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第815話 考えれば考えるだけ謎が深まる
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「そういえば、『魔熱病』って作成に失敗した魔法薬って話だよな?」
「そうでござるが、何か気になる事でもあるでござるか?」
「俺の記憶が間違っていなかったら、魔法薬の作成って失敗したらただの失敗薬になるはず。でも『魔熱病』は、元々レシピが存在していた可能性が高いと思うんだけど、どう思う?」
「そういわれると……魔法薬として存在しているのだとしたら、レシピが存在するわけよね? 失敗した魔法薬だとしたら、数に限りがあると考えるのが普通だと思うけど、話を聞く限りでは、今までに何度も歴史に出てきていることを考えると、レシピがある方が自然よね」
「だとすれば、国か闇組織か分からないでござるが、レシピを知っているって事でござるな。って、それならダンマスのスキルで、『魔熱病』の魔法薬を召喚できると思うのでござるが……レシピも同様でござらんか?」
「あ! そういわれれば、本当に失敗作じゃなければ、召喚できるはずだな。ちょっと調べてみるから待ってくれ」
ダンマスのスキルを使用して、召喚リストを開く。アイテムの召喚タブを選んで、目的の物を探していく。
「あったって事は、やっぱり失敗作じゃなくて意識して作っている可能性が高い? そこは後で考えればいいか、それより召喚ができるのなら実験が楽になるか? ダンジョンとドッペルを準備するか」
実験を始めるためにダンジョンとドッペルを作成して、準備を開始する。準備が終わりドッペルに意識を移した。
「さて、何処から始めようか?」
「シュウ、ここはちょっと広すぎるんじゃない?」
「そうか? いろいろ実験するために区画は、結構分けてるだけだろ? 個室で100部屋と、大掛かりな実験をする大きめの部屋が10、最後に感染がどうやって広がっていくのか、観測ができる草原タイプの部屋と言うよりは、空間を作ったよ」
「そこまで大量に部屋を用意する意味はあったでござるか?」
「無いかもしれないけど、俺たちは本職の研究員じゃないんだから、1つの部屋で複数の実験は無謀だと思って大量に準備した。部屋の前のボードに実験内容を書いておけば分かりやすいだろ?」
「確かに私達は研究者じゃないからね、この位がいいかもしれないわね。で、どうやって実験するつもりなの?」
「フレデリクをマップ先生で検索した時に、ふと思いついて『魔熱病』を検索したら、感染している人間と感染してるエリアが判明したんだ。これで『魔熱病』がそこに存在するか分かるから、いろいろ実験できると思った。他に目に見える状態であれば、鑑定もできるだろうしな」
「なる程でござる。マップ先生は便利でござるからな。これが便利過ぎて鑑定スキルを忘れていたでござる」
「収納の腕輪に『魔熱病』の魔法薬を10本ずつ入れてあるから、それを使って研究していこう。俺はとりあえず、草原タイプの場所に行って拡散を防ぐ方法を考えてみるから、2人はどういう所から実験を始めようか考えてみてくれ」
「了解」
「了解でござる」
俺たちは分かれて作業を開始した。バザールはまず食品からあたってみる事にしたらしい。綾乃は自分で素材を生み出せるので、薬草や草花等の植物を中心として調べていく事にするようだ。
「どうやって感染エリアが広がっていくかだな」
『魔熱病』の魔法薬が入っている瓶を投げて割る。マップ先生を起動して、その様子を観察する。
「うげ……驚くほど広がるスピードが速いのに、聞いてた通り10キロメートル位までしか広がらないんだな。まず実験するのは、雨を降らせたらどうなるかだよな」
草原の天候をダンマスのスキルを使って強制的に雨に変える。
「やっぱりそんなに甘くないよな。濃度は薄くなっているようだけど、最初の濃度の6割くらいから下がらなくなったな。え……雨が止むと元の濃度に戻るって、どういうことだ? これが魔法の薬の効果ってことか……細菌って言う事なら、殺すことを考えてみるか?」
考えを口に出しながら、次に何をするかの道しるべを自分でたてていく。っとその前に、実験内容を書いておかないとな、それに試した時間と状態が戻ってしまった時間も、一緒に書いておくか。
「あれ? そうすると、綾乃やバザールと同じ事をするんじゃね? いや違うな、あっちは食材とかで効果をあるものを探すのであって、俺は感染エリアを狭めるとか、濃度が薄くなる事とかを考えればいいんだから、厳密には違うはずだ!」
インフルエンザを思い浮かべた時に、ハイターを薄めた水溶液で消毒するとか聞いた覚えがあるけど、さすがにハイターを薄めて散布した物が効いても、現実的じゃない気がするんだよな。確か飲んでも体に害のない何かがあったと思うんだけど……なんだったっけな?
