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第1083話 面倒の上に面倒
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フレデリクに到着して1泊した後に、ダンジョンの入口がある場所へ向買おうとしたが、少し不穏な状況になっていると聞いたので、フレデリクとリーファスの領地を囲んだ大きな壁の出入り口の門へ向かっている。
「えっと、門の外に軍隊らしき一団がいて、壁の中に入れろって騒いでるんだっけ? 隣の何とかっていう街の集団みたいで、ダンジョンの入口付近までは自分たちの領地だから明け渡せ、みたいな事を言ってるんだっけ? 門の警備の人間はどうしてる?」
「報告では、門の人間では対応できないので、門を閉めて門を挟んで会話をしている様です」
「お~無駄に危ない事してないんだな。ちなみに何日経ってる?」
「話では、集団が到着して3日らしいです」
「対応できる人がいなくて、放置してる感じかな?」
「その様ですね。そこにちょうど私たちが着たので、お願いする形になったようです。昨日から、城壁破壊などを試みているようですが、大きな傷はつけられていないようです」
2日目にして攻城戦? 違うか。攻壁戦? を始めるとは。壁を突破して実効支配でもして、ダンジョンを自分たちの物だと主張したいのかな?
ちなみに、今の説明をしてくれたのは、ガリアだ。今回、フレデリクに行くといった時についていくと言い出して、一緒に来ている。グリエルも問題ないから、俺のサポートをしてくれと激励されていた。本当なら自分が付いていきたいというようなことも言っていたな。
「とりあえず、土木組の皆は壁の中で待機。魔法組は城壁の上でいつでも魔法発動をできるように待機。前衛組は一応フル装備。俺は、門の上から話し合いでもしてみるわ」
「シュウ様! 話し合いは私にお任せください。後、攻撃された時のために、1人護衛をつけていただければと思いますが、よろしいですか?」
「ピーチ」
「分かりました。キリエ、結界でガリアさんを守ってあげてください」
あれ? ピーチにお願いしたつもりが、キリエが誰かを指名する流れになったようだ。実力的には問題ないけど、まぁいいか。
全員が配置に着く間に外の様子をうかがう。人数的には500人程いるようだ。門も壁も攻撃しているようだが、被害はほとんど出ていない。門に関しては、俺の特注なので壁より先に壊れたら困る。
あっ、ガリアが城壁の上にって、何で壁を壊そうとしてるんだ? 乗り越えればって、この世界ってよく考えたら人間たちによる戦争……攻城戦のような城壁を攻める戦争って、あまりないんだっけ? 乗り越えるような道具って考えはないのかな?
「門や壁に攻撃を仕掛けている蛮族共、直ちに攻撃を止め自分たちのアジトへ引き返せ!」
ん? ガリアは挑発してるのか?
「我々が蛮族だと! 我々は王国の騎士である! 不当に占拠しているダンジョン周辺の土地を解放しろ!」
「王国の騎士であるなら、この壁の内側はシュウ様の領土であることは知っているはずだ。それにこの壁はシュウ様の所有物である。これ以上傷付けるのであれば、賊として処分する。直ちに壁から離れろ!」
「ふざけるな! ここは王国の領土である。お前らが不法に占拠している状況は、これ以上看過できない! 直ちに我々に不法占拠している土地を返せ!」
ん~とりあえず、こいつらは、ダンジョンができたからって、欲をかいた隣街の貴族から派遣された軍って事かな? 王国の騎士と言って王国全体が敵になるような事を言って、俺達を脅しているのだろうか?
引く気はないようだけど、どうする?
変な事を考えている間に、ガリアが弓で攻撃されていた。あんな工夫も付与もされていない矢が、結界を突き破れるわけもなくはじかれた。
「交渉決裂ですね。話は終わりにしましょう。壊せるものなら頑張って壊してみてください。私たちはこれから準備を始めますので、完了するまでに逃げておいた方が身のためですよ」
そう言って城壁から降りてきた。
「シュウ様、向こうは話し合いをするつもりはなさそうですね。どうにかしてダンジョンを手中に収めたいようですね。いかがなさいますか?」
「とりあえず、王国の騎士を名乗っているみたいだから、国王に連絡を入れてみるか。まぁ十中八九、隣街の領主の独断だろうけどな」
「分かりました。グリエルに連絡をして、あちらから話をしてもらいましょう。今の状況も執務室で見ていると思うので」
『シュウ様。こちらはもう準備ができていますので、国王に連絡を入れます。そのまま様子を聞いていてください』
急に後ろから声がしたかと思ったら、いつの間にか待機していた土木組が、魔導無線を繋げてグリエルに状況を知らせていたようだ。誰の指示だ?
