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第1023話 緊急事態!?
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3人が街に戻っていった後、一応マップ先生で3人をマーキングしておいた。
あいつらのいる場所で立ち位置が決まると思うので、とりあえず注目しておこう。
「っと、忘れる前に教皇に手紙を出しておかないとな。内容は、グリエルに任せよう! 俺にこういう文章を考えるのは無理だ!」
なので、魔導無線を立ち上げてグリエルに事情を説明する。
グリエルもガリアも聖国の内情について少しびっくりしていたが、俺の注文通り文面を考えてくれた。俺は、それを手書きで紙に書いていく。4回失敗してしまい5回目できちんとかけた。
スキルで自動翻訳があるとはいえ、日本語ベースで頭の中で考えると、文章の言葉の意味がズレる事があって大変なんだよね。だから、キリエに確認してもらいながら作成している。
「一番近くの街は、あの兵士たちが帰ったろくでもないと思われる所だから、次の街の冒険者ギルドで依頼を出そうか?」
「それでしたら、一旦ディストピアに戻ってゴーストタウンで活動している冒険者に頼んではいかがですか? あそこでしたら、ご主人様の依頼とわかれば、必ず上位の冒険者が運んでくれますよ」
「そうなの? 重要って事で、多少金額を上げて信頼できる冒険者に運んでもらおうか」
「ディストピアに戻れば封蝋ができますし、それがいいと思います」
それにしても、何で封蝋をしなきゃいけないんだろうな? 糊でいいじゃん! とか思ってるんだけど、俺の管理下にある街なら問題ないが、他の街となると信用がないからダメなんだってさ。めんどいな。
この後、ディストピアへ帰る道中は何もなかった。まぁ何もなかったんだが、その理由は、馬車が早すぎて途中にいた盗賊たちを、置いてきぼりにしただけなんだけどな。足が速いって素晴らしい!
とりあえず、ディストピアについて一番初めにした事は、グリエルたちに呼び出されたので、庁舎に向かって聖国での出来事を報告する事だった。
バリス教の事と、勇者が受けていた扱いを中心に話した。他の事は正直、興味が無いと言わんばかりの態度をとられたので、さらっと触れる程度で終わりにした。
「……と言う事で、思ったより聖国、バリス教は腐ってなかったみたいなんだよね」
「ん~、にわかに信じがたい話ですな。今までのミューズに対する感じを考えると、さすがに鵜呑みに出来ませんな」
ゼニスも俺の話を聞いており、そんな事を言った。
「ですが、今回の話を聞く限り、中央の監視を受けていない、地方領主の中にミューズに来たような奴らが多いって事なんでしょうね。これを機に聖国の内情が良くなってくれるといいのですが、大国となれば末端まで目が届きにくいですからね。
トルメキアは、小さい国だったのに中央があれでしたし、腐敗とは無縁な組織……難しいでしょうね」
「グリエル! ディストピアは腐敗とは無縁だろうが!」
ガリアがグリエルに向かって怒鳴っていた。こいつがこんなに声を荒げるのは初めてだな。普段怒らない人が怒ると怖いって本当だな。
「ガリア、待ってくれ。そういった意味で言ったわけではない」
「では、どういう意味なのだ!」
「そもそもの話、ディストピアは普通の組織とは違う。目標や目的を共有しているという意味では組織だ。我々の基本行動はシュウ様のため! という目的に沿って活動している。だが、ディストピアはシュウ様の街だ。となれば、街単位で見た時には組織と呼べなくなる。そういう意味では腐敗とは無縁だろ?」
「……確かにその通りだ。シュウ様のために街の人間が動いているんだから、街の中の人間の関係は組織と呼べるが、街としてみるとシュウ様が生活しやすい場所として、ディストピアを作ったのだから、そういう意味では、確かに普通の組織とは違いますね」
「分かってもらえたようで何よりだ。ただ、言葉足らずだった。すまなかった」
「いや、こちらも過剰に反応しすぎた。すまない」
ん~何か俺の知らない所で、予想以上に危ない思考の持ち主が増えてないか? 俺のため? 待て待て、自分のために生活してくれればいいのに、何で俺のためなんだ? もっと自由になろうぜ。
俺が遠い目をしていると、
「シュウ様、安心してください! 我々は、シュウ様に不利益になる事は絶対にしません!」
「あ~気にしないでいいよ。いろんな仕事を押し付けて悪いと思ってるし、多少のミスは気にするなって。それに、お前たちに倒れられたら困るから、無理してるんだったら早めに言ってほしい。本当に頼む」
「はっはっは。気にしすぎですぞ、シュウ様。我々は好きで仕事をしていますからな。それに、ディストピアでは、まじめに働けは働いただけ給料が保証されてますからね、やりがいがあるってもんです!
