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第671話 やっぱり巻き込まれる
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ジャルジャンのフェピーの領主館から帰る最中に、今一番会ってはいけない勇者一向に出会ってしまった。
何で分かったかと言えば、純粋な日本人とは思えないが、日本人の特徴を持った、ハーフやクオーターの様な顔立ちだったからだ。バザールは何でそれに気付けなかった? 何百年もアンデッドしか見てなかったからか? 脳ミソまで腐ってるのかもしれないな。
自分の姿はそのまま写したドッペルだから、純粋な日本人顔なんだよな……ばれるか? 不自然にならないように近くの店に入り、勇者一行がいなくなるのを待った。
最悪な事に隠れるために入っていたのが、魔道具屋だった為か勇者一行も入ってきてしまった。
「ん? 何か日本人っぽい顔の奴がいるな」
明らかに日本語とわかる言葉で、コソコソとしゃべっている声が聞こえた。内心ヤバいと思ったが知らん顔を貫くことにした。
「何であいつの周りに、三人も幼い女の子がいるんだ? ロリコンか?」
ロリコンと言われて、ぴくっと反応してしまいそうになった! ロリコンじゃねえよ!
「まぁいい……いや、まて! あいつらの腕につけてるのって、収納の腕輪じゃねえか? 俺らも一個しか持ってないのに、四つも持ってるぞ」
やばい、隠しておくべきだった。
「そこの四人組ちょっといいかな?」
話しかけてくるなよ、仕方がないけど対応しないとな。
「なんでしょうか?」
「君たちの腕につけているのは、収納の腕輪だよな?」
「俺のは本物だけど、こっちの娘たちのは、真似て作ってもらった模倣品だよ。みんなで一緒の物をつけているだけさ」
「……やっぱり、ロリコンか?」
「ご主人様は、ロリコンじゃないの! 私たちは立派なレディーなの!」
とシェリルが怒って反応してしまった。
「え!? 何でロリコンっていう言葉を知っているんだ? この世界では、ロリコンっていう概念はなかったはずだが……お前、ロリコンって知ってるか?」
勇者のパーティーメンバーの一人、いわゆるこの世界の人間に聞いていた。しばらく考え込んだ聞かれた人間は、首をふり知らない事を強調する。
「って事は、お前かお前に近い人間に、地球から召喚された奴がいるってことか……話が聞きたい、ちょっと一緒に来てもらおうか」
「え? 嫌ですよ。知らない人間についていくわけ、ないじゃないですか。良心から収納の腕輪の話をしたけど、一緒に行ったところで、俺には何のメリットもないですからね。どんな危険があるか分からないですから、行くわけないですよ」
そういうと、勇者のパーティーメンバーが前に出てきて、
「この方たちは、勇者としてこの世界に召喚された、選ばれた人たちなんですよ。そんな人たちと話せるという事自体光栄な事なのに、そのお方からお誘いを受けて、拒否するなんて許されないのですよ?」
俺の事を諭すように、話しかけてくる奴に若干イラつきながら、
「それは、貴方の理論ですよね? 俺は勇者とやらに、何の恩恵も受けてはいないですし、今まで何人かの勇者にあった事がありますが、急に攻撃を仕掛けられ死にかけた事すらあるんです。
素性の分からない人間に、ついていく事は普通しませんし、勇者と名乗る人が相手ならなおさら、ついていくわけがないじゃないですか」
「貴様、この方たちを愚弄するのか?」