召喚リストで調べてみたが、途中で物の名前を知らないのに見ても意味がない事に気付き、インフルエンザなどの感染拡大を防ぐ方法が書いてある本を召喚して、内容を読んでいく。
その中に次亜塩素酸水が、俺の今回の目的に一番合っていたので大量に召喚して、散布をしようとしたが、散布させる方法がこいつに無かったので、いったん意識を本体に戻した。
クリエイトゴーレムで除湿器……とは違うな、農家で薬をまく時に使うスプレーみたいに、結構な量を空中に散布できるような、据え置きタイプの物を作った。
「よし、じゃぁ2回目の実験をしますか。スイッチオン!」
クリエイトゴーレムで作った散布機が稼働して、大量の水分を霧として吐き出した。
「お? 雨よりは一気に濃度が下がっているな……でも、3割位の濃度までしか下がらないのか。普通の水でも一緒かな?」
次亜塩素酸から水に入れ替えている間に濃度が戻っていたので、そのまま3度目の実験を始める。水の散布は、4割半程の濃度まで下がった。雨よりは効果があるが、次亜塩素酸水よりは効果が無かった。一応、次亜塩素酸水は効果があったんだな。
後は、液体の拡散方法で濃度が変わるのか……それでも、一定以下にはならないし、散布をやめればすぐに濃度が戻ってしまう。魔法薬って言っても、これはないんじゃないかと思う。
「そうでござるが、何か気になる事でもあるでござるか?」
「俺の記憶が間違っていなかったら、魔法薬の作成って失敗したらただの失敗薬になるはず。でも『魔熱病』は、元々レシピが存在していた可能性が高いと思うんだけど、どう思う?」
「そういわれると……魔法薬として存在しているのだとしたら、レシピが存在するわけよね? 失敗した魔法薬だとしたら、数に限りがあると考えるのが普通だと思うけど、話を聞く限りでは、今までに何度も歴史に出てきていることを考えると、レシピがある方が自然よね」
「だとすれば、国か闇組織か分からないでござるが、レシピを知っているって事でござるな。って、それならダンマスのスキルで、『魔熱病』の魔法薬を召喚できると思うのでござるが……レシピも同様でござらんか?」
「あ! そういわれれば、本当に失敗作じゃなければ、召喚できるはずだな。ちょっと調べてみるから待ってくれ」
ダンマスのスキルを使用して、召喚リストを開く。アイテムの召喚タブを選んで、目的の物を探していく。
「あったって事は、やっぱり失敗作じゃなくて意識して作っている可能性が高い? そこは後で考えればいいか、それより召喚ができるのなら実験が楽になるか? ダンジョンとドッペルを準備するか」
実験を始めるためにダンジョンとドッペルを作成して、準備を開始する。準備が終わりドッペルに意識を移した。
「さて、何処から始めようか?」
「シュウ、ここはちょっと広すぎるんじゃない?」
「そうか? いろいろ実験するために区画は、結構分けてるだけだろ? 個室で100部屋と、大掛かりな実験をする大きめの部屋が10、最後に感染がどうやって広がっていくのか、観測ができる草原タイプの部屋と言うよりは、空間を作ったよ」
「そこまで大量に部屋を用意する意味はあったでござるか?」
「無いかもしれないけど、俺たちは本職の研究員じゃないんだから、1つの部屋で複数の実験は無謀だと思って大量に準備した。部屋の前のボードに実験内容を書いておけば分かりやすいだろ?」
「確かに私達は研究者じゃないからね、この位がいいかもしれないわね。で、どうやって実験するつもりなの?」
「フレデリクをマップ先生で検索した時に、ふと思いついて『魔熱病』を検索したら、感染している人間と感染してるエリアが判明したんだ。これで『魔熱病』がそこに存在するか分かるから、いろいろ実験できると思った。他に目に見える状態であれば、鑑定もできるだろうしな」
