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第833話 えぇ~!
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俺たちは、王国軍の駐屯地を目の前に馬車を止める。止めた理由は……
「お前たち! 何者だ! ここから先は王国軍の管理地となる。何人たりとも通すわけにはいかない!」
この駐屯地の門番をしている中で一番偉そうな兵士が、こちらに槍をかまえながら叫んでいる。素直にこたえていいのだろうか? 一応王の書状が届いてはいるのだが、こちらの身分を明かさずに向こうの兵士が俺たちを信用するだろうか?
「俺たちは、ディストピアを含む中立地域に……」
えっと、ディストピア・ゴーストタウン・グレッグ・ミューズ・ヴローツマイン・フレデリク・リーファス・メギド・バレル・ダギア・ラディッツの11都市? 聖国側に作った獣人たちが住んでるあの街は、俺の手を離れてるから、
「多分、11都市持ってるシュウという者だ。この度、俺の都市に攻撃を仕掛けてきたと思われる人物が、ここにあるダンジョンと関係があると思われるので、ここにあるダンジョンを探索させてもらう事になっています。ここに国王からの書状を預かっているから確認していただきたい」
嘘を言わずに本当の事だけを伝える。かなり疑わしい顔をしているが、こういう風に名乗られれば対応せざるを得ない。俺が直接渡すのは立場上ダメだと言われたので、近くで待機していたスカルズの1人に、書状を渡してもっていってもらう。
兵士のリーダーは、そのまま受け取って確認していく……あれ? 眉間に深いしわを作っていた。
ん? 俺の顔と書状を何度も見直しているのはなんでだ?
「若いな。でも、この書状は本物、作成された日を考えると、盗むのはまず不可能。だが、作成日を考えるとここにあるのは早すぎないか?」
どうやら疑われているようだ。普段街の中に入る時に貴族と一般人を見分けてるのって、何かあるのかな? 家紋とか服につけるピン? 地球の軍隊で、階級章があるみたいな、何かがあるのかな? グリエルに今度聞いてみるか。そう思っていると、
「そこ……の」
俺の名前を呼ばなかったせいで、俺の陣営から圧力が強くなった。
「えっと、シュウ殿と言われましたかな? 作成されてから、あまり時間が経っていないようですが」
「それはですね、王城にワイバーンがたまに飛来する事は聞いてませんか? そのワイバーンが所属しているのが、中立都市同盟なのです。その中でも、ディストピアには今50近くはいるので、その1匹を派遣して運んできてもらったんです」
これも嘘ではない。書状を早急に届けるためにワイバーン便を特別手配してるからな。グリエルが!
「そういえば、聞いた事がありますね。そのワイバーンを使っているのであれば、1日もかからずに届ける事は可能ですね。了解いたしました。私たちも演習で潜っていますが、それは中断いたしませんが、それは問題ありませんよね?」
「そこらへんは気にしなくていいですよ。ですが、極力近付くのは止めましょう。余計な衝突があるかもしれないですし、何より自分たちの戦闘スタイルを知られるのは嫌ですからね」
兵士たちのスタイルは基本的に、剣と盾、槍、弓、魔法で隊列を組んでのオーソドックスだろうが、俺たちは結構際物がいるからな。スカルズは実力がついて来てからは、ドワーフのキワモノ武器を実験的に使っているのだ。
しかも今日の武器を準備している時に見たのは、大鎌、鎖鎌、鎖大鎌、鎖剣、鎖双剣……何か、爺ドワーフの中で、鎖と鎌が流行っているようで、面白そうだと乗ってしまったスカルズが、今回の戦闘に持ってきてしまったのだ。
ただ、武器を見た時に鎖大鎌はちょっとカッコいいなって思ってしまったので、今度爺ドワーフに形を指定して作ってもらおう。使えるか使えないかじゃないよ? 使ってみたいんだよ! 扱いきれる自信ないけどね!
兵士のリーダーは納得してくれたが、他の兵士は「監視をしないんですか?」「それが本物でなかった場合責任問題になりますよ!」等と、俺たちが入るのを拒もうとしている兵士もいる。
お前たち、これが本物だった場合……というか本物なのだが、俺たちを入れなかった場合、お前が責任をとるのだろうか? いや、こういうタイプは、全部誰かに責任を押し付けるだろうな。
門番の兵士のリーダーと、後から来たここの駐屯地のトップも入る事には問題ないし、お互い干渉しない事を了解してくれた。この人が出したとわかる命令書も、出してもらう事になった。ダンジョンの中に入っていて、このやり取りを知らない兵士もいるので出してもらう予定だ。
俺たちは、兵士たちに誘導されてダンジョンの入口に到着する。馬車などはどうするか聞かれたが、馬車は収納の鞄に入れて、馬車を引いていた馬、ウォーホースはダンジョンに連れていくと話している。
兵士たちに何かができると思わないが、何かをされて反撃したといって、何かを言われるのもバカらしいので、連れていく事にしたのだ。何もなくても連れていこうと思っていたから関係ないか?