「俺がいつ、そいつらを愚弄したんだ? 俺が文句を言ったのは、勇者と名乗った奴らに迷惑にあった事だぞ。論点をすり替えるのはやめていただきたい」
怒っていた奴がさらに、何かを言おうとしていたが、勇者と言われていた奴に止められている。
「不快に思う事は有りますが、確かに俺が文句を言われたわけじゃないですから、これ以上ケチ付けるのは良くないですよ。それで、あなたは何てお名前ですか?」
「普通なら、自分から名乗るんじゃないのか?」
止められた人間が武器を抜いたため、戦闘態勢に入るがもう一人の勇者に蹴飛ばされて、その場に倒れる。
「度々、申し訳ない。こいつには言い聞かせておくので、許していただきたい。で、自己紹介がまだだったな。俺は、シンゴ。シンゴ・アルベルトだ。言って分かるか分からないが、出身地は日本の埼玉という所だ」
予想通り日本人とのハーフかクオーターって事だろう。名前をどうするか、日本人名は拙い気はするけど、適当に言っておくか。
「どんな場所か知らんな。俺は、シュウ、シュウ・エレメントだ」
俺って偽名を名乗る才能ねえな。苗字っぽいのと思って考えてみたが、パッと思いついたのが四大精霊の顔だった為、ふと出てしまった。近くにいた三人は、頭の上にハテナマークを浮かべている顔だが、無視しておく。
「シュウ……シュウか、日本っぽい名前だな。っていう事は、親かその親族辺りに日本人がいたってことか? 俺は、シュウの親かその親族と同じ土地からきている。だからというわけではないが、出来れば信用してもらいたい。君から話を聞きたいだけなんだ」
「と言われても、俺たちは時間つぶしにこの店に入っただけで、そろそろ移動しなきゃいけないんだから暇はない」
「遅れたことによる損失は、こっちで埋め合わせをするから何とかならないか?」
「無理だな。こう見えても忙しい身だからな。君たちが俺をとどめることによって出る損失を、払えるとはとても思えない。踏み倒されても困るし、身の危険になっても困るから、いくら頼まれても無理だ。じゃあ失礼する。三人ともいくよ」
話についていけないシェリル・イリア・ネルを連れて店を出て行く。勇者のパーティーのメンバーが、怒鳴り声を上げているが無視無視。俺はそのまま自分の商会に向かって歩いていく。
途中マップ先生で勇者のパーティーを見ているが、あそこにいたメンバーは動いていないが、あのパーティーの斥候だと思われる奴に、後をつけられているようだ。
三人に小さな声で二つ目の路地を曲がったら、すぐ次のお店に入ってちょっとした軽食を、注文しといてとお願いして、俺はステータスをフルに使った隠密行動に移った。
後ろから観察していると、路地にでも入ったと思ったのか、先を覗いて進んでいくようだ……
何で分かったかと言えば、純粋な日本人とは思えないが、日本人の特徴を持った、ハーフやクオーターの様な顔立ちだったからだ。バザールは何でそれに気付けなかった? 何百年もアンデッドしか見てなかったからか? 脳ミソまで腐ってるのかもしれないな。
自分の姿はそのまま写したドッペルだから、純粋な日本人顔なんだよな……ばれるか? 不自然にならないように近くの店に入り、勇者一行がいなくなるのを待った。
最悪な事に隠れるために入っていたのが、魔道具屋だった為か勇者一行も入ってきてしまった。
「ん? 何か日本人っぽい顔の奴がいるな」
明らかに日本語とわかる言葉で、コソコソとしゃべっている声が聞こえた。内心ヤバいと思ったが知らん顔を貫くことにした。
「何であいつの周りに、三人も幼い女の子がいるんだ? ロリコンか?」
ロリコンと言われて、ぴくっと反応してしまいそうになった! ロリコンじゃねえよ!
