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第696話 農耕機の復活
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いつかのように、またガリアから呼び出しがあった。戦闘訓練とかをしていただけなので、すぐに行政府に向かった。今日は何の呼び出しだろうか? と考えながらニコをポンポン上に投げながら、のんびりと進んでいく。
途中でハクに捕まってかなり上から落とされたが、俺がキャッチした事が嬉しかったようで、俺の手の中で高速でプルプル揺れている。
「シュウ様、お待ちしておりました。今日は相談事がありまして……」
「何かあったのか……って、何かあったから呼びだされたんだよな。で、何の相談だ?」
「ゴーストタウンの地下に放置されていたという設定の、農耕機の魔導具ですが、問題が発生しました」
「え? あれ壊れてたの?」
「いえ、そうではなく……ゴーストタウンの魔導技師とでもいえばいいのでしょうか? その人たちが調べて、乗り物だという事はわかったのですが、何に使う物かが分からず匙を投げてしまったのです」
「なんという盲点。俺たちはあれが何かを理解しているから、農耕機だという事がわかるけど、この世界の人には分からないのか……それをどうにかしてほしいって事か?」
「そうですね。人力でもできなくはないと思いますが、さすがに時間がかかりすぎるので、区画ごとに貸し出せるようにしたいですね。魔導技師の技量が足りてないんですよね。そこをシュウ様に、何とか解決してもらえないかと思いまして」
「そういう事か、とりあえず見つかった農耕機の扱いはどうなってる?」
「ゴーストタウンというよりは、支配しているディストピアに、帰属していると言った形ですかね」
「そっか、それなら間接的には、俺の持ち物って事か? 自分の物じゃなければ、無理に動かすのも怖いってところだろう? 研究者なら無茶なことしそうな感じがあるけど、無茶しないのかな?」
「ただの魔道具であれば、そうだったかもしれませんが、用途不明の魔道具だから二の足を踏んでいましたね」
「俺が壊れてもいいから、1度動かしてみればいいか? それで1回分解して、組み立ててみれば問題ないか?」
「シュウ様が主導して行うのであれば、魔導技師たちも何も言わないかと思われます」
「そっか、俺がやるんじゃなくて、許可を出して思う存分やってもらえばいいって事か? 一番初めは俺がやろうかな? 1個は壊してもいい勢いで分解しよう! まぁ俺が作ったから問題なく分解できるし、それを覚えてもらえば、それでいいかな?」
「そこらへんは任せてもいいでしょうか?」
おっと、俺の得意技の丸投げが、ガリアから発動されてしまった。普段俺ってこんなことしているのか……たまにはしょうがないよな。やってやろうじゃないか!
「わかったよ。明日からでいいか? 今日中に技師たちに、俺たちが行くって伝えておいてくれ。アリスとライムを連れて行って分解するわ。ゴーストタウンの人には連絡しておいてね」
ガリアとの話も終わり明日の事を考え始める。俺は考え事をしながら歩いていると、周りの事を気にしなくなるため、クロとギンが俺を挟んで歩き誘導してくれているのだが、いつも甘えん坊だな……なんて考えて背中を撫でながら、考え事に没頭する形になる。
そういった姿は度々見られるため、街の住人も分かっているようで、俺が2匹に挟まれている時は、道をあけてくれるようになっている。
家に帰るまでに色々考えたが、自分で作った物を分解するわけで、どうしたもんだか考えがまとまらない。何となく、分解してパーツに番号をふって、また組み立てられるようにすればよくね? 位の考えになってしまった。
俺には絵心が無いから、絵のうまい人に書いてもらって、分解していくしかないかな? それで俺たち以外の魔導技師で、元に戻せなければそれはそれでしょうがないか? そこまでは責任はとれん!
