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第1104話 便利道具の普及状況
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ニコの大冒険を見てから2日後、俺はいつも通りゴーストタウンの工房へ足を運んでいる。そのまま仕事を始めて1時間ほど経った頃、
「シュウ様! ここにいましたか」
作業スペースにゼニスがやって来た。ここには行ってこれる人間は多くないので、誰かと思ったがゼニスだった。それにしても作業スペースまで来るのは珍しくないか? 何かあったのだろうか?
「少し時間失礼します。ミキサーと洗濯機、脱水機の報告に来ました。造り始めてからかなり時間が経ちましたが、きちんとした報告をしていなかったので、報告しようと思い足を運ばせていただきました」
そういえば、順調とか需要はまだまだある……みたいな事を言っていたけど、実際にどうなってるのかよくわかってないよな。そこら辺を報告しに来た感じか。
簡単に言えば、ディストピアの方での普及率はほぼ100パーセントらしい。100パーセントで無いのは、来たばかりの移住者もいるため、まだ購入できていない家族がいるというだけの話だった。
ゴーストタウンでの普及率は、洗濯機⇒脱水機⇒ミキサーの順のようだ。洗濯機が約30パーセント、脱水機が約25パーセント、ミキサーが約10パーセント位だとの事。
あまり普及していないと思ったが、住んでいる人数が今も増えており、宿とかを長期で借りている冒険者も多いため、このパーセントも結構適当だったりするみたいだ。平均的な家族が5人家族なので、人口の5分の1に対して、ゴーストタウンで売れた数で算出しているためこうなっているらしい。
ミキサーが他に比べて少ないのは、講習を受けて試験に合格しないと購入権が与えられない事と、ゴーストタウンは冒険者が多いため普及率が低くなっているらしい。これがきちんとした家庭であれば、半数以上の家庭にミキサーが普及しているとか。
洗濯機や脱水機も一般的な家庭の普及率は、ミキサーよりちょっと多い位なのだが、パーセントにすると高くなるのは、冒険者たちが利用する宿に、その2つを複数設置している所が多いためだ。
洗濯などは基本的に自分たちでしないといけないのだが、その時間を使った方がお金を稼げるようになっているパーティー等は、宿の有料オプションで洗濯を宿にしてもらっているとか。
そこに雇われているのが、お金に困っている新人冒険者とか近くの主婦たちらしいので、上手く回っているみたいだ。しかも洗濯担当の新人冒険者や主婦たちは、手が空いたら自分たちの洗濯もしていいとの事で契約しているようだ。
これを考えると、洗濯機や脱水機を使っている家庭の割合はもっと多くなるらしい。
洗濯機や脱水機は、そろそろ量産の必要がなくなるようなので、商会にある程度の在庫が残る様に生産していく事となるらしい。それらは、下請けの工房に定期的な注文をして、納品してもらう形をとるので問題ないとの事だ。
ミキサーに関しては、もうしばらく量産した後に洗濯機や脱水機と同じように、定期的な注文になるようだ。ただ、ミキサーの枠に関してはしばらくは、うちの工房で作る事になっている。
最後にみじん切り器についての話が持ち上がった。
みじん切り器に関しては、初めのうちこそ買う人が出たが、今は家庭ではほとんど使われていない。ミンチ肉を作るためにと思ったのだが、精肉店でミンチにするようになったため、精肉店が一般家庭からみじん切り器を買ってまとめてやっているらしい。
ここでも力の有り余っている冒険者を雇って、貢献してもらっているようだ。いちいち家庭でやるのも大変だもんな。それなら精肉店でまとめてやってもらった方が便利か。多少高くても誤差の範囲だろう。
特にミンチ肉を扱っている店には、ブラウニーの抜き打ち監査が入るので、衛生状態にはかなり気を使っているらしい。
普通の肉に関しては、腐敗しにくくなる魔導具で保管しているので、消費期限が多少長く設定されているが、ミンチ肉に関しては同じ保管方法でも、売り出していいのは2日と決めているとか。
