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第710話 ちょっとピンチかも
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アークデーモン、ハイデビル、バフォメットを部屋に引き戻して、戦闘を仕切りなおした俺たちは攻勢に出る。
初めに部屋に引き戻されていたバフォメットは、すでに結構な傷を負っていたが、目で見て分かるようなスピードで傷が塞がっている。まるで、75階にいたメデューサと空飛び蛇みたいだった。
目に見える程早く回復するって事は、かなり高い回復能力を持っているってことだよな。
「みんな。こいつらは上にいたメデューサと一緒だ。生半可な攻撃では、すぐにダメージを回復してしまうと思う。ダメージを積み重ねると考えるんじゃなくて、メデューサみたいに削り取っていく方向で、攻撃する方が効果的だと思う。
手足のような末端を狙って、攻撃するのがいいと思う。体を支える脚は、首と同様に弱点になりえるから、生半可な攻撃では切り落とせないと考えろ。隙を作らないように隙をついて、大きなダメージを与えるんだ!」
このダンジョンに入って分かった事だが、ある程度大きい魔物になるとダメージを与えて殺すというよりは、体を削り取った方が効果的だとわかったのだ。
ヒットポイントを0にするのは変わらないが、五体満足の状態より手足の1本、指の1本、尻尾の1本、なんでもいいので削り落とすことが大切だとわかった。
もちろん、弱点の首を切り落とせるのが一番いいだろうが、一撃で切り落とすのは困難だ。しっかり削りきってから、弱点を狙うほうがいいという事だ。
俺の考えでは、体の一部を削り取る事によって、最大ヒットポイントのような物を減らし、回復量を低下させる事が出来ると考えている。
もちろん体を削り取るわけだから、それ相応のダメージを与えられるだろうし一石二鳥である。本当に俺の考えている通りか分からないが、実際に効果が出ているので行わない理由はない。
ハイデビルを視界に収め相対する。武器は片手剣。切り刻んでいくという意味で剣を選択していた。鈍器だと骨折などで内部にダメージを蓄積できるかもしれないが、最終的には回復されてしまう可能性があったので、剣を選択している。
ハイデビルは腕が4本、足が2本、尻尾が1本はえており、名前の通り悪魔のような顔に、両側頭葉付近から太い角が後ろに流れるようにはえている。ハイデビルは知能も高く、複数の魔法を使う事ができる。
個体にって使える魔法が違うが、大体2~3属性の魔法は使いこなしてくるため厄介な魔物だ。人間の歴史では厄災と名付けられた、災害指定を受けた事もある魔物だ。その時は、SSランクの冒険者が派遣されて、パーティーに被害を出して討伐されたらしい。
右手2本の手のひらに赤色と緑色の光が集まってきている。デビル系の魔物が魔法を使い時の特徴だ。赤は火魔法、緑は風魔法。複数属性の魔法の使い方をよく知ってやがる。上にいたデビルはここまで器用に魔法を使ってなかったのにな! 魔力を多めに使い、
【アクアカーテン】
【アクアカーテン】は【アクアベール】の上位版と言った所だろう。上位版と言うだけあって、ベールの数倍の防御力がある。魔力を多めに使ったのは、後ろで戦っている仲間たちに影響が出ないように包み込むためだ。
ハイデビルから放たれた2属性の魔法は、お互いがお互いを増強するように絡み合い広範囲に広がってきた。だが、全部俺が発動した【アクアカーテン】に阻まれてデビルの方に押し返した。
「分かってたけど、こいつって本当に嫌になるくらい、魔法耐性が高いな。自分の魔法でダメージを受けるなんてバカな事はしないか。俺のヘルプをしてくれるのは、誰か分からないけど、俺の邪魔はしないだろうから大丈夫だろう」
盾をかまえてハイデビルに突っ込んでいくと、ハイデビルの左右の手1本ずつにまた魔法の兆しが現れる。今度は、黄色と茶色の2色だった。
「ちっ! 今度は雷魔法と土魔法か、最低でも4属性も使ってくるのかめんどくせえ!」
自分たちは存在する、火・水・風・土・雷・氷・光・回復等々、様々な属性を使える事を棚に上げて、そんな事を口走っていた。
俺はとっさに収納の腕輪から、電気伝導率の高い金属を取り出す。何が電気伝導率が高いかなど分からなかったので、出したのは銅だった。
俺が接近する前に黄色く光っていた左手を、前に突き出し魔法を使ってきた。俺はその前に、俺とハイデビルの間に銅を投げつけていた。ハイデビルの雷魔法は銅に吸い込まれて、俺に効果を与えられなかったが……
「マジか、銅が一瞬で融解した……」
口から驚きのあまり声が出ていた。魔法だから本物の電気とは違うだろうが、金属が一瞬で融解するとかありえんだろ。
唖然としたが、攻撃を仕掛けないわけにはいかないので、距離を詰める。右手の土魔法は何が起こるかと、注意しながら接近をしていくと、人間のサイズで比較すれば、ハンドボール程の大きさに見えるだろう岩が現れた。
3メートルを越えるハイデビルが持っていることを考えると、バスケットボールより大きな岩を持っていることになる。どうするかと思えば、俺に向かって投擲してきたのだ。
重量が何kgあるか分からないが盾ではじいて、ハイデビルとの距離をゼロにする。体を切り付けてみる。一応、刃は通る。観察している間にも、傷が塞がってきている。尋常じゃない回復力だな。切り落としてもはえてきたりしないよな?
