1,009 / 2,518
第1009話 俺っていらない子?
しおりを挟む
あれから1週間が経った。
冒険者ギルドの関係者は、全員トルメキアからの退避を完了していた。ただ、近隣の地域に移り住む人は極僅かで、今もまだ移動をしている者が大半だった。
その理由の多くは、聖国が他の国も攻めるのではないかという恐怖を感じて、出来るだけ遠くへ逃げようという事らしい。
近くの国に残った人たちは、親戚が居りある程度土地にも余裕がある街に住んでいるため、そこに住もうと移動した人たちだ。
この世界で、親戚と呼べる人たちがどれだけ役に立つのか俺には分からないが、知っている人が近くにいるという安心感は違うのだろうか?
次に報告に上がったのは、冒険者ギルド以外のギルド関係者の移動に関してだ。どうやら、荷物の余裕があったためか、ジェノサイドキャラバンが2つに分かれて、そちらの移動も助けているようだ。
特に商業ギルドに関しては、お金も移動方法の馬車も十分に用意できるため、他のギルドを手伝って移動しているようだ。そこにジェノサイドキャラバンが付き添っているようだ。
さすがに商業ギルドの用意できる馬車の数で、商業ギルド以外の人たちの荷物を運ぶのは厳しいようで、ジェノサイドキャラバンに白羽の矢が立った感じらしい。
まぁ、商業ギルドの人間は、ジェノサイドキャラバンの戦力を期待してのチョイスなのは何となく察したが、出来るだけ多くの人にトルメキアから逃げてほしいものだ。
後発が出発できたのが3日前で、それもトルメキアの王都からみて聖国の国境近くに位置する都市だったから、トルメキアの軍の動き次第では危険になりそうな集団だったので、そこにジェノサイドキャラバンが派遣された形だ。
まぁ、その可能性があると早い段階でグリエルから進言があったので、早めに手をうっておいた形だ。
グリエルの話では、各ギルド関係者が揃ってトルメキアから外国へ移動しているのを危惧して、集団で移動している人たちを強引に国内に留めるために、私財を挑発する可能性があるとの事だった。
さすがにそれはやり過ぎかと思ったが、戦時中の国では市民にも逃亡罪が適用され、私財没収をしていた国があるらしいので、今のトルメキアの状況を考えると可能性はあるらしい。
そして、3日前の出発した人たちに軍の騎兵隊が近付いているので、グリエルの考えは間違っていなかったようだ。
「それにしても、本当に国民に対して逃亡罪を適用するとか……あの国、頭おかしいんじゃねえか?」
「そうでもないですよ。戦時中は特に国のために動けっていうのが、貴族共の考え方なので、このタイミングで移動する人たちから、財産を奪っても何とも思わないですからね。それに貴族共からすれば、商業ギルドの金持ちは、軍資金のための財布だと思っている奴らもいますからね」
他人の財布で戦争とは、ただでさえ税金で私腹を肥やしているのに、さらに他人の財布で戦争するとか本当にありえんだろ。すべての貴族がそういう訳じゃないだろうが、吐き気がしてくるな。
「で、トルメキアの騎兵隊への対策は出来てるのかな?」
「もちろんです。四大精霊のガルド様にも手伝っていただき、準備をしております」
「ん? ガルドに協力してもらったのか? 何を?」
なんでガルドに協力を依頼したのか全く分からず、疑問を投げた。
「えっと、そこまでする必要があったか分かりませんが、魔物を召喚していただき騎兵隊を襲える位置に配置してもらっています」
「ん? それなら、わざわざガルドに頼まないでも、俺でも良かったんじゃないか?」
「ガルド様もおっしゃられていましたが、シュウ様に負担をかける必要はないとの事で、手伝っていただきました」
「どうせ仕事少ないんだから、それくらい手伝うって……」
「私共の事は問題ないので、奥方の事を気にかけてください!」
「それなんだけどね。あまりにも心配しすぎるからって、仕事探してきなさいって言われて家を追い出されたんだよ。心配してくれるのは嬉しいけど、うざいって言われた……」
泣き崩れながらそう言うと、グリエルとガリア、ゼニスまでもが狼狽してしまい、一時執務室内が何とも言えない空気になってしまった。
「それなら、シュウ様、庁舎で領主の仕事してみますか?」
と言う感じの流れになって、今日初出勤してきたのだが……
「グリエル、ここに来ても俺する事なくないか?」
グリエルに来てみるかと言われて来たのに、俺に出来る仕事が無かったのだ! 新しく仕事を覚えようにも、専門的判断や経験が必要なものが多く、俺にはよくわからない事ばかりだったのだ。
覚えるにも、グリエルたちが俺に教える時間を考えると、業務が止まってしまう恐れがあるため、俺は椅子に座って小さめの声で聞く事しかできなかったのだ。
うむ、出来る事は出来る人に任せて、俺は俺で何かしよう。
「ここにいてもする事ないから、街の見回りにでも行ってくる。久々に畑エリアにも顔を出してくるわ」
そう言って執務室を後にする。
畑エリアに行く前に海岸に行く事にした。この前、養殖を始めたと聞いたので、何の養殖をしているか確認に行こうと思ったのだ。
俺が前に見た時より、少し湖が大きくなっている気がする。山側ではなく、樹海側に向かってだが……そこに、魚人族が集まっているエリアがある。
「おや、シュウ様ではないですか。どうなさいましたか?」
「前に養殖を始めたって聞いたんだけど、何の養殖を始めたんだ?」
「アコヤガイですね。シュウ様の奥様にお願いされて養殖を始めました」
あこやがい……何だっけ?