グリエルは王国に魔導無線を繋げ、少し高圧的に話し始めた。内容は、フレデリク・リーファス、我々の領地の壁に攻撃を仕掛けてきている賊が王国の騎士と名乗って、王国の名を使って領土を明け渡せと言っているけど、中枢の決定なのか?みたいな事を言っている。
それを聞いた国王や国の中枢の重鎮たちは、慌てふためいていた。俺たちは元々国のトップたちが関わっているとは、思っていなかったのでこの様子は予想できていた。では、どうするかと言う話だ。
隣街の軍隊であれば、戦争と言う事になる。そうすると、また無駄に俺の領地が増える結果になってしまう。増えると管理しているグリエルの面倒が増えるので、わざわざほしくないのだが戦争に勝てば俺の領土になってしまう。
なら、盗賊として処理して全員奴隷として売り払えばどうか? と言う話になったが、奴隷に落とす際に隣街の騎士兵士である事を言うと話がこじれるらしい。無視してもいいのでは? と思うが、奴隷商も盗賊でなければ、出自を確認しないわけにはいかないらしい。
もしそれで本当に隣街の騎士兵士であった場合、背後関係を調べるために国や冒険者ギルド等、に報告しなければならなようだ。2~3人であれば、盗賊として処理できるのだが、10~20人となればだれが関わっているのか調べるらしい。
それに当てはめると、500人規模であるとどう考えても、街のトップが関わっているのは間違いないので、領主の責任になるそうだ。
今回は違う国同士の街なので、トップの話となり結果、俺の街が増えると言う事になる。
それを避けたい王国は、今訓練中の騎士団が比較的近くにいるようなので、その騎士団を急行させるので、開戦はしないでほしいと頼まれた。到着まで4日程、周囲の壁は自動修復機能を持っているので、今の攻撃を10年続けた所で壊れる事は無い。
でもウザいことには変わりない。壊れないと分かったら、多少でも知恵のある人間が乗り越えればいいんじゃね? とか考える人が出てくるかもしれない。
土魔法があれば、簡単に超えてくることができるんだけどな。あまり習得者がいないので、気にする必要はないかな?
まぁ騎士団が来るまでの4日はここで過ごすしかないか?
「えっと、門の外に軍隊らしき一団がいて、壁の中に入れろって騒いでるんだっけ? 隣の何とかっていう街の集団みたいで、ダンジョンの入口付近までは自分たちの領地だから明け渡せ、みたいな事を言ってるんだっけ? 門の警備の人間はどうしてる?」
「報告では、門の人間では対応できないので、門を閉めて門を挟んで会話をしている様です」
「お~無駄に危ない事してないんだな。ちなみに何日経ってる?」
「話では、集団が到着して3日らしいです」
「対応できる人がいなくて、放置してる感じかな?」
「その様ですね。そこにちょうど私たちが着たので、お願いする形になったようです。昨日から、城壁破壊などを試みているようですが、大きな傷はつけられていないようです」
2日目にして攻城戦? 違うか。攻壁戦? を始めるとは。壁を突破して実効支配でもして、ダンジョンを自分たちの物だと主張したいのかな?
ちなみに、今の説明をしてくれたのは、ガリアだ。今回、フレデリクに行くといった時についていくと言い出して、一緒に来ている。グリエルも問題ないから、俺のサポートをしてくれと激励されていた。本当なら自分が付いていきたいというようなことも言っていたな。
「とりあえず、土木組の皆は壁の中で待機。魔法組は城壁の上でいつでも魔法発動をできるように待機。前衛組は一応フル装備。俺は、門の上から話し合いでもしてみるわ」
「シュウ様! 話し合いは私にお任せください。後、攻撃された時のために、1人護衛をつけていただければと思いますが、よろしいですか?」
「ピーチ」
「分かりました。キリエ、結界でガリアさんを守ってあげてください」
あれ? ピーチにお願いしたつもりが、キリエが誰かを指名する流れになったようだ。実力的には問題ないけど、まぁいいか。
全員が配置に着く間に外の様子をうかがう。人数的には500人程いるようだ。門も壁も攻撃しているようだが、被害はほとんど出ていない。門に関しては、俺の特注なので壁より先に壊れたら困る。
あっ、ガリアが城壁の上にって、何で壁を壊そうとしてるんだ? 乗り越えればって、この世界ってよく考えたら人間たちによる戦争……攻城戦のような城壁を攻める戦争って、あまりないんだっけ? 乗り越えるような道具って考えはないのかな?
「門や壁に攻撃を仕掛けている蛮族共、直ちに攻撃を止め自分たちのアジトへ引き返せ!」
ん? ガリアは挑発してるのか?
「我々が蛮族だと! 我々は王国の騎士である! 不当に占拠しているダンジョン周辺の土地を解放しろ!」
「王国の騎士であるなら、この壁の内側はシュウ様の領土であることは知っているはずだ。それにこの壁はシュウ様の所有物である。これ以上傷付けるのであれば、賊として処分する。直ちに壁から離れろ!」
「ふざけるな! ここは王国の領土である。お前らが不法に占拠している状況は、これ以上看過できない! 直ちに我々に不法占拠している土地を返せ!」
ん~とりあえず、こいつらは、ダンジョンができたからって、欲をかいた隣街の貴族から派遣された軍って事かな? 王国の騎士と言って王国全体が敵になるような事を言って、俺達を脅しているのだろうか?
引く気はないようだけど、どうする?
変な事を考えている間に、ガリアが弓で攻撃されていた。あんな工夫も付与もされていない矢が、結界を突き破れるわけもなくはじかれた。
「交渉決裂ですね。話は終わりにしましょう。壊せるものなら頑張って壊してみてください。私たちはこれから準備を始めますので、完了するまでに逃げておいた方が身のためですよ」
そう言って城壁から降りてきた。
「シュウ様、向こうは話し合いをするつもりはなさそうですね。どうにかしてダンジョンを手中に収めたいようですね。いかがなさいますか?」
「とりあえず、王国の騎士を名乗っているみたいだから、国王に連絡を入れてみるか。まぁ十中八九、隣街の領主の独断だろうけどな」
「分かりました。グリエルに連絡をして、あちらから話をしてもらいましょう。今の状況も執務室で見ていると思うので」
『シュウ様。こちらはもう準備ができていますので、国王に連絡を入れます。そのまま様子を聞いていてください』
急に後ろから声がしたかと思ったら、いつの間にか待機していた土木組が、魔導無線を繋げてグリエルに状況を知らせていたようだ。誰の指示だ?
グリエルは王国に魔導無線を繋げ、少し高圧的に話し始めた。内容は、フレデリク・リーファス、我々の領地の壁に攻撃を仕掛けてきている賊が王国の騎士と名乗って、王国の名を使って領土を明け渡せと言っているけど、中枢の決定なのか?みたいな事を言っている。
それを聞いた国王や国の中枢の重鎮たちは、慌てふためいていた。俺たちは元々国のトップたちが関わっているとは、思っていなかったのでこの様子は予想できていた。では、どうするかと言う話だ。
隣街の軍隊であれば、戦争と言う事になる。そうすると、また無駄に俺の領地が増える結果になってしまう。増えると管理しているグリエルの面倒が増えるので、わざわざほしくないのだが戦争に勝てば俺の領土になってしまう。
なら、盗賊として処理して全員奴隷として売り払えばどうか? と言う話になったが、奴隷に落とす際に隣街の騎士兵士である事を言うと話がこじれるらしい。無視してもいいのでは? と思うが、奴隷商も盗賊でなければ、出自を確認しないわけにはいかないらしい。
もしそれで本当に隣街の騎士兵士であった場合、背後関係を調べるために国や冒険者ギルド等、に報告しなければならなようだ。2~3人であれば、盗賊として処理できるのだが、10~20人となればだれが関わっているのか調べるらしい。
それに当てはめると、500人規模であるとどう考えても、街のトップが関わっているのは間違いないので、領主の責任になるそうだ。
今回は違う国同士の街なので、トップの話となり結果、俺の街が増えると言う事になる。
それを避けたい王国は、今訓練中の騎士団が比較的近くにいるようなので、その騎士団を急行させるので、開戦はしないでほしいと頼まれた。到着まで4日程、周囲の壁は自動修復機能を持っているので、今の攻撃を10年続けた所で壊れる事は無い。
でもウザいことには変わりない。壊れないと分かったら、多少でも知恵のある人間が乗り越えればいいんじゃね? とか考える人が出てくるかもしれない。
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