変な事を考えながら、ハイデビルから放たれる左右合わせて4本の腕の攻撃を受け止め、受け流し、かわして距離を変えずに対応する。
「スキルリンクを使う! 誰かサポートをしてくれ!」
後ろから返事する声が聞こえたので、問題ないだろう。じゃぁ行くか。
【シールドバッシュ】【バーティカルスクエア】【メテオスマッシュ】
まず【シールドバッシュ】で腹部を殴りつけ体勢を崩す。その後【バーティカルスクエア】で、横に広げられた左手の1本を的に、垂直に腕を回っての4連撃。
これによって腕の皮膚と筋肉は何とか切り裂く事が出来たが、骨まで断つことはできなかった。それを予想して最後の【メテオスマッシュ】で骨を断ち切った。
腕を落とされたハイデビルは、雄叫びをあげながら右腕の2本で俺を殴り飛ばそうとしていた。それを防いだのは後ろから飛び出してきた、シェリルとネルの2人がハイデビルの2つの拳を殴りつけていた。
確かにこの2人も手甲はつけていて、ハイデビルみたいに素手で攻撃を得意としてる。でも、さすがに体の大きさを考えて防げるとは思わなかった。
「2人ともナイスだ。いったん後ろに!」
俺の指示を受けて2人は後ろに下がる。
「腕は切り落とせることは分かった! 後は繰り返すだけだ。みんなサポートを!」
距離を離さずに対応してしていた。にもかかわらず、ハイデビルは魔法を使うために左右1本ずつに黄色光が集まってきていた。
「マジかよ! この距離で魔法ってありえんだろ!」
俺とハイデビルとの距離は1メートル程しかない。普通だと、この距離で魔法を使う事はあり得ないが、ハイデビルはその距離でもお構いなしに魔法を使うようだ。
初めに部屋に引き戻されていたバフォメットは、すでに結構な傷を負っていたが、目で見て分かるようなスピードで傷が塞がっている。まるで、75階にいたメデューサと空飛び蛇みたいだった。
目に見える程早く回復するって事は、かなり高い回復能力を持っているってことだよな。
「みんな。こいつらは上にいたメデューサと一緒だ。生半可な攻撃では、すぐにダメージを回復してしまうと思う。ダメージを積み重ねると考えるんじゃなくて、メデューサみたいに削り取っていく方向で、攻撃する方が効果的だと思う。
手足のような末端を狙って、攻撃するのがいいと思う。体を支える脚は、首と同様に弱点になりえるから、生半可な攻撃では切り落とせないと考えろ。隙を作らないように隙をついて、大きなダメージを与えるんだ!」
このダンジョンに入って分かった事だが、ある程度大きい魔物になるとダメージを与えて殺すというよりは、体を削り取った方が効果的だとわかったのだ。
ヒットポイントを0にするのは変わらないが、五体満足の状態より手足の1本、指の1本、尻尾の1本、なんでもいいので削り落とすことが大切だとわかった。
もちろん、弱点の首を切り落とせるのが一番いいだろうが、一撃で切り落とすのは困難だ。しっかり削りきってから、弱点を狙うほうがいいという事だ。
俺の考えでは、体の一部を削り取る事によって、最大ヒットポイントのような物を減らし、回復量を低下させる事が出来ると考えている。
もちろん体を削り取るわけだから、それ相応のダメージを与えられるだろうし一石二鳥である。本当に俺の考えている通りか分からないが、実際に効果が出ているので行わない理由はない。
ハイデビルを視界に収め相対する。武器は片手剣。切り刻んでいくという意味で剣を選択していた。鈍器だと骨折などで内部にダメージを蓄積できるかもしれないが、最終的には回復されてしまう可能性があったので、剣を選択している。
ハイデビルは腕が4本、足が2本、尻尾が1本はえており、名前の通り悪魔のような顔に、両側頭葉付近から太い角が後ろに流れるようにはえている。ハイデビルは知能も高く、複数の魔法を使う事ができる。
個体にって使える魔法が違うが、大体2~3属性の魔法は使いこなしてくるため厄介な魔物だ。人間の歴史では厄災と名付けられた、災害指定を受けた事もある魔物だ。その時は、SSランクの冒険者が派遣されて、パーティーに被害を出して討伐されたらしい。
右手2本の手のひらに赤色と緑色の光が集まってきている。デビル系の魔物が魔法を使い時の特徴だ。赤は火魔法、緑は風魔法。複数属性の魔法の使い方をよく知ってやがる。上にいたデビルはここまで器用に魔法を使ってなかったのにな! 魔力を多めに使い、
