ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1097話 やっと帰って来た

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 1日ダンジョンの中に泊まってから地上に出てきている。

「結局、ダンジョンコアなかったね」

「無かったね~ご主人様! このダンジョンどうするの~?」

 メルフィが俺にそう聞いてきた。

「ん~管理できないけど、このままダンジョンとして活躍してもらおうと思ってるよ。一番厄介な場所はショートカットできるし、あの沼地だって俺たちが気付かなかっただけで、何か有用なものがあるかもしれないしな」

 そうなんだ~と言って、年少組はダンジョンから興味を失って、土木組の所に行ってくると駆け出していった。何処にいるか分からないのにどうするんだ? って、ドッペルだから解除して、建物の上から見れば場所はわかるか。

「もぅ、あの子たちは……ご主人様、どうなさいますか?」

 ピーチが苦笑しながら年少組の行動を見送り、どうするのかの相談が始まった。一先ず、憑依を解除して話し合いをする事になった。

「よく考えたらこれ以上、俺たちがする事ってないんだよね。だから、ドワーフたちの指示に従って街の環境を整えたら、後は丸投げかな?」

 話し合いの最後に俺がそう言うと、みんなが苦笑した。みんなには休むように伝えたが、早く家に帰りたい俺は、ドワーフたちの指示に従って作業を開始した。

 俺たちがダンジョンに潜っていた4日の間に、思った以上に作業が進んでいた。

 区画整理は、ほぼ完ぺきに終わっており、敷地もきれいに割り振られていたのだ。建物もかなり増えており、人が来ればもう住める状態になっている区画もあった。俺はドワーフにそこに割り振られ、建物を建てる事になった。

 俺がそういう事が得意だという事を知っているので、妥当な配置だろう。

 そして、キレイに割り振られているとはいえ、土地のサイズや形には微妙に違いがある。10種類の建物を設計しており、一番良さそうな物の建てていくという形になっている。

 ドワーフが割り振った土地に数字を書き込んでいき、その番号に合わせた建物を建てていく形だ。その建物を建てている時に気付いたのだが、敷地を仕切る塀などが無かったのだ。

 後で聞いてみると、塀等で仕切るとその塀に隠れて悪さをする人間が必ず出てくる……という話が多く聞かれていたのだ、この街では実験的に塀を作らない、作らせない事になったのだ。

 ただそうすると洗濯物を干す時に困るので、この街の建物は他の街より広くして庭が狭くなっている。そして、屋上やバルコニーみたいな部分に干せるような設計がされていた。

 よく考えられているな……なんて思いながら、素材になる石や土をDPで召喚してからサクサクと家を建てていく。

 3日程の作業で100軒以上の家を建てた。年少組は土木組の農地の開拓、年中組は水路の微調整、年長組は俺と同じ建物を建てていた。

 と言う事で、ここでする事が終わり、ディストピアに戻る事になった。

 丸1ヶ月はディストピアを離れていたので、ディストピアに戻ってきてすぐに娘たちの部屋に突撃した。臭いとか言われないように、移動中の魔導列車で何度も体を念入りに洗ったくらいだ。

 子ども部屋に入って、娘たちの姿を見て立ち止まってしまった。

「ハイハイしてる! いつの間に!? 連絡した時には教えてくれなかったじゃん!」

「シュウ君、何言ってるの。もし連絡の時にハイハイしだしたよ、なんて言ったら飛んで帰って来たでしょ? それだから3人で相談して、帰ってくるまで教えない事にしたのよ」

 確かにそんな事を聞いたら、絶対に戻ってきた自信があるな……でも……でも……

「きちんと動画をとってあるから大丈夫よ。それよりも娘たちを可愛がってあげて」

 カエデがそう言うと、抱き上げてダーダー言っていた自分の娘たちを3人が解放すると、タッタッタと音がするようなスピードで、ミーシャが俺の所へ突進してきた。ガックリしていた体勢から胡坐に移行していた俺の胡坐の上に乗ってきて、俺の顔をペチペチ叩いてくる。

 脇に手を入れて高い高いをしてしてあげると、手足をバタバタ動かすのでちょっと危なっかしかったので、俺の胡坐の中に納まるようにして座らせて、わしゃわしゃしてあげると体をバタつかせて喜んでいる様子だ。

 そんな事をしていると、遅れてきたスミレとブルムが俺の左右の膝の上に手を置いてよじ登ろうとしてきた。

 でも、ミーシャに比べて成長が遅いので少し危なっかしい動きだった。しっかりと胡坐におさまっているミーシャから手を放して、胡坐の右膝の上にスミレ、左膝の上にブルムを乗せてみんなをまとめて抱っこする。

「シュウ君の事をパパだってしっかり理解してるのかな? シュウ君が向こうに行ってから3週間目に入った頃に、部屋に誰かが入ってくるのが分かる顔を向けて、確認して残念そうな顔をする事があったよ。シュウ君じゃない事に、残念がっていたんじゃないかな?」

「え? もうそこまで目が見えてて、誰か判断できるもんなのか? 俺の事をしっかり分かってて懐いてくれているとなると……嬉しいな」

 そんな事を話していると、娘たちが足の上で動いていつの間にか3人で抱き着いていた。どういう状況か分からないけど、微笑ましい状況にほっこりしてしまう。

 そしてミーシャが俺の顔を見てアーアー言い出すと、3人で俺の胸を押してきたのでやられたふりでもしてみるか? と思って押し倒される形で後ろに倒れると、娘たち3人が組んで俺の胸や顔、腕等にペチペチ攻撃をしてきた。

 娘と遊べて嬉しい俺は、3人とそのまま遊んでいたのだが、母親の3人は、

「私たちにはしないのに、何でシュウの事をペチペチ叩くのかな?」

「確かにそうね、でも娘たちの様子を見る限り、負の感情で攻撃しているような印象じゃなくて、楽しんでいるような感じなのよね」

「シュウ君が好きなのは嬉しいよね。シュウ君が度々、娘がパパ嫌い! 何て言ったら死ぬ自信があるとか言ってるもんね。確かに子供に嫌われたらショックだろうけど、前に息子に嫌われたらどうする? みたいなこと聞いたら、わりとどうでもいいみたいな事言ってたよね」

「そんな事言ってたね。まぁ私たちも息子ができて反抗期でもないのに嫌いって言われたら、しばらく立ち直れない気はするけどね」

「それでも、シュウほどではないでしょ? あの様子見てたら、娘に嫌いって言われたら死にはしないだろうけど、言われたら趣味部屋に引きこもりそうよ」

 母親3人がそんな話をしていたのだが、俺は気付かずに娘たちと遊び続けた。30分位すると遊び疲れてウトウトしだしたので、一緒にお昼寝をした。ミーシャは俺のお腹の上でうつ伏せに寝て、スミレとブルムはわきの下のあたりで寝ている。
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