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第725話 突破口?
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「ちょっと危険かもしれないけど、サイドからとか同時に攻撃を仕掛けよう。相手に暇を与えるな!」
俺の指示に従って、全員が動き出す。4チームが同時に動けるわけでは無い。大きい堕天使は小さい堕天使3匹の後ろにいるから1チーム1匹であたると、1チーム余ってしまうのだ。別けていた年少組は合流させている。
飽和攻撃を仕掛けるために俺達は可能な限りチームを離し、大きな堕天使を中心に90度の扇状に広がり、壁側にいる俺の位置を0度として45度と90度の位置にそれぞれのチームが移動した形だ。
手数がほしいので、俺はソフィーと同じ双剣に持ち替える。手数を重視してはいるが、攻撃に重さが無ければ価値が無いと思ったので、少し重めの武器をチョイスしている。片刃の刀身が厚めのタイプだ。
「さーて、初手をあわせてくれるのは誰かな?」
ちょっとした軽い気持ちで口にした。誰が声をあげるまでもなく、すっと前にカエデが出てきていた。俺と合わせてくれるのはカエデか。
愛用している【迷刀・霞】を鞘にしまって、いつでも抜き放てるようにしている。抜刀術を使うのかな?それなら上半身を狙う形か? 俺が狙うのは下半身を狙おうかな?
「カエデ、上よろしく」
それだけで通じたようでカエデは、行動に出る。距離を詰め抜刀術で【迷刀・霞】を振りぬくが、堕天使の盾によって阻まれている。だが、同時に俺の双剣によるスキルが発動していた。
【双剣剛撃】
両手に1本ずつ持った剣で強引に足元も切り裂く。少し下を狙いすぎてジャンプをしてかわされてしまう。かわされても俺たちだけじゃない。俺とカエデが離れると同時に今度は、エレノアの斧槍とリンドの両手鈍器が振るわれて、空中にいる堕天使を襲った。
スキルが使われた一撃だったのだろう、やっとまともなダメージを与える事に成功した。と思ったのもつかの間、堕天使が光に包まれて、ダメージを回復していた。
「まじか、後ろのデカいの回復もちかよ。これで本格的に打つ手がなくなってきたな。撤退を視野に入れないとまずいかもしれない」
この世界の回復魔法は、アンデッドですら回復させてしまう摩訶不思議な魔法なのだ。そもそもアンデッドに回復魔法を使ってダメージが入るっていうのは、ファイ〇ルファン〇ジーのせいだと俺は思ってる。
あの7作品目の〇族の洞窟にいるボスに、蘇生効果のあるアイテムを使うと即死ダメージで倒すことができる印象が強い。全作品中最弱のボスと名高いあいつのせいだと思うのだ!
思考がそれてしまったな、イカンイカン。
色々検証するべく攻撃を仕掛けてはいるが、決定力にかけている。やっぱり攻めきれないな。どうしたもんだかな? 腕や足の1本でも切り飛ばせたら、戦況は変わるかもしれないけど、難しいよな。
そんな事を考えている間にも、攻撃をしているが状況はよくない。そんな事を続けて20分。状況が動かないまま現状維持。いや、疲れや魔力が測れない以上、俺たちの方が不利な気がする。ジリ貧だな。
「王国の神のダンジョンと、レベルが違いすぎるだろ! 140階までがお遊びみたいに感じられるくらい違うし! せっかくここまで来たのに! 撤退戦を開始s……え!?」
撤退を開始しようと宣言した次の瞬間、シェリルが堕天使の盾を殴りつけていた。いや、それだけならまだ、ここまで俺も驚きはしないのだが、武器を使って付与魔法も使った鈍器の攻撃より、シェリルが殴った時の方が明らかにダメージがあるように見えたのだ。
「撤退一時中止! シェリル、今何をした?」
俺の近くに退避してきたシェリルが、
「えっとね、防御に影響を受けないって言ってた【浸透勁】を使ってみたの!」
ここに来てまさかのスキル。盾の上からでも、堕天使にダメージを与える非常識なスキルだった。
「シェリル、よくやった! まさか鈍器や大剣、斧槍の攻撃より素手での攻撃の方が、ダメージがでかくなることがあるとはな。何が役に立つか分からないもんだな」
俺達は武器を持ち替えて……といっていいのだろうか? 手甲に付け替えて攻撃を再開した。一応全員がシェリルに使い方を習って【浸透勁】を習得しているので全員で試す形だ。
ちなみに、手甲は防御をする道具としても使えるのが特徴だ。少し重くなるが、手の甲から前腕にかけて、うろこ状に配置されたミスリル合金にアダマンコーティングを施したうろこが、小さな盾みたいな役割を果たす装備だ。
腕の動きに干渉しないように工夫を凝らして作ったものだ。普通の手甲に比べて重いので普段使いできない物になってしまったが、本当に作っておいてよかったと思った。久々に感じた幸運3種の効果なのだろうか?