夕食後にライムとアリスには、明日一緒にゴーストタウンで出土された農耕機を、ディストピアの領主兼魔導技師という立場で、動かしたり分解したりする予定だと伝えて、準備してもらう事にした。
次の日、俺の姿はゴーストタウンの地下、農耕機の置いてあった新しい建物の中にあった。
「知らない人もいるかもしれないけど、ディストピアやゴーストタウンの領主をしているシュウです。政ごとは、グリエルとかガリアに任せっきりなので、名前だけの領主みたいなものです。作ったり発見したりしたから領主をやっています。
個人的には魔道具を作ったりするのが好きなので、今回のこのよく分からない乗り物のような物の調査に来ました。良く分からないけど、間接的に俺の持ち物になってしまったようなので、気軽に分解して中を調べたいと思います。
もし壊れても、何台もあるうちの1台の使えないものが壊れるだけなので、気にする必要はないかと思って分解しに来ました」
建前を並べて暗に壊すつもりで、分解すると言う旨を伝えた。といっても、魔導技師たちにやらせるわけにはいかないので、
「早速開始しようか。誰か絵が得意な人はいるかな? 色々描いてもらいたいんだけど……」
そうすると、10人いるうちの魔導技師の3人が手をあげた。ライムも絵がうまいので、
「そっちの3人とライムは、悪いけどこの魔道具のスケッチをお願いしていいかな?」
20分位すると全員が書き終わった。おぉ、みんな上手いな、俺の絵とは大違いだな。
「分解できそうなところから分解してくから、分解した物のスケッチをお願い。一応番号をつけて、どの部分がどこにあったか、書き込んで行こうと思うのでよろしく」
写真みたいなものがあれば楽なんだけどな……そんな便利な物はないか。今度つくってみるか?
そんなことを考えながらも、俺の手の動きは止まっていない。そもそも、俺はこれを作っているのだが、メンテナンスが難しくて、俺がやらなきゃいけない事にならないように、簡単にメンテナンスが出来るよう、分解しやすくしたつもりなんだがな……
「思ったより分解しやすいな。感覚的には、パーツ毎にはめ込める感じかな? ここの機能は後で調べるとして、スケッチは大丈夫かな?」
みんなで、手分けをしてパーツ毎に書いているため、かかなり作業効率が上がっている。
3時間程作業を続けて、分解と再構成を出来るようになっている。個々のパーツの機能は、そこから1週間程かけて解明され、整備も進み、俺が介入してから3週間程で農耕機が使えるようになった。
直す過程で動かしてみた際に、耕す事も出来るとわかり、当初の目論見通りエリア毎に貸し出されるように話が進んだ。
ちなみに俺が手伝ったのは最初の分解と、再構成する際にアドバイス、試運転位で、あとは任せておいたので、たいして手間がかかっていなかった。
細かいパーツに関しては、エンジンとなる魔力を供給する機関以外は、多少精度が求められるだけで、この世界の技術でも再現は可能だと、思われるもので作成しているので、いざって時も大丈夫だろう。ドワーフなら問題ないので、最悪ディストピアに依頼が来るだろう。
途中でハクに捕まってかなり上から落とされたが、俺がキャッチした事が嬉しかったようで、俺の手の中で高速でプルプル揺れている。
「シュウ様、お待ちしておりました。今日は相談事がありまして……」
「何かあったのか……って、何かあったから呼びだされたんだよな。で、何の相談だ?」
「ゴーストタウンの地下に放置されていたという設定の、農耕機の魔導具ですが、問題が発生しました」
「え? あれ壊れてたの?」
「いえ、そうではなく……ゴーストタウンの魔導技師とでもいえばいいのでしょうか? その人たちが調べて、乗り物だという事はわかったのですが、何に使う物かが分からず匙を投げてしまったのです」
「なんという盲点。俺たちはあれが何かを理解しているから、農耕機だという事がわかるけど、この世界の人には分からないのか……それをどうにかしてほしいって事か?」
「そうですね。人力でもできなくはないと思いますが、さすがに時間がかかりすぎるので、区画ごとに貸し出せるようにしたいですね。魔導技師の技量が足りてないんですよね。そこをシュウ様に、何とか解決してもらえないかと思いまして」
「そういう事か、とりあえず見つかった農耕機の扱いはどうなってる?」
「ゴーストタウンというよりは、支配しているディストピアに、帰属していると言った形ですかね」
「そっか、それなら間接的には、俺の持ち物って事か? 自分の物じゃなければ、無理に動かすのも怖いってところだろう? 研究者なら無茶なことしそうな感じがあるけど、無茶しないのかな?」
「ただの魔道具であれば、そうだったかもしれませんが、用途不明の魔道具だから二の足を踏んでいましたね」
「俺が壊れてもいいから、1度動かしてみればいいか? それで1回分解して、組み立ててみれば問題ないか?」
「シュウ様が主導して行うのであれば、魔導技師たちも何も言わないかと思われます」
「そっか、俺がやるんじゃなくて、許可を出して思う存分やってもらえばいいって事か? 一番初めは俺がやろうかな? 1個は壊してもいい勢いで分解しよう! まぁ俺が作ったから問題なく分解できるし、それを覚えてもらえば、それでいいかな?」
「そこらへんは任せてもいいでしょうか?」
おっと、俺の得意技の丸投げが、ガリアから発動されてしまった。普段俺ってこんなことしているのか……たまにはしょうがないよな。やってやろうじゃないか!