「まぁいい……いや、まて! あいつらの腕につけてるのって、収納の腕輪じゃねえか? 俺らも一個しか持ってないのに、四つも持ってるぞ」
やばい、隠しておくべきだった。
「そこの四人組ちょっといいかな?」
話しかけてくるなよ、仕方がないけど対応しないとな。
「なんでしょうか?」
「君たちの腕につけているのは、収納の腕輪だよな?」
「俺のは本物だけど、こっちの娘たちのは、真似て作ってもらった模倣品だよ。みんなで一緒の物をつけているだけさ」
「……やっぱり、ロリコンか?」
「ご主人様は、ロリコンじゃないの! 私たちは立派なレディーなの!」
とシェリルが怒って反応してしまった。
「え!? 何でロリコンっていう言葉を知っているんだ? この世界では、ロリコンっていう概念はなかったはずだが……お前、ロリコンって知ってるか?」
勇者のパーティーメンバーの一人、いわゆるこの世界の人間に聞いていた。しばらく考え込んだ聞かれた人間は、首をふり知らない事を強調する。
「って事は、お前かお前に近い人間に、地球から召喚された奴がいるってことか……話が聞きたい、ちょっと一緒に来てもらおうか」
「え? 嫌ですよ。知らない人間についていくわけ、ないじゃないですか。良心から収納の腕輪の話をしたけど、一緒に行ったところで、俺には何のメリットもないですからね。どんな危険があるか分からないですから、行くわけないですよ」
そういうと、勇者のパーティーメンバーが前に出てきて、
「この方たちは、勇者としてこの世界に召喚された、選ばれた人たちなんですよ。そんな人たちと話せるという事自体光栄な事なのに、そのお方からお誘いを受けて、拒否するなんて許されないのですよ?」
俺の事を諭すように、話しかけてくる奴に若干イラつきながら、
「それは、貴方の理論ですよね? 俺は勇者とやらに、何の恩恵も受けてはいないですし、今まで何人かの勇者にあった事がありますが、急に攻撃を仕掛けられ死にかけた事すらあるんです。
素性の分からない人間に、ついていく事は普通しませんし、勇者と名乗る人が相手ならなおさら、ついていくわけがないじゃないですか」
「貴様、この方たちを愚弄するのか?」
「俺がいつ、そいつらを愚弄したんだ? 俺が文句を言ったのは、勇者と名乗った奴らに迷惑にあった事だぞ。論点をすり替えるのはやめていただきたい」
怒っていた奴がさらに、何かを言おうとしていたが、勇者と言われていた奴に止められている。
「不快に思う事は有りますが、確かに俺が文句を言われたわけじゃないですから、これ以上ケチ付けるのは良くないですよ。それで、あなたは何てお名前ですか?」
「普通なら、自分から名乗るんじゃないのか?」
止められた人間が武器を抜いたため、戦闘態勢に入るがもう一人の勇者に蹴飛ばされて、その場に倒れる。
「度々、申し訳ない。こいつには言い聞かせておくので、許していただきたい。で、自己紹介がまだだったな。俺は、シンゴ。シンゴ・アルベルトだ。言って分かるか分からないが、出身地は日本の埼玉という所だ」
予想通り日本人とのハーフかクオーターって事だろう。名前をどうするか、日本人名は拙い気はするけど、適当に言っておくか。
「どんな場所か知らんな。俺は、シュウ、シュウ・エレメントだ」
俺って偽名を名乗る才能ねえな。苗字っぽいのと思って考えてみたが、パッと思いついたのが四大精霊の顔だった為、ふと出てしまった。近くにいた三人は、頭の上にハテナマークを浮かべている顔だが、無視しておく。
「シュウ……シュウか、日本っぽい名前だな。っていう事は、親かその親族辺りに日本人がいたってことか? 俺は、シュウの親かその親族と同じ土地からきている。だからというわけではないが、出来れば信用してもらいたい。君から話を聞きたいだけなんだ」
「と言われても、俺たちは時間つぶしにこの店に入っただけで、そろそろ移動しなきゃいけないんだから暇はない」
「遅れたことによる損失は、こっちで埋め合わせをするから何とかならないか?」
「無理だな。こう見えても忙しい身だからな。君たちが俺をとどめることによって出る損失を、払えるとはとても思えない。踏み倒されても困るし、身の危険になっても困るから、いくら頼まれても無理だ。じゃあ失礼する。三人ともいくよ」
話についていけないシェリル・イリア・ネルを連れて店を出て行く。勇者のパーティーのメンバーが、怒鳴り声を上げているが無視無視。俺はそのまま自分の商会に向かって歩いていく。
途中マップ先生で勇者のパーティーを見ているが、あそこにいたメンバーは動いていないが、あのパーティーの斥候だと思われる奴に、後をつけられているようだ。
三人に小さな声で二つ目の路地を曲がったら、すぐ次のお店に入ってちょっとした軽食を、注文しといてとお願いして、俺はステータスをフルに使った隠密行動に移った。
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