「なる程でござる。マップ先生は便利でござるからな。これが便利過ぎて鑑定スキルを忘れていたでござる」
「収納の腕輪に『魔熱病』の魔法薬を10本ずつ入れてあるから、それを使って研究していこう。俺はとりあえず、草原タイプの場所に行って拡散を防ぐ方法を考えてみるから、2人はどういう所から実験を始めようか考えてみてくれ」
「了解」
「了解でござる」
俺たちは分かれて作業を開始した。バザールはまず食品からあたってみる事にしたらしい。綾乃は自分で素材を生み出せるので、薬草や草花等の植物を中心として調べていく事にするようだ。
「どうやって感染エリアが広がっていくかだな」
『魔熱病』の魔法薬が入っている瓶を投げて割る。マップ先生を起動して、その様子を観察する。
「うげ……驚くほど広がるスピードが速いのに、聞いてた通り10キロメートル位までしか広がらないんだな。まず実験するのは、雨を降らせたらどうなるかだよな」
草原の天候をダンマスのスキルを使って強制的に雨に変える。
「やっぱりそんなに甘くないよな。濃度は薄くなっているようだけど、最初の濃度の6割くらいから下がらなくなったな。え……雨が止むと元の濃度に戻るって、どういうことだ? これが魔法の薬の効果ってことか……細菌って言う事なら、殺すことを考えてみるか?」
考えを口に出しながら、次に何をするかの道しるべを自分でたてていく。っとその前に、実験内容を書いておかないとな、それに試した時間と状態が戻ってしまった時間も、一緒に書いておくか。
「あれ? そうすると、綾乃やバザールと同じ事をするんじゃね? いや違うな、あっちは食材とかで効果をあるものを探すのであって、俺は感染エリアを狭めるとか、濃度が薄くなる事とかを考えればいいんだから、厳密には違うはずだ!」
インフルエンザを思い浮かべた時に、ハイターを薄めた水溶液で消毒するとか聞いた覚えがあるけど、さすがにハイターを薄めて散布した物が効いても、現実的じゃない気がするんだよな。確か飲んでも体に害のない何かがあったと思うんだけど……なんだったっけな?
召喚リストで調べてみたが、途中で物の名前を知らないのに見ても意味がない事に気付き、インフルエンザなどの感染拡大を防ぐ方法が書いてある本を召喚して、内容を読んでいく。
その中に次亜塩素酸水が、俺の今回の目的に一番合っていたので大量に召喚して、散布をしようとしたが、散布させる方法がこいつに無かったので、いったん意識を本体に戻した。
クリエイトゴーレムで除湿器……とは違うな、農家で薬をまく時に使うスプレーみたいに、結構な量を空中に散布できるような、据え置きタイプの物を作った。
「よし、じゃぁ2回目の実験をしますか。スイッチオン!」
クリエイトゴーレムで作った散布機が稼働して、大量の水分を霧として吐き出した。
「お? 雨よりは一気に濃度が下がっているな……でも、3割位の濃度までしか下がらないのか。普通の水でも一緒かな?」
次亜塩素酸から水に入れ替えている間に濃度が戻っていたので、そのまま3度目の実験を始める。水の散布は、4割半程の濃度まで下がった。雨よりは効果があるが、次亜塩素酸水よりは効果が無かった。一応、次亜塩素酸水は効果があったんだな。
後は、液体の拡散方法で濃度が変わるのか……それでも、一定以下にはならないし、散布をやめればすぐに濃度が戻ってしまう。魔法薬って言っても、これはないんじゃないかと思う。
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