準備をしていると、兵士が命令書を持ってきてくれた。ちなみに綾乃が準備を始めようとしたところ、何をするのか気付いたスカルズのメンバーの1人が、綾乃の行動を止めていた。
何があるんだろ? こいつ、本当に戦闘センスが無くて困ってたのに、なんだかスカルズから尊敬されているようなまなざしを、受ける事があるんだよな。変な事にならんと良いな。
命令書を受け取り、そのままダンジョンの中に入っていく。兵士たちが見えなくなった所で……
「1層目からフィールドタイプなんだな。草原と森の混合フィールドか。しかも結構広いな。向こうには訓練している兵士たちか? はぁ?」
俺はガチャガチャいっていた後ろを見て、変な声をあげてしまった。
「ふっふっふ。念のために持ってきてよかった!」
そんな事を言って綾乃が不思議な乗り物に乗っていた。簡単に言えば、多脚歩行型戦車と言われる物じゃないかな? 4本足の土台の上に座ってる、と言えばいいのだろうか? よくわからないレバーを片手で持って器用に歩いていた。
「おぉ! なんか面白そうだな! 今度乗せてくれ! でもさ、それでどうやって攻撃するんだ?」
「これはね、移動専用?って言えばいいかな? 本当は砲台をつけて砲弾を飛ばしたかったんだけど、この世界の法則の所為で、銃器系の武器はよくわからないけど弱くなるんでしょ? だから移動専門にして、魔法で攻撃すればいいんじゃないかな? って思って作ったの」
「自分の足で動きながら、魔法うつのはダメなのか?」
「それもやってみたんだけど、みんなの戦闘速度についていけなかったのよ。それで考えたのが、ロボットで移動しながら砲台になればいいんじゃないかと思ってね! しかも! 盾も出せるんだよ!」
と言って、何かを操作すると周囲に4枚の盾が出てきた。何を考えてこれを作ったんだろうな。
「あぁ! シュウ! 向こうにシュウと同じ反応があるよ!」
「え? 俺と同じ反応? えぇ! ダンジョンマスター!? ちょっと案内してくれ!」
綾乃のガチャガチャ歩く多脚歩行型戦車を追いかけて、案内された先にいたのは……
「え? フェアリー?」
そこには妖精がいて、何やら操っている様子だった。綾乃が指をさして「これ」と言っていた。
「えぇ~!」
「お前たち! 何者だ! ここから先は王国軍の管理地となる。何人たりとも通すわけにはいかない!」
この駐屯地の門番をしている中で一番偉そうな兵士が、こちらに槍をかまえながら叫んでいる。素直にこたえていいのだろうか? 一応王の書状が届いてはいるのだが、こちらの身分を明かさずに向こうの兵士が俺たちを信用するだろうか?
「俺たちは、ディストピアを含む中立地域に……」
えっと、ディストピア・ゴーストタウン・グレッグ・ミューズ・ヴローツマイン・フレデリク・リーファス・メギド・バレル・ダギア・ラディッツの11都市? 聖国側に作った獣人たちが住んでるあの街は、俺の手を離れてるから、
「多分、11都市持ってるシュウという者だ。この度、俺の都市に攻撃を仕掛けてきたと思われる人物が、ここにあるダンジョンと関係があると思われるので、ここにあるダンジョンを探索させてもらう事になっています。ここに国王からの書状を預かっているから確認していただきたい」
嘘を言わずに本当の事だけを伝える。かなり疑わしい顔をしているが、こういう風に名乗られれば対応せざるを得ない。俺が直接渡すのは立場上ダメだと言われたので、近くで待機していたスカルズの1人に、書状を渡してもっていってもらう。
兵士のリーダーは、そのまま受け取って確認していく……あれ? 眉間に深いしわを作っていた。
ん? 俺の顔と書状を何度も見直しているのはなんでだ?
「若いな。でも、この書状は本物、作成された日を考えると、盗むのはまず不可能。だが、作成日を考えるとここにあるのは早すぎないか?」
どうやら疑われているようだ。普段街の中に入る時に貴族と一般人を見分けてるのって、何かあるのかな? 家紋とか服につけるピン? 地球の軍隊で、階級章があるみたいな、何かがあるのかな? グリエルに今度聞いてみるか。そう思っていると、
「そこ……の」
俺の名前を呼ばなかったせいで、俺の陣営から圧力が強くなった。
「えっと、シュウ殿と言われましたかな? 作成されてから、あまり時間が経っていないようですが」
「それはですね、王城にワイバーンがたまに飛来する事は聞いてませんか? そのワイバーンが所属しているのが、中立都市同盟なのです。その中でも、ディストピアには今50近くはいるので、その1匹を派遣して運んできてもらったんです」
これも嘘ではない。書状を早急に届けるためにワイバーン便を特別手配してるからな。グリエルが!
