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第1176話 少し大きな問題?
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2日目の休日は、妻たちと遊んだ。最近、クルージング以外では娘たちを優先しすぎているので、適度にみんなとコミュニケーションをとっている。年長組は、夜になると大人のスキンシップをしているのでそうでもないのだが、年中・年小組はそういう事が無いからね。
ピクニックに行って、タープテントを張ってみんなでのんびり過ごす、みたいな感じで楽しんでる感じだ。
そして、休みが終わって今日は庁舎に来ている。いつものようにグリエルの執務室に来て、報告を受ける感じだ。
王国の方は、国王の思惑通りに話が進んでいるようで、順調に政敵になりえる奴等で明確に法を犯した、反逆罪の貴族達の首をザクザクと切っているようだ。役職的にも物理的にも……
竜騎士やワイバーンを徴発しようとしたアホまで出てきているのか、国王の依頼で王国に出向いているので国賓扱いになっているのに……なんという無謀な事をしたのだろう。
国境の方は、相手の国が不利になっているはずなのに、軍を撤退させていないため何か罠がないか心配しているそうだ。
マップ先生を見る限り援軍の類も無いので、撤退のタイミングを逃してずるずる戦争が続いているのだと思われる。
とりあえず、王国は問題なさそうだ。
「シュウ様、以前から話に上がっているのですが、シュウ様の管理下にある街は下水の整備がされており、衛生面的にその他の街と比べ物にならないくらい良いです」
そんなよいしょみたいな事はいらないから、本題を!
「ですが、上水……生活用水、特に飲み水が不足気味です」
「ん? ほとんどの街の近くには、大きな川があるのに飲み水不足?」
「えっと、下水を整備した事によって川の水質は良くなっているのですが、金持ちエリアの人間が川を平気で汚すので、衛生面を考えると飲み水にするにはよくないんです」
「えっ? 何で下水を整備しているのに、川がそんなに汚れるの?」
「川で洗濯させているみたいで、それを取り締まる法律が無いため、注意はしてたのですが改善されていないのです」
「でもさ、それって以前からあった話なのに、今頃になって話しが俺に来るの? というか、川で直接洗濯させるのは禁止しろ。川の近くにも排水溝はあるはずだから、水を汲んでそこでやる様にさせろ」
「了解しました! 後、言い訳になるのですが、今まで衛生環境が良くなく、水はもっと汚かったためその状況でも喜んでいたのですが、上水がしっかり整っているシュウ様の街があると商人が言っているのを聞いて、少し前から話が上がり始めたんです」
ん~俺のミスもあるよな……下水はしっかりしてたけど、上水に関しては飲める川の水があるんだから、それをわざわざ汚したりはしないだろうと考えてたもんな。
それに、商会を通じて水を生み出す魔導具も売りに出しているから、問題ないと思ってたのもいけないな。少し考えれば分かる事だったのに、お金が無ければ買えないよね。地球でも水がタダの場所なんて皆無に近いもんな。
「そだ、特に上流に近ければ近いほど、川汚染は重罪になる事も明記しておいて。でも、これだけじゃ限界はあるよな。井戸みたいに、何軒かで共有して使える水道……魔導具を用意するか? 個人で使いたい場合は商会で購入してください……みたいな? というか、飲食店や宿でも川の水か?」
「いえ、飲食店や宿では、街から補助金を出して水の出る魔導具を買ってもらっています。そうしないと営業許可を取り消しするようにしています。屋台に使う水は、そのエリアに設置してある水道を使用してますね。ひとまず、複数の家で共有できる水道を作成します」