ただ、3日目は売りには出せないが、総菜に加工してしっかりと火を通すのであれば問題ないとの事で、売り出されている。ただ肉だけを見てそれを判断する事ができないので、多少甘い部分があるのはしょうがないだろう。
だが、明らかに不正をしている店に関しては、教育的指導が入る。これで改められなければ営業停止、状況が酷い場合には犯罪奴隷となる。
魔導具のおかげで、保存技術が拙くとも店では地球と変わらない水準を、維持できているので問題にならない事が多いのだが、衛生状態が良くない所はすぐに食中毒を起こしてしまうため、厳しめの処罰をしている。
そこら辺の判断をしているのが、衛兵とか裁判官ではなくブラウニーだという点が特異な事だろう。家事に置いて妥協を許さないブラウニーの判断であるため、絶対的信頼の元受け入れるしかないのだ。
ゴーストタウンで逆らってはいけないトップ3に入るのがブラウニーである。そのブラウニーが怒れる状態の場合は無条件で頷くしかないというのが、ゴーストタウンの暗黙の了解となっている。
以前、小さな見た目に反抗した人間がいたそうだが、メイスで叩き伏せられ何処からともなく現れたブラウニーの集団に連れていかれ、2日後に魂が抜けた状態で家に帰って来た事があったらしい。それも何度も……それから逆らう人がいなくなったとか。
ちなみに逆らってはいけないトップ3に後に2枠は、実質3位のこの街の領主代行。ブラウニーと同率1位の俺の妻たちとの事だ。俺はあまり表に出ないのでゴーストタウンができた頃はトップだったが、最近は存在が薄くなっているようだ。
妻たちが高かったのは、他国から情報戦争等でゴーストタウンに入って来た間者を、有無を言わさず連れていく姿を度々見かけるため、トップ3に名を連ねているとか。
妻たちがたまに全員姿が見えなってたのって、そういう事だったのか……俺の中傷がある時に限ってなので基本実害はないが、怒らせてはいけないと認識されている。俺の悪口も基本的にはほとんどない。恐怖政治みたいになってなくもないな。
そういえば番外編でニコが入っていたのには笑った。別にニコ自体が怖いのではなく、ニコに何かしようとすると、周囲がもれなく敵に回るため、番外として名を連ねているとか。
「シュウ様! ここにいましたか」
作業スペースにゼニスがやって来た。ここには行ってこれる人間は多くないので、誰かと思ったがゼニスだった。それにしても作業スペースまで来るのは珍しくないか? 何かあったのだろうか?
「少し時間失礼します。ミキサーと洗濯機、脱水機の報告に来ました。造り始めてからかなり時間が経ちましたが、きちんとした報告をしていなかったので、報告しようと思い足を運ばせていただきました」
そういえば、順調とか需要はまだまだある……みたいな事を言っていたけど、実際にどうなってるのかよくわかってないよな。そこら辺を報告しに来た感じか。
簡単に言えば、ディストピアの方での普及率はほぼ100パーセントらしい。100パーセントで無いのは、来たばかりの移住者もいるため、まだ購入できていない家族がいるというだけの話だった。
ゴーストタウンでの普及率は、洗濯機⇒脱水機⇒ミキサーの順のようだ。洗濯機が約30パーセント、脱水機が約25パーセント、ミキサーが約10パーセント位だとの事。
あまり普及していないと思ったが、住んでいる人数が今も増えており、宿とかを長期で借りている冒険者も多いため、このパーセントも結構適当だったりするみたいだ。平均的な家族が5人家族なので、人口の5分の1に対して、ゴーストタウンで売れた数で算出しているためこうなっているらしい。
ミキサーが他に比べて少ないのは、講習を受けて試験に合格しないと購入権が与えられない事と、ゴーストタウンは冒険者が多いため普及率が低くなっているらしい。これがきちんとした家庭であれば、半数以上の家庭にミキサーが普及しているとか。
洗濯機や脱水機も一般的な家庭の普及率は、ミキサーよりちょっと多い位なのだが、パーセントにすると高くなるのは、冒険者たちが利用する宿に、その2つを複数設置している所が多いためだ。
