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第919話 ディストピアでする事
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ゆっくりと航行していたため、到着は拠点を出発した次の日の朝だった。
半日もすれば着くと思って行動していたのだが、思いがけない帰港の延長になってしまった。だけど、それのおかげでいい思い出もできた。
夜は晴天で甲板でバーベキューをすると、思っていた以上に綺麗な星空を見る事が出来たのだ。街から少し離れればこういった景色は見られるのだが、普通に生活していると思っている以上に楽しむ機会が少ない景色なのだ。
特にディストピアに住んでいる住民は、街が街灯で明るいので星空の綺麗さが半減している。それ以上に、この世界の人たちは星空を楽しむという事はしないのだ。だって、国の中心でもなければ夜は暗くなるため、日常的に見る事ができる景色なので、わざわざ楽しむ機会が無いという事だ。
でも、俺にとっては星空は綺麗な物なので、妻たちと一緒に見る事ができてよかった。みんなにはこの気持ちが伝わらないと思うけど、俺的には満足できる結果だ。
街に着いて一番初めにした事は、繁殖用に捕まえておいた卵持ちの、大きなザリガニみたいな水中生物の養殖所作成だ。とにかく急いで作成した。
急いだ理由は、俺たちが島の探索をしている間に、気付かないうちに卵が孵ってしまい、餌が無かったため共食いを始めてしまい、慌てて餌を準備したのだ。準備するまでの短い時間で、8割位の稚魚ならぬ、稚ザリガニが死んでしまった。
まぁ、急にいっぱい孵ってしまっても困るので、ちょうどよかったかもしれない。
一応、養殖所はあの島の近郊に近付けて環境を整えているが、餌まで完璧に一緒とはいえないので、あの身の味を再現できるか不明である。
それに、餌によって味が変わるのかも実験しないといけないので……水中行動を出来る魚人のみんなにお願いした。魔物ではないので、危険も少ないため、女性や子供でもできる仕事だと喜んでいた。
水の無い所では長時間行動できない魚人のみなさんは、街の中での仕事は厳しいため、養殖の話をしたら食いついてきたので、本当に助かっている。他にも海苔や昆布の養殖なんて、始めてもいいかもしれないな。
今も昆布は使っているけど、生息に適さないのか食い尽くされているのかこちらでは採れてないため、召喚した物を使っているので、自前でとれるようになっておきたいのだ。
美味しい昆布と言えば、利尻昆布。北海道だから寒い地域で育つ昆布だよな? これもちょっと調べないといけないな!
ちゃっちゃと養殖所を整えて次の場所に向かう。向かう先は、ダンジョン農園のドリアードの所だ。
「ドリアード! 梅酒を作りたいから、梅の木を育てたいんだけど、どうしたらいい?」
「突然やってきたと思えば、急に何を言い出すのかしら? 梅っていうと……確か、果樹園の方に無かったかしら?」
1人のドリアードが思い出すようにつぶやいた。
「果樹園って地上の畑エリアに作ったあれ?」
「そういえば、いろんな果物を作るために色んな種類を植えましたね。作物と一緒で収穫できるペースが速いので、植えたりしなくてもいい果物をそれなりの数を植えたよね」
「でも、ご主人様~梅酒って梅から作るお酒ですよね? あれってお酒作るのには、向いてないと思うんですけど……」
「あ~ブドウからワインを作るみたいに、実を加工してそのままお酒にするわけじゃないんだよ。梅の実を蒸留酒に浸けて、梅の風味をお酒につけて楽しむお酒なんだよ。
俺はまだお酒飲めないけど、飲めるようになったら1回飲んでみたいと思ってね。さすがに畑エリアの作物を実験に使うわけにはいかないから……みんな、今から召喚するからここのどこかに植えて、育ててくれないかな? あっ! もちろん、最高級の酒粕も準備するよ!」
「「「「「今は酒粕より、ミードが飲みたいです! クイーンハニービーの王蜜から作った、特製のミードを飲ませてください!!」」」」」
ドリアードの気迫に圧されて頷いてしまったが……王蜜を使ったミードなんてあったっけ? シルキーに確認しに行こう。
「王蜜を使ったミードですか? もちろんありますよ。クイーンハニービーが納めてくれる王蜜の量が量なので、使い切れず売るわけにもいかないので、ミードにしています。ミリーさんとかには好評ですよ? ミードに関しては、ディストピアの上層部の人間か、お祭りの時にしか飲めないようにしていますけどね」
飲み切れずにあふれかえるかと思ったが、そうでもなさそうだ。何かの景品にしてもいいかもな!