「そういえば、聞いた事がありますね。そのワイバーンを使っているのであれば、1日もかからずに届ける事は可能ですね。了解いたしました。私たちも演習で潜っていますが、それは中断いたしませんが、それは問題ありませんよね?」
「そこらへんは気にしなくていいですよ。ですが、極力近付くのは止めましょう。余計な衝突があるかもしれないですし、何より自分たちの戦闘スタイルを知られるのは嫌ですからね」
兵士たちのスタイルは基本的に、剣と盾、槍、弓、魔法で隊列を組んでのオーソドックスだろうが、俺たちは結構際物がいるからな。スカルズは実力がついて来てからは、ドワーフのキワモノ武器を実験的に使っているのだ。
しかも今日の武器を準備している時に見たのは、大鎌、鎖鎌、鎖大鎌、鎖剣、鎖双剣……何か、爺ドワーフの中で、鎖と鎌が流行っているようで、面白そうだと乗ってしまったスカルズが、今回の戦闘に持ってきてしまったのだ。
ただ、武器を見た時に鎖大鎌はちょっとカッコいいなって思ってしまったので、今度爺ドワーフに形を指定して作ってもらおう。使えるか使えないかじゃないよ? 使ってみたいんだよ! 扱いきれる自信ないけどね!
兵士のリーダーは納得してくれたが、他の兵士は「監視をしないんですか?」「それが本物でなかった場合責任問題になりますよ!」等と、俺たちが入るのを拒もうとしている兵士もいる。
お前たち、これが本物だった場合……というか本物なのだが、俺たちを入れなかった場合、お前が責任をとるのだろうか? いや、こういうタイプは、全部誰かに責任を押し付けるだろうな。
門番の兵士のリーダーと、後から来たここの駐屯地のトップも入る事には問題ないし、お互い干渉しない事を了解してくれた。この人が出したとわかる命令書も、出してもらう事になった。ダンジョンの中に入っていて、このやり取りを知らない兵士もいるので出してもらう予定だ。
俺たちは、兵士たちに誘導されてダンジョンの入口に到着する。馬車などはどうするか聞かれたが、馬車は収納の鞄に入れて、馬車を引いていた馬、ウォーホースはダンジョンに連れていくと話している。
兵士たちに何かができると思わないが、何かをされて反撃したといって、何かを言われるのもバカらしいので、連れていく事にしたのだ。何もなくても連れていこうと思っていたから関係ないか?
準備をしていると、兵士が命令書を持ってきてくれた。ちなみに綾乃が準備を始めようとしたところ、何をするのか気付いたスカルズのメンバーの1人が、綾乃の行動を止めていた。
何があるんだろ? こいつ、本当に戦闘センスが無くて困ってたのに、なんだかスカルズから尊敬されているようなまなざしを、受ける事があるんだよな。変な事にならんと良いな。
命令書を受け取り、そのままダンジョンの中に入っていく。兵士たちが見えなくなった所で……
「1層目からフィールドタイプなんだな。草原と森の混合フィールドか。しかも結構広いな。向こうには訓練している兵士たちか? はぁ?」
俺はガチャガチャいっていた後ろを見て、変な声をあげてしまった。
「ふっふっふ。念のために持ってきてよかった!」
そんな事を言って綾乃が不思議な乗り物に乗っていた。簡単に言えば、多脚歩行型戦車と言われる物じゃないかな? 4本足の土台の上に座ってる、と言えばいいのだろうか? よくわからないレバーを片手で持って器用に歩いていた。
「おぉ! なんか面白そうだな! 今度乗せてくれ! でもさ、それでどうやって攻撃するんだ?」
「これはね、移動専用?って言えばいいかな? 本当は砲台をつけて砲弾を飛ばしたかったんだけど、この世界の法則の所為で、銃器系の武器はよくわからないけど弱くなるんでしょ? だから移動専門にして、魔法で攻撃すればいいんじゃないかな? って思って作ったの」
「自分の足で動きながら、魔法うつのはダメなのか?」
「それもやってみたんだけど、みんなの戦闘速度についていけなかったのよ。それで考えたのが、ロボットで移動しながら砲台になればいいんじゃないかと思ってね! しかも! 盾も出せるんだよ!」
と言って、何かを操作すると周囲に4枚の盾が出てきた。何を考えてこれを作ったんだろうな。
「あぁ! シュウ! 向こうにシュウと同じ反応があるよ!」
「え? 俺と同じ反応? えぇ! ダンジョンマスター!? ちょっと案内してくれ!」
綾乃のガチャガチャ歩く多脚歩行型戦車を追いかけて、案内された先にいたのは……
「え? フェアリー?」
そこには妖精がいて、何やら操っている様子だった。綾乃が指をさして「これ」と言っていた。
「えぇ~!」
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