井戸みたいに穴掘ってってわけじゃないから、設置すればいいだけだしな……って、
「盗難防止対策しないといけないか?」
「そうですね。屋台の人たちが使っている水道みたいに、魔導具は地面に埋めて管を通して、蛇口をひねると水が出るようにしますか」
まんま水道だな。水道局とかに繋がってるわけじゃないけどな。
「ちょっと大変だけど、土木組の皆に仕事を頼むしかないかな? 高レベルの土魔法使いが泥棒するとは思わないけど、防止するためには更に高位の土魔法使いが作るしかないもんな」
「ちょっとお待ちください。最近は、大掛かりな仕事が無かったため、ディストピアにいますね。結構な期間かかるかもしれませんが、ここは仕事依頼をしましょう」
お金の話などは、グリエルたちに任せる事にした。全部俺の金でやってもよかったのだが、さすがに各街のインフラを向上させるのに、街の金ではなく俺の金を使うと色々と問題があるようで、今回は多少赤字になっても、領主代行にやるように指示を出す事が決まった。
まぁ、赤字になって借金をしなければならなくなった場合は、無金利で俺が貸し出すけどね。基本的に街全体の収支で15~20パーセント位の黒字になる様に運営されているので、借金する街はほとんどないだろう。
例外とすれば、大規模工事をしていてすでに借金をしている街とか、出来て間もない街とかは、貸し出しを利用するだろうけどな。
そういえばこの世界って基本的に、日本みたいに国債等を発行して借金をしないんだよね。得られる予想のお金の80~85パーセントでやりくりするのが基本みたいだ。
街が軌道に乗るまでは、国から貸し出しされて、軌道に乗った所でゆっくりと国に返していくそうだ。重税をかけて私腹を肥やしたりするアホがいるのは、何処の世界でも同じみたいだけどね。
各街毎に独立して生活できるようになってるから、これが普通なのかもしれないけどな。食料に関しては、貿易に頼っている街もあるけど、それはしょうがないことだろうね。
さて、俺がしなければならない事は、水の出る魔導具の生産だな。これに関しては作り方が確立されているので、ディストピアとゴーストタウンでなら大体の工房で作る事が可能だ。
グリエルからも通達がでるけど、俺は俺で動かないとな。バザールと綾乃も呼び出して大量につくらないとな。俺たち3人だけは、クリエイトゴーレムを使えるので生産過程が少なくて済むんだよね。
頑張るぞ!
ピクニックに行って、タープテントを張ってみんなでのんびり過ごす、みたいな感じで楽しんでる感じだ。
そして、休みが終わって今日は庁舎に来ている。いつものようにグリエルの執務室に来て、報告を受ける感じだ。
王国の方は、国王の思惑通りに話が進んでいるようで、順調に政敵になりえる奴等で明確に法を犯した、反逆罪の貴族達の首をザクザクと切っているようだ。役職的にも物理的にも……
竜騎士やワイバーンを徴発しようとしたアホまで出てきているのか、国王の依頼で王国に出向いているので国賓扱いになっているのに……なんという無謀な事をしたのだろう。
国境の方は、相手の国が不利になっているはずなのに、軍を撤退させていないため何か罠がないか心配しているそうだ。
マップ先生を見る限り援軍の類も無いので、撤退のタイミングを逃してずるずる戦争が続いているのだと思われる。
とりあえず、王国は問題なさそうだ。
「シュウ様、以前から話に上がっているのですが、シュウ様の管理下にある街は下水の整備がされており、衛生面的にその他の街と比べ物にならないくらい良いです」
そんなよいしょみたいな事はいらないから、本題を!