とりあえず、今日する事はおわったな。じゃぁゆっくりとしようか。ニコが足にまとわりついてきたので、蹴り上げてキャッチすると、高速で俺の体を移動し始める。鬱陶しいけど、好きにさせておこう。
ダンジョン農園から家に戻ると、家で思い思いの時間を過ごしていた妻たちや、遊びに来ていた土木組に変な目で見られてしまった。
俺の体を、頭からつま先まで至る所を、縦横無尽に動き回るニコを無視して歩いているのだから、そんな目で見られても仕方が無いよな。こら、服の中には入るな。
ハクが飛んできたので、ニコを渡すと足で捕まえて持って行ってくれた。と思ったら……今度は、家で留守番してもらっていたスライムたちがまとわりついてきた。
剥がしては投げ、剥がしては投げ……繰り返しても3匹目を投げたあたりで1匹目が戻ってくるエンドレスになってしまい、反対に喜ばせる結果になり面倒になってしまった。
気にせず進むのだが、とにかく歩き辛い。あ、そういえば、前にもこんな事があったな。確かその時は、お風呂に連れてったら満足してくれたんだったような?
ブラウニーたちにも変な目をされながらお風呂へ向かう。とりあえず、服を脱ぐ前にこいつ等を引き剥がさないと服も脱げない。
湯船に向かって、限界を超える勢いでスライムを体から引き剥がして投げていく。湯船に浮かぶと、戻ってこなかったのでこれが正解だったのだろう。
まぁ、体を洗うシャワーの所に行ったらいつもの光景、体を洗う必要はないと思うのだが、綺麗に洗ってやりまた風呂に投げ込む。全員を洗ってやり、汗をかいたので俺も体を洗い湯船に向かう。
「俺も入らせろ!」
俺を入れさせないかのようにディフェンスしてくるが、強引に突破し入ることができた。
半日もすれば着くと思って行動していたのだが、思いがけない帰港の延長になってしまった。だけど、それのおかげでいい思い出もできた。
夜は晴天で甲板でバーベキューをすると、思っていた以上に綺麗な星空を見る事が出来たのだ。街から少し離れればこういった景色は見られるのだが、普通に生活していると思っている以上に楽しむ機会が少ない景色なのだ。
特にディストピアに住んでいる住民は、街が街灯で明るいので星空の綺麗さが半減している。それ以上に、この世界の人たちは星空を楽しむという事はしないのだ。だって、国の中心でもなければ夜は暗くなるため、日常的に見る事ができる景色なので、わざわざ楽しむ機会が無いという事だ。
でも、俺にとっては星空は綺麗な物なので、妻たちと一緒に見る事ができてよかった。みんなにはこの気持ちが伝わらないと思うけど、俺的には満足できる結果だ。
街に着いて一番初めにした事は、繁殖用に捕まえておいた卵持ちの、大きなザリガニみたいな水中生物の養殖所作成だ。とにかく急いで作成した。
急いだ理由は、俺たちが島の探索をしている間に、気付かないうちに卵が孵ってしまい、餌が無かったため共食いを始めてしまい、慌てて餌を準備したのだ。準備するまでの短い時間で、8割位の稚魚ならぬ、稚ザリガニが死んでしまった。
まぁ、急にいっぱい孵ってしまっても困るので、ちょうどよかったかもしれない。
一応、養殖所はあの島の近郊に近付けて環境を整えているが、餌まで完璧に一緒とはいえないので、あの身の味を再現できるか不明である。
それに、餌によって味が変わるのかも実験しないといけないので……水中行動を出来る魚人のみんなにお願いした。魔物ではないので、危険も少ないため、女性や子供でもできる仕事だと喜んでいた。
水の無い所では長時間行動できない魚人のみなさんは、街の中での仕事は厳しいため、養殖の話をしたら食いついてきたので、本当に助かっている。他にも海苔や昆布の養殖なんて、始めてもいいかもしれないな。
今も昆布は使っているけど、生息に適さないのか食い尽くされているのかこちらでは採れてないため、召喚した物を使っているので、自前でとれるようになっておきたいのだ。
美味しい昆布と言えば、利尻昆布。北海道だから寒い地域で育つ昆布だよな? これもちょっと調べないといけないな!