「わかったよ。明日からでいいか? 今日中に技師たちに、俺たちが行くって伝えておいてくれ。アリスとライムを連れて行って分解するわ。ゴーストタウンの人には連絡しておいてね」
ガリアとの話も終わり明日の事を考え始める。俺は考え事をしながら歩いていると、周りの事を気にしなくなるため、クロとギンが俺を挟んで歩き誘導してくれているのだが、いつも甘えん坊だな……なんて考えて背中を撫でながら、考え事に没頭する形になる。
そういった姿は度々見られるため、街の住人も分かっているようで、俺が2匹に挟まれている時は、道をあけてくれるようになっている。
家に帰るまでに色々考えたが、自分で作った物を分解するわけで、どうしたもんだか考えがまとまらない。何となく、分解してパーツに番号をふって、また組み立てられるようにすればよくね? 位の考えになってしまった。
俺には絵心が無いから、絵のうまい人に書いてもらって、分解していくしかないかな? それで俺たち以外の魔導技師で、元に戻せなければそれはそれでしょうがないか? そこまでは責任はとれん!
夕食後にライムとアリスには、明日一緒にゴーストタウンで出土された農耕機を、ディストピアの領主兼魔導技師という立場で、動かしたり分解したりする予定だと伝えて、準備してもらう事にした。
次の日、俺の姿はゴーストタウンの地下、農耕機の置いてあった新しい建物の中にあった。
「知らない人もいるかもしれないけど、ディストピアやゴーストタウンの領主をしているシュウです。政ごとは、グリエルとかガリアに任せっきりなので、名前だけの領主みたいなものです。作ったり発見したりしたから領主をやっています。
個人的には魔道具を作ったりするのが好きなので、今回のこのよく分からない乗り物のような物の調査に来ました。良く分からないけど、間接的に俺の持ち物になってしまったようなので、気軽に分解して中を調べたいと思います。
もし壊れても、何台もあるうちの1台の使えないものが壊れるだけなので、気にする必要はないかと思って分解しに来ました」
建前を並べて暗に壊すつもりで、分解すると言う旨を伝えた。といっても、魔導技師たちにやらせるわけにはいかないので、
「早速開始しようか。誰か絵が得意な人はいるかな? 色々描いてもらいたいんだけど……」
そうすると、10人いるうちの魔導技師の3人が手をあげた。ライムも絵がうまいので、
「そっちの3人とライムは、悪いけどこの魔道具のスケッチをお願いしていいかな?」
20分位すると全員が書き終わった。おぉ、みんな上手いな、俺の絵とは大違いだな。
「分解できそうなところから分解してくから、分解した物のスケッチをお願い。一応番号をつけて、どの部分がどこにあったか、書き込んで行こうと思うのでよろしく」
写真みたいなものがあれば楽なんだけどな……そんな便利な物はないか。今度つくってみるか?
そんなことを考えながらも、俺の手の動きは止まっていない。そもそも、俺はこれを作っているのだが、メンテナンスが難しくて、俺がやらなきゃいけない事にならないように、簡単にメンテナンスが出来るよう、分解しやすくしたつもりなんだがな……
「思ったより分解しやすいな。感覚的には、パーツ毎にはめ込める感じかな? ここの機能は後で調べるとして、スケッチは大丈夫かな?」
みんなで、手分けをしてパーツ毎に書いているため、かかなり作業効率が上がっている。
3時間程作業を続けて、分解と再構成を出来るようになっている。個々のパーツの機能は、そこから1週間程かけて解明され、整備も進み、俺が介入してから3週間程で農耕機が使えるようになった。
直す過程で動かしてみた際に、耕す事も出来るとわかり、当初の目論見通りエリア毎に貸し出されるように話が進んだ。
ちなみに俺が手伝ったのは最初の分解と、再構成する際にアドバイス、試運転位で、あとは任せておいたので、たいして手間がかかっていなかった。
細かいパーツに関しては、エンジンとなる魔力を供給する機関以外は、多少精度が求められるだけで、この世界の技術でも再現は可能だと、思われるもので作成しているので、いざって時も大丈夫だろう。ドワーフなら問題ないので、最悪ディストピアに依頼が来るだろう。
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