「ですが、上水……生活用水、特に飲み水が不足気味です」
「ん? ほとんどの街の近くには、大きな川があるのに飲み水不足?」
「えっと、下水を整備した事によって川の水質は良くなっているのですが、金持ちエリアの人間が川を平気で汚すので、衛生面を考えると飲み水にするにはよくないんです」
「えっ? 何で下水を整備しているのに、川がそんなに汚れるの?」
「川で洗濯させているみたいで、それを取り締まる法律が無いため、注意はしてたのですが改善されていないのです」
「でもさ、それって以前からあった話なのに、今頃になって話しが俺に来るの? というか、川で直接洗濯させるのは禁止しろ。川の近くにも排水溝はあるはずだから、水を汲んでそこでやる様にさせろ」
「了解しました! 後、言い訳になるのですが、今まで衛生環境が良くなく、水はもっと汚かったためその状況でも喜んでいたのですが、上水がしっかり整っているシュウ様の街があると商人が言っているのを聞いて、少し前から話が上がり始めたんです」
ん~俺のミスもあるよな……下水はしっかりしてたけど、上水に関しては飲める川の水があるんだから、それをわざわざ汚したりはしないだろうと考えてたもんな。
それに、商会を通じて水を生み出す魔導具も売りに出しているから、問題ないと思ってたのもいけないな。少し考えれば分かる事だったのに、お金が無ければ買えないよね。地球でも水がタダの場所なんて皆無に近いもんな。
「そだ、特に上流に近ければ近いほど、川汚染は重罪になる事も明記しておいて。でも、これだけじゃ限界はあるよな。井戸みたいに、何軒かで共有して使える水道……魔導具を用意するか? 個人で使いたい場合は商会で購入してください……みたいな? というか、飲食店や宿でも川の水か?」
「いえ、飲食店や宿では、街から補助金を出して水の出る魔導具を買ってもらっています。そうしないと営業許可を取り消しするようにしています。屋台に使う水は、そのエリアに設置してある水道を使用してますね。ひとまず、複数の家で共有できる水道を作成します」
井戸みたいに穴掘ってってわけじゃないから、設置すればいいだけだしな……って、
「盗難防止対策しないといけないか?」
「そうですね。屋台の人たちが使っている水道みたいに、魔導具は地面に埋めて管を通して、蛇口をひねると水が出るようにしますか」
まんま水道だな。水道局とかに繋がってるわけじゃないけどな。
「ちょっと大変だけど、土木組の皆に仕事を頼むしかないかな? 高レベルの土魔法使いが泥棒するとは思わないけど、防止するためには更に高位の土魔法使いが作るしかないもんな」
「ちょっとお待ちください。最近は、大掛かりな仕事が無かったため、ディストピアにいますね。結構な期間かかるかもしれませんが、ここは仕事依頼をしましょう」
お金の話などは、グリエルたちに任せる事にした。全部俺の金でやってもよかったのだが、さすがに各街のインフラを向上させるのに、街の金ではなく俺の金を使うと色々と問題があるようで、今回は多少赤字になっても、領主代行にやるように指示を出す事が決まった。
まぁ、赤字になって借金をしなければならなくなった場合は、無金利で俺が貸し出すけどね。基本的に街全体の収支で15~20パーセント位の黒字になる様に運営されているので、借金する街はほとんどないだろう。
例外とすれば、大規模工事をしていてすでに借金をしている街とか、出来て間もない街とかは、貸し出しを利用するだろうけどな。
そういえばこの世界って基本的に、日本みたいに国債等を発行して借金をしないんだよね。得られる予想のお金の80~85パーセントでやりくりするのが基本みたいだ。
街が軌道に乗るまでは、国から貸し出しされて、軌道に乗った所でゆっくりと国に返していくそうだ。重税をかけて私腹を肥やしたりするアホがいるのは、何処の世界でも同じみたいだけどね。
各街毎に独立して生活できるようになってるから、これが普通なのかもしれないけどな。食料に関しては、貿易に頼っている街もあるけど、それはしょうがないことだろうね。
さて、俺がしなければならない事は、水の出る魔導具の生産だな。これに関しては作り方が確立されているので、ディストピアとゴーストタウンでなら大体の工房で作る事が可能だ。
グリエルからも通達がでるけど、俺は俺で動かないとな。バザールと綾乃も呼び出して大量につくらないとな。俺たち3人だけは、クリエイトゴーレムを使えるので生産過程が少なくて済むんだよね。
頑張るぞ!
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