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第1163話 トラブルを招く男
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俺達は準備を終え簡易シェルター型ダンジョンから出発する。
同行者は、ミリーと年長組、鬼人10名ので、俺を合わせて20名でサラディルへ向かう。ちなみに、俺だけはドッペルでの移動になる。
俺たち以外の同行者として、ウォーホースとニコとスライム、バッハ、ダマ、グレン、シエルが付いてきている。ウォーホース以外は、体を小さくできるのでペット的扱いという感じだろう。
正直、従魔のどれか1匹でもいれば、街一つなんて簡単に落とす事ができる戦力である。特にニコはヤバいだろうな。
こいつ最近めっちゃ強くなってるんだよな。元々スライムなので、打撃や斬撃、刺突にはかなり強い。魔法が弱点と言えば弱点なのだが、全属性の魔法を使えるようになっているし、結界も使えるのでもう手が付けられん。
俺がガチンコで戦っても攻めきれずに引き分けで終わるね。というか、今のニコに勝てるやつって……いるのかな? リヴァイアサンと勝負しても引き分けだろうな。ニコは呼吸しなくてもいいから、水攻めも効かないしな。もし食べたら、一寸法師みたいに内側から……って事もあり得る。
あ~でも、聖国から来たSSSランクの冒険者が持ってた武器を使えば、何とかなるかもしれないな。あの武器って魔法吸収するから、しつこく切り付けてれば倒せるかもしれん。
仲間同士の戦闘なんて考えても不毛だな。ニコはブラウニーの飯が大好きだから……あ~勝てる奴いたな。シルキーたちなら絶対にニコも逆らわないし、勝てるだろうな。
「ミリー、緊張してるのか?」
「うん……緊張とかとは違うかな。お金は送ってるけど、飛び出してから一度も帰ってないからね」
「ミリーさん、家族はいつまで経っても家族ですから大丈夫ですよ。それに私たちもいるんですから何も心配はいらないですよ」
とシュリが励ましているのは分かるんだけど、何か違う気がするんだが。
ミリーも微妙な顔をしていたが、心配してくれている事が分かったので笑顔が見えた。
しばらく進んでいると、あれ? 竜騎士とワイバーン、それに真紅の騎士団がいるのは良いのだが……ちょっと数が多くないか? 目算で500人以上は合流地点にいるのだが?
近付いた事で、状況を理解する事ができた。
真紅の騎士団がサラディルの兵士と睨めっこをしている状態だ。何故援軍に来た騎士団と兵士がにらみ合っているのかと言えば、俺のワイバーンを戦力として徴発すると言っているのようだ。
「お前ら! これ以上近付くな!」
俺らの接近に気付いたサラディルの兵士が俺たちに警告を発してきた。
それに気付いた真紅の騎士団の団長が、慌てて警告を出した兵士を蹴飛ばして俺の前に駆け付けた。
「申し訳ありません! 兵士に下がる様に言っているのですが、私たちの事を知らないようで、戦時中における特権みたいなもので、徴発できる事だけを刷り込まれた兵士という感じですかね? 王国の物であれば徴発はしてもいいけど、帳尻合わせをしないといけないんですけどね」
ですが、大抵の場合は泣き寝入りするしかないためか、無制限に徴発しても問題ない……みたいな考えがあったりするんですよね、みたいなことを言って困っていた。
吹っ飛ばされた兵士が起き上がりこちらに何か言ってきている。ハッとしたサラディルの兵士が我に返り武器を抜き始めた。
この状況を放置する事ができないと判断した団長は、
「全員、抜剣! 極力殺すな! だが、こんなアホ共相手に怪我をする位なら殺せ!」
そこからは、一方的だった。王国でも選りすぐりの騎士が集まる真紅の騎士団だ。街の兵士レベルの技量で相手になるわけが無い。
あたりが静かになると、おそらく300人程いたサラディルの兵士は沈黙していた。いや、痛みであーうー言っているので沈黙はしてないか?
そして真紅の騎士団は、10人程どさくさに紛れて殺しているな。おそらく、この集団の指揮官みたいなのと、小隊長クラスに止めを刺していた。頭を潰せばとりあえず暴走は無くるなると考えてたのかな?
