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第807話 希望の中の絶望
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「お前たちは、いったい誰に今回のやり方を教わった? そして、そのやり方を後誰が知っている?」
俺がそう質問すると、質問されていた護衛の人間は固まった。しばらく様子を見ると、動き出したがどう答えていいのか悩んでいる様子だ。
「そっか、しゃべりたくないんだな。じゃぁそこで朽ち果てろ。まぁ、俺はお前たちと違って優しいからな、今までの話してくれた報酬として、このAランクのポーションをあげるよ。投げるから落とすなよ? それと生きてここから出られたら、こんなこと二度とするなよ」
俺はそう言って、護衛の人間に向かってAランクのポーションを投げる。喜びの表情を見せて、二度とこんなことはしない! と何度もつぶやいていたいたのが聞こえてきた。俺はそのまま来た道を引き返していく。
「ご主人様……あんな人間に情けをかける意味あるのですか? 口ではもうしないとか言っていましたが、ああいうタイプの人間は絶対にまた同じことしますよ」
俺と一緒に来ていたキリエが、そんな事を少し強めの口調で言ってきた。他についてきた4人の妻たちも首を縦にふっている姿が見える。
「キリエたちにはあれが情けに見えたのか……まぁそう見えるように演技していたんだけどな。それにしても他に誰が知っているか知れるチャンスだったけど、あれ以上は話さないかな? って勝手に思ったから引き返してきたけど、ちょっとタイミング間違えたかな?」
一緒に来ていたキリエを含める5人の妻たちは、俺の言ったことがよく理解できておらず、首をかしげていた。そうすると、
「あのクソが! 嘘つきやがったな! 絶対に殺してやる!」
と聞こえてきた。
「え?ご主人様、何かしたのですか?」
「んにゃ、俺は何もしてないよ。話を聞いた対価にAランクのポーションをあげただけだよ。俺は何の嘘もついていないよ。あげたポーションが、マナポーションだっただけだよ。
俺もあいつが生きてここから出たら、同じ事をするって確信していたから、助かるっていう希望を1回持たせてから、絶望に突き落としてやっただけだよ」
5人は同情する様子は見せないが、ちょっと顔が引きつっていた。
「そんな顔しないでよ。そもそも殺すつもりでいたんだから、無駄に生きようと頑張ったあいつが死ぬまで絶望して、今までしたことを後悔して死んでいってもらおうと思って、ひらめいた方法をとっただけだよ。
というか、わざわざ急いで来なくてもよかったかな? もっと時間が経ってからくれば、弱っててもう少し話をしてくれたかな?」
護衛だった人間が「殺す、殺す」とうるさかったので、俺があけた横穴とこいつらがいた家の床を元に戻した。まぁ何とか自力で治せたとしても、助かる見込みがなくなった。
「さっさと戻ろうか。それにしても、本当に俺には犯罪の称号が付いてないな。ハゲ神から聞いていたけど、実際やってみるとドキドキものだったな。もし称号が付いてたら、この先外出がしにくくなるからな、よかった」
みんなの下に戻って話をすると、マップ先生の監視機能で様子を見ていたらしいので、詳しく話す必要はなかった。
「これで、この問題は解決したかな? またこいつらのような人間がはいって来たら、サクッと奈落の底に落ちてもらえばいいか? この方法なら、俺じゃなくても権限を与えている精霊でもできるから、そこはまかせるか」
「スプリガンの皆さん、また仕事が増えたって怒らないかな?」
イリアがスプリガンのみんなを心配する発言をした。
「そういえば最近、スプリガンのみんなには、仕事を振りすぎてるか? 増員するのがいいかな? そこらへんはリーダーに聞けばいいか。これ以上ミューズにいる必要もないし帰ろっか」
そう言って、帰る準備を始める。と言っても、収納の腕輪に収めていくだけなんだがな。全員が宿を出たタイミングで床の穴を閉じた。証拠隠滅! なんてな。
そのまま、ディストピアに引き返してグリエルに詳細な報告をした。年少組はそのまま土木組が気になるとの事で、軍事訓練に参加する! と言って走って行った。でも慌てて行っても今日は……と言うか、土木組は軍事訓練には、ほとんど参加できていないはずだ。
だって、グリエルにこっそりと土木組のメンバーには仕事を回すように、お願いしといたからな。あれ? レイリーの所に土木組の反応がある。すでに仕事を終わらせて訓練に参加してるのか?