「あっ! 真珠の養殖をしてるって事か?」
「さすがシュウ様、真珠をご存じでしたか。何に使っているかは知りませんが、いい稼ぎになっておりますので、こちらとしてはとても助かっております。得意なエリアである水の中で、ちょっと特殊な育て方ですが、貝を育てるだけでお金が稼げるのですから」
なるほど、確かに水の中で活動できる魚人族の皆なら、得意な分野かもしれないけど、そもそもどうやって養殖してるか分からないから、それが正しいのかもよくわからん。
それにしても、妻たちが真珠をね……と言っても、アクセサリーで身に着けているのは見た事ないけど、何に使ってるいるんだろうね?
「なるほどね。貝の養殖か、他に貝とか養殖してる?」
「いえ、特にしてないですね」
「じゃぁ、今度気になるものがあったらお願いするけどいいかな? もちろん、そっちに利益がある様にするからさ」
「問題ありません。シュウ様の頼みでしたら、優先して行います!」
「そこまでしなくてもいいよ。貝類でも、美味しい物は沢山あるから、養殖できそうなものがあればやってみようか? って感じだからね。無理する必要はないよ」
分かりました! とは言っているが、本当に分かってくれたのか怪しい気がする。
何の養殖がされていたのか分かったので、次に畑エリアに向かう。
そこでは、特に何があるわけでもなかった。言うなら、果樹園が広がっていたくらいかな? ワインの原料としてブドウ畑がかなり広がっていたのだ。最近、ディストピア産のお酒が増えている事は知っていたけど、大量に生産してるんだな。
ブドウはそのままでもうまいが、ワインの原料としてはどうなんだろうな? まぁ、人気があるという事は良い事か?
いろんなお土産をもらってから家に帰る事にした。
冒険者ギルドの関係者は、全員トルメキアからの退避を完了していた。ただ、近隣の地域に移り住む人は極僅かで、今もまだ移動をしている者が大半だった。
その理由の多くは、聖国が他の国も攻めるのではないかという恐怖を感じて、出来るだけ遠くへ逃げようという事らしい。
近くの国に残った人たちは、親戚が居りある程度土地にも余裕がある街に住んでいるため、そこに住もうと移動した人たちだ。
この世界で、親戚と呼べる人たちがどれだけ役に立つのか俺には分からないが、知っている人が近くにいるという安心感は違うのだろうか?
次に報告に上がったのは、冒険者ギルド以外のギルド関係者の移動に関してだ。どうやら、荷物の余裕があったためか、ジェノサイドキャラバンが2つに分かれて、そちらの移動も助けているようだ。
特に商業ギルドに関しては、お金も移動方法の馬車も十分に用意できるため、他のギルドを手伝って移動しているようだ。そこにジェノサイドキャラバンが付き添っているようだ。
さすがに商業ギルドの用意できる馬車の数で、商業ギルド以外の人たちの荷物を運ぶのは厳しいようで、ジェノサイドキャラバンに白羽の矢が立った感じらしい。
まぁ、商業ギルドの人間は、ジェノサイドキャラバンの戦力を期待してのチョイスなのは何となく察したが、出来るだけ多くの人にトルメキアから逃げてほしいものだ。
後発が出発できたのが3日前で、それもトルメキアの王都からみて聖国の国境近くに位置する都市だったから、トルメキアの軍の動き次第では危険になりそうな集団だったので、そこにジェノサイドキャラバンが派遣された形だ。
まぁ、その可能性があると早い段階でグリエルから進言があったので、早めに手をうっておいた形だ。
グリエルの話では、各ギルド関係者が揃ってトルメキアから外国へ移動しているのを危惧して、集団で移動している人たちを強引に国内に留めるために、私財を挑発する可能性があるとの事だった。
さすがにそれはやり過ぎかと思ったが、戦時中の国では市民にも逃亡罪が適用され、私財没収をしていた国があるらしいので、今のトルメキアの状況を考えると可能性はあるらしい。
そして、3日前の出発した人たちに軍の騎兵隊が近付いているので、グリエルの考えは間違っていなかったようだ。
「それにしても、本当に国民に対して逃亡罪を適用するとか……あの国、頭おかしいんじゃねえか?」
「そうでもないですよ。戦時中は特に国のために動けっていうのが、貴族共の考え方なので、このタイミングで移動する人たちから、財産を奪っても何とも思わないですからね。それに貴族共からすれば、商業ギルドの金持ちは、軍資金のための財布だと思っている奴らもいますからね」