真紅の騎士団の団員は、痛みにうめいている兵士を縛り上げていく。
兵士は馬車で来ていたため、それに放り込んで副隊長が指揮して100人程が移動を開始した。
「申し訳ありませんでした。これからサラディルの領主と話をつけに行かせます。そして、これが希望されていた物です。これを見せて大人しくならないようでしたら、無力化していただいて構いません。もちろん殺しても問題はないです」
と、団長は俺達に説明してくれた。まぁ無制限とは言わないが、かなりの権限を付与される命令書みたいな物らしい。
問題の火種になりそうなので、ワイバーンはディストピアに戻ってもらう様にお願いした。
俺たちは、真紅の騎士団と一緒に門に向かう事になった。その道中にサラディルの状況を色々教えてもらった。
現状戦力が足りていないのは領主は分かっているようで、ある程度戦える者は徴兵され訓練の最中にあるのだとか。即席の訓練で何ができるとは思わないが、特にレベルなんたある世界だからな……
それでも、ただ蹂躙されるよりはマシだろうという話で、仕方がなくやっている事なのだとか。そのせいか、チンピラ兵士のような奴らが増え、今回みたいな盗賊まがいな事が起きてしまうらしい。
戦時中なら、どの貴族もある程度の徴発は行っているが、やり過ぎる事はあまりないのだが、統率の取れていない人間がいると状況が変わるからな。
現状ここまでくる商人はいないので、身包みを剥がされるような行商人はいないだろうが、噂が広まったらサラディル自体が衰退していく未来しか見えないと団長は語っていた。
道中にみた商人が気になったので聞いてみると、サラディルの近くの街で食料なんかを売って儲けているのだとか。サラディルの近くの領主が買取り、サラディルに売りつけ利益を出す。まぁ他国との戦争なので、それを兵糧として前線で戦っているのだが……
行商人も色々考えているんだな。
門でも一悶着あったようで、門番の半分程が倒れていたため、騎士団の面々が状況確認をするために先行していった。俺たとはその場で待機……
そうすると、不意に俺たちの警戒度がマックスまで上がった。不穏な空気を感じたため、全員が戦闘態勢に入ったのだ。
索敵範囲内にはおかしな反応は無い……だが、明らかに空気が先程とは変わっている。マップ先生を見て驚愕した。
なぜお前がいる!
同行者は、ミリーと年長組、鬼人10名ので、俺を合わせて20名でサラディルへ向かう。ちなみに、俺だけはドッペルでの移動になる。
俺たち以外の同行者として、ウォーホースとニコとスライム、バッハ、ダマ、グレン、シエルが付いてきている。ウォーホース以外は、体を小さくできるのでペット的扱いという感じだろう。
正直、従魔のどれか1匹でもいれば、街一つなんて簡単に落とす事ができる戦力である。特にニコはヤバいだろうな。
こいつ最近めっちゃ強くなってるんだよな。元々スライムなので、打撃や斬撃、刺突にはかなり強い。魔法が弱点と言えば弱点なのだが、全属性の魔法を使えるようになっているし、結界も使えるのでもう手が付けられん。
俺がガチンコで戦っても攻めきれずに引き分けで終わるね。というか、今のニコに勝てるやつって……いるのかな? リヴァイアサンと勝負しても引き分けだろうな。ニコは呼吸しなくてもいいから、水攻めも効かないしな。もし食べたら、一寸法師みたいに内側から……って事もあり得る。
あ~でも、聖国から来たSSSランクの冒険者が持ってた武器を使えば、何とかなるかもしれないな。あの武器って魔法吸収するから、しつこく切り付けてれば倒せるかもしれん。
仲間同士の戦闘なんて考えても不毛だな。ニコはブラウニーの飯が大好きだから……あ~勝てる奴いたな。シルキーたちなら絶対にニコも逆らわないし、勝てるだろうな。
「ミリー、緊張してるのか?」
「うん……緊張とかとは違うかな。お金は送ってるけど、飛び出してから一度も帰ってないからね」
「ミリーさん、家族はいつまで経っても家族ですから大丈夫ですよ。それに私たちもいるんですから何も心配はいらないですよ」
とシュリが励ましているのは分かるんだけど、何か違う気がするんだが。
ミリーも微妙な顔をしていたが、心配してくれている事が分かったので笑顔が見えた。
しばらく進んでいると、あれ? 竜騎士とワイバーン、それに真紅の騎士団がいるのは良いのだが……ちょっと数が多くないか? 目算で500人以上は合流地点にいるのだが?