【アクアカーテン】
【アクアカーテン】は【アクアベール】の上位版と言った所だろう。上位版と言うだけあって、ベールの数倍の防御力がある。魔力を多めに使ったのは、後ろで戦っている仲間たちに影響が出ないように包み込むためだ。
ハイデビルから放たれた2属性の魔法は、お互いがお互いを増強するように絡み合い広範囲に広がってきた。だが、全部俺が発動した【アクアカーテン】に阻まれてデビルの方に押し返した。
「分かってたけど、こいつって本当に嫌になるくらい、魔法耐性が高いな。自分の魔法でダメージを受けるなんてバカな事はしないか。俺のヘルプをしてくれるのは、誰か分からないけど、俺の邪魔はしないだろうから大丈夫だろう」
盾をかまえてハイデビルに突っ込んでいくと、ハイデビルの左右の手1本ずつにまた魔法の兆しが現れる。今度は、黄色と茶色の2色だった。
「ちっ! 今度は雷魔法と土魔法か、最低でも4属性も使ってくるのかめんどくせえ!」
自分たちは存在する、火・水・風・土・雷・氷・光・回復等々、様々な属性を使える事を棚に上げて、そんな事を口走っていた。
俺はとっさに収納の腕輪から、電気伝導率の高い金属を取り出す。何が電気伝導率が高いかなど分からなかったので、出したのは銅だった。
俺が接近する前に黄色く光っていた左手を、前に突き出し魔法を使ってきた。俺はその前に、俺とハイデビルの間に銅を投げつけていた。ハイデビルの雷魔法は銅に吸い込まれて、俺に効果を与えられなかったが……
「マジか、銅が一瞬で融解した……」
口から驚きのあまり声が出ていた。魔法だから本物の電気とは違うだろうが、金属が一瞬で融解するとかありえんだろ。
唖然としたが、攻撃を仕掛けないわけにはいかないので、距離を詰める。右手の土魔法は何が起こるかと、注意しながら接近をしていくと、人間のサイズで比較すれば、ハンドボール程の大きさに見えるだろう岩が現れた。
3メートルを越えるハイデビルが持っていることを考えると、バスケットボールより大きな岩を持っていることになる。どうするかと思えば、俺に向かって投擲してきたのだ。
重量が何kgあるか分からないが盾ではじいて、ハイデビルとの距離をゼロにする。体を切り付けてみる。一応、刃は通る。観察している間にも、傷が塞がってきている。尋常じゃない回復力だな。切り落としてもはえてきたりしないよな?
変な事を考えながら、ハイデビルから放たれる左右合わせて4本の腕の攻撃を受け止め、受け流し、かわして距離を変えずに対応する。
「スキルリンクを使う! 誰かサポートをしてくれ!」
後ろから返事する声が聞こえたので、問題ないだろう。じゃぁ行くか。
【シールドバッシュ】【バーティカルスクエア】【メテオスマッシュ】
まず【シールドバッシュ】で腹部を殴りつけ体勢を崩す。その後【バーティカルスクエア】で、横に広げられた左手の1本を的に、垂直に腕を回っての4連撃。
これによって腕の皮膚と筋肉は何とか切り裂く事が出来たが、骨まで断つことはできなかった。それを予想して最後の【メテオスマッシュ】で骨を断ち切った。
腕を落とされたハイデビルは、雄叫びをあげながら右腕の2本で俺を殴り飛ばそうとしていた。それを防いだのは後ろから飛び出してきた、シェリルとネルの2人がハイデビルの2つの拳を殴りつけていた。
確かにこの2人も手甲はつけていて、ハイデビルみたいに素手で攻撃を得意としてる。でも、さすがに体の大きさを考えて防げるとは思わなかった。
「2人ともナイスだ。いったん後ろに!」
俺の指示を受けて2人は後ろに下がる。
「腕は切り落とせることは分かった! 後は繰り返すだけだ。みんなサポートを!」
距離を離さずに対応してしていた。にもかかわらず、ハイデビルは魔法を使うために左右1本ずつに黄色光が集まってきていた。
「マジかよ! この距離で魔法ってありえんだろ!」
俺とハイデビルとの距離は1メートル程しかない。普通だと、この距離で魔法を使う事はあり得ないが、ハイデビルはその距離でもお構いなしに魔法を使うようだ。
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