グリエルに確認したら、割り振れる仕事が少なかった事と、思っていた以上に魔法効率が上がっており仕事が早く終わってしまったらしい。成長は嬉しいんだけど、個人的にはあまりあの訓練に参加してほしくないんだよな……最初の内はいいかな? って思ってたけどな、俺も様子見に行こう。
訓練施設に行くと、
「おい! ウジ虫ども! その程度の武装をして、2~3時間走った程度でもうばてたのか? まさかそんな事ないよな?」
『『『『『サー・イエス・サー』』』』』
相変わらず、汚い言葉を使ってるな。でも、始まった当初に比べて表情に余裕がある気がするな。だが、訓練の様子を見るとどうなんだろうか? と思うような光景がみられる。
「レイリー、土木組ってあんな感じなのか?」
「これは、シュウ様。あの子たちが参加すると、訓練がはかどりますよ。何せあの体で大人の5~10割増しの重量の負荷をかけて、ぶっちぎりですからね。負けまいと思い、兵士たちも躍起になっていますよ。
ここに来ていただいたついでに報告しておきます。あれから更に14名のリタイアが出てしまいました。理由は全員同じで、肉体を酷使し過ぎたための肉離れや疲労骨折でのリタイアです」
「そっか……それにしても、きつくて自分の意志でのリタイアはいないんだな。この世界の人間って根性あるな。今の日本であの訓練に耐えられる人間って、ほとんどいないんじゃないかな」
そんな事をつい口にしていた。ディストピアにいる人間の大半は、当時とレベルの差はあれど、肉体的にも精神的にもきつい環境にいたみたいだから、この程度どうってことないんだろうな。
俺がそう質問すると、質問されていた護衛の人間は固まった。しばらく様子を見ると、動き出したがどう答えていいのか悩んでいる様子だ。
「そっか、しゃべりたくないんだな。じゃぁそこで朽ち果てろ。まぁ、俺はお前たちと違って優しいからな、今までの話してくれた報酬として、このAランクのポーションをあげるよ。投げるから落とすなよ? それと生きてここから出られたら、こんなこと二度とするなよ」
俺はそう言って、護衛の人間に向かってAランクのポーションを投げる。喜びの表情を見せて、二度とこんなことはしない! と何度もつぶやいていたいたのが聞こえてきた。俺はそのまま来た道を引き返していく。
「ご主人様……あんな人間に情けをかける意味あるのですか? 口ではもうしないとか言っていましたが、ああいうタイプの人間は絶対にまた同じことしますよ」
俺と一緒に来ていたキリエが、そんな事を少し強めの口調で言ってきた。他についてきた4人の妻たちも首を縦にふっている姿が見える。
「キリエたちにはあれが情けに見えたのか……まぁそう見えるように演技していたんだけどな。それにしても他に誰が知っているか知れるチャンスだったけど、あれ以上は話さないかな? って勝手に思ったから引き返してきたけど、ちょっとタイミング間違えたかな?」
一緒に来ていたキリエを含める5人の妻たちは、俺の言ったことがよく理解できておらず、首をかしげていた。そうすると、
「あのクソが! 嘘つきやがったな! 絶対に殺してやる!」
と聞こえてきた。
「え?ご主人様、何かしたのですか?」
「んにゃ、俺は何もしてないよ。話を聞いた対価にAランクのポーションをあげただけだよ。俺は何の嘘もついていないよ。あげたポーションが、マナポーションだっただけだよ。
俺もあいつが生きてここから出たら、同じ事をするって確信していたから、助かるっていう希望を1回持たせてから、絶望に突き落としてやっただけだよ」
5人は同情する様子は見せないが、ちょっと顔が引きつっていた。
「そんな顔しないでよ。そもそも殺すつもりでいたんだから、無駄に生きようと頑張ったあいつが死ぬまで絶望して、今までしたことを後悔して死んでいってもらおうと思って、ひらめいた方法をとっただけだよ。