近付いた事で、状況を理解する事ができた。
真紅の騎士団がサラディルの兵士と睨めっこをしている状態だ。何故援軍に来た騎士団と兵士がにらみ合っているのかと言えば、俺のワイバーンを戦力として徴発すると言っているのようだ。
「お前ら! これ以上近付くな!」
俺らの接近に気付いたサラディルの兵士が俺たちに警告を発してきた。
それに気付いた真紅の騎士団の団長が、慌てて警告を出した兵士を蹴飛ばして俺の前に駆け付けた。
「申し訳ありません! 兵士に下がる様に言っているのですが、私たちの事を知らないようで、戦時中における特権みたいなもので、徴発できる事だけを刷り込まれた兵士という感じですかね? 王国の物であれば徴発はしてもいいけど、帳尻合わせをしないといけないんですけどね」
ですが、大抵の場合は泣き寝入りするしかないためか、無制限に徴発しても問題ない……みたいな考えがあったりするんですよね、みたいなことを言って困っていた。
吹っ飛ばされた兵士が起き上がりこちらに何か言ってきている。ハッとしたサラディルの兵士が我に返り武器を抜き始めた。
この状況を放置する事ができないと判断した団長は、
「全員、抜剣! 極力殺すな! だが、こんなアホ共相手に怪我をする位なら殺せ!」
そこからは、一方的だった。王国でも選りすぐりの騎士が集まる真紅の騎士団だ。街の兵士レベルの技量で相手になるわけが無い。
あたりが静かになると、おそらく300人程いたサラディルの兵士は沈黙していた。いや、痛みであーうー言っているので沈黙はしてないか?
そして真紅の騎士団は、10人程どさくさに紛れて殺しているな。おそらく、この集団の指揮官みたいなのと、小隊長クラスに止めを刺していた。頭を潰せばとりあえず暴走は無くるなると考えてたのかな?
真紅の騎士団の団員は、痛みにうめいている兵士を縛り上げていく。
兵士は馬車で来ていたため、それに放り込んで副隊長が指揮して100人程が移動を開始した。
「申し訳ありませんでした。これからサラディルの領主と話をつけに行かせます。そして、これが希望されていた物です。これを見せて大人しくならないようでしたら、無力化していただいて構いません。もちろん殺しても問題はないです」
と、団長は俺達に説明してくれた。まぁ無制限とは言わないが、かなりの権限を付与される命令書みたいな物らしい。
問題の火種になりそうなので、ワイバーンはディストピアに戻ってもらう様にお願いした。
俺たちは、真紅の騎士団と一緒に門に向かう事になった。その道中にサラディルの状況を色々教えてもらった。
現状戦力が足りていないのは領主は分かっているようで、ある程度戦える者は徴兵され訓練の最中にあるのだとか。即席の訓練で何ができるとは思わないが、特にレベルなんたある世界だからな……
それでも、ただ蹂躙されるよりはマシだろうという話で、仕方がなくやっている事なのだとか。そのせいか、チンピラ兵士のような奴らが増え、今回みたいな盗賊まがいな事が起きてしまうらしい。
戦時中なら、どの貴族もある程度の徴発は行っているが、やり過ぎる事はあまりないのだが、統率の取れていない人間がいると状況が変わるからな。
現状ここまでくる商人はいないので、身包みを剥がされるような行商人はいないだろうが、噂が広まったらサラディル自体が衰退していく未来しか見えないと団長は語っていた。
道中にみた商人が気になったので聞いてみると、サラディルの近くの街で食料なんかを売って儲けているのだとか。サラディルの近くの領主が買取り、サラディルに売りつけ利益を出す。まぁ他国との戦争なので、それを兵糧として前線で戦っているのだが……
行商人も色々考えているんだな。
門でも一悶着あったようで、門番の半分程が倒れていたため、騎士団の面々が状況確認をするために先行していった。俺たとはその場で待機……
そうすると、不意に俺たちの警戒度がマックスまで上がった。不穏な空気を感じたため、全員が戦闘態勢に入ったのだ。
索敵範囲内にはおかしな反応は無い……だが、明らかに空気が先程とは変わっている。マップ先生を見て驚愕した。
なぜお前がいる!
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