そこから戦闘は明らかに優勢になっていた。どういう理由か分からないが、浸透頸によって与えたダメージは、デカい堕天使の回復魔法でも完全に回復しきらない事が分かったのだ。
「ダメージは与えられているな。このまま押し切れるか? みんな無理せずに攻撃を積み重ねていこう!」
俺も【浸透勁】を使って、ダメージを蓄積していく。波状攻撃のように、攻撃するメンバーを交換しながら戦闘が経過していく。
10分が経過した頃に、大きい堕天使の行動が変化した。今までは回復魔法を使いながら牽制をしていたのだが、回復魔法をやめて両手に1本ずつ杖を持って攻撃魔法を使ってきた。
しかも器用な事に1人で、ユニゾンマジックを使っているのだ……1人なのにユニゾンってあってるのかわからんが、器用な事には変わりない。小さい堕天使が使っていたユニゾンマジックの威力の、はるか上をいっていたので、防御に割く割合が高くなってきている。
全員が【フォートレス】を使うための盾を装備していなかったため、結界でしのぐ形になってしまったため、手数が減ってしまっている。
防御面で考えれば圧倒的に結界魔法より、【フォートレス】の方が優秀だという事らしい。各チーム1人を【フォートレス】役をつくるべきか? いや、このまま押し切る!
「みんな、攻撃パターンが変わった事を考えると、あいつらがピンチになっている可能性が高い。落ち着いて攻撃を続けていくぞ!」
俺の指示に従って、全員が動き出す。4チームが同時に動けるわけでは無い。大きい堕天使は小さい堕天使3匹の後ろにいるから1チーム1匹であたると、1チーム余ってしまうのだ。別けていた年少組は合流させている。
飽和攻撃を仕掛けるために俺達は可能な限りチームを離し、大きな堕天使を中心に90度の扇状に広がり、壁側にいる俺の位置を0度として45度と90度の位置にそれぞれのチームが移動した形だ。
手数がほしいので、俺はソフィーと同じ双剣に持ち替える。手数を重視してはいるが、攻撃に重さが無ければ価値が無いと思ったので、少し重めの武器をチョイスしている。片刃の刀身が厚めのタイプだ。
「さーて、初手をあわせてくれるのは誰かな?」
ちょっとした軽い気持ちで口にした。誰が声をあげるまでもなく、すっと前にカエデが出てきていた。俺と合わせてくれるのはカエデか。
愛用している【迷刀・霞】を鞘にしまって、いつでも抜き放てるようにしている。抜刀術を使うのかな?それなら上半身を狙う形か? 俺が狙うのは下半身を狙おうかな?
「カエデ、上よろしく」
それだけで通じたようでカエデは、行動に出る。距離を詰め抜刀術で【迷刀・霞】を振りぬくが、堕天使の盾によって阻まれている。だが、同時に俺の双剣によるスキルが発動していた。
【双剣剛撃】
両手に1本ずつ持った剣で強引に足元も切り裂く。少し下を狙いすぎてジャンプをしてかわされてしまう。かわされても俺たちだけじゃない。俺とカエデが離れると同時に今度は、エレノアの斧槍とリンドの両手鈍器が振るわれて、空中にいる堕天使を襲った。
スキルが使われた一撃だったのだろう、やっとまともなダメージを与える事に成功した。と思ったのもつかの間、堕天使が光に包まれて、ダメージを回復していた。
「まじか、後ろのデカいの回復もちかよ。これで本格的に打つ手がなくなってきたな。撤退を視野に入れないとまずいかもしれない」
この世界の回復魔法は、アンデッドですら回復させてしまう摩訶不思議な魔法なのだ。そもそもアンデッドに回復魔法を使ってダメージが入るっていうのは、ファイ〇ルファン〇ジーのせいだと俺は思ってる。
あの7作品目の〇族の洞窟にいるボスに、蘇生効果のあるアイテムを使うと即死ダメージで倒すことができる印象が強い。全作品中最弱のボスと名高いあいつのせいだと思うのだ!