他人の財布で戦争とは、ただでさえ税金で私腹を肥やしているのに、さらに他人の財布で戦争するとか本当にありえんだろ。すべての貴族がそういう訳じゃないだろうが、吐き気がしてくるな。
「で、トルメキアの騎兵隊への対策は出来てるのかな?」
「もちろんです。四大精霊のガルド様にも手伝っていただき、準備をしております」
「ん? ガルドに協力してもらったのか? 何を?」
なんでガルドに協力を依頼したのか全く分からず、疑問を投げた。
「えっと、そこまでする必要があったか分かりませんが、魔物を召喚していただき騎兵隊を襲える位置に配置してもらっています」
「ん? それなら、わざわざガルドに頼まないでも、俺でも良かったんじゃないか?」
「ガルド様もおっしゃられていましたが、シュウ様に負担をかける必要はないとの事で、手伝っていただきました」
「どうせ仕事少ないんだから、それくらい手伝うって……」
「私共の事は問題ないので、奥方の事を気にかけてください!」
「それなんだけどね。あまりにも心配しすぎるからって、仕事探してきなさいって言われて家を追い出されたんだよ。心配してくれるのは嬉しいけど、うざいって言われた……」
泣き崩れながらそう言うと、グリエルとガリア、ゼニスまでもが狼狽してしまい、一時執務室内が何とも言えない空気になってしまった。
「それなら、シュウ様、庁舎で領主の仕事してみますか?」
と言う感じの流れになって、今日初出勤してきたのだが……
「グリエル、ここに来ても俺する事なくないか?」
グリエルに来てみるかと言われて来たのに、俺に出来る仕事が無かったのだ! 新しく仕事を覚えようにも、専門的判断や経験が必要なものが多く、俺にはよくわからない事ばかりだったのだ。
覚えるにも、グリエルたちが俺に教える時間を考えると、業務が止まってしまう恐れがあるため、俺は椅子に座って小さめの声で聞く事しかできなかったのだ。
うむ、出来る事は出来る人に任せて、俺は俺で何かしよう。
「ここにいてもする事ないから、街の見回りにでも行ってくる。久々に畑エリアにも顔を出してくるわ」
そう言って執務室を後にする。
畑エリアに行く前に海岸に行く事にした。この前、養殖を始めたと聞いたので、何の養殖をしているか確認に行こうと思ったのだ。
俺が前に見た時より、少し湖が大きくなっている気がする。山側ではなく、樹海側に向かってだが……そこに、魚人族が集まっているエリアがある。
「おや、シュウ様ではないですか。どうなさいましたか?」
「前に養殖を始めたって聞いたんだけど、何の養殖を始めたんだ?」
「アコヤガイですね。シュウ様の奥様にお願いされて養殖を始めました」
あこやがい……何だっけ?
「あっ! 真珠の養殖をしてるって事か?」
「さすがシュウ様、真珠をご存じでしたか。何に使っているかは知りませんが、いい稼ぎになっておりますので、こちらとしてはとても助かっております。得意なエリアである水の中で、ちょっと特殊な育て方ですが、貝を育てるだけでお金が稼げるのですから」
なるほど、確かに水の中で活動できる魚人族の皆なら、得意な分野かもしれないけど、そもそもどうやって養殖してるか分からないから、それが正しいのかもよくわからん。
それにしても、妻たちが真珠をね……と言っても、アクセサリーで身に着けているのは見た事ないけど、何に使ってるいるんだろうね?
「なるほどね。貝の養殖か、他に貝とか養殖してる?」
「いえ、特にしてないですね」
「じゃぁ、今度気になるものがあったらお願いするけどいいかな? もちろん、そっちに利益がある様にするからさ」
「問題ありません。シュウ様の頼みでしたら、優先して行います!」
「そこまでしなくてもいいよ。貝類でも、美味しい物は沢山あるから、養殖できそうなものがあればやってみようか? って感じだからね。無理する必要はないよ」
分かりました! とは言っているが、本当に分かってくれたのか怪しい気がする。
何の養殖がされていたのか分かったので、次に畑エリアに向かう。
そこでは、特に何があるわけでもなかった。言うなら、果樹園が広がっていたくらいかな? ワインの原料としてブドウ畑がかなり広がっていたのだ。最近、ディストピア産のお酒が増えている事は知っていたけど、大量に生産してるんだな。
ブドウはそのままでもうまいが、ワインの原料としてはどうなんだろうな? まぁ、人気があるという事は良い事か?
いろんなお土産をもらってから家に帰る事にした。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる