ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1042話 意外な情報

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 他の工房に銅線を依頼して4日が経過した。明日と明後日は休みを強制されているので、供しておかなければならない事をこなしている。と言っても、している事は進行状況の確認だけなんだけどね。

 合計5つの工房に仕事を依頼したが今の所、希望の細さまでたどり着いた工房は無かった。それでもかなり細く出来ているようだ。技術的な問題よりも機材的な問題が大きいと言われた。それでも、成功すれば大きな黒字になるのでどこも必死に頑張っているようだ。

 これで、技術も機材面でも上がってくれればいいな。

 どう調べていいのか分からなかった銅線の作り方は、宴会の時にドワーフの爺共に聞いて判明している。

「金属の線の作り方だぁ? そんなもんも知らねえのか基本中の基本だぞ? 決まってるだろうが! 圧延だよ圧延! ある程度細く伸ばした金属を、圧延して細くしていくんだよ。そのためにはしっかりとした機材が無いとできないから、そこら辺の工房では難しいかもな! ハッハッハ!」

 工房で雇ったドワーフの爺さんはそう言っていた。それを聞いて、一緒に飲んでいたディストピアから来ていた老ドワーフを見る。

 吹けもしない口笛を吹いている振りをして、明後日の方向を向いている。この爺共、知っていながら俺には金属の線を作らせなかったのか! なんて奴らだ!

 ディストピアの老ドワーフを担当しているブラウニーにこっそり通信して、しばらく……俺が許可するまで食事のレベルを下げてほしいと言ったが、家事に全力を注ぐ彼女たちを説得できなかったので、食事のランクを下げる事を諦めて、酒を出さないようにお願いした。

 お酒に関しては、特に文句を言う事も無く「了解しました!」と返事が返ってきた。これで少しは懲りてくれるだろう。

 やっぱり、ドワーフたち……それも爺共じゃないと、あの金属は加工できないんだろうな。長く生きているだけあって、スキル以上に経験とそれに伴う技術が半端ねえんだな。人って、何百年も同じ事を続けられればあそこまで到達できるんだろうか?

 とうとう、恐怖の休みが来てしまった。ワーカホリックみたいな事を言っている気がするが、ってワーカホリックってそういう意味じゃなかったか? 確か、強迫観念に使い感じで働かなきゃいけないと感じている……みたいな?

 そう考えると、俺の今の状況はワーカホリックじゃなくて、休みの日にお父さんが家族に煙たがられる。あれに近いか? ん~それとも違うか。妻たちも俺の事を嫌ってるわけじゃないからな。

 うん、自分を何かに分類するのは止めよう!

 でも、娘にあまり会えなくて、する事もないから休みって困るな。今までどんなことうしてたんだっけ?

 基本的には、ゲームや小説を読んで過ごしてたっけ? 久しぶりにゲームや小説の新作チェックしようか?

 結構新作出てるんだな。前にチェックしたのっていつだっけな? 継続して読んでいる本も新しく出た本も購入しておく。

『ちょっとあんた! 子供が生まれたからって、私をないがしろにしすぎじゃない? そろそろ私に何か貢ぎなさいよ!』

 チビ神がたかりに来たな。相手にするのも面倒なので、とりあえず色々吟味するのも面倒なので、有り余るDPを使って端からすべて購入してデータを送り付けた。

『なんか対応がおざなりね。あんたの奥さんたちに加護をあげた私に、そんな態度をとるの? ねぇこの意味わかってるの?』

 待て待て、お前ってさ、信仰してくれる人がほとんどいなかったせいで、俺の妻たちからの何かがすごいとか言ってただろ? それなのに加護を人質? 物質? って漢字で書いたら『ぶっしつ』じゃねえか!

『くっ……痛いところ付いてくるわね。まぁこんな私の加護でも、体調が良くなったり、安産だったり、色々効果はあるのよ!』

 ん? 体調が良くなる? それって、病気になりにくいって事か?

『えっ? そうね、体調が良くなる、と言うより、悪くならないって言った方がいいかもしれないわね』

 それって、子供にもかけたりできるのか? 正確には俺の娘たちだけど。

『問題なくできるけど、そうすると子供の親からの信仰や貢物がって、あんたの子供なら何も問題ないわね。あなたの奥さんたちは信仰心で加護をあげれたけど、もし信仰心が無かったら他の神たちに文句を言われたわね』

 何たるアバウトな判断。授けるだけならだれにでも出来るって事か。ただ渡すのに一定の条件を満たしてないと神同士でバカな事をしてるんだな。とりあえず、娘たちが健康でいられるなら、悪くならないっていう加護をくれ!

『ん~それなら限定的加護で問題ないかな?』

 よくわからんが、娘たちのために……甘い物も貢ぐから頼む!

『むほっ! 甘い物! じゃぁじゃぁ、私ケーキが食べたいわ! あのショートケーキっていうのが食べたいわ!』

 ショートケーキだけじゃなくて、色々貢いでやるよ。とりあえず10種類くらいシルキーたちに注文しておくわ。シルキーの作る物は何でもおいしいからな。ついでに、他の料理も付けちゃう!

『しょ……しょうがないわね! 特別なんだからね!』

 小鼻を膨らませてドヤ顔をしている姿を幻想した。それでも娘達のためだ、気にしたら負けだろう。おっと、シルキーたちにお願いしてこなくては!

 事情を話して、最高の素材で最高の料理と芸術作品スイーツを作ってもらおう。

 事情を知ったシルキーたちは、娘たちのためという事もあり、いつも以上に張り切っていた。一時、娘たちの世話をブラウニーに一任する程、料理に力を入れていたのだ。

 休みの2日は、年少組と映画を見たりゲームをしたりして過ごした。

 もともとこの世界に無い物なのに、みんな楽しんでるよな。正直アクション映画も顔負けなアクションもできるし、ド派手な爆発だって、それなのに、映像を楽しんでいるのだ。何でこういった映像を作るかは理解していないが、楽しいから問題ない! 的なノリだ。

 さて、明日からまた頑張るぞ!
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