思考がそれてしまったな、イカンイカン。
色々検証するべく攻撃を仕掛けてはいるが、決定力にかけている。やっぱり攻めきれないな。どうしたもんだかな? 腕や足の1本でも切り飛ばせたら、戦況は変わるかもしれないけど、難しいよな。
そんな事を考えている間にも、攻撃をしているが状況はよくない。そんな事を続けて20分。状況が動かないまま現状維持。いや、疲れや魔力が測れない以上、俺たちの方が不利な気がする。ジリ貧だな。
「王国の神のダンジョンと、レベルが違いすぎるだろ! 140階までがお遊びみたいに感じられるくらい違うし! せっかくここまで来たのに! 撤退戦を開始s……え!?」
撤退を開始しようと宣言した次の瞬間、シェリルが堕天使の盾を殴りつけていた。いや、それだけならまだ、ここまで俺も驚きはしないのだが、武器を使って付与魔法も使った鈍器の攻撃より、シェリルが殴った時の方が明らかにダメージがあるように見えたのだ。
「撤退一時中止! シェリル、今何をした?」
俺の近くに退避してきたシェリルが、
「えっとね、防御に影響を受けないって言ってた【浸透勁】を使ってみたの!」
ここに来てまさかのスキル。盾の上からでも、堕天使にダメージを与える非常識なスキルだった。
「シェリル、よくやった! まさか鈍器や大剣、斧槍の攻撃より素手での攻撃の方が、ダメージがでかくなることがあるとはな。何が役に立つか分からないもんだな」
俺達は武器を持ち替えて……といっていいのだろうか? 手甲に付け替えて攻撃を再開した。一応全員がシェリルに使い方を習って【浸透勁】を習得しているので全員で試す形だ。
ちなみに、手甲は防御をする道具としても使えるのが特徴だ。少し重くなるが、手の甲から前腕にかけて、うろこ状に配置されたミスリル合金にアダマンコーティングを施したうろこが、小さな盾みたいな役割を果たす装備だ。
腕の動きに干渉しないように工夫を凝らして作ったものだ。普通の手甲に比べて重いので普段使いできない物になってしまったが、本当に作っておいてよかったと思った。久々に感じた幸運3種の効果なのだろうか?
そこから戦闘は明らかに優勢になっていた。どういう理由か分からないが、浸透頸によって与えたダメージは、デカい堕天使の回復魔法でも完全に回復しきらない事が分かったのだ。
「ダメージは与えられているな。このまま押し切れるか? みんな無理せずに攻撃を積み重ねていこう!」
俺も【浸透勁】を使って、ダメージを蓄積していく。波状攻撃のように、攻撃するメンバーを交換しながら戦闘が経過していく。
10分が経過した頃に、大きい堕天使の行動が変化した。今までは回復魔法を使いながら牽制をしていたのだが、回復魔法をやめて両手に1本ずつ杖を持って攻撃魔法を使ってきた。
しかも器用な事に1人で、ユニゾンマジックを使っているのだ……1人なのにユニゾンってあってるのかわからんが、器用な事には変わりない。小さい堕天使が使っていたユニゾンマジックの威力の、はるか上をいっていたので、防御に割く割合が高くなってきている。
全員が【フォートレス】を使うための盾を装備していなかったため、結界でしのぐ形になってしまったため、手数が減ってしまっている。
防御面で考えれば圧倒的に結界魔法より、【フォートレス】の方が優秀だという事らしい。各チーム1人を【フォートレス】役をつくるべきか? いや、このまま押し切る!
「みんな、攻撃パターンが変わった事を考えると、あいつらがピンチになっている可能性が高い。落ち着いて攻撃を続けていくぞ!」
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