というか、わざわざ急いで来なくてもよかったかな? もっと時間が経ってからくれば、弱っててもう少し話をしてくれたかな?」
護衛だった人間が「殺す、殺す」とうるさかったので、俺があけた横穴とこいつらがいた家の床を元に戻した。まぁ何とか自力で治せたとしても、助かる見込みがなくなった。
「さっさと戻ろうか。それにしても、本当に俺には犯罪の称号が付いてないな。ハゲ神から聞いていたけど、実際やってみるとドキドキものだったな。もし称号が付いてたら、この先外出がしにくくなるからな、よかった」
みんなの下に戻って話をすると、マップ先生の監視機能で様子を見ていたらしいので、詳しく話す必要はなかった。
「これで、この問題は解決したかな? またこいつらのような人間がはいって来たら、サクッと奈落の底に落ちてもらえばいいか? この方法なら、俺じゃなくても権限を与えている精霊でもできるから、そこはまかせるか」
「スプリガンの皆さん、また仕事が増えたって怒らないかな?」
イリアがスプリガンのみんなを心配する発言をした。
「そういえば最近、スプリガンのみんなには、仕事を振りすぎてるか? 増員するのがいいかな? そこらへんはリーダーに聞けばいいか。これ以上ミューズにいる必要もないし帰ろっか」
そう言って、帰る準備を始める。と言っても、収納の腕輪に収めていくだけなんだがな。全員が宿を出たタイミングで床の穴を閉じた。証拠隠滅! なんてな。
そのまま、ディストピアに引き返してグリエルに詳細な報告をした。年少組はそのまま土木組が気になるとの事で、軍事訓練に参加する! と言って走って行った。でも慌てて行っても今日は……と言うか、土木組は軍事訓練には、ほとんど参加できていないはずだ。
だって、グリエルにこっそりと土木組のメンバーには仕事を回すように、お願いしといたからな。あれ? レイリーの所に土木組の反応がある。すでに仕事を終わらせて訓練に参加してるのか?
グリエルに確認したら、割り振れる仕事が少なかった事と、思っていた以上に魔法効率が上がっており仕事が早く終わってしまったらしい。成長は嬉しいんだけど、個人的にはあまりあの訓練に参加してほしくないんだよな……最初の内はいいかな? って思ってたけどな、俺も様子見に行こう。
訓練施設に行くと、
「おい! ウジ虫ども! その程度の武装をして、2~3時間走った程度でもうばてたのか? まさかそんな事ないよな?」
『『『『『サー・イエス・サー』』』』』
相変わらず、汚い言葉を使ってるな。でも、始まった当初に比べて表情に余裕がある気がするな。だが、訓練の様子を見るとどうなんだろうか? と思うような光景がみられる。
「レイリー、土木組ってあんな感じなのか?」
「これは、シュウ様。あの子たちが参加すると、訓練がはかどりますよ。何せあの体で大人の5~10割増しの重量の負荷をかけて、ぶっちぎりですからね。負けまいと思い、兵士たちも躍起になっていますよ。
ここに来ていただいたついでに報告しておきます。あれから更に14名のリタイアが出てしまいました。理由は全員同じで、肉体を酷使し過ぎたための肉離れや疲労骨折でのリタイアです」
「そっか……それにしても、きつくて自分の意志でのリタイアはいないんだな。この世界の人間って根性あるな。今の日本であの訓練に耐えられる人間って、ほとんどいないんじゃないかな」
そんな事をつい口にしていた。ディストピアにいる人間の大半は、当時とレベルの差はあれど、肉体的にも精神的にもきつい環境にいたみたいだから、この程度どうってことないんだろうな。
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