば、各街でも加工できる鍛冶師がいると考えている。給水管は人力で掘って埋める……とかどうかな? あ~でも、配水管は魔法で作るからつなげる時は、魔法使いが必要か?
ぬお~結局、土魔法使いが必ず必要になってくるじゃないか! それなら、各街の孤児院で適性のある子を育てて、常時10人位確保できるようにしておけば、メンテナンスも簡単になるか?
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