賄賂等はもらわなくても、十分お金をもらえてますからね。そんなくだらない事をして、今の職を手放すバカはいませんよ」
労働時間だけを見ると、ブラックもブラック、真っ黒黒なのだが、その分給料はあり得ない程の額になっている。だが、お金で受け取るのは生活していくうえで必要と思う金額だけで、その他は俺のスキルで召喚した物をねだるので、それを渡している。
この世界では、どれだけお金を積んでも得られない物だからな。お金よりそっちの方が欲しくなるってものだ。
3人の最近のお気に入りは、グリエルはP〇4、ガリアはニンテン〇ースイッチ、ゼニスは高級なお酒。1人だけ毛色が違うが、この世界の普通で考えるとグリエルとガリアがおかしいと思う。でも、ここでないと手に入らないからな。
あっ! グリエルとガリアは、子どもたちと話したり遊ぶツールとして重宝しているようだ。
報告も終わり、のんびりと話していると、家で待機しているシルキーから連絡が入った。
「シュウ様。お三方が大変なんです! 早く帰ってきていただいてもよろしいですか?」
「えっ!?!? すぐ帰る! すまん、もう行くわ!」
慌てて庁舎を出て全力で走って家に向かった。
まだ予定日には早いのに……3人共揃って早産? 大丈夫なのか!
あいつらのいる場所で立ち位置が決まると思うので、とりあえず注目しておこう。
「っと、忘れる前に教皇に手紙を出しておかないとな。内容は、グリエルに任せよう! 俺にこういう文章を考えるのは無理だ!」
なので、魔導無線を立ち上げてグリエルに事情を説明する。
グリエルもガリアも聖国の内情について少しびっくりしていたが、俺の注文通り文面を考えてくれた。俺は、それを手書きで紙に書いていく。4回失敗してしまい5回目できちんとかけた。
スキルで自動翻訳があるとはいえ、日本語ベースで頭の中で考えると、文章の言葉の意味がズレる事があって大変なんだよね。だから、キリエに確認してもらいながら作成している。
「一番近くの街は、あの兵士たちが帰ったろくでもないと思われる所だから、次の街の冒険者ギルドで依頼を出そうか?」
「それでしたら、一旦ディストピアに戻ってゴーストタウンで活動している冒険者に頼んではいかがですか? あそこでしたら、ご主人様の依頼とわかれば、必ず上位の冒険者が運んでくれますよ」
「そうなの? 重要って事で、多少金額を上げて信頼できる冒険者に運んでもらおうか」
「ディストピアに戻れば封蝋ができますし、それがいいと思います」
それにしても、何で封蝋をしなきゃいけないんだろうな? 糊でいいじゃん! とか思ってるんだけど、俺の管理下にある街なら問題ないが、他の街となると信用がないからダメなんだってさ。めんどいな。
この後、ディストピアへ帰る道中は何もなかった。まぁ何もなかったんだが、その理由は、馬車が早すぎて途中にいた盗賊たちを、置いてきぼりにしただけなんだけどな。足が速いって素晴らしい!