ちゃっちゃと養殖所を整えて次の場所に向かう。向かう先は、ダンジョン農園のドリアードの所だ。
「ドリアード! 梅酒を作りたいから、梅の木を育てたいんだけど、どうしたらいい?」
「突然やってきたと思えば、急に何を言い出すのかしら? 梅っていうと……確か、果樹園の方に無かったかしら?」
1人のドリアードが思い出すようにつぶやいた。
「果樹園って地上の畑エリアに作ったあれ?」
「そういえば、いろんな果物を作るために色んな種類を植えましたね。作物と一緒で収穫できるペースが速いので、植えたりしなくてもいい果物をそれなりの数を植えたよね」
「でも、ご主人様~梅酒って梅から作るお酒ですよね? あれってお酒作るのには、向いてないと思うんですけど……」
「あ~ブドウからワインを作るみたいに、実を加工してそのままお酒にするわけじゃないんだよ。梅の実を蒸留酒に浸けて、梅の風味をお酒につけて楽しむお酒なんだよ。
俺はまだお酒飲めないけど、飲めるようになったら1回飲んでみたいと思ってね。さすがに畑エリアの作物を実験に使うわけにはいかないから……みんな、今から召喚するからここのどこかに植えて、育ててくれないかな? あっ! もちろん、最高級の酒粕も準備するよ!」
「「「「「今は酒粕より、ミードが飲みたいです! クイーンハニービーの王蜜から作った、特製のミードを飲ませてください!!」」」」」
ドリアードの気迫に圧されて頷いてしまったが……王蜜を使ったミードなんてあったっけ? シルキーに確認しに行こう。
「王蜜を使ったミードですか? もちろんありますよ。クイーンハニービーが納めてくれる王蜜の量が量なので、使い切れず売るわけにもいかないので、ミードにしています。ミリーさんとかには好評ですよ? ミードに関しては、ディストピアの上層部の人間か、お祭りの時にしか飲めないようにしていますけどね」
飲み切れずにあふれかえるかと思ったが、そうでもなさそうだ。何かの景品にしてもいいかもな!
とりあえず、今日する事はおわったな。じゃぁゆっくりとしようか。ニコが足にまとわりついてきたので、蹴り上げてキャッチすると、高速で俺の体を移動し始める。鬱陶しいけど、好きにさせておこう。
ダンジョン農園から家に戻ると、家で思い思いの時間を過ごしていた妻たちや、遊びに来ていた土木組に変な目で見られてしまった。
俺の体を、頭からつま先まで至る所を、縦横無尽に動き回るニコを無視して歩いているのだから、そんな目で見られても仕方が無いよな。こら、服の中には入るな。
ハクが飛んできたので、ニコを渡すと足で捕まえて持って行ってくれた。と思ったら……今度は、家で留守番してもらっていたスライムたちがまとわりついてきた。
剥がしては投げ、剥がしては投げ……繰り返しても3匹目を投げたあたりで1匹目が戻ってくるエンドレスになってしまい、反対に喜ばせる結果になり面倒になってしまった。
気にせず進むのだが、とにかく歩き辛い。あ、そういえば、前にもこんな事があったな。確かその時は、お風呂に連れてったら満足してくれたんだったような?
ブラウニーたちにも変な目をされながらお風呂へ向かう。とりあえず、服を脱ぐ前にこいつ等を引き剥がさないと服も脱げない。
湯船に向かって、限界を超える勢いでスライムを体から引き剥がして投げていく。湯船に浮かぶと、戻ってこなかったのでこれが正解だったのだろう。
まぁ、体を洗うシャワーの所に行ったらいつもの光景、体を洗う必要はないと思うのだが、綺麗に洗ってやりまた風呂に投げ込む。全員を洗ってやり、汗をかいたので俺も体を洗い湯船に向かう。
「俺も入らせろ!」
俺を入れさせないかのようにディフェンスしてくるが、強引に突破し入ることができた。
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