洗濯などは基本的に自分たちでしないといけないのだが、その時間を使った方がお金を稼げるようになっているパーティー等は、宿の有料オプションで洗濯を宿にしてもらっているとか。
そこに雇われているのが、お金に困っている新人冒険者とか近くの主婦たちらしいので、上手く回っているみたいだ。しかも洗濯担当の新人冒険者や主婦たちは、手が空いたら自分たちの洗濯もしていいとの事で契約しているようだ。
これを考えると、洗濯機や脱水機を使っている家庭の割合はもっと多くなるらしい。
洗濯機や脱水機は、そろそろ量産の必要がなくなるようなので、商会にある程度の在庫が残る様に生産していく事となるらしい。それらは、下請けの工房に定期的な注文をして、納品してもらう形をとるので問題ないとの事だ。
ミキサーに関しては、もうしばらく量産した後に洗濯機や脱水機と同じように、定期的な注文になるようだ。ただ、ミキサーの枠に関してはしばらくは、うちの工房で作る事になっている。
最後にみじん切り器についての話が持ち上がった。
みじん切り器に関しては、初めのうちこそ買う人が出たが、今は家庭ではほとんど使われていない。ミンチ肉を作るためにと思ったのだが、精肉店でミンチにするようになったため、精肉店が一般家庭からみじん切り器を買ってまとめてやっているらしい。
ここでも力の有り余っている冒険者を雇って、貢献してもらっているようだ。いちいち家庭でやるのも大変だもんな。それなら精肉店でまとめてやってもらった方が便利か。多少高くても誤差の範囲だろう。
特にミンチ肉を扱っている店には、ブラウニーの抜き打ち監査が入るので、衛生状態にはかなり気を使っているらしい。
普通の肉に関しては、腐敗しにくくなる魔導具で保管しているので、消費期限が多少長く設定されているが、ミンチ肉に関しては同じ保管方法でも、売り出していいのは2日と決めているとか。
ただ、3日目は売りには出せないが、総菜に加工してしっかりと火を通すのであれば問題ないとの事で、売り出されている。ただ肉だけを見てそれを判断する事ができないので、多少甘い部分があるのはしょうがないだろう。
だが、明らかに不正をしている店に関しては、教育的指導が入る。これで改められなければ営業停止、状況が酷い場合には犯罪奴隷となる。
魔導具のおかげで、保存技術が拙くとも店では地球と変わらない水準を、維持できているので問題にならない事が多いのだが、衛生状態が良くない所はすぐに食中毒を起こしてしまうため、厳しめの処罰をしている。
そこら辺の判断をしているのが、衛兵とか裁判官ではなくブラウニーだという点が特異な事だろう。家事に置いて妥協を許さないブラウニーの判断であるため、絶対的信頼の元受け入れるしかないのだ。
ゴーストタウンで逆らってはいけないトップ3に入るのがブラウニーである。そのブラウニーが怒れる状態の場合は無条件で頷くしかないというのが、ゴーストタウンの暗黙の了解となっている。
以前、小さな見た目に反抗した人間がいたそうだが、メイスで叩き伏せられ何処からともなく現れたブラウニーの集団に連れていかれ、2日後に魂が抜けた状態で家に帰って来た事があったらしい。それも何度も……それから逆らう人がいなくなったとか。
ちなみに逆らってはいけないトップ3に後に2枠は、実質3位のこの街の領主代行。ブラウニーと同率1位の俺の妻たちとの事だ。俺はあまり表に出ないのでゴーストタウンができた頃はトップだったが、最近は存在が薄くなっているようだ。
妻たちが高かったのは、他国から情報戦争等でゴーストタウンに入って来た間者を、有無を言わさず連れていく姿を度々見かけるため、トップ3に名を連ねているとか。
妻たちがたまに全員姿が見えなってたのって、そういう事だったのか……俺の中傷がある時に限ってなので基本実害はないが、怒らせてはいけないと認識されている。俺の悪口も基本的にはほとんどない。恐怖政治みたいになってなくもないな。
そういえば番外編でニコが入っていたのには笑った。別にニコ自体が怖いのではなく、ニコに何かしようとすると、周囲がもれなく敵に回るため、番外として名を連ねているとか。
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