とりあえず、ディストピアについて一番初めにした事は、グリエルたちに呼び出されたので、庁舎に向かって聖国での出来事を報告する事だった。
バリス教の事と、勇者が受けていた扱いを中心に話した。他の事は正直、興味が無いと言わんばかりの態度をとられたので、さらっと触れる程度で終わりにした。
「……と言う事で、思ったより聖国、バリス教は腐ってなかったみたいなんだよね」
「ん~、にわかに信じがたい話ですな。今までのミューズに対する感じを考えると、さすがに鵜呑みに出来ませんな」
ゼニスも俺の話を聞いており、そんな事を言った。
「ですが、今回の話を聞く限り、中央の監視を受けていない、地方領主の中にミューズに来たような奴らが多いって事なんでしょうね。これを機に聖国の内情が良くなってくれるといいのですが、大国となれば末端まで目が届きにくいですからね。
トルメキアは、小さい国だったのに中央があれでしたし、腐敗とは無縁な組織……難しいでしょうね」
「グリエル! ディストピアは腐敗とは無縁だろうが!」
ガリアがグリエルに向かって怒鳴っていた。こいつがこんなに声を荒げるのは初めてだな。普段怒らない人が怒ると怖いって本当だな。
「ガリア、待ってくれ。そういった意味で言ったわけではない」
「では、どういう意味なのだ!」
「そもそもの話、ディストピアは普通の組織とは違う。目標や目的を共有しているという意味では組織だ。我々の基本行動はシュウ様のため! という目的に沿って活動している。だが、ディストピアはシュウ様の街だ。となれば、街単位で見た時には組織と呼べなくなる。そういう意味では腐敗とは無縁だろ?」
「……確かにその通りだ。シュウ様のために街の人間が動いているんだから、街の中の人間の関係は組織と呼べるが、街としてみるとシュウ様が生活しやすい場所として、ディストピアを作ったのだから、そういう意味では、確かに普通の組織とは違いますね」
「分かってもらえたようで何よりだ。ただ、言葉足らずだった。すまなかった」
「いや、こちらも過剰に反応しすぎた。すまない」
ん~何か俺の知らない所で、予想以上に危ない思考の持ち主が増えてないか? 俺のため? 待て待て、自分のために生活してくれればいいのに、何で俺のためなんだ? もっと自由になろうぜ。
俺が遠い目をしていると、
「シュウ様、安心してください! 我々は、シュウ様に不利益になる事は絶対にしません!」
「あ~気にしないでいいよ。いろんな仕事を押し付けて悪いと思ってるし、多少のミスは気にするなって。それに、お前たちに倒れられたら困るから、無理してるんだったら早めに言ってほしい。本当に頼む」
「はっはっは。気にしすぎですぞ、シュウ様。我々は好きで仕事をしていますからな。それに、ディストピアでは、まじめに働けは働いただけ給料が保証されてますからね、やりがいがあるってもんです!
賄賂等はもらわなくても、十分お金をもらえてますからね。そんなくだらない事をして、今の職を手放すバカはいませんよ」
労働時間だけを見ると、ブラックもブラック、真っ黒黒なのだが、その分給料はあり得ない程の額になっている。だが、お金で受け取るのは生活していくうえで必要と思う金額だけで、その他は俺のスキルで召喚した物をねだるので、それを渡している。
この世界では、どれだけお金を積んでも得られない物だからな。お金よりそっちの方が欲しくなるってものだ。
3人の最近のお気に入りは、グリエルはP〇4、ガリアはニンテン〇ースイッチ、ゼニスは高級なお酒。1人だけ毛色が違うが、この世界の普通で考えるとグリエルとガリアがおかしいと思う。でも、ここでないと手に入らないからな。
あっ! グリエルとガリアは、子どもたちと話したり遊ぶツールとして重宝しているようだ。
報告も終わり、のんびりと話していると、家で待機しているシルキーから連絡が入った。
「シュウ様。お三方が大変なんです! 早く帰ってきていただいてもよろしいですか?」
「えっ!?!? すぐ帰る! すまん、もう行くわ!」
慌てて庁舎を出て全